コンテンツにスキップ

道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う交通警察の運営について (平成21年6月22日)

提供:Wikisource
各 附 属 機 関 の 長 殿
各 地 方 機 関 の 長
各都道府県警察の長
(参考送付先)
庁 内 各 局 部 課 長

警 察 庁 丙 運 発 第 2 9 号

警察庁丙交企発 第 7 2 号

警察庁 丙 交指発第 2 4 号

警 察 庁 丙 規 発 第 1 3 号

平 成 2 1 年 6 月 2 2 日

警 察庁交 通 局 長


道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う交通警察の運営について

 道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令(平成21年内閣府令第33号。以下「改正府令」という。別添1)及び車体の構造上その運転に係る走行の特性が二輪の自動車の運転に係る走行の特性に類似するものとして内閣総理大臣が指定する三輪の自動車を指定する内閣府告示(平成21年内閣府告示第249号。以下「告示」という。別添2)が本日公布され、本年9月1日から施行されることとなった。これらの趣旨、内容及び留意事項は、下記のとおりであるので、円滑かつ適切に施行されるよう、関係事務の運営に万全を期されたい。

1 趣旨

これまで、大型自動二輪車又は普通自動二輪車に区分する基準となる車体の構造は、「二輪の自動車(側車付きのものを含む。)」とされ、三輪の自動車は側車付きの大型自動二輪車又は普通自動二輪車に該当しない限り、普通自動車に区分されていた。しかし、三輪の自動車の中には、車輪及び車体を傾斜して旋回する構造を有するなど、従来の三輪の普通自動車とは異なる構造の車両が相当数存在することが明らかとなり、これらの車両の運転特性について確認を行った結果、二輪車に近い運転特性が認められたことから、これを二輪の自動車とみなし、大型自動二輪車又は普通自動二輪車に区分することとしたものである。併せて、改正府令の施行の際現に普通自動車対応免許(道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)第71条の5第2項に規定する普通自動車対応免許をいう。以下同じ。)を受けており、かつ、二輪の自動車とみなされ、大型自動二輪車に区分されることとなる三輪の自動車(以下「特定大型自動二輪車」という。)又は普通自動二輪車に区分されることとなる三輪の自動車(以下「特定普通自動二輪車」という。)(以下これらを「特定二輪車」と総称する。)の運転に従事している者(以下「特定二輪車運転従事者」という。)が、改正府令及び告示の施行後も、特定二輪車の安全な運転を継続できるよう、所要の経過措置を設けることとしたものである。

2 内容

(1) 自動車の区分の見直し
車体の構造上その運転に係る走行の特性が二輪の自動車の運転に係る走行の特性に類似するものとして内閣総理大臣が指定する三輪の自動車については、二輪の自動車とみなして、改正府令による改正後の道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「府令」という。)第2条の表を適用することとするとともに、内閣総理大臣が指定する三輪の自動車を、次に掲げるすべての要件を満たすものとした。(府令第2条及び告示)
ア 3個の車輪を備えていること。
イ 車輪が車両中心線に対して左右対称の位置に配置されていること。
ウ 同一線上の車軸における車輪の接地部中心点を通る直線の距離が460ミリメートル未満であること。
エ 車輪及び車体の一部又は全部を傾斜して旋回する構造を有すること。
(2) 経過措置
ア 特定二輪車運転従事者が特定二輪車を運転する場合の経過措置
特定二輪車運転従事者が受けている普通自動車対応免許については、施行日(本年9月1日。以下同じ。)から起算して1年を経過する日(平成22年8月31日。以下同じ。)までの間は、特定二輪車の運転に従事する場合に限り、大型自動二輪車免許(以下「大型二輪免許」という。)又は普通自動二輪車免許(以下「普通二輪免許」という。)(以下これらを「二輪免許」と総称する。)とみなして、二輪の自動車のうち特定二輪車に限り運転することを可能とした。また、このみなしは、施行日から起算して1年を経過する日以前に二輪免許を受けた者(下記イ(イ)による免許(以下「特定二輪車限定免許」という。)を受けた者を含む。)については、その免許を受けた日までの間とした。(改正府令附則第2項及び第3項)
イ 特例試験の実施
(ア) 特例試験の実施都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、特定二輪車運転従事者に対しては、施行日から起算して1年を経過する日までの間は、技能試験において特定大型自動二輪車を使用する大型二輪免許の運転免許試験又は技能試験において特定普通自動二輪車を使用する普通二輪免許の運転免許試験(以下「特例試験」という。)を行うことができることとした。(改正府令附則第4項及び第5項)
(イ) 特定二輪車限定免許の付与
公安委員会は、特例試験に合格した者に対し、二輪免許を与えるときには、運転することができる自動車の種類を、大型二輪免許にあっては特定大型自動二輪車及び特定普通自動二輪車に、普通二輪免許にあっては特定普通自動二輪車に限定することとした。(改正府令附則第6項)
(ウ)運転従事証明書の添付
特例試験を受けようとする者は、特定二輪車の運転に従事している者に該当する者であることを証明する書類を運転免許申請書に添付しなければならないこととした。(改正府令附則第8項)
(エ)取得時講習の免除
上記(イ)による二輪免許を受けようとする者については、取得時講習の受講を免除することとした。(改正府令附則第12項)
ウ 二人乗りに関する特例
二輪免許を受けた者は、二輪免許を受けていた期間が通算して1年(高速自動車国道等においては、20歳以上であり、かつ、二輪免許を受けていた期間が通算して3年)に達しないときは、二人乗りをすることができないこととされている(法第71条の4第3項から第6項まで及び道路交通法施行令(昭和35年政令第270号。以下「令」という。)第26条の3の3)が、特定二輪車運転従事者については、次の特例を定めた。
(ア) 施行後に二輪免許(特定二輪車限定免許を含む。)を受けるまでの間の二人乗りについて上記アにより普通自動車対応免許が二輪免許とみなされている者については、二輪免許(特定二輪車限定免許を含む。)を受けるまでの間、二人乗りをすることができることとした。(改正府令附則第9項)
(イ) 二輪免許(特定二輪車限定免許を含む。)を受けた後の二人乗りについて二輪免許を受けた日前に特定二輪車の運転に従事していた期間(以下「運転従事期間」という。)を証明する書類を、住所地を管轄する公安委員会に提示し、運転従事期間の確認を受けることにより、次の者について、特定二輪車の運転従事期間を二輪免許を受けていた期間とみなして、二人乗りの条件に関する期間を計算することとした。(改正府令附則第10項及び第11項)
a 特定二輪車限定免許を受けた者
b 施行日から1年6月以内に二輪免許を受けた者(上記aに該当する者を除く。)
なお、施行日から1年6月以内に二輪免許を受けた者を特例の対象としたのは、令第26条の3の3の規定により、現在受けている二輪免許を受けた日前6月以内に二輪免許を受けていたことがある者については、当該受けていたことがある二輪免許を受けていた期間についても二人乗りの運転経験に算入することとされているところ、特定二輪車運転従事者については、上記アのとおり、施行日から起算して1年を経過する日までの間は、二輪免許を取得しなくとも特定二輪車を運転することが可能とされたことから、施行日から起算して1年を経過する日の後、6月以内に二輪免許を受けた者についても、これと同視することができるためである。
c 施行日前に二輪免許を受けた者

