著作権法の一部を改正する法律 (昭和44年法律第82号)/著作権法

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第一章 著作者ノ権利[編集]

第一条【著作権の内容】
  1. 文書演述図画建築彫刻模型写真演奏歌唱其ノ他文芸学術若ハ美術(音楽ヲ含ム以下之ニ同ジ)ノ範囲ニ属スル著作物ノ著作者ハ其ノ著作物ヲ複製スルノ権利ヲ専有ス
  2. 文芸学術ノ著作物ノ著作権ハ翻訳権ヲ包含シ各種ノ脚本及楽譜ノ著作権ハ興行権ヲ包含ス
第二条【譲渡】
著作権ハ其ノ全部又ハ一部ヲ譲渡スルコトヲ得
第三条【保護期間-生前発表著作物】
  1. 発行又ハ興行シタル著作物ノ著作権ハ著作者ノ生存間及其ノ死後三十年間継続ス
  2. 数人ノ合著作ニ係ル著作物ノ著作権ハ最終ニ死亡シタル者ノ死後三十年間継続ス
第四条【同前-死後発表著作物】
著作者ノ死後発行又ハ興行シタル著作物ノ著作権ハ発表又ハ興行ノトキヨリ三十年間継続ス
第五条【同前-無名・変名著作物】
無名又ハ変名著作物ノ著作権ハ興行ノトキヨリ三十年間継続ス但シ其ノ期間内ニ著作者其ノ実名ノ登録ヲ受ケタルトキハ第三条ノ規定ニ従フ
第六条【同前-団体著作物】
官公衙学校社寺協会会社其ノ他ノ団体ニ於テ著作ノ名義ヲ以テ発行又ハ興行シタル著作物ノ著作権ハ発表又ハ興行ノトキヨリ三十年間継続ス
第七条【同前-翻訳権】
  1. 著作権者原著作物発行ノトキヨリ十年内ニ其ノ翻訳物ヲ発行セサルトキハ其ノ翻訳権ハ消滅ス
  2. 前項ノ期間内ニ著作権者其ノ保護ヲ受ケントスル国語ノ翻訳物ヲ発行シタルトキハ其ノ国語ノ翻訳権ハ消滅セス
第八条【同前-継続的刊行物】
  1. 冊号ヲ逐ヒ順次ニ発行スル著作物ニ関シテハ前四条ノ期間ハ毎冊又ハ毎号発行ノトキヨリ起算ス
  2. 一部分ツツヲ漸次ニ発行シ全部完成スル著作物ニ関シテハ前四条ノ期間ハ最終部分ノ発行ノトキヨリ起算ス但シ三年ヲ経過シ仍継続ノ部分ヲ発行セサルトキハ既ニ発行シタル部分ヲ以テ最終ノモノト看倣ス
第九条【期間の計算】
前六条ノ場合ニ於テ著作権ノ期間ヲ計算スルニハ著作者死亡ノ年又ハ著作物ヲ発行又ハ興行シタル年ノ翌年ヨリ起算ス
第十条【相続人の不存在】
相続人ナキ場合ニ於テ著作権ハ消滅ス
第十一条【著作権の目的とならない著作物】
左ニ記載シタルモノハ著作権ノ目的物ト為ルコトヲ得ス
法律命令及公文書
新聞紙又ハ雑誌ニ記載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述
第十二条【無名・変名著作物の権利保全】
