破産法 (大正十一年四月二十五日法律第七十一号)

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朕帝國議会ノ協贊ヲ經タル破産法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽
攝政名


大正十一年四月二十四日
內閣總理大臣兼 子爵高橋是清
大  藏  大  臣
外  務  大  臣 伯爵內田康哉
海  軍  大  臣 男爵加藤友三郎
農 商 務 大 臣 男爵山本達雄
内  務  大  臣 床次竹二郎
文  部  大  臣 中橋德五郎
逓  信  大  臣 野田卯太郎
鐡  道  大  臣 元田  肇
司  法  大  臣 伯爵大木遠吉
陸  軍  大  臣 山梨半造


法律第七十一號

破産法

第1編[編集]

第一編 実体規定

第1章[編集]

第一章 総則

第一条  破産ハ其ノ宣告ノ時ヨリ効力ヲ生ス


第二条  外国人又ハ外国法人ハ破産ニ関シ日本人又ハ日本法人ト同一ノ地位ヲ有ス


第三条  削除


第四条  解散シタル法人ハ破産ノ目的ノ範囲内ニ於テハ仍存続スルモノト看做ス


第五条  相続人又ハ相続財産ニ対スル破産ノ宣告ハ限定承認又ハ財産分離ヲ妨ケス但シ破産取消若ハ破産廃止ノ決定カ確定シ又ハ破産終結ノ決定アル迄其ノ手続ヲ中止ス

第2章[編集]

第二章 破産財団

第六条  破産者カ破産宣告ノ時ニ於テ有スル一切ノ財産ハ之ヲ破産財団トス ○2破産者カ破産宣告前ニ生シタル原因ニ基キ将来行フコトアルヘキ請求権ハ破産財団ニ属ス ○3差押フルコトヲ得サル財産ハ破産財団ニ属セス但シ民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百三十一条第四号及第五号ニ掲クルモノ、同法第百三十二条第一項ノ規定ニ依リ差押ガ許サレタルモノ並破産宣告後差押フルコトヲ得ルニ至リタルモノハ此ノ限ニ在ラス


第七条  破産財団ノ管理及処分ヲ為ス権利ハ破産管財人ニ専属ス


第八条  破産宣告前ニ破産者ノ為ニ相続ノ開始アリタル場合ニ於テ破産者カ破産宣告後ニ為シタル単純承認ハ破産財団ニ対シテハ限定承認ノ効力ヲ有ス


第九条  破産宣告前ニ破産者ノ為ニ相続ノ開始アリタル場合ニ於テ破産者カ破産宣告後ニ相続ノ抛棄ヲ為シタルトキト雖破産財団ニ対シテハ限定承認ノ効力ヲ有ス ○2破産管財人ハ前項ノ規定ニ拘ラス抛棄ノ効力ヲ認ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ抛棄アリタルコトヲ知リタル時ヨリ三月内ニ其ノ旨ヲ裁判所ニ申述スルコトヲ要ス


第十条  前二条ノ規定ハ包括遺贈ニ之ヲ準用ス


第十一条  破産宣告前ニ破産者ノ為ニ特定遺贈アリタル場合ニ於テ破産者カ破産宣告ノ当時承認又ハ抛棄ヲ為ササリシトキハ破産管財人破産者ニ代リテ其ノ承認又ハ抛棄ヲ為スコトヲ得 ○2民法第九百八十七条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス


第十二条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テハ之ニ属スル一切ノ財産ヲ以テ破産財団トス ○2被相続人カ相続人ニ対シ及相続人カ被相続人ニ対シテ有シタル権利ハ消滅セサリシモノト看做ス


第十三条  削除


第十四条  相続人カ相続財産ノ全部又ハ一部ヲ処分シタル後相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタルトキハ相続人カ反対給付ニ付有スル権利ハ破産財団ニ属ス ○2相続人カ既ニ反対給付ヲ受ケタルトキハ之ヲ破産財団ニ返還スルコトヲ要ス但シ其ノ当時相続人カ破産ノ原因タル事実又ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知ラサリシトキハ其ノ現ニ受クル利益ヲ返還スルヲ以テ足ル

第3章[編集]

第三章 破産債権

第十五条  破産者ニ対シ破産宣告前ノ原因ニ基キテ生シタル財産上ノ請求権ハ之ヲ破産債権トス


第十六条  破産債権ハ破産手続ニ依ルニ非サレハ之ヲ行フコトヲ得ス


第十七条  期限附債権ハ破産宣告ノ時ニ於テ弁済期ニ至リタルモノト看做ス


第十八条乃至第二十一条  削除


第二十二条  債権ノ目的カ金銭ニ非サルトキ又ハ金銭ナルモ其ノ額カ不確定ナルトキ若ハ外国ノ通貨ヲ以テ定メタルモノナルトキハ破産宣告ノ時ニ於ケル評価額ヲ以テ破産債権ノ額トス定期金債権ノ金額又ハ存続期間ガ不確定ナルトキ亦同ジ


第二十三条  条件附債権ハ其ノ全額又ハ前条ノ規定ニ依ル評価額ヲ以テ破産債権ノ額トス ○2前項ノ規定ハ破産者ニ対シテ行フコトアルヘキ将来ノ請求権ニ之ヲ準用ス


第二十三条ノ二  債権者ガ破産宣告後破産財団ニ属スル財産ニシテ外国ニ在ルモノニ対シ為シタル権利ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受ケタルトキト雖其ノ債権者ハ弁済ヲ受クル前ノ債権ノ全額ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第二十四条  数人カ各自全部ノ履行ヲ為ス義務ヲ負フ場合ニ於テ其ノ全員又ハ其ノ中ノ数人カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ債権者ハ破産宣告ノ時ニ於テ有スル債権ノ全額ニ付各破産財団ニ対シ破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第二十五条  保証人カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ債権者ハ破産宣告ノ時ニ於テ有スル債権ノ全額ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第二十六条  数人カ各自全部ノ履行ヲ為ス義務ヲ負フ場合ニ於テ其ノ全員又ハ其ノ中ノ数人若ハ一人カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ破産者ニ対シテ将来行フコトアルヘキ求償権ヲ有スル者ハ其ノ全額ニ付破産債権トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得但シ債権者カ其ノ債権ノ全額ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行ヒタルトキハ此ノ限ニ在ラス ○2前項但書ノ場合ニ於テ前項ノ求償権ヲ有スル者カ弁済ヲ為シタルトキハ其ノ弁済ノ割合ニ応シテ債権者ノ権利ヲ取得ス ○3前二項ノ規定ハ担保ヲ供シタル第三者カ破産者ニ対シテ将来行フコトアルヘキ求償権ニ付之ヲ準用ス


