科学技術庁設置法

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本文[編集]

科学技術庁設置法をここに公布する。

御名御璽

昭和三十一年三月三十一日

内閣総理大臣 鳩山一郎

(目的)
第一条 この法律は、科学技術庁の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。
(設置)
第二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基いて、総理府の外局として、科学技術庁を設置する。
(任務)
第三条 科学技術庁は、科学技術の振興を図り、国民経済の発展に寄与するため、科学投術(人文科学のみに係るもの及び大学における研究に係るものを除く。以下同じ。)に関する行政を総合的に推進することをその主たる任務とする。
(権限)
第四条 科学技術庁は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、次に掲げる権限を有する。ただし、その権限の行使は、法律(法律に基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。

一 予算の範囲内で所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。

二 収入金を徴収し、所掌事務の遂行に必要な支払をすること。

三 所掌事務の遂行に直接必要な事務所等の施設を設置し、及び管理すること。

四 所掌事務の遂行に直接必要な事務用品、研究用資材等を調達すること。

五 不用財産を処分すること。

六 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。

七 職員の厚生及び保健のため必要な施設をし、及び管理すること。

八 職員に貸与する宿舎を設置し、及び管理すること。

九 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに従い、必要な措置をとること。

十 科学技術庁の公印を制定すること。

十一 科学技術(原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)を含む。以下次号及び第十三号において同じ。)に関する基本的な政策を企画し、立案し、及び推進すること。

十二 関係行政機関の科学技術に関する事務の総合調整を行うこと。

十三 関係行政機関の試験研究機関の科学技術に関する経費及び関係行政機関の科学技術に関する試験研究補助金、交付金、委託費その他これらに類する経費の見積の方針の調整を行うこと。

十四 原子力利用に関する試験研究の助成を行うこと。

十五 前号に掲げるもののほか、科学技術に関し、多数部門の協力を要する総合的試験研究及び各種研究に共通する基礎的試験研究について助成を行うこと。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)

十六 資源の総合的利用のための方策一般に関する事務を行うこと。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)

十七 所掌事務に関する統計及び調査資料を作成し、頒布し、又は刊行すること。

十八 発明及び実用新案の奨励を行い、並びにこれらの実施化を推進すること。

十九 所掌事務の周知宣伝を行うこと。

二十 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基く命令を含む。)に基き科学技術庁に属させられた権限

(内部部局)
第五条 科学技術庁に、長官官房及び次の四局を置く。
  • 企画調整局
  • 原子力局
  • 資源局
  • 調査普及局
(長官官房の事務)
第六条 長官官房においては、次の事務をつかさどる。

一 機密に関すること。

二 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。

三 長官の官印及び庁印を保管すること。

四 公文書類を接受し、発送し、編集し、及び保存すること。

五 経費及び収入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関すること。

六 行政財産及び物品を管理すること。

七 職員の衛生、医療その他福利厚生に関すること。

八 行政の考査を行うこと。

九 科学技術に関する制度一般の企画及び立案に関すること。

十 法令案の審査及び庁務の総合調整に関すること。

十一 前各号に掲げるもののほか、科学技術庁の所掌事務で他局の所掌に属しない事務に関すること。

(企画調整局の事務)
第七条 企画調整局においては、次の事務をつかさどる。

一 科学技術(原子力利用に関するものを除く。以下次号から第四号までにおいて同じ。)に関する基本的な政策の企画、立案及び推進に関すること。

二 関係行政機関の科学技術に関する事務の総合調整に関すること。

三 関係行政機関の試験研究機関の科学技術に関する経費及び関係行政機関の科学技術に関する試験研究補助金、交付金、委託費その他これらに類する経費の見積の方針の調整に関すること。

四 科学技術に関し、多数部門の協力を要する総合的試験研究及び各種研究に共通する基礎的試験研究の助成に関すること。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)

五 日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申又は勧告に関すること。

六 航空技術研究所及び金属材料技術研究所に関すること。

七 株式会社科学研究所に関すること。

(原子力局の事務)
第八条 原子力局においては、次の事務をつかさどる。

一 原子力利用(大学における研究に係るものを除く。以下第二号、第三号及び第十号において同じ。)に関する基本的な政策の企画、立案及び推進に関すること。

二 関係行政機関の原子力利用に関する事務の総合調整に関すること。

三 関係行政機関の試験研究機関の原子力利用に関する経費及び関係行政機関の原子力利用に関する試験研究補助金、交付金、委託費その他これらに類する経費の見積の方針の調整並びにこれらの経費の配分計画に関すること。