無名又ハ変名ノ著作物ノ発行者又ハ興行者ハ著作権者ニ属スル権利ヲ保全スルコトヲ得但シ著作者其ノ実名ノ登録ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十三条【共同著作物】
  1. 数人ノ合著作ニ係ル著作物ノ著作権ハ各著作者ノ共有ニ属ス
  2. 各著作者ノ分担シタル部分明瞭ナラサル場合ニ於テ著作者中ニ其ノ発行又ハ興行ヲ拒ム者アルトキハ他ノ著作者ハ其ノ者ニ賠償シテ其ノ持分ヲ取得スルコトヲ得但シ反対ノ契約アルトキハ此ノ限ニ在ラス
  3. 各著作権者ノ分担シタル部分明瞭ナル場合ニ於テ著作者中ニ其ノ発行又ハ興行ヲ拒ム者アルトキハ他ノ著作者ハ自己ノ部分ヲ分離シ単独ノ著作物トシテ発行又ハ興行スルコトヲ得但シ反対ノ契約アルトキハ此ノ限ニ在ラス
  4. 本条第二項ノ場合ニ於テハ興行ヲ拒ミタル著作者ノ意ニ反シテ其ノ氏名ヲ其ノ著作物ニ掲クルコトヲ得ス
第十四条【編集著作物】
数多ノ著作物ヲ適法ニ編輯シタル者ハ著作者ト看倣シ其ノ編輯物全部ニ付テノミ著作権ヲ有ス但シ各部ノ著作権ハ其ノ著作者ニ属ス
第十五条【登録】
  1. 著作権ノ相続譲渡又ハ質入ハ其ノ登録ヲ受クルニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス
  2. 無名又ハ変名ノ著作物ノ著作者ハ現ニ其ノ著作権ヲ有スルト否トニ拘ラズ其ノ実名ノ登録ヲ受クルコトヲ得
  3. 著作者ハ現ニ其ノ著作権ヲ有スルト否トニ拘ラズ其ノ著作物ノ著作年月日ノ登録ヲ受クルコトヲ得
  4. 著作権者其ノ著作物ヲ始メテ発行シタルトキハ著作権者又ハ著作物ノ発行者ハ一年以内ニ限リ第一発行年月日ノ登録ヲ受クルコトヲ得
第十六条【登録庁】
  1. 登録ハ行政庁之ヲ行フ
  2. 登録ニ関スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七条【差押禁止物】
未タ発行又ハ興行セサル著作物ノ原本及其ノ著作権ハ債権者ノ為ニ差押ヲ受クルコトナシ但シ著作権者ニ於テ承諾ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十八条【著作者人格権】
  1. 他人ノ著作物ヲ発行又ハ興行スル場合ニ於テハ著作者ノ生存中ハ著作者ガ現ニ其ノ著作権ヲ有スルト否トニ拘ラズ其ノ同意ナクシテ著作者ノ氏名称号ヲ変更若ハ隠匿シ又ハ其ノ著作物ニ改竄其ノ他ノ変更ヲ加ヘ若ハ其ノ題号ヲ改ムルコトヲ得ス
