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臺灣街庄制 (大正十四年十二月二十七日律令第二号)

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臺灣街庄制中改正ノ件大正十年法律第三號附則第二項ニ依リ勅裁ヲ得テ茲ニ之ヲ公布ス

大正十四年十二月二十七日

臺灣總督 伊澤多喜男

律令第二號
臺灣街庄制中左ノ通改正ス
第十二條ノ二 街庄長ハ廳長又ハ郡守ノ許可ヲ受ケ街庄ニ常設又ハ臨時ノ委員ヲ置クコトヲ得
委員ハ名譽職トシ街庄ニ住所ヲ有スル者ニ就キ街庄長之ヲ命ス
委員ハ街庄長ノ指揮監督ヲ承ケ委託ヲ承ケタル事務ニ從事ス

附 則

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本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

臺灣街庄制

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第一條

街又ハ庄ノ名稱及區域ハ國ノ行政區劃ニ依ル

第二條

街庄ハ法律、勅令又ハ律令ニ依リ街庄ニ屬セシメタル事務ヲ處理ス

第三條

街庄長ハ街庄ノ事務ヲ擔任シ街庄ヲ代表ス

第四條

街庄役所ノ位置ハ州知事又ハ廳長ノ認可ヲ受ケ街庄長之ヲ定ム

第五條

街庄ニ助役及會計役各一人ヲ置ク但シ街庄長ハ廳長又ハ郡守ノ許可フ受ケ助役ヲ置カス又ハ其ノ定數ヲ增加スルコトヲ得
特別ノ事情アル街庄ニ於テハ州知事又ハ廳長ハ專任ノ會計役ヲ置カス街庄長又ハ街庄吏員ヲシテ之ヲ兼ネシムルコトヲ得
街庄長及助役ハ名譽職トス但シ街庄ハ州知事又ハ廳長ノ許可ヲ受ケ之ヲ有給ト爲スコトヲ得
助役ハ州知事又ハ廳長之ヲ任免ス
街庄長及助役ノ行期ハ四年トス
會計役ハ有給トス州知事又ハ廳長之ヲ任免シ其ノ任期ハ四年トス

第六條

前條ニ定ムル者ノ外街庄ニ有給ノ吏員ヲ置クコトヲ得
前項ノ吏員ハ街庄長ノ具狀ニ依リ廳長又ハ郡守之ヲ任免ス

第七條

助役ハ街庄長ノ事務ヲ補助ス
街庄長事故アルトキハ助役其ノ職務ヲ代理ス助役數人アルトキハ街庄長ノ豫メ定メタル順序ニ依リ之ヲ代理ス但シ助役ヲ置カサル街庄ニ在リテハ上席ノ吏員之ヲ代理ス

第八條

會計役ハ街庄ノ會計事務ヲ掌ル
街庄長ハ會計役事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理セシムヘキ吏員ヲ定メ廳長又ハ郡守ノ認可ヲ受クヘシ

第九條

第六條ノ吏員ハ街庄長ノ命ヲ承ケ事務ニ從事ス

第十條

街庄長又ハ吏員ハ法令ノ定ムル所ニ依リ國、州其ノ他公共團體ノ事務ヲ掌ル
前項ノ事務ノ執行ニ要スル費用ハ街庄ノ負擔トス但シ法令中別段ノ定アルモノハ此ノ限ニ在ラス

第十一條

州知事又ハ廳長ハ助役及會計役ニ對シ懲戒ヲ行フコトヲ得
廳長又ハ郡守ハ第六條ノ吏員ニ對シ懲戒ヲ行フコトヲ得
前二項ノ懲戒處分ハ譴責、二十五圓以下ノ過怠金及解職トス
州知事、廳長又ハ郡守ハ吏員ノ解職ヲ行ハムトスル前其ノ吏員ノ停職ヲ命スルコトヲ得
其ノ停職期間手當又ハ給料ノ全部又ハー部ヲ給セサルコトヲ得
懲戒ニ依リ解職セラレタル者ハ二年間市街庄ノ公職ニ任命セラルルコトヲ得ス

第十二條

街庄ハ臺灣總督ノ定ムル所ニ依リ有給ノ吏員ニ付退隱料、退職給與金、死亡給與金又ハ遺族扶助料ヲ給スルコトヲ得
街庄長ハ廳長又ハ郡守ノ許可ヲ受ケ街庄ニ常設又ハ臨時ノ委員ヲ置クコトヲ得
委員ハ名譽職トシ街庄ニ住所ヲ有スル者ニ就キ街庄長之ヲ命ス
委員ハ街庄長ノ指揮監督ヲ承ケ委託ヲ承ケタル事務ニ從事ス

