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花󠄁を持てる少女に

提供:Wikisource


花󠄁を持てる少女に


花󠄁をもて

その頰をうちつつ

念ひなくゆく

少女よ

たまたま

ちまたに出できたる

草臥れしわれの

うれしきもの

見たるかな

少女よ いましは

人にして世を美しう

 せるもの

花󠄁は 植物にして

世に榮あらしむるもの

よに美しきもの

ふたつ とり揃へ

あはれめでたき

眺めかな

少女よ

こころなく路傍に

花󠄁をな棄てそ

少女よ いましもよ

人の世の路上に

棄てらるゝなかれ

われ草臥れて世に

ながらふるはあさましけれ、

たまたま

かゝるめでたきもの

見しうれしさに

えたふべからず

この著作物は、1943年に著作者が亡くなって(団体著作物にあっては公表又は創作されて)いるため、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)50年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物は、アメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。