  2. 他人ノ著作物ヲ発行又ハ興行スル場合ニ於テハ著作者ノ死後ハ著作権ノ消滅シタル後ト雖モ其ノ著作物ニ改竄其ノ他ノ変更ヲ加ヘテ著作者ノ意ヲ害シ又ハ其ノ題号ヲ改メ若ハ著作者ノ氏名称号ヲ変更若ハ隠匿スルコトヲ得ス
  3. 前二項ノ規定ハ、第二十条、第二十条ノ二、第二十二条ノ五第二項、第二十七条第一項第二項、第三十条第一項第二号乃至第九号ノ場合ニ於テモ之ヲ適用ス
第十九条【改作物】
原著作物ニ訓点、傍訓、句読、批評、注解、附録、図画ヲ加ヘ又ハ其ノ他ノ修正増減ヲ為シ若ハ翻案シタルカ為ニ著作権生スルコトナシ但シ新著作物ト看倣サルヘキモノハ此ノ限ニ在ラス
第二十条【時事問題を論議した記事】
新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル政治上ノ時事問題ヲ論議シタル記事(学術上ノ著作物ヲ除ク)ハ特ニ転載ヲ禁ズル旨ノ明記ナキトキハ其ノ出所ヲ明示シテ之ヲ他ノ新聞紙又ハ雑誌ニ転載スルコトヲ得
第二十条の二【時事問題の公開演述】
時事問題ニ付テノ公開演述ハ著作者ノ氏名、演述ノ時及場所ヲ明示シテ之ヲ新聞紙又ハ雑誌ニ掲載スルコトヲ得但シ同一著作者ノ演述ヲ蒐輯スル場合ハ其ノ著作者ノ許諾ヲ受クルコトヲ要ス
第二十一条【翻訳物】
翻訳者ハ著作者ト看倣シ本法ノ保護ヲ享有ス但シ原著作者ノ権利ハ之カ為ニ妨ケラルルコトナシ
第二十二条【美術著作物の異種複製】
原著作物ト異リタル技術ニ依リ適法ニ美術上ノ著作物ヲ複製シタル物ハ著作者ト看倣シ本法ノ保護ヲ享有ス
第二十二条ノ二【著作権の内容-映画化権等】
文芸、学術又ハ美術ノ範囲ニ属スル著作物ノ著作権ハ其ノ著作物ヲ活動写真術又ハ之ト類似ノ方法ニ依リ複製(脚色シテ映画ト為ス場合ヲ含ム)シ及興行スルノ権利ヲ包含ス
第二十二条ノ三【映画の著作権】
  1. 活動写真又ハ之ト類似ノ方法ニ依リ製作シタル著作物ノ著作者ハ文芸、学術又ハ美術ノ範囲ニ属スル著作物ノ著作者トシテ本法ノ保護ヲ享有ス
  2. 其ノ保護ノ期間ニ付テハ独創性ヲ有スルモノニ在リテハ第三条乃至第六条及第九条ノ規定ヲ適用シ之ヲ欠クモノニ在リテハ第二十三条ノ規定ヲ適用ス
第二十二条ノ四【同前】
他人ノ著作物ヲ活動写真術又ハ之ト類似ノ方法ニ依リ複製(脚色シテ映画ト為ス場合ヲ含ム)シタル物ハ著作者ト看倣シ本法ノ保護ヲ享有ス但シ原著作者ノ権利ハ之ガ為ニ妨ゲラルルコトナシ
第二十二条ノ五【著作権の内容-放送権】
  1. 文芸、学術又ハ美術ノ範囲ニ属スル著作物ノ著作権ハ其ノ著作物ノ無線電話ニ依ル放送ヲ許諾スルノ権利ヲ包含ス
