筑波研究学園都市建設法に係る関係各省の疑義等に対する統一見解
- 第一条関係
本条は、本法の目的を定めたものである。本法は、筑波研究学園都市の建設に関する総合的な計画を策定し、その実施を推進することにより、研究教育環境及び生活環境の十分整備された研究学園都市を建設するとともに、あわせて首都圏の既成市街地における人口の過度集中の緩和に寄与することを目的としている。
「均衡のとれた田園都市」とは、市街地及び周辺生産緑地を機能的、文化的な一体の都市として計画的に整備し、全住民が均しく近代的な都市施設の利便及び健康で文化的な田園的環境を享受することにより、快適で調和のとれた都市活動を営めるような都市をいう。
- 第二条関係
第1項の「筑波研究学園都市」とは、前記の5町1村の区域を地域とするもので、その総面積は、285平方キロメートルである。
「前条の目的に照らし設置することが適当であると認められる機関の施設」とは、首都圏の既成市街地にある試験研究機関及び大学に準ずるもの及び首都圏の既成市街地以外の地域にある機関の施設のうち、今後におけるわが国及び世界の社会、経済、文化の成長、発展に十分対応できるような高度の試験研究及び教育を総合的に行なうことのできるわが国の頭脳センターを構成するに足るものと認められるような機関の施設をいう。したがって、現に筑波研究学園都市の地域内にある既存の機関の施設も含まれるものでる。 なお、設置することが適当であるか否かの判定は、第4条の研究学園地区建設計画の決定に際し、同条に定める所定の手続きに従って行なわれることとなるものである。
移転し、または新設する施設には、国立又は公立の施設のみならず民間試験研究機関の施設及び私立大学のような私立の施設も含まれるものである。
第3項の「研究学園地区」とは筑波研究学園都市の地域のうち、政令で定められる一部の区域をいうが、これまでに住居地域として都市計画に定められた区域(面積約2,760ヘクタール)及び将来当該区域との一体性を考慮しつつ、用途地域についての都市計画を検討すべき一部の区域を予定している。
第6項の「その他政令で定める公共の用に供する施設」としては、緑地・広場・墓園その他の公共空地、水路、自動車駐車場、自動車ターミナル、し尿処理施設ごみ処理施設等を予定している。
第7項の「その他政令で定める施設」としては、図書館、公民館、市場、と畜場、火葬場、電気・ガス、その他の供給施設、社会福祉施設、通信施設、購買施設等を予定している。
- 第三条関係
第1項第2号の「施設の建設に関する事項」とは、研究学園地区の区域内に移転し、又は新設する施設の建設に関する事項をいう。したがって、当該地区外の地域に移転し、又は新設する施設の建設に関する事項は、研究学園地区建設計画に定めるところとならないものである。
- 第四条関係
第1項及び第3項の「関係行政機関」とは、国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条の「国の行政機関」のうち、移転し、又は新設する機関の施設を所管する行政機関、当該施設と一体として整備することが必要な公共施設、公益的施設及び一団地の住宅施設の整備に関係する行政機関、当該計画に定められる事項に係る公害防止事務を所管する行政機関等研究学園地区建設計画の決定に関係を有する行政機関をいう。
第2項の「その他の関係事業者」とは、研究学園地区建設計画に基づき、移転し、又は新設する施設の建設を行なう者並びに当該施設と一体として整備することが必要な公共施設、公益的施設及び一団地の住宅施設の整備を行なう者のうち、国、地方公共団体及び住宅・都市整備公団以外のものをいう。具体的には、電力会社、ガス会社、電々公社等が考えられる。
第4項の「利害関係を有する者」とは、第3項の規定により、公表された研究学園地区建設計画に定められた事項につき、法律上の直接かつ具体的な利害関係を有する者、たとえば研究学園地区内の土地又は家屋に係る所有権、借地権、借家権を有する者で、当該建設計画に定められた事項により、当該権利につき直接かつ具体的な利害関係が発生し、又は発生するおそれがある者をいうものである。 したがって、国、茨城県及び筑波研究学園都市の区域内の町村は、これらの団体に属する機関の施設の建設に関する事項については、第1項の規定により、協議し、又は意見をきいて建設計画を決定していることでもあり、当該団体が本項の「利害関係を有する者」に該当しないことはいうまでもない。 なお、これらの機関の職員及びその構成する職員団体は、研究学園地区建設計画について、法律上の直接かつ具体的な利害関係を有するものでない限り、本項の「利害関係を有する者」には該当しないものである。
第5項の「必要な措置」とは、第4項の利害関係を有する者の申出を考慮して講ぜられる措置をいうものであり、研究学園地区建設計画の変更の手続きをとることも含まれる。
- 第五条関係
第1項の「情勢の推移により適当でなくなったとき」とは、研究学園地区建設計画に定められた人口規模の見通し、土地利用計画、移転又は新設を予定された試験研究機関及び大学の施設、公共施設、公益的施設等の整備計画等の内容が、経済変動、社会情勢の変化等周囲の客観的諸情勢の変化に即応できなくなったときをいう。
- 第六条関係
本条は、首都圏整備計画との調整について定めたものである。 首都圏整備計画は、首都圏整備法(昭和31年法律第83号)第21条の規定によれば、基本計画、整備計画及び事業計画よりなり、それぞれ定めるべき事項が法定されているが、同計画は、首都圏の建設とその秩序ある発展を図るため、必要な首都圏の整備に関する計画であるので、首都圏全域における総合的な整備を図る観点から、研究学園地区建設計画は、当該首都圏整備計画に即応すべきものと考えられる。 また、筑波研究学園都市の区域と同一の区域について、首都圏整備法第25条第1項の規定による都市開発区域として昭和41年11月30日首都圏整備委員会告示第4号によって首都圏整備委員会の指定を受けており、当該区域にかかる同法第21条の整備計画を定めるものとされているので、研究学園地区建設計画については、当該整備計画に定めるべき事項を重視しながらさらに詳細に定めることとなるものもあり、また当該整備計画に定められない事項について定めることとなるものもある。したがってこの2つの計画の調整については、適切な考慮を払う必要があるものである。
- 第七条関係
第1項第3号「農地の近代化のための施設」とは、周辺開発地区における農業の近代化を図るために必要な農産物の調整貯蔵、集出荷施設、加工施設など、従来の農業構造改善事業で「経営近代化施設」と称されている共同利用施設をいう。
- 第八条関係
第2項及び第3項の「関係行政機関」とは国家行政組織法第3条の「国の行政機関」のうち、公共施設及び公益的施設の整備に関係する行政機関、農業の近代化のための施設の整備事務を所管する行政機関、周辺開発地区整備計画に定められた事項に係る公害防止事務を所管する行政機関等周辺開発地区整備計画の決定に関係を有する行政機関をいう。
- 第九条関係
「当該事業に関する法律」とは、道路法、河川法、水道法等移転し、又は新設する機関の施設、第2条第6項の公共施設及び第2条第7項の公益的施設の整備に関する法律をいう。
この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)
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