第二十七条  第二十四条、第二十五条及前条第一項第二項ノ規定ハ数人ノ保証人カ各自債務ノ一部ヲ負担スヘキ場合ニ於テ其ノ負担部分ニ付之ヲ準用ス


第二十八条  法人ノ債務ニ付其ノ債権者ニ対シテ無限ノ責任ヲ負フ者カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ法人ノ債権者ハ破産宣告ノ時ニ於テ有スル債権ノ全額ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第二十九条  法人ノ債務ニ付其ノ債権者ニ対シテ有限ノ責任ヲ負フ者又ハ其ノ法人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テハ法人ノ債権者ハ有限ノ責任ヲ負フ者ニ対シテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得ス但シ法人ハ出資ノ請求ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ妨ケス


第三十条  相続人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テハ財産ノ分離アリタルトキト雖相続債権者及受遺者ハ其ノ債権ノ全額ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第三十一条  相続財産及相続人ニ対シテ破産ノ宣告アリタルトキハ相続債権者及受遺者ハ其ノ債権ノ全額ニ付各破産財団ニ対シ破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第三十二条  前二条ノ場合ニ於テ破産ノ宣告ヲ受ケタル相続人カ限定承認ヲ為シタルトキハ相続債権者及受遺者ハ相続人ノ固有財産ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得ス第八条又ハ第九条第一項ノ規定ニ依リ限定承認ノ効力ヲ有スル場合亦同シ


第三十三条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタルトキハ相続人ハ其ノ被相続人ニ対スル債権及被相続人ノ債務消滅ノ為ニ為シタル出捐ニ付相続債権者ト同一ノ権利ヲ有ス


第三十四条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタルトキハ相続人ノ債権者ハ破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得ス


第三十五条乃至第三十七条  削除


第三十八条  破産手続参加ノ費用ハ之ヲ破産債権トス


第三十九条  破産財団ニ属スル財産ニ付一般ノ先取特権其ノ他一般ノ優先権アル破産債権ハ他ノ債権ニ先ツ


第四十条  同一順位ニ於テ弁済スヘキ債権ハ各其ノ債権額ノ割合ニ応シテ之ヲ弁済ス


第四十一条  優先権カ一定ノ期間内ノ債権額ニ付存在スル場合ニ於テハ其ノ期間ハ破産宣告ノ時ヨリ遡リテ之ヲ計算ス


第四十二条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタルトキハ相続債権者ノ債権ハ受遺者ノ債権ニ先ツ


第四十三条  相続財産ニ対シ破産ノ申立ヲ為スコトヲ得ル期間内ノ申立ニ因リ相続人ニ対シテ破産ノ宣告アリタルトキハ相続人ノ債権者ノ債権ハ相続債権者及受遺者ノ債権ニ先チ相続財産ニ付テハ相続債権者及受遺者ノ債権ハ相続人ノ債権者ノ債権ニ先ツ


第四十四条  相続財産及相続人ニ対シテ破産ノ宣告アリタルトキハ相続人ノ債権者ノ債権ハ相続人ノ破産財団ニ付テハ相続債権者及受遺者ノ債権ニ先ツ


第四十五条  削除


第四十六条  左ニ掲グル請求権ハ他ノ破産債権ニ後ル

一 破産宣告後ノ利息

二 破産宣告後ノ不履行ニ因ル損害賠償及違約金

三 破産手続参加ノ費用

四 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金及過料

五 債権ガ無利息ニシテ其ノ期限ガ破産宣告後ニ到来スベキ場合ニ於テハ破産宣告ノ時ヨリ期限ニ至ル迄ノ法定利率ニ依ル元利ノ合計額ガ債権額トナルベキ計算ニ依リ算出セラルル利息ノ額ニ相当スル部分

六 債権ガ無利息ニシテ其ノ期限ガ不確定ナル場合ニ於テハ其ノ債権額ト破産宣告ノ時ニ於ケル評価額トノ差額ニ相当スル部分

七 債権ガ金額及存続期間ノ確定スル定期金債権ナル場合ニ於テハ各定期金ニ付第五号ノ規定ニ準ジ算出セラルル利息ノ額ノ合計額ニ相当スル部分並各定期金ニ付同号ノ規定ニ準ジ算出セラルル元本ノ額ノ合計額ガ法定利率ニ依リ其ノ定期金ニ相当スル利息ヲ生ズベキ元本額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ニ相当スル部分

第4章[編集]