  2. 放送事業者ハ既ニ発行又ハ興行シタル他人ノ著作物ヲ放送セントスルトキハ著作権者ト協議ヲ為スコトヲ要ス協議調ハザルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ文化庁長官ノ定ムル相当ノ償金ヲ支払ヒ其ノ著作物ヲ放送スルコトヲ得
  3. 前項ノ償金ノ額ニ異議アル者ハ訴ヲ以テ其ノ増減ヲ請求スルコトヲ得
  4. 前項ノ訴ニ於テハ著作権者又ハ放送事業者ヲ以テ被告トス
第二十二条ノ六【同前-録音権】
文芸、学術又ハ美術ノ範囲ニ属スル著作物ノ著作権ハ其ノ著作物ヲ音ヲ機械的ニ複製スルノ用ニ供スル機器ニ写調シ及其ノ機器ニ依リ興行スルノ権利ヲ包含ス
第二十二条ノ七【録音物の著作権】
音ヲ機械的ニ複製スルノ用ニ供スル機器ニ他人ノ著作物ヲ適法ニ写調シタル者ハ著作者ト看倣シ其ノ機器ニ付テノミ著作権ヲ有ス
第二十三条【保護期間-写真著作物】
  1. 写真著作権ハ十年間継続ス
  2. 前項ノ期間ハ其ノ著作物ヲ始メテ発行シタル年ノ翌年ヨリ起算ス若シ発行セサルトキハ種版ヲ製作シタル年ノ翌年ヨリ起算ス
  3. 写真術ニ依リ適法ニ美術上ノ著作物ヲ複製シタル者ハ原著作物ノ著作権ト同一ノ期間内本法ノ保護ヲ享有ス但シ当事者間ニ契約アルトキハ其ノ契約ノ制限ニ従フ
第二十四条【同前】
文芸学術ノ著作物中ニ挿入シタル写真ニシテ特ニ其ノ著作物ノ為ニ著作シ又ハ著作セシメタルモノナルトキハ其ノ著作権ハ文芸学術ノ著作物ノ著作者ニ属シ其ノ著作権ト同一ノ期間内継続ス
第二十五条【嘱託による写真肖像】
他人ノ嘱託ニ依リ著作シタル写真肖像ノ著作権ハ其ノ嘱託者ニ属ス
第二十六条【写真類似の著作物】
写真ニ関スル規定ハ写真術ト類似ノ方法ニ依リ製作シタル著作物ニ準用ス
第二十七条【法定許諾】
  1. 著作権者ノ不明ナル著作物ニシテ未タ発行又ハ興行セサルモノハ命令ニ定ムル所ニ依リ之ヲ発行又ハ興行スルコトヲ得
  2. 著作権者ノ居所不明ナル場合其ノ他命令ノ定ムル事由ニ因リ著作権者ト協議スルコト能ハザルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ文化庁長官ノ定ムル相当ノ償金ヲ供託シテ其ノ著作物ヲ発行又ハ興行スルコトヲ得
  3. 前項ノ償金ノ額ニ付異議アル者ハ訴ヲ以テ其ノ増減ヲ請求スルコトヲ得
  4. 前項ノ訴エニ於テハ著作権者又ハ著作物ヲ発行若ハ興行スル者ヲ以テ被告トス
第二十八条【外国人の著作権】
外国人ノ著作権ニ付テハ条約ニ別段ノ規定アルモノヲ除ク外本法ノ規定ヲ適用ス但シ著作権保護ニ関シ条約ニ規定ナキ場合ニハ帝国ニ於テ始メテ其ノ著作物ヲ発行シタル者ニ限リ本法ノ保護ヲ享有ス