第十三條

街庄ノ事務ニ關シ街庄長ノ諮問ニ應セシムル爲街庄ニ協議會ヲ置ク
協議會ハ街庄長及協議會員ヲ以テ之ヲ組織ス
協議會員ノ定員ハ七人以上二十人以下ノ範圍內ニ於テ臺灣總督之ヲ定ム
協議會ハ街庄長ヲ以テ議長トス

第十四條

街庄長ハ街庄ニ關スル左ノ事件ヲ協議會ニ諮問スヘシ但シ急施ヲ要シ協議會ニ諮問スル暇ナシト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス
 歲入出豫算ヲ定ムルコト但シ豫算ノ追加更正ニシテ街庄稅、使用料又ハ手數料ニ增減變更ナキモノヲ除ク
 街庄條例ヲ設ケ又ハ改廢スルコト
 街庄稅、使用料、手數料又ハ夫役現品ノ賦課徵收ニ關スルコト
 第三十條第一項ノ借入金ニ關スルコト
 歲入出豫算ヲ以テ定ムルモノヲ除クノ外新ニ義務ノ負擔ヲ爲シ又ハ權利ノ抛棄ヲ爲スコト
 繼續費ヲ定メ又ハ變更スルコト
 基本財產及積立金穀等ノ設置、管理及處分ニ關スルコト
 第四十二條ノ財產ノ處分ニ關スルコト

第十五條

協議會員ハ街庄ニ住所ヲ有シ學識名望アル者ニ就キ州知事又ハ廳長之ヲ命ス
協議會員ハ名譽職トス
協議會員ノ任期ハ二年トス但シ補闕ノ協議會員ノ任期ハ其ノ前任者ノ殘任期間トス

第十六條

協議會員職務ヲ怠リ又ハ體面ヲ汚損スル行爲アリタルトキハ州知事又ハ廳長ハ之ヲ解任スルコトヲ得

第十七條

名譽職員ハ職務ノ爲ニ要スル費用ノ辦償ヲ受クルコトヲ得
名譽職ノ街庄長及助役ニハ手當ヲ給スルコトヲ得

第十八條

街庄ハ基本財產又ハ積立金穀等ヲ設クルコトヲ得
州知事又ハ廳長ハ必要ト認ムルトキハ基本財產又ハ積立金穀等ノ設置ヲ命スルコトヲ得

第十九條

街庄ハ舊來ノ橫行アル場合ニ限リ廳長又ハ郡守ノ認可ヲ受ケ營造物ヲ特殊ノ者ヲシテセシムルコトヲ得
前項ノ營造物ヲ新ニ使用セムトスル者アルトキハ街庄ハ之ヲ許可スルコトヲ得

第二十條

街庄ハ公益上必要アル場合ニ於テハ廳長又ハ郡守ノ許可ヲ受ケ寄附又ハ補助ヲ爲スコトヲ得

第二十一條

街庄ハ其ノ必要ナル費用及法律、勅令又ハ律令ヲ以テ街庄ノ負擔ニ屬セシメタル費用ヲ支辨スル義務ヲ負フ

第二十二條

街庄ノ費用ハ街庄稅、街庄ノ財產ヨリ生スル收入、使用料、手數料其ノ他ノ收入ヲ以テ之ヲ支辨ス

第二十三條

法律、勅令又ハ律令ニ規定アルモノノ外街庄ノ費用ヲ以テ支辨シ得ル費目左ノ如シ
 有給ノ街庄長及吏員ノ給料其ノ他ノ街庄役場費
 土木費
 敎育費
 衞生費
 勸業費
 社會事業費
 營繕費
 協議會費
 街庄費用取扱費

第二十四條

街庄稅トシテ賦課シ得ルモノ左ノ如シ
 國稅、州稅又ハ廳地方費稅ノ附加稅
 特別稅

第二十五條

街庄ハ營造物ノ使用ニ付使用料ヲ徵收スルコトヲ得
街庄ハ特定人ノ爲ニスル事務ニ付手數料ヲ徵收スルコトヲ得

第二十六條

街庄ノ費用ヲ以テ支辨スル事業ノ爲特別ノ必要アルトキハ夫役又ハ現品ヲ賦課スルコトヲ得

第二十七條

街庄ニ屬スル徵收金ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ徵收金ニ付テハ州又ハ廳地方費ニ屬スル徵收金ニ次テ先取特權ヲ有シ其ノ追徵及還付ニ付テハ國稅ノ例ニ依ル

