空襲下に於ける一般の心得

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空襲下に於ける一般の心得                  廣路聯區防護分團

各防護分團の任務

一、防火の施設を充分にし特に火の元に注意

 イ、防火器具即ちバケツ、ホース、平押ポンプ、消火器等を一定の場所に置き周到の用意を怠らざること

 ロ、浴槽の水は翌日迄其儘に又大樽或は甕等に多量水を満し置くこと

 ハ、警戒管制後は家を留守にせぬこと     ニ、貴重品は一纏になし置くこと

 ホ、婦人も行動に敏活なる服装をなすこと

  註 髪は手拭又は風呂敷にて縛り防毒面を附くるに便し袖はモンペイ又は男のヅボンを着け火傷を防ぐため手袋及足袋を穿くこと

 へ、焼夷弾落下の場合は火花の飛散を防ぐため水を注ぎつゝ大聲にて近隣に救助を求むること

 ト、瓦斯管を密閉し竈、火鉢の殘火なきやうに注意すること

 チ、近隣に火災起りたる時は協力して防火に務むること

二、毒瓦斯弾落下に對する注意

 イ、何時毒瓦斯弾を落下せらるゝやも■り難し故に防毒室の準備をなし置くこと

  註 丈夫な紙を一寸五分位に斷ち建具及天井の隙間に貼り得る様糊と共に用意し置くこと

 ロ、防毒室へは先づ第一に老人子供を収容すること

  註 毒瓦斯は防毒作業に依り約三時間位にて解消す

 ハ、路上にて毒瓦斯にひたる時は濡れ手拭又はハンカチーフを鼻に當て風上に避難すること

三、流言非語に迷はされず又流布せず、狼狽せず防護團員の指導に從ふこと

四、随意に避難又は逃け惑ふときは混亂して爲に却つて圖らざる不幸を招くことあるより係員の指揮を待ちて徒らに焦慮せざること

五、各班の任務

 警  護  班 治安の維持、火災、盗難の豫防及要警護物件或は場所を警護する爲出先軍隊、憲兵及警察を援助するのである

 警  報  班 空襲警報及防護警報を町民に傳へ又燈火管制の實施並に其監督を助けるのである

 防  火  班 空襲より起る火災に方り眞先に駈けつけ消火につとめ消防隊到着後は之を援助する、又常に焼夷弾發見に注意する

 防  毒  班 瓦斯弾投下に方つて之が危害豫防及消毒等の勤務を行ふ

 救  護  班 空襲より起る患者傷者の手當、運搬、収容、治療を行ふ

 避難所管理班 空襲其他に依つて起る種々の惨害から町民を免れしむる爲の避難方法の研究、施設、統制を行ふ

 交 通整理 班 空襲其他の被害地の状況に即應して一般交通を整理し避難者の混亂を防ぎて消防隊、防護■輸送機■等の活動を容易にする

 工  作  班 空襲其他に依つて水道、瓦斯、電燈、電話、電信及交通機關等に障害が起りたる場合應急の補修をなす

 配  給  班 空襲其他の變災痔に必要ある食糧、被服、其他防護用各種資材の準備、貯蔵、配合、分配、運搬をなす

 豫  備  班 各班との連絡を密にし他班の欠員を補充する

六、群長の任務

 群内の防火施設の有無、燈火施設の注意、防毒室設置、監視者配置、群内保護者、團員の数、家庭防護團(婦女子)の人員等を取り調べ萬一に備ふること、群 所属の者は群長の指揮に從ひ随意行動を愼まれたし

七、全防護團員共通の心得

 イ、敵機襲來の場合は沈着冷静を持し日頃の訓練を發揮し狼狽せざることを要す

 ロ、一般民衆に對しては懇切を旨とし言辭を愼しみ亂暴に亘らざること

 ハ、各班任務を異にするも窮にも窮極の目的は相互間の安全を期するにあれば出來得る限り援助し遇ひ和協一致の行を執られたし

                                                   【見易い箇所に貼附けおかれたし】

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