第二章 出版権[編集]

第二十八条ノ二【設定】
著作権者ハ其ノ著作物ヲ文書又ハ図画トシテ出版スルコトヲ引受クル者ニ対シ出版権ヲ設定スルコトヲ得
第二十八条ノ三【内容】
出版権者ハ設定行為ノ定ムル所ニ依リ出版権ノ目的タル著作物ヲ原作ノ儘印刷術其ノ他機械的又ハ化学的方法ニ依リ文書又ハ図画トシテ複製シ之ヲ発売頒布スルノ権利ヲ専有ス但シ著作権者タル著作者ノ死亡シタルトキ又ハ設定行為ニ別段ノ定ナキ場合ニ於テ出版権ノ設定アリタル後三年ヲ経過シタルトキハ著作権者ハ著作物ヲ全集其ノ他ノ編輯物ニ輯録シ又ハ全集其ノ他ノ編輯物ノ一部ヲ分離シテ別途ニ之ヲ出版スルコトヲ妨ゲズ
第二十八条ノ四【存続期間】
出版権ハ設定行為ニ別段ノ定ナキトキハ其ノ設定アリタルトキヨリ三年間継続ス
第二十八条ノ五【出版の義務】
  1. 出版権者ハ出版権ノ設定アリタルトキヨリ三月以内ニ著作物ヲ出版スルノ義務ヲ負フ但シ設定行為ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
  2. 出版権者ガ前項ノ義務ニ違反シタルトキハ著作権者ハ出版権ノ消滅ヲ請求スルコトヲ得
第二十八条ノ六【継続出版の義務】
  1. 出版権者ハ著作物ヲ継続シテ出版スルノ義務ヲ負フ但シ設定行為ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
  2. 出版権者ガ前項ノ義務ニ違反シタルトキハ著作権者ハ三月以上ノ期間ヲ定メテ其ノ履行ヲ催告シ其ノ期間内ニ履行ナキトキハ出版権ノ消滅ヲ請求スルコトヲ得
第二十八条ノ七【修正増減・再版】
  1. 著作者ハ出版権者ガ著作物ノ各版ノ複製ヲ完了スルニ至ル迄其ノ著作物ニ正当ン範囲内ニ於テ修正増減ヲ加フルコトヲ得
  2. 出版権者ガ著作物ヲ再版スル場合ニ於テハ其ノ都度予メ著作者ニ其ノ旨ヲ通知スルコトヲ要ス
第二十八条ノ八【消滅の請求】
著作権者ハ其ノ著作物ノ出版ヲ廃絶スル為何時ニテモ損害ヲ賠償シテ出版権ノ消滅ヲ請求スルコトヲ得
第二十八条ノ九【処分】
出版権ハ著作権者ノ同意ヲ得テ其ノ譲渡又ハ質入ヲ為スコトヲ得
第二十八条ノ十【登録】
  1. 出版権ノ得喪、変更及質入ハ其ノ登録ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
  2. 第十六条ノ規定ハ出版権ノ登録ニ付之ヲ準用ス
第二十八条ノ十一【侵害】
出版権ノ侵害ニ付テハ本法中第三十四条及ビ第三十六条ノ二ノ規定ヲ除クノ外偽作ニ関スル規定ヲ準用ス