第四章 財団債権

第四十七条  左ニ掲クル請求権ハ之ヲ財団債権トス

一 破産債権者ノ共同ノ利益ノ為ニスル裁判上ノ費用

二 国税徴収法又ハ国税徴収ノ例ニ依リ徴収スルコトヲ得ヘキ請求権但シ破産宣告後ノ原因ニ基ク請求権ハ破産財団ニ関シテ生シタルモノニ限ル

三 破産財団ノ管理、換価及配当ニ関スル費用

四 破産財団ニ関シ破産管財人ノ為シタル行為ニ因リテ生シタル請求権

五 事務管理又ハ不当利得ニ因リ破産財団ニ対シテ生シタル請求権

六 委任終了又ハ代理権消滅ノ後急迫ノ必要ノ為ニ為シタル行為ニ因リ破産財団ニ対シテ生シタル請求権

七 第五十九条第一項ノ規定ニ依リ破産管財人カ債務ノ履行ヲ為ス場合ニ於テ相手方カ有スル請求権

八 破産宣告ニ因リテ双務契約ニ関シ解約ノ申入アリタル場合ニ於テ其ノ終了ニ至ル迄ノ間ニ生シタル請求権

九 破産者及之ニ扶養セラルル者ノ扶助料


第四十八条  破産管財人負担附遺贈ノ履行ヲ受ケタルトキハ負担ノ利益ヲ受クヘキ請求権ハ遺贈ノ目的ノ価額ヲ超エサル限度ニ於テ之ヲ財団債権トス


第四十九条  財団債権ハ破産手続ニ依ラスシテ随時之ヲ弁済ス


第五十条  財団債権ハ破産財団ヨリ先ツ之ヲ弁済ス


第五十一条  破産財団カ財団債権ノ総額ヲ弁済スルニ不足ナルコト分明ナルニ至リタルトキハ財団債権ノ弁済ハ法令ニ定ムル優先権ニ拘ラス未タ弁済セサル債権額ノ割合ニ応シテ之ヲ為ス但シ財団債権ニ付存スル留置権、特別ノ先取特権、質権及抵当権ノ効力ヲ妨ケス ○2第四十七条第一号乃至第七号ノ財団債権ハ他ノ財団債権ニ先ツ


第五十二条  第十七条、第二十二条及第二十三条第一項ノ規定ハ第四十七条第七号及第四十八条ニ規定スル財団債権ニ之ヲ準用ス ○2前項ノ財団債権ガ無利息債権又ハ定期金債権ナルトキハ若シ破産債権ナリトセバ第四十六条第五号乃至第七号ノ規定ニ依リ他ノ破産債権ニ後ルベキ部分ニ相当スル金額ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ額トス


第五章 法律行為ニ関スル破産ノ効力

第五十三条  破産者カ破産宣告ノ後破産財団ニ属スル財産ニ関シテ為シタル法律行為ハ之ヲ以テ破産債権者ニ対抗スルコトヲ得ス ○2破産者カ破産宣告ノ日ニ於テ為シタル法律行為ハ破産宣告後ニ之ヲ為シタルモノト推定ス


第五十四条  破産宣告ノ後破産財団ニ属スル財産ニ関シ破産者ノ法律行為ニ因ラスシテ権利ヲ取得スルモ其ノ取得ハ之ヲ以テ破産債権者ニ対抗スルコトヲ得ス ○2前条第二項ノ規定ハ前項ノ取得ニ之ヲ準用ス


第五十五条  不動産又ハ船舶ニ関シ破産宣告前ニ生シタル登記原因ニ基キ破産宣告ノ後為シタル登記又ハ不動産登記法第二条第一号ノ規定ニ依ル仮登記ハ之ヲ以テ破産債権者ニ対抗スルコトヲ得ス但シ登記権利者カ破産宣告ノ事実ヲ知ラスシテ為シタル登記又ハ仮登記ニ付テハ此ノ限ニ在ラス ○2前項ノ規定ハ権利ノ設定、移転又ハ変更ニ関スル登録又ハ仮登録ニ付之ヲ準用ス ○3第一項ノ規定ハ企業担保権ノ設定、移転又ハ変更ニ関スル登記ニ付之ヲ準用ス


第五十六条  破産宣告ノ後其ノ事実ヲ知ラスシテ破産者ニ為シタル弁済ハ之ヲ以テ破産債権者ニ対抗スルコトヲ得 ○2破産宣告ノ後其ノ事実ヲ知リテ破産者ニ為シタル弁済ハ破産財団カ受ケタル利益ノ限度ニ於テノミ之ヲ以テ破産債権者ニ対抗スルコトヲ得


第五十七条  為替手形ノ振出人又ハ裏書人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テ支払人又ハ予備支払人カ其ノ事実ヲ知ラスシテ引受又ハ支払ヲ為シタルトキハ之ニ因リテ生シタル債権ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得 ○2前項ノ規定ハ小切手及金銭其ノ他ノ物又ハ有価証券ノ給付ヲ目的トスル有価証券ニ之ヲ準用ス


第五十八条  前三条ノ規定ノ適用ニ付テハ破産宣告ノ公告前ニ在リテハ其ノ事実ヲ知ラサリシモノト推定シ公告後ニ在リテハ其ノ事実ヲ知リタルモノト推定ス


第五十九条  双務契約ニ付破産者及其ノ相手方カ破産宣告ノ当時未タ共ニ其ノ履行ヲ完了セサルトキハ破産管財人ハ其ノ選択ニ従ヒ契約ノ解除ヲ為シ又ハ破産者ノ債務ヲ履行シテ相手方ノ債務ノ履行ヲ請求スルコトヲ得 ○2前項ノ場合ニ於テ相手方ハ破産管財人ニ対シ相当ノ期間ヲ定メ其ノ期間内ニ契約ノ解除ヲ為スカ又ハ債務ノ履行ヲ請求スルカヲ確答スヘキ旨ヲ催告スルコトヲ得破産管財人カ其ノ期間内ニ確答ヲ為ササルトキハ契約ノ解除ヲ為シタルモノト看做ス


第六十条  前条ノ規定ニ依リ契約ノ解除アリタルトキハ相手方ニ損害ノ賠償ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得 ○2破産者ノ受ケタル反対給付カ破産財団中ニ現存スルトキハ相手方ハ其ノ返還ヲ請求シ現存セサルトキハ其ノ価額ニ付財団債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第六十一条  取引所ノ相場アル商品ノ売買ニ付一定ノ日時又ハ一定ノ期間内ニ履行ヲ為スニ非サレハ契約ヲ為シタル目的ヲ達スルコト能ハサル場合ニ於テ其ノ時期カ破産宣告後ニ到来スヘキトキハ契約ノ解除アリタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テ損害賠償ノ額ハ履行地又ハ其ノ地ノ相場ノ標準ト為ルヘキ地ニ於ケル同種ノ取引ニシテ同一ノ時期ニ履行スヘキモノノ相場ト売買ノ代価トノ差額ニ依リテ之ヲ定ム ○2前条第一項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル損害賠償ニ付之ヲ準用ス ○3第一項ノ場合ニ付取引所ニ於テ別段ノ定ヲ為シタルトキハ其ノ定ニ従フ