四 核燃料物質及び原子炉に関する規制に関すること。

五 放射性同位元素の利用の推進に関すること。

六 放射線医学の総合的研究に関すること。

七 原子力利用に伴う障害防止の基本に関すること。

八 原子力研究所及び原子燃料公社に関すること。

九 原子力利用に関する試験研究の助成に関すること。

十 原子力利用に関する研究者及び技術者の養成訓練に関すること。

十一 原子力利用に関する内外の動向の調査及び分析に関すること。

十二 原子力利用に関する統計の作成に関すること。

十三 前各号に掲げるもののほか、原子力利用に関し他の行政機関の所掌に属しない事務に関すること。

(資源局の事務)
第九条 資源局においては、次の事務をつかさどる。

一 資源の総合的利用のための方策一般に関すること。(他の行政機関の所掌に属することを除く。)

二 資源の総合的利用に関する内外の動向の調査及び分析に関すること。

三 資源の総合的利用に関する統計の作成に関すること。

四 前各号に掲げるもののほか、資源の総合的利用に関し他の行政機関の所掌に属しない事務に関すること。

(調査普及局の事務)
第十条 調査普及局においては、次の事務をつかさどる。

一 科学技術(原子力利用及び資源の総合的利用に関するものを除く。以下次号において同じ。)に関する内外の動向の調査及び分析に関すること。

二 科学技術に関する統計の作成に関すること。

三 科学技術庁の所掌事務に関する統計及び調査資料の頒布及び刊行に関すること。

四 発明及び実用新案の奨励並びにこれらの実施化の推進に関すること。

五 科学技術庁の所掌事務に関する広報及び啓発に関すること。

(長官)
第十一条 科学技術庁の長は、科学技術庁長官とし、国務大臣をもつて充てる。

2 科学技術庁長官(以下「長官」という。)は、科学技術の振興及び資源の総合的利用を図るため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し必要な資料の提出及び説明を求めることができる。

3 長官は、科学技術の振興及び資源の総合的利用を図るため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し科学技術の振興及び資源の総合的利用に関する重要事項について勧告することができる。

4 長官は、前項の規定により関係行政機関の長に対し勧告をしたときは、当該行政機関の長に対し、その勧告に基いてとつた措置について報告を求めることができる。

5 長官は、第三項の規定により勧告した重要事項に関し特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し当該事項について内閣法(昭和二十二年法律第五号)第六条の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。

(特別な職)
第十二条 科学技術庁に、次長一人を置く。

2 次長は、長官を助け、庁務を整理する。

3 科学技術庁に、科学審議官五人以内を置く。

4 科学審議官は、命を受け、科学技術庁の所掌事務に関する重要な方針の決定について長官を補佐する。

第十三条 長官官房に官房長を、各局に局長を置く。

2 官房長は、命を受け、長官官房の事務を掌理する。

3 局長は、命を受け、局務を掌理する。

4 原子力局に、次長一人を置く。

5 次長は、命を受け、局長を助け、局務を整理する。

第十四条 長官官房及び各局に、科学調査官を置く。

2 科学調査官は、命を受け、長官官房及び各局の所掌事務に参画する。

3 航空技術研究所及び金属材料技術研究所に、科学研究官を置く。

4 科学研究官は、命を受け、専門的事項の研究に従事する。

5 科学調査官及び科学研究官の定数については、政令で定める。

第十五条 科学技術庁に、顧問及び参与を置くことができる。

2 顧問は、科学技術庁の所掌事務のうち、重要な施策に参画する。

3 顧問は、非常勤とする。

4 参与は、科学技術庁の所掌事務のうち、重要な事項に参与する。

5 参与は、非常勤とする。

(附属機関)
第十六条 科学技術庁に附属機関として、次の機関を置く。
  • 航空技術研究所
  • 金属材料技術研究所
(航空技術研究所)
第十七条 航空技術研究所は、航空技術の向上を図るため必要な研究及び試験並びに調査で、次の各号に掲げるものを行い、あわせて、その施設及び設備を関係行政機関の共用に供する機関とする。

一 研究又は試験のため必要な施設及び設備を関係行政機関に重複して設置することが、多額の経費を要するため適当でないと認められる場合における、その施設及び設備を必要とする研究及び試験

