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航空企業の運営体制について

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航空企業の運営体制について

昭和45年11月20日
閣 議 了 解

航空の大量高速輸送の進展に即応しつつ、利用者の利便の増進と安全性の確保を期する観点から、航空企業の運営体制については、下記の方針により、施策を推進するものとする。

特に、安全性の確保については、航空環境の好転に眩惑されることなく、国及び航空企業において安全対策を一層強化するとともに、航空事業の着実な運営を確保することにより、国民の負託に応えるものとする。

1. 国内航空

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(1) 航空企業内容の充実強化を図り、航空の安全性の基礎のうえに、航空機のジェット化・大型化を推進する。
(2) 日本国内航空㈱及び東亜航空㈱が円滑かつ可及的すみやかに合併し、新会社を設立することを促進する。この場合、新会社は、日本航空㈱の技術支援及び資本参加を受けるとともに、広く民間資本の参加を得ることを期待する。なお、新会社は、全日本空輸㈱の協力を得ることが望ましい。
 新会社は、当面、ローカル路線を運営するものとし、将来、安全体制の確立を含め企業基盤の充実強化がなされた段階において、幹線における航空輸送需要の動向に即応し、航空法に定める要件を充足すれば、幹線運営を認めるものとする。
(3) 日本航空㈱と日本国内航空㈱が合併しなくなることに伴う問題の処理は、両者が協議し、政府の承認を受けて決定する。
(4) 航空輸送需要の多いローカル路線については、原則として、同一路線を二社で運営し、輸送サービスの向上を図る。この場合において、過当競争の弊が生ずることのないよう、路線の選択、二社の協調等についても配意するよう努める。

2. 国際航空

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(1) 国際定期航空については、原則として、日本航空㈱が一元的に運営する。この場合、特に独占運営の弊が生ずることのないよう自戒するとともに、国民的要請に応えうる体制の確立に努める。
(2) 近距離国際チャーター航空については、日本航空㈱と全日本空輸㈱の提携のもとに余裕機材を活用し、わが国国際航空の積取比率の向上に資するよう努める。
(3) 貨物専用航空については、急増する国際貨物輸送需要に対処しうる航空企業体制につき、有効な方策を今後早急に検討するとともに、貨物の処理体制を早急に確立する。

この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。