第六十二条  第五十九条第二項ノ規定ハ民法第六百二十一条、第六百三十一条又ハ第六百四十二条第一項ノ規定ニ依リ相手方又ハ破産管財人カ有スル解除権ノ行使ニ付之ヲ準用ス


第六十三条  賃貸人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テハ借賃ノ前払又ハ借賃ノ債権ノ処分ハ破産宣告ノ時ニ於ケル当期及次期ニ関スルモノヲ除クノ外之ヲ以テ破産債権者ニ対抗スルコトヲ得ス ○2前項ノ規定ニ依リ破産債権者ニ対抗スルコトヲ得サルニ因リテ損害ヲ受ケタル者ハ其ノ損害ノ賠償ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得 ○3前二項ノ規定ハ地上権及永小作権ニ付之ヲ準用ス


第六十四条  破産者カ請負契約ニ因リ仕事ヲ為ス義務ヲ負担スルトキハ破産管財人ハ必要ナル材料ヲ供シ破産者ヲシテ其ノ仕事ヲ為サシムルコトヲ得其ノ仕事カ破産者自ラ為スコトヲ要セサルモノナルトキハ第三者ヲシテ之ヲ為サシムルコトヲ得 ○2 前項ノ場合ニ於テハ破産者カ其ノ相手方ヨリ受クヘキ報酬ハ破産財団ニ属ス


第六十五条  委任者カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テ受任者カ破産宣告ノ通知ヲ受ケス且破産宣告ノ事実ヲ知ラスシテ委任事務ヲ処理シタルトキハ之ニ因リテ生シタル債権ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得


第六十六条  交互計算ハ当事者ノ一方カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ終了ス此ノ場合ニ於テハ各当事者ハ計算ヲ閉鎖シ残額ノ支払ヲ請求スルコトヲ得 ○2前項ノ規定ニ依ル請求権ハ破産者之ヲ有スルトキハ破産財団ニ属シ相手方之ヲ有スルトキハ破産債権トス


第六十七条  数人共同シテ財産権ヲ有スル場合ニ於テ共有者ノ中破産ノ宣告ヲ受ケタル者アルトキハ分割ヲ為ササル定アルトキト雖破産手続ニ依ラスシテ其ノ分割ヲ為スコトヲ得 ○2前項ノ場合ニ於テ他ノ共有者ハ相当ノ償金ヲ払ヒテ破産者ノ持分ヲ取得スルコトヲ得


第六十八条  民法第七百五十八条第二項第三項及第七百五十九条ノ規定ハ配偶者ノ財産ヲ管理スル者カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ、同法第八百三十五条ノ規定ハ親権ヲ行フ者カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ之ヲ準用ス ○2家事審判法ノ適用ニ関シテハ前項ニ於テ準用スル民法第七百五十八条第二項及第三項ノ規定ニ依ル財産ノ管理者ノ変更及共有財産ノ分割ニ関スル処分ハ之ヲ家事審判法第九条第一項乙類ニ掲クル事項ト看做シ前項ニ於テ準用スル民法第八百三十五条ノ規定ニ依ル管理権ノ喪失ノ宣告ハ之ヲ家事審判法第九条第一項甲類ニ掲クル事項ト看做ス


第六十九条  破産財団ニ属スル財産ニ関シ破産宣告ノ当時繋属スル訴訟ハ破産管財人又ハ相手方ニ於テ之ヲ受継クコトヲ得第四十七条第七号ニ掲クル請求権ニ関スル訴訟ニ付亦同シ ○2前項ノ場合ニ於テハ訴訟費用ハ之ヲ財団債権トス


第七十条  破産債権ニ付破産財団ニ属スル財産ニ対シ為シタル強制執行、仮差押、仮処分又ハ企業担保権ノ実行手続ハ破産財団ニ対シテハ其ノ効力ヲ失フ但シ強制執行ニ付テハ破産管財人ニ於テ破産財団ノ為其ノ手続ヲ続行スルコトヲ妨ケス ○2前項但書ノ規定ニ依リ破産管財人カ強制執行ノ手続ヲ続行スルトキハ費用ハ之ヲ財団債権トシ強制執行ニ対スル第三者ノ異議ノ訴ニ付テハ破産管財人ヲ被告トス ○3前二項ノ規定ハ一般ノ先取特権者カ破産財団ニ属スル財産ニ対シ為シタル競売手続ニ之ヲ準用ス ○4破産ノ宣告アリタルトキハ破産者ニ付為シタル財産開示手続ハ其ノ効力ヲ失フ


第七十一条  破産財団ニ属スル財産ニ対シ国税徴収法又ハ国税徴収ノ例ニ依ル滞納処分ヲ為シタル場合ニ於テハ破産ノ宣告ハ其ノ処分ノ続行ヲ妨ケス ○2破産財団ニ属スル財産ニ関シ破産宣告ノ当時行政庁ニ繋属スル事件アルトキハ其ノ手続ハ受継又ハ破産手続ノ解止ニ至ル迄之ヲ中断ス ○3第六十九条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第6章[編集]

第六章 否認権

第七十二条  左ニ掲クル行為ハ破産財団ノ為之ヲ否認スルコトヲ得 一 破産者カ破産債権者ヲ害スルコトヲ知リテ為シタル行為但シ之ニ因リテ利益ヲ受ケタル者カ其ノ行為ノ当時破産債権者ヲ害スヘキ事実ヲ知ラサリシトキハ此ノ限ニ在ラス 二 破産者カ支払ノ停止又ハ破産ノ申立アリタル後ニ為シタル担保ノ供与、債務ノ消滅ニ関スル行為其ノ他破産債権者ヲ害スル行為但シ之ニ因リテ利益ヲ受ケタル者カ其ノ行為ノ当時支払ノ停止又ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知リタルトキニ限ル 三 前号ノ行為ニシテ破産者ノ親族又ハ同居者ヲ相手方トスルモノ但シ相手方カ其ノ行為ノ当時支払ノ停止又ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知ラサリシトキハ此ノ限ニ在ラス 四 破産者カ支払ノ停止若ハ破産ノ申立アリタル後又ハ其ノ前三十日内ニ為シタル担保ノ供与又ハ債務ノ消滅ニ関スル行為ニシテ破産者ノ義務ニ属セス又ハ其ノ方法若ハ時期カ破産者ノ義務ニ属セサルモノ但シ債権者カ其ノ行為ノ当時支払ノ停止若ハ破産ノ申立アリタルコト又ハ破産債権者ヲ害スヘキ事実ヲ知ラサリシトキハ此ノ限ニ在ラス 五 破産者カ支払ノ停止若ハ破産ノ申立アリタル後又ハ其ノ前六月内ニ為シタル無償行為及之ト同視スヘキ有償行為