二 委託に応じて行う前号の施設及び設備を必要とする研究及び試験

三 前各号の研究及び試験に伴う技術的調査

2 航空技術研究所の施設及び設備は、航空技術の向上を図るため特に必要があると認められるときに限り、国の行政機関でないものに使用させることができる。

3 航空技術研究所は、東京都に置く。

4 航空技術研究所の内部組織は、総理府令で定める。

(金属材料技術研究所)
第十八条 金属材料技術研究所は、金属材料その他これに類する材料の品質の改善を図るため必要な研究を行う機関とする。

2 金属材料技術研究所は、東京都に置く。

3 金属材料技術研究所の内部組織は、総理府令で定める。

(その他の附属機関)
第十九条 第十六条に規定するもののほか、次の表の上欄に掲げる機関は、科学技術庁の附属機関として置かれるものとし、その設置の目的は、それぞれ下欄に記載するとおりとする。
種類 目的
科学技術審議会 科学技術に関する重要事項並びに日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申又は勧告に関する事項を審議すること。
航空技術審議会 航空技術に関する重要事項を審議すること。
資源調査会 資源の総合的利用に関する重要事項を調査審議すること。
発明奨励審議会 発明及び実用新案の奨励に関する重要事項を審議すること。

2 前項に掲げる附属機関の組織、所掌事務及び委員その他の職員については、他の法律(法律に基く命令を含む。)に別段の定がある場合を除くほか、政令で定める。

(定員)
第二十条 科学技術庁に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。

附則

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して二月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(科学技術行政協議会法等の廃止)
2 次に掲げる法律は、廃止する。

一 科学技術行政協議会法(昭和二十三年法律第二百五十三号)

二 資源調査会設置法(昭和二十七年法律第二百六十四号)

三 航空技術審議会設置法(昭和二十九年法律第二百二号)

(総理府設置法の改正)
3 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

第三条中第二号を削り、以下一号ずつ繰り上げる。

第五条第一項中「三局」を「二局」に改め、「原子力局」を削る。

第六条第一項第十三号中「(原子力局の所掌に属するものを除く。)」を削り、同項第十六号中「及び原子力局」を削る。

第九条を次のように改める。

第九条 削除

第十条中「航空技術研究所」を削る。

第十四条を次のように改める。

第十四条 削除
第十五条第一項の表中
検察官適格審査会検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第二十三条第一項に規定する事項に関する審査を行うこと。
科学技術行政協議会科学技術行政協議会法(昭和二十三年法律第二百五十三号)に基き日本学術会議と緊密に協力し、科学技術を行政に反映させるための諸方策及び各行政機関相互の間の科学技術に関する行政の連絡調整に必要な措置を審議すること。
航空技術審議会航空技術審議会設置法(昭和二十九年法律第二百二号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
検察官適格審査会検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第二十三条第一項に規定する事項に関する審査を行うこと。
電源開発調整審議会電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
資源調査会資源調査会設置法(昭和二十七年法律第二百六十四号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
電源開発調整審議会電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
に改める。
第十七条中「経済企画庁」を経済企画庁科学技術庁に改める。
第十八条の表中
経済企画庁経済企画庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十三号)
経済企画庁経済企画庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十三号)
科学技術庁科学技術庁設置法(昭和三十一年法律第四十九号)
に改める。
(原子力委員会設置法の改正)
4 原子力委員会設置法(昭和三十年法律第百八十八号)の一部を次のように改正する。

第七条第一項中「国務大臣」を「科学技術庁長官たる国務大臣」に改める。 第十五条中「総理府原子力局」を「科学技術庁原子力局」に改める。

(通商産業省設置法の改正)
5 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。

第二十七条第二十一号を次のように改める。

二十一 工業所有権に関する指導並びに意匠及び商標に関する奨励を行うこと。

第四十一条第一号を次のように改める。

一 工業所有権に関する指導並びに意匠及び商標に関する奨励を行うこと。

第四十七条第一項の表中
発明奨励審議会発明、実用新案又は意匠の奨励に関する事項を調査審議すること。
意匠奨励審議会意匠の奨励に関する事項を調査審議すること。
に改める。
(工業技術院設置法の改正)
6 工業技術院設置法(昭和二十三年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。

第三条第四号の三を削る。

第六条第五号を削る。

(国家行政組織法の改正)
7 国家行政組織法の一部を次のように改正する。
第十七条中「経済企画庁」を経済企画庁科学技術庁に改める。
(株式会社科学研究所法の改正)
8 株式会社科学研究所法(昭和三十年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。

本則中「通商産業大臣」を「内閣総理大臣」に改める。

第十条中「通商産業省令」を「総理府令」に改める。

(職員の引継)
9 この法律施行の際現に総理府原子力局、科学技術行政協議会事務局、資源調査会事務局及び航空技術研究所の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもつて科学技術庁の職員となるものとする。

内閣総理大臣鳩山一郎

大蔵大臣一万田尚登

通商産業大臣石橋湛山

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。