第三章 偽作[編集]

第二十九条【著作権侵害者の責任】
著作権ヲ侵害シタル者ハ偽作者トシ本法ニ規定シタルモノノ外民法第三編第五章ノ規定ニ従ヒ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スルノ責ニ任ス
第三十条【著作権の制限】
  1. 既ニ発行シタル著作物ヲ左ノ方法ニ依リ複製スルハ偽作ト看倣サス
    第一
    発行スルノ意思ナク且器械的又ハ化学的方法ニ依ラスシテ複製スルコト
    第二
    自己ノ著作物中ニ正当ノ範囲内ニ負イテ節録引用スルコト
    第三
    普通教育上ノ修身書及ビ読本ノ目的ニ供スル為ニ正当ノ範囲内ニ於テ抜萃蒐輯スルコト
    第四
    文芸学術ノ著作物ノ文句ヲ自己ノ著作シタル脚本ニ挿入シ又ハ楽譜ニ充用スルコト
    第五
    文芸学術ノ著作物ヲ説明スルノ材料トシテ美術上ノ著作物ヲ挿入シ又ハ美術上ノ著作物ヲ説明スルノ材料トシテ文芸学術ノ著作物ヲ挿入スルコト
    第六
    図画ヲ彫刻物模型ニ作リ又ハ彫刻物模型ヲ図画ニ作ルコト
    第七
    脚本又ハ楽譜ヲ収益ヲ目的トセズ且出演者ガ報酬ヲ受ケザル興行ノ用ニ供シ又ハ其ノ興行ヲ放送スルコト
    第八
    音ヲ機械的ニ複製スルノ用ニ供スル機器ニ著作物ノ適法ニ写調セラレタルモノヲ興行又ハ放送ノ用ニ供スルコト
    第九
    専ラ官庁ノ用ニ供スル為複製スルコト
  2. 本条ノ場合ニ於テハ其ノ出所ヲ明示スルコトヲ要ス
第三十一条【著作権侵害物の輸入】
帝国ニ於テ発売頒布スルノ目的ヲ以テ偽作物ヲ輸入スル者ハ偽作者ト看倣ス
第三十二条【問題の解答書】
練習用ノ為ニ著作シタル問題ノ解答書ヲ発行スル者ハ偽作者ト看倣ス
第三十三条【善意無過失による侵害】
善意ニシテ且過失ナク偽作ヲ為シテ利益ヲ受ケ之カ為ニ他人ニ損失ヲ及ホシタル者ハ其ノ利益ノ存スル限度ニ於テ之ヲ返還スル義務ヲ負フ
第三十四条【共同著作物の侵害】
数人ノ合著作ニ係ル著作物ノ著作権者ハ偽作ニ対シ他ノ著作権者ノ同意ナクシテ告訴ヲ為シ及自己ノ持分ニ対スル損害ノ賠償ヲ請求シ又ハ自己ノ持分ニ応シテ前条ノ利益ノ返還ヲ請求スルコトヲ得
第三十五条【著作者・発行者の推定】
  1. 偽作ニ対シ民事ノ訴訟ヲ提起スル場合ニ於テハ既ニ発行シタル著作物ニ於テ其ノ著作者トシテ氏名ヲ掲ケタル者ヲ以テ其ノ著作者ト推定ス
  2. 無名又ハ変名著作物ニ於テハ其ノ著作物ニ発行者トシテ氏名ヲ掲ケタル者ヲ以テ其ノ発行者ト推定ス
  3. 未タ発行セサル脚本、楽譜及活動写真術又ハ之ト類似ノ方法ニ依リ製作シタル著作物ノ興行ニ関シテハ其ノ興行ニ著作者トシテ氏名ヲ顕ハシタル者ヲ以テ其ノ著作者ト推定ス
  4. 著作者ノ氏名ヲ顕ハササルトキハ其ノ興行者ヲ以テ其ノ著作者ト推定ス
  5. 第十五条第三項ノ規定ニ依リ著作年月日ノ登録ヲ受ケタル著作物ニ在リテハ其ノ年月日ヲ以テ著作ノ年月日ト推定ス
  6. 第十五条第四項ノ規定ニ依リ第一発行年月日ノ登録ヲ受ケタル著作物ニ在リテハ其ノ年月日ヲ以テ始メテ発行シタル年月日ト推定ス
第三十六条【差止・差押】
  1. 偽作ニ関シ民事ノ出訴又ハ掲示ノ起訴アリタルトキハ裁判所ハ原告又ハ告訴人ノ申請ニ依リ保証ヲ立テシメ又ハ立シメスシテ仮ニ偽作ノ疑アル著作物ノ発売頒布ヲ差止メ若ハ之ヲ差押ヘ又ハ其ノ興行ヲ差止ムルコトヲ得
  2. 前項ノ場合ニ於テ偽作ニ非サル旨ノ判決確定シタルトキハ申請者ハ差止又ハ差押ヨリ生シタル損害ヲ賠償スルノ責ニ任ス
第三十六条ノ二【著作者人格権の侵害】
  1. 第十八条の規定に違反したる行為を為したる者に対しては著作者は著作者たることを確保し又は訂正其の他声望名誉を回復するに適当なる処分を請求し及民法第三編第五章の規程に従ひ損害の賠償を請求することを得
  2. 第十八条の規定に違反したる行為を為したる者に対しては著作者の死後に於ては著作者の親族に於て其の著作者タルコトヲ確保シ又ハ訂正其ノ他声望名誉ヲ回復スルニ適当ナル処分ヲ請求スルコトヲ得
  3. 前二項ノ規定ニ依ル民事ノ訴訟ニ付テハ前二条ノ規定ヲ準用ス
第三十六条ノ三【著作権制度審議会】
文化庁長官ハ第二十二条ノ五第二項又ハ第二十七条第二項ノ規定ニ依ル償金ノ額ヲ定メントスルトキハ著作権制度審議会ニ諮問スベシ

第四章 罰則[編集]