第二十八條

街庄稅、使用料、手數料及夫役現品竝其ノ賦課徵收ニ關スル事項ハ臺灣總督之ヲ定ム

第二十九條

街庄ハ特別稅、使用料及手數料關ニスル事項ニ付テハ臺灣總督ノ認可ヲ受ケ街庄條例ヲ以テ之規定スヘシ
街庄ハ營造物ノ使用ニ付臺灣總督ノ認可ヲ受ケ街庄條例ヲ設クルコトヲ得
街庄條例中ニハ五圓以下ノ過料ヲ科スル規定設クルコトヲ得
街庄條例ハ一定ノ公吿式ニ依リ之ヲ吿示スヘシ

第三十條

街庄ハ永久ノ利益ト爲ルヘキ事業、舊債償還又ハ天災事變ノ爲必要アル場合ニ限リ臺灣總督ノ許可ヲ受ケ借入金ヲ爲スコトヲ得
街庄ハ豫算內ノ支出ヲ爲ス爲必要アルトキハ州知事又ハ廳長ノ許可ヲ受ケ其ノ會計年度內ノ收入ヲ以テ償還スヘキ一時ノ借入金ヲ爲スコトヲ得

第三十一條

街庄ハ每會計年度歲入出豫算ヲ調製シ年度開始二月前迄ニ廳長又ハ郡守ニ提出シ其ノ認可ヲ受クヘシ
街庄ノ會計年度ハ政府ノ會計年度ニ依ル

第三十二條

街庄ノ出納ハ翌年度六月三十日ヲ以テ之ヲ閉鎖ス
決算ハ出納閉鎖後一月以內ニ廳長又ハ郡守ニ之ヲ報吿スヘシ

第三十三條

街庄ノ費用ヲ以テ支辨スル事件ニシテ數年ヲ期シ其ノ費用ヲ支出スヘキモノハ其ノ年期間各年度ノ支出額ヲ定メ繼績費ト爲スコトヲ得

第三十四條

街庄ハ特別會計ヲ設クルコトヲ得

第三十五條

街庄ノ收入金及支拂金ニ關スル時效ニ付テハ政府ノ收入金及支拂金ノ例ニ依ル

第三十六條

協議會及協議會員ニ關スル事項、費用辨償、給料、旅費其ノ他給與ニ關スル事項、賠償責任、身元保證其ノ他吏員ニ關スル事項竝財務ニ關スル事項ハ臺灣總督之ヲ定ム

第三十七條

州知事又ハ廳長ハ街長ノ事務ノ一部ヲ共同處理セシムル爲街庄組合設置ノ必要アリト認ムルトキハ其ノ管理方法及費用負擔方法ヲ定メ臺灣總督ノ認可ヲ受ケ街庄組合ヲ設クルコトヲ得

第三十八條

街庄組合ニハ街庄ニ關スル規定ヲ準用ス其ノ準用シ難キ事項及必要ナル事項ニ付テハ臺灣總督之ヲ定ム

第三十九條

街庄ノ事務ハ州ニ在リテハ第一次ニ於テ郡守、第二次ニ於テ州知事、第三次ニ於テ臺灣總督之ヲ監督シ廳ニ在リテハ第一次ニ於テ廳長、第二次ニ於テ臺灣總督之ヲ監督ス

第四十條

監督官廳ハ街庄ノ事務ノ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
上級監督官廳ハ下級監督官廳ノ街庄事務ノ監督ニ關シテ發シタル命令又ハ爲シタル處分ヲ停止シ又ハ取消ストヲ得

第四十一條

廳長又ハ郡守ハ街庄ニ於テ法律、勅令又ハ律令ヲ以テ其ノ負擔ニ屬セシメタル費用又ハ當該官廳ノ職權ニ依リ命スル費用ヲ豫算ニ載セサルトキ又ハ豫算中不適當卜認ムル費用アルトキハ理由ヲ示シテ其ノ費用ヲ豫算ニ加ヘ又ハ削減スルコトヲ得

第四十二條

街庄ノ廢置分合又ハ區域變更ニ依リ必要アルトキハ州知事又ハ廳長ハ關係街庄長ノ意見ヲ徵シ臺灣總督ノ認可ヲ受ケ街庄ノ財產ノ處分ヲ爲スコトヲ得

第四十三條

本令ハ臺灣總督ノ指定スル地域ニハ之ヲ施行セス

この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。