親任式及び認証官任命式の次第

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宮内府長官官房宮発第96号[編集]

昭和二十二年五月三日
宮内府長官 松平 慶民
内閣総理大臣 吉田 茂 殿

親任式及び認証官任命式の次第は、別紙の通り定められましたから、御通知致します。

親任式の次第[編集]

当日任官者(服装は通常服とする。)は、定刻に参内する。

内閣総理大臣は、定刻に官記を奉じて(内閣事務官が捧持する。)便殿に参進し、所定の位置に着く。

次に天皇(御服は御通常服とする。)が出御あらせられる。

式部頭が前行し、侍従長、侍従が御後に従う。

次に任官者が御前に参進する。

次に任官者に勅語を賜る。

次に内閣総理大臣が官記を任官者に授ける。

次に任官者が退下する。

次に天皇が入御あらせられる。

供奉は、出御のときと同様とする。

次に各員が退下する。

(注意)内閣総理大臣が、任命せられるときは、他の国務大臣がこの儀式に於ける内閣総理大臣に代わる。
関係者の服装は通常服とする。

認証官任命式の次第[編集]

当日任官者(服装は通常服とする。)は、定刻に参内する。

内閣総理大臣は、定刻に官記を捧持して(内閣事務官が捧持する。)便殿に参進し、所定の位置に着く。

次に天皇(御服は御通常服とする。)が出御あらせられる。

式部頭が前行し、侍従長、侍従が御後に従う。

次に任官者が便殿に参進する。

次に内閣総理大臣が官記を任官者に授ける。

次に天皇が任官者の敬礼を受けさせられる。

次に任官者が退下する。

次に天皇が入御あらせられる。

供奉は、出御のときと同様とする。

次に各員が退下する。

(注意)関係者の服装は、通常服とする。

宮内府長官官房宮発第111号[編集]

昭和二十二年五月二十四日
宮内府長官 松 平 慶 民
内閣官房長官 林  讓 治 殿

親任式次第について、本月三日附宮内大臣官房[1]宮発第九六号で、内閣総理大臣宛に御通知しました処、左記の通り変更しましたから御通知します。

注意の項

「内閣総理大臣が[2]任命せられるときは、他の国務大臣が、[3]この儀式に於ける内閣総理大臣に代わる。

関係者の服装は、[4]通常服とする。」[5]

「内閣総理大臣任官のときは、衆議院議長及び参議院議長が、式に列する。この場合において、内閣総理大臣再任のときは、この式における内閣総理大臣の職務は、他の国務大臣が、これを行う。

関係者の服装は、通常服とする。」に改める。

備考[編集]

  1. 5月2日までの旧組織名である「宮内大臣官房」でなく新組織名「宮内府長官官房」での表記となるべき箇所であるが、補正せずそのまま掲載。
  2. 宮発第96号の原本画像の当該部分にはここに読点がある。
  3. 宮発第96号の原本画像の当該部分には読点は見当たらない。
  4. 宮発第96号の原本画像の当該部分には読点は見当たらない。
  5. 宮発第111号の原本画像では『」。』のように句点が閉じカギ括弧の後となっているが、明らかな誤記であるため補正して掲載。

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

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