第三十七条【著作権侵害の罪】
偽作ヲ為シタル者及情ヲ知テ偽作物ヲ発行シ又ハ頒布シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス
第三十八条【著作者人格権侵害の罪】
第十八条ノ規定ニ違反シタル者ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス
第三十九条【出所不明の罪】
第二十条、第二十条ノ二及第三十条第二項ノ規定ニ違反シ出所ヲ明示セスシテ複製シタル者並第十三条第四項ノ規定ニ違反シタル者ハ一万円以下ノ罰金ニ処ス
第四十条【著作者名詐称の罪】
著作者ニ非サル者ノ氏名称号ヲ附シテ著作物ヲ発行シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ三万円以下ノ罰金ニ処ス
第四十一条
削除
第四十二条【虚偽登録の罪】
虚偽ノ登録ヲ受ケタル者ハ一万円以下ノ罰金ニ処ス
第四十三条【没収】
偽作物及専ラ偽作ノ用ニ供シタル器械器具ハ偽作者、印刷者、発売者及頒布者ノ所有ニ在ル場合ニ限リ之ヲ没収ス
第四十四条【親告罪】
本章ニ規定シタル罪ハ被害者ノ告訴ヲ待テ其ノ罪ヲ論ス但シ第三十八条ノ場合ニ於テハ著作者ノ死亡シタルトキ並第四十条乃至第四十二条ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
第四十五条
削除

第五章 附則[編集]

第四十六条
  1. 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム[1]
  2. 明治二十六年法律第十六号版権法明治二十年勅令第七十八号脚本楽譜条例明治二十年勅令第七十九号写真版権条例ハ本法施行ノ日ヨリ廃止ス
第四十七条
本法施行前ニ著作権ノ消滅セサル著作物ハ本法施行ノ日ヨリ本法ノ保護ヲ享有ス
第四十八条
  1. 本法施行前偽作ト認メラレサリシ複製物ニシテ既ニ複製シタルモノ又ハ複製ニ著手シタルモノハ之ヲ完成シテ発売頒布スルコトヲ得
  2. 前項ノ複製ノ用ニ供シタル器械器具ノ現存スルトキハ本法施行後五年間仍其ノ複製ノ為之ヲ使用スルコトヲ得
第四十九条
  1. 本法施行前翻訳シ又ハ翻訳ニ著手シ其ノ当時ニ於テ偽作ト認メラレサリシモノハ之ヲ完成シテ発売頒布スルコトヲ得但シ翻訳物ハ本法施行後七年内ニ発行スルコトヲ要ス
  2. 前項ノ翻訳物ハ発行後五年間仍複製スルコトヲ得
第五十条
本法施行前既ニ興行シ若ハ興行ニ著手シ其ノ当時ニ於テ偽作ト認メラレサリシモノハ本法施行後五年間仍之ヲ興行スルコトヲ得
第五十一条
第四十八条乃至第五十条ノ場合ニ於テハ命令ノ定ムル手続ヲ履行スルニ非サレハ其ノ複製物ヲ発売頒布シ又ハ興行スルコトヲ得ス
第五十二条
  1. 第三条乃至第五条中三十年トアルハ演奏歌唱ノ著作権及第二十二条ノ七ニ規定スル著作権ヲ除ク外当分ノ間三十八年トス
  2. 第六条中三十年トアルハ演奏歌唱ノ著作権及第二十二条ノ七ニ規定スル著作権ヲ除ク外当分ノ間三十三年トス
  3. 第二十三条第一項中十年トアルハ当分ノ間十三年トス
附則(昭和三十七年法律第七十四号)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、この法律の施行前に著作権の消滅した著作物については、適用しない。[2]
附則(昭和四十年法律第六十七号)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、この法律の施行前に著作権の消滅した著作物については、適用しない。[3]
附則(昭和四十二年法律第八十七号)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、この法律の施行前に著作権の消滅した著作物については、適用しない。[4]
附則(昭和四十四年法律第八十二号)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、この法律の施行前に著作権の消滅した著作物については、適用しない。[5]

校註[編集]

  1. 明治32年7月15日
  2. 昭和三十七年四月五日から施行
  3. 昭和四十年五月十八日から施行
  4. 昭和四十二年七月二十七日から施行
  5. 昭和四十四年十二月八日から施行

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。