聯合国最高司令官総司令部布告第一号

提供:Wikisource



聯合国最高司令官総司令部
布告第一号
日本国国民ニ告ク
本官ハ茲ニ聯合国最高司令官トシテ左ノ通布告ス
日本帝国政府ノ聯合国軍ニ対スル無条件降伏ニ依リ日本国軍ト聯合国軍トノ間ニ長期ニ亘リ行ハレタル武力紛争ハ茲ニ終局ヲ告ケタリ
日本国天皇、日本国政府及大本営ノ命ニ依リ且其名ニ於テ署名セラレタル降伏文書ノ諸条項ニ基キ本官ノ指揮下ニアル戦勝軍ハ本日ヲ以テ日本国ノ領土ヲ占領セントス
本官ハ聯合国最高司令官トシテ賦与セラレタル権限ニ基キ茲ニ日本国全領域並其ノ住民ニ対シ軍事管理ヲ設定シ左ノ占領条件ヲ布告ス
第一条
行政、司法及立法ノ三権ヲ含ム日本帝国政府ノ一切ノ権能ハ爾今本官ノ権力下ニ行使セラルルモノトス
第二条
一切ノ官公吏、名誉職及雇傭員並ニ公共福祉及公衆衛生ヲ含ム各種公共施設及業務ニ従事スル一切ノ有給及無給ノ役職員其ノ他必須業務ニ従事スル一切ノ者ハ本官ノ命令ニ基キ其ノ平素ノ職務及義務ヲ引続キ遂行シ一切ノ記録及財産ノ保存及保全ニ任スヘシ
第三条
一切ノ私人ハ本官ノ命令及本官ノ委任ニ基キ発セラルル一切ノ命令ヲ速ニ遵守スヘシ占領軍ニ対スル抵抗行為又ハ公共ノ安寧ヲ紊スカ如キ一切ノ行為ニ出ツル者ハ厳重ニ処罰セラルヘシ
第四条
日本国国民ノ人権、財産権及宗教上ノ信仰ハ之ヲ尊重スヘシ日本国国民ハ本官ノ別段ノ命令ナキ限リ其ノ日常ノ業務ヲ継続スヘシ
第五条
軍事管理期間中ハ英語ヲ以テ一切ノ目的ニ使用セラルル公用語トス英文及日本文ノ間ニ解釈若ハ意義ノ分明ナラサルモノアルトキハ英文ニ従フモノトス
第六条
本布告及他ノ一切ノ公文並公表ニ使用セラルル「軍事管理」ナル語ノ意義ハ「軍政」ヲモ含ムモノトス
第七条
爾後ノ諸布告、軍命令、規則、告示、訓令、条例ハ本官ニ依リ又ハ本官ノ委任ニ基キ布告セラルヘク日本国民ニ対スル要求事項若ハ禁止事項ヲ明示スルモノトス
一九四五年九月二日
横浜ニ於テ
聯合国最高司令官
「アメリカ」合衆国陸軍元帥
ダグラス、マックアーサー
この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:

この文書は、アメリカ合衆国においては、同国の著作権法に基づき、同国の連邦政府と雇用関係にある公務員がその職務上作成したアメリカ合衆国政府の著作物17 U. S. C. §105参考和訳))に該当するため、パブリックドメインの状態にあります。また、日本国においては、同国の著作権法13条に規定するもの(憲法その他の法令、通達、判決など)に該当するアメリカ合衆国政府の著作物のみに限り、パブリックドメインの状態にあると解されます。それ以外の国では、当該国の著作権法に基づいて、著作権の対象であるか否かが判断されます。


注意: これは、アメリカ合衆国政府の著作物についてのみ効力を有します。アメリカ合衆国の各、その他の地方自治体が作成した著作物に対しては適用できません。また、日本国著作権法13条に規定するものに該当しないアメリカ合衆国政府の著作物の場合、日本国内において著作権が発生しているものとして扱われることになると解されるため、この著作権タグのみでは著作権ポリシーの要件を満たすことができません。その場合は、日本国の著作権上パブリックドメインの状態にあるか、またはCC BY-SA 3.0及びGDFLに適合したライセンスのもとに公表されていることを示すテンプレートを追加してください。
翻訳文:

この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
  5. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。