3 留意事項

(1) 改正内容の周知の徹底警察庁では特定二輪車の輸入業者及び販売業者に協力を依頼し、自動車の区分が変更され、特定二輪車を運転する際には二輪免許を要することとなること、これに伴い交通規制や運転者の遵守事項等の道路交通法上の取扱いが変更されること及び特定二輪車運転従事者に対して特例試験を実施することとしていることなどを周知することとしている。都道府県警察においても、ホームページに掲載するほか、販売業者等に協力を求めるなどして、これらの周知の徹底を図ること。周知に当たっては、特に次の事項について誤りのないように留意すること。
ア 特定二輪車を運転する者は、施行日以後、運転の際に乗車用ヘルメットをかぶらなければならないこと。
イ 特定二輪車運転従事者は、施行日から1年を経過する日までの間、特例試験を受け、これに合格した者は、特定二輪車限定免許を受けることができること。
ウ 特定二輪車運転従事者は、施行日から1年を経過する日までの間(二輪免許(特定二輪車限定免許を含む。)を受けたときは、当該免許を受けた日までの間)、特定二輪車を運転することができ、この場合には、下記エの二人乗りの規制は及ばないこと。
エ 二輪免許(特定二輪車限定免許を含む。)を受けた特定二輪車運転従事者にあっては当該免許を受けた日以後、特定二輪車運転従事者以外の特定二輪車を運転する者にあっては施行日以後、二輪免許(特定二輪車限定免許を含む。)を受けていた期間と公安委員会の確認を受けた運転従事期間が通算して1年(高速自動車国道等においては、20歳以上であり、かつ、二輪免許(特定二輪車限定免許を含む。)を受けていた期間と公安委員会の確認を受けた運転従事期間が通算して3年)に達しないときは、二人乗りをすることができないこと。
オ 特定二輪車を運転する者は、施行日以後、二輪の自動車に対する通行の禁止等の交通規制に従わなければならないこと。
カ 施行日以後、特定二輪車が高速自動車国道の本線車道を通行する場合の最高速度は、100キロメートル毎時(施行日前は、特定二輪車は三輪の普通自動車に該当していたため、80キロメートル毎時)であること。
(2) 職員に対する教養の実施特定二輪車を運転する者に対する法令の適用や特例試験の手続等の教示に誤りのないよう、交通指導取締りに従事し、又は問い合わせを受けることが予想される職員に対する教養を行うこと。
(3) その他特例試験の実施方法、二人乗りの条件に関する期間を計算するための特定二輪車の運転従事期間の確認手続、運転者管理システムにおける処理方法、特定二輪車を運転する者に対する交通指導取締りに当たっての留意事項等については、別途通達する。

この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
  5. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。