第七十三条  前条ノ規定ハ破産者ヨリ手形ノ支払ヲ受ケタル者カ其ノ支払ヲ受ケサレハ債務者ノ一人又ハ数人ニ対スル手形上ノ権利ヲ失フヘカリシ場合ニハ之ヲ適用セス ○2前項ノ場合ニ於テ最終ノ償還義務者又ハ手形ノ振出ヲ委託シタル者カ振出ノ当時支払ノ停止又ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ破産管財人ハ之ヲシテ破産者カ支払ヒタル金額ヲ償還セシムルコトヲ得


第七十四条  支払ノ停止又ハ破産ノ申立アリタル後権利ノ設定、移転又ハ変更ヲ以テ第三者ニ対抗スルニ必要ナル行為ヲ為シタル場合ニ於テ其ノ行為カ権利ノ設定、移転又ハ変更アリタル日ヨリ十五日ヲ経過シタル後悪意ニテ為シタルモノナルトキハ之ヲ否認スルコトヲ得但シ登記及登録ニ付テハ仮登記又ハ仮登録アリタル後本登記又ハ本登録ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラス ○2前項ノ規定ハ権利取得ノ効力ヲ生スル登録ニ付之ヲ準用ス


第七十五条  否認権ハ否認セムトスル行為ニ付執行力アル債務名義アルトキ又ハ其ノ行為カ執行行為ニ基クモノナルトキト雖之ヲ行フコトヲ妨ケス


第七十六条  否認権ハ訴又ハ抗弁ニ依リ破産管財人之ヲ行フ


第七十七条  否認権ノ行使ハ破産財団ヲ原状ニ復セシム ○2第七十二条第五号ニ掲クル行為カ否認セラレタル場合ニ於テ相手方カ行為ノ当時善意ナリシトキハ其ノ現ニ受クル利益ヲ償還スルヲ以テ足ル


第七十八条  破産者ノ行為カ否認セラレタル場合ニ於テ其ノ受ケタル反対給付カ破産財団中ニ現存スルトキハ相手方ハ其ノ返還ヲ請求シ反対給付ニ因リテ生シタル利益カ現存スルトキハ其ノ利益ノ限度ニ於テ財団債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得 ○2反対給付ニ因リテ生シタル利益カ現存セサルトキハ相手方ハ其ノ価額ノ償還ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得反対給付ノ価額カ現存スル利益ヨリ大ナル場合ニ於テ其ノ差額ニ付亦同シ


第七十九条  破産者ノ行為カ否認セラレタル場合ニ於テ相手方カ其ノ受ケタル給付ヲ返還シ又ハ其ノ価額ヲ償還シタルトキハ相手方ノ債権ハ之ニ因リテ原状ニ復ス


第八十条  第七十二条、第七十三条及前二条ノ規定ハ相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テ被相続人、相続人、相続財産管理人及遺言執行者カ相続財産ニ関シテ為シタル行為ニ之ヲ準用ス


第八十一条  相続財産ニ対シ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テ受遺者ニ対スル弁済其ノ他債務ノ消滅ニ関スル行為カ其ノ債権ニ先ツ債権ヲ有スル破産債権者ヲ害スルトキハ之ヲ否認スルコトヲ得


第八十二条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テ第八十条ニ規定スル行為カ否認セラレタルトキハ相続債権者ニ弁済ヲ為シタル後否認セラレタル行為ノ相手方ニ其ノ権利ノ価額ニ応シテ残余財産ヲ分配スルコトヲ要ス


第八十三条  左ノ場合ニ於テハ否認権ハ転得者ニ対シテモ亦之ヲ行フコトヲ得 一 転得者カ転得ノ当時各其ノ前者ニ対スル否認ノ原因アルコトヲ知リタルトキ 二 転得者カ破産者ノ親族又ハ同居者ナルトキ但シ転得ノ当時各其ノ前者ニ対スル否認ノ原因アルコトヲ知ラサリシトキハ此ノ限ニ在ラス 三 転得者カ無償行為又ハ之ト同視スヘキ有償行為ニ因リテ転得シタル場合ニ於テ各其ノ前者ニ対シ否認ノ原因アルトキ ○2第七十七条第二項ノ規定ハ前項第三号ノ規定ニ依リ否認権ノ行使アリタル場合ニ之ヲ準用ス


第八十四条  破産宣告ノ日ヨリ一年前ニ為シタル行為ハ支払停止ノ事実ヲ知リタルコトヲ理由トシテ之ヲ否認スルコトヲ得ス


第八十五条  否認権ハ破産宣告ノ日ヨリ二年間之ヲ行ハサルトキハ時効ニ因リテ消滅ス行為ノ日ヨリ二十年ヲ経過シタルトキ亦同シ


第八十六条  民法第四百二十四条ノ規定ニ依リ破産債権者ノ提起シタル訴訟カ破産宣告ノ当時繋属スルトキハ其ノ訴訟手続ハ受継又ハ破産手続ノ解止ニ至ル迄之ヲ中断ス ○2第六十九条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

第7章[編集]

第七章 取戻権

第八十七条  破産ノ宣告ハ破産者ニ属セサル財産ヲ破産財団ヨリ取戻ス権利ニ影響ヲ及ホサス


第八十八条  破産宣告前破産者ニ財産ヲ譲渡シタル者ハ担保ノ目的ヲ以テシタルコトヲ理由トシテ其ノ財産ヲ取戻スコトヲ得ス


第八十九条  売主カ売買ノ目的タル物品ヲ買主ニ発送シタル場合ニ於テ買主カ未タ代金ノ全額ヲ弁済セス且到達地ニ於テ其ノ物品ヲ受取ラサル間ニ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ売主ハ其ノ物品ヲ取戻スコトヲ得但シ破産管財人カ代金ノ全額ヲ支払ヒテ其ノ物品ノ引渡ヲ請求スルコトヲ妨ケス ○2前項ノ規定ハ第五十九条ノ規定ノ適用ヲ妨ケス


第九十条  前条第一項ノ規定ハ物品買入ノ委託ヲ受ケタル問屋カ其ノ物品ヲ委託者ニ発送シタル場合ニ之ヲ準用ス


第九十一条  破産者カ破産宣告前取戻権ノ目的タル財産ヲ譲渡シタル場合ニ於テハ取戻権者ハ反対給付ノ請求権ノ移転ヲ請求スルコトヲ得破産管財人カ取戻権ノ目的タル財産ヲ譲渡シタル場合亦同シ ○2前項ノ場合ニ於テ破産管財人カ反対給付ヲ受ケタルトキハ取戻権者ハ破産管財人カ反対給付トシテ受ケタル財産ノ給付ヲ請求スルコトヲ得

第8章[編集]

第八章 別除権

第九十二条  破産財団ニ属スル財産ノ上ニ存スル特別ノ先取特権、質権又ハ抵当権ヲ有スル者ハ其ノ目的タル財産ニ付別除権ヲ有ス


第九十三条  破産財団ニ属スル財産ノ上ニ存スル留置権ニシテ商法ニ依ルモノハ破産財団ニ対シテハ之ヲ特別ノ先取特権ト看做ス此ノ先取特権ハ他ノ特別ノ先取特権ニ後ル ○2前項ニ規定スルモノヲ除クノ外留置権ハ破産財団ニ対シテハ其ノ効力ヲ失フ


第九十四条  数人共同シテ財産権ヲ有スル場合ニ於テ其ノ一人カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ之ニ対シ共有ニ関スル債権ヲ有スル他ノ共有者ハ分割ニ因リテ破産者ニ帰スヘキ共有財産ノ部分ニ付別除権ヲ有ス


第九十五条  別除権ハ破産手続ニ依ラスシテ之ヲ行フ


第九十六条  別除権者ハ其ノ別除権ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハサル債権額ニ付テノミ破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得但シ別除権ヲ抛棄シタル債権額ニ付破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ妨ケス


第九十七条  破産財団ニ属セサル破産者ノ財産ノ上ニ特別ノ先取特権、質権又ハ抵当権ヲ有スル者ハ其ノ権利ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハサル債権額ニ付テノミ破産債権者トシテ其ノ権利ヲ行フコトヲ得破産者カ更ニ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テ前ノ破産ニ付破産債権ヲ有スル者亦同シ ○2前項ニ掲クル権利ヲ有スル者ニハ第二編中別除権ニ関スル規定ヲ準用ス

第9章[編集]

第九章 相殺権

第九十八条  破産債権者カ破産宣告ノ当時破産者ニ対シテ債務ヲ負担スルトキハ破産手続ニ依ラスシテ相殺ヲ為スコトヲ得


第九十九条  破産債権者ノ債権カ破産宣告ノ時ニ於テ期限附若ハ解除条件附ナルトキ又ハ第二十二条ニ掲クルモノナルトキト雖相殺ヲ為スコトヲ妨ケス債務カ期限附若ハ条件附ナルトキ又ハ将来ノ請求権ニ関スルモノナルトキ亦同シ


第百条  停止条件附債権又ハ将来ノ請求権ヲ有スル者カ其ノ債務ヲ弁済スル場合ニ於テハ後日相殺ヲ為ス為其ノ債権額ノ限度ニ於テ弁済額ノ寄託ヲ請求スルコトヲ得


第百一条  解除条件附債権ヲ有スル者カ相殺ヲ為ストキハ其ノ相殺額ニ付担保ヲ供シ又ハ寄託ヲ為スコトヲ要ス


第百二条  破産債権者ノ債権ガ無利息債権又ハ定期金債権ナルトキハ第四十六条第五号乃至第七号ニ掲グル部分ヲ控除シタル額ノ限度ニ於テノミ相殺ヲ為スコトヲ得 ○2第二十二条及第二十三条ノ規定ハ破産債権者ノ債権ニ之ヲ準用ス


第百三条  破産債権者カ賃借人ナルトキハ破産宣告ノ時ニ於ケル当期及次期ノ借賃ニ付相殺ヲ為スコトヲ得敷金アルトキハ其ノ後ノ借賃ニ付亦同シ ○2前項ノ規定ハ地代及小作料ニ付之ヲ準用ス


第百四条  左ノ場合ニ於テハ相殺ヲ為スコトヲ得ス

一 破産債権者カ破産宣告ノ後破産財団ニ対シテ債務ヲ負担シタルトキ

二 破産債権者ガ支払ノ停止又ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知リテ破産者ニ対シテ債務ヲ負担シタルトキ但シ其ノ負担ガ法定ノ原因ニ基クトキ、破産債権者ガ支払ノ停止若ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知リタル時ヨリ前ニ生ジタル原因ニ基クトキ又ハ破産宣告ノ時ヨリ一年前ニ生ジタル原因ニ基クトキハ此ノ限ニ在ラズ

三 破産者ノ債務者カ破産宣告ノ後他人ノ破産債権ヲ取得シタルトキ

四 破産者ノ債務者カ支払ノ停止又ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知リテ破産債権ヲ取得シタルトキ但シ其ノ取得カ法定ノ原因ニ基クトキ、債務者カ支払ノ停止若ハ破産ノ申立アリタルコトヲ知リタル時ヨリ前ニ生シタル原因ニ基クトキ又ハ破産宣告ノ時ヨリ一年前ニ生シタル原因ニ基クトキハ此ノ限ニ在ラス

第2編[編集]

第二編 手続規定

第1章[編集]

第一章 総則

第百四条ノ二  此ノ法律ノ規定ニ依ル破産ノ申立ハ債務者ガ個人ナル場合ニ於テハ日本ニ其ノ営業所、住所、居所又ハ財産ヲ有スルトキニ限リ法人其ノ他ノ社団又ハ財団ナル場合ニ於テハ日本ニ営業所、事務所又ハ財産ヲ有スルトキニ限リ為スコトヲ得 ◯2民事訴訟法(平成八年法律第百九号)ニ依リ裁判上ノ請求ヲ為スコトヲ得ベキ債権ハ日本ニ在ルモノト看做ス


第百五条  破産事件ハ債務者カ営業者ナルトキハ其ノ主タル営業所ノ所在地、外国ニ主タル営業所ヲ有スルトキハ日本ニ於ケル主タル営業所ノ所在地、営業者ニ非サルトキ又ハ営業所ヲ有セサルトキハ其ノ普通裁判籍ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ノ管轄ニ専属ス


第百六条  相続財産ニ関スル破産事件ハ相続開始地ヲ管轄スル地方裁判所ノ管轄ニ専属ス


第百七条  前二条ノ規定ニ依ル管轄裁判所ナキトキハ財産ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所ノ管轄ニ専属ス ○2債権ハ裁判上ノ請求ヲ為スコトヲ得ル地ヲ以テ其ノ所在地ト看做ス ○3前二項ノ規定ニ依リ二以上ノ裁判所カ管轄権ヲ有スルトキハ先ニ破産ノ申立アリタル裁判所ノ管轄ニ専属ス


第百八条  破産手続ニ関シテハ本法ニ別段ノ定ナキトキハ民事訴訟ニ関スル法令ノ規定ヲ準用ス


第百九条  破産事件ニ関シテハ裁判所ハ互ニ法律上ノ輔助ヲ求ムルコトヲ得


第百十条  破産手続ニ関スル裁判ハ口頭弁論ヲ経スシテ之ヲ為スコトヲ得 ○2裁判所ハ職権ヲ以テ破産事件ニ関シ必要ナル調査ヲ為スコトヲ得


第百十一条  破産手続ニ関スル裁判ハ職権ヲ以テ其ノ送達ヲ為スコトヲ要ス


第百十二条  破産手続ニ関スル裁判ニ対シテハ本編ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外其ノ裁判ニ付利害関係ヲ有スル者ハ即時抗告ヲ為スコトヲ得其ノ期間ハ裁判ノ公告アリタル場合ニ於テハ其ノ公告アリタル日ヨリ起算シテ二週間トス


第百十三条  削除


第百十四条  破産手続ニ関スル申立、陳述及抗告ハ書面又ハ口頭ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得


第百十五条  本編ノ規定ニ依リ為スヘキ公告ハ官報及登記事項ノ公告ヲ掲載スヘキ新聞紙ヲ以テ之ヲ為ス ○2公告ハ最終ノ掲載アリタル日ノ翌日ニ於テ其ノ効力ヲ生ス


第百十六条  裁判所ノ管轄内ニ前条第一項ノ新聞紙ナキトキハ公告ハ裁判所及破産者ノ営業所若ハ住所ノ所在地ノ簡易裁判所又ハ其ノ管轄内ノ市町村ノ事務所若ハ之ニ準スヘキ公署ノ掲示場ニ掲示シテ之ヲ為ス此ノ場合ニ於テハ公告ハ掲示ノ日ヨリ三日ヲ経過シタル後其ノ効力ヲ生ス


第百十七条  本編ノ規定ニ依リ送達ヲ為スヘキ場合ニ於テハ公告ヲ以テ之ニ代フルコトヲ得


第百十八条  本編ノ規定ニ依リ公告ノ外送達ヲ為スヘキ場合ニ於テハ送達ハ書類ヲ郵便ニ付シ又ハ民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項ニ規定スル一般信書便事業者若ハ同条第九項ニ規定スル特定信書便事業者ノ提供スル同条第二項ニ規定スル信書便ノ役務ヲ利用シテ送付スル方法ニ依リ之ヲ為スコトヲ得 ○2前項ノ場合ニ於テハ公告ハ一切ノ関係人ニ対スル送達ノ効力ヲ有ス


第百十九条  法人ニ対シテ破産ノ宣告ヲ為シタルトキハ裁判所ハ職権ヲ以テ遅滞ナク嘱託書ニ破産決定書ノ謄本ヲ添附シテ破産ノ登記ヲ各営業所又ハ各事務所ノ所在地ノ登記所ニ嘱託スルコトヲ要ス


第百二十条  裁判所カ破産者ニ関スル登記アルコトヲ知リタルトキハ職権ヲ以テ遅滞ナク嘱託書ニ破産決定書ノ謄本ヲ添附シテ破産ノ登記ヲ登記所ニ嘱託スルコトヲ要ス破産財団ニ属スル権利ニシテ登記シタルモノアルコトヲ知リタルトキ亦同シ


第百二十条ノ二  前条ノ規定ハ破産財団ニ属スル権利ニシテ登記シタルモノニ関シ第百五十五条第一項ノ規定ニ依ル処分アリタル場合及其ノ処分ノ変更又ハ取消アリタル場合ニ之ヲ準用ス


第百二十一条  第百十九条及第百二十条ノ規定ハ破産取消、破産廃止又ハ強制和議取消ノ決定カ確定シタル場合及破産終結ノ決定アリタル場合ニ之ヲ準用ス破産管財人カ破産ノ登記アリタル権利ヲ破産財団ヨリ抛棄シタル場合ニ於テ登記嘱託ノ申立アリタルトキ亦同シ


第百二十二条  登記所カ前四条ノ規定ニ依リテ登記ノ嘱託ヲ受ケタルトキハ遅滞ナク其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス ○2前項ノ登記ニ付テハ登録免許税ヲ課セス


第百二十三条  登記ノ原因タル行為カ否認セラレタルトキハ破産管財人ハ否認ノ登記ヲ為スコトヲ要ス登記カ否認セラレタルトキ亦同シ ○2第百二十一条及前条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス


第百二十四条  前五条ノ規定ハ破産財団ニ属スル権利ニシテ登録シタルモノニ之ヲ準用ス


第百二十五条  法人ニ対シテ破産ノ宣告ヲ為シタル場合ニ於テ其ノ法人ノ設立又ハ目的タル事業ニ付官庁其ノ他ノ機関ノ許可アリタルモノナルトキハ裁判所ハ破産ノ宣告アリタル旨ヲ其ノ官庁其ノ他ノ機関ニ通知スルコトヲ要ス ○2前項ノ規定ハ破産取消、破産廃止若ハ強制和議取消ノ決定カ確定シ又ハ破産終結ノ決定アリタル場合ニ之ヲ準用ス


第百二十五条ノ二  破産者ノ為ニ開始シタル責任制限手続ニ付廃止ノ決定アリタルトキハ其ノ決定ガ確定スル迄破産手続ヲ中止ス

第2章[編集]

第二章 破産宣告

第百二十六条  債務者カ支払ヲ為スコト能ハサルトキハ裁判所ハ申立ニ因リ決定ヲ以テ破産ヲ宣告ス ○2債務者カ支払ヲ停止シタルトキハ支払ヲ為スコト能ハサルモノト推定ス


第百二十七条  法人ニ対シテハ其ノ財産ヲ以テ債務ヲ完済スルコト能ハサル場合ニ於テモ亦破産ノ宣告ヲ為スコトヲ得 ○2前項ノ規定ハ合名会社及合資会社ノ存立中ハ之ヲ適用セス


第百二十八条  法人ニ対シテハ其ノ解散ノ後ト雖残余財産ノ引渡又ハ分配カ終了セサル間ハ破産ノ申立ヲ為スコトヲ得


第百二十九条  相続財産ヲ以テ相続債権者及受遺者ニ対スル債務ヲ完済スルコト能ハサルトキハ裁判所ハ申立ニ因リ決定ヲ以テ破産ヲ宣告ス


第百三十条  破産ノ申立又ハ破産ノ宣告アリタル後相続カ開始シタルトキハ破産手続ハ相続財産ニ対シテ之ヲ続行ス


第百三十一条  相続財産ニ対シテハ民法第九百四十一条ノ規定ニ依リ財産分離ノ請求ヲ為スコトヲ得ル間ニ限リ破産ノ申立ヲ為スコトヲ得其ノ間ニ限定承認又ハ財産分離アリタル場合ニ於テハ相続債権者及受遺者ニ対スル弁済カ未タ終了セサル間亦同シ


第百三十一条ノ二  破産申立ノ当時既ニ外国ニ於テ破産ノ宣告アリタルトキハ破産ノ原因タル事実アルモノト推定ス


第百三十二条  債権者又ハ債務者ハ破産ノ申立ヲ為スコトヲ得 ○2債権者カ破産ノ申立ヲ為ストキハ其ノ債権ノ存在及破産ノ原因タル事実ヲ疏明スルコトヲ要ス


第百三十三条  民法ニ依リテ設立シタル法人ニ対シテハ理事、合名会社又ハ合資会社ニ対シテハ無限責任社員、株式会社又ハ相互会社ニ対シテハ取締役ハ破産ノ申立ヲ為スコトヲ得 ○2前項ニ規定スル法人ニ対シテハ清算人モ亦破産ノ申立ヲ為スコトヲ得


第百三十四条  理事、無限責任社員、取締役又ハ清算人ノ全員カ破産ノ申立ヲ為ササル場合ニ於テハ破産ノ原因タル事実ヲ疏明スルコトヲ要ス


第百三十五条  前二条ノ規定ハ第百三十三条ニ規定スル法人以外ノ法人ニ之ヲ準用ス


第百三十六条  相続財産ニ対シテハ相続債権者及受遺者ノ外相続人、相続財産管理人及遺言執行者モ亦破産ノ申立ヲ為スコトヲ得 ○2相続財産管理人、遺言執行者又ハ限定承認若ハ財産分離アリタル場合ニ於テハ相続人カ相続財産ヲ以テ相続債権者及受遺者ニ対スル債務ヲ完済スルコト能ハサルコトヲ発見シタルトキハ直ニ破産ノ申立ヲ為スコトヲ要ス ○3相続人、相続財産管理人又ハ遺言執行者カ破産ノ申立ヲ為ストキハ破産ノ原因タル事実ヲ疏明スルコトヲ要ス


第百三十七条  削除


第百三十八条  破産申立人カ債権者ニ非サルトキハ申立ト同時ニ財産ノ概況ヲ示スヘキ書面並債権者及債務者ノ一覧表ヲ提出スルコトヲ要ス申立ト同時ニ提出スルコト能ハサルトキハ爾後遅滞ナク之ヲ提出スルコトヲ要ス


第百三十九条  債権者カ破産ノ申立ヲ為ス場合ニ於テハ破産手続ノ費用トシテ裁判所カ相当ト認ムル金額ノ予納アルコトヲ要ス予納ナキトキハ裁判所ハ其ノ申立ヲ棄却スルコトヲ得 ○2費用ノ予納ニ関スル決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第百四十条  破産申立人カ債権者ニ非サルトキハ破産手続ノ費用ハ仮ニ国庫ヨリ之ヲ支弁ス破産申立人カ債権者ナル場合ニ於テ費用ノ予納ナキニ拘ラス裁判所カ破産ノ宣告ヲ為シタルトキ、予納金カ不足ナルニ至リタルトキ及裁判所カ職権ヲ以テ破産ノ宣告ヲ為シタルトキ亦同シ


第百四十一条  破産決定書ニハ破産宣告ノ年月日時ヲ記載スルコトヲ要ス


第百四十二条  裁判所ハ破産ノ宣告ト同時ニ破産管財人ヲ選任シ且左ノ事項ヲ定ムルコトヲ要ス 一 債権届出ノ期間但シ其ノ期間ハ破産宣告ノ日ヨリ二週間以上四月以下ナルコトヲ要ス 二 第一回ノ債権者集会ノ期日但シ其ノ期日ハ破産宣告ノ日ヨリ一月内ナルコトヲ要ス 三 債権調査ノ期日但シ其ノ期日ト債権届出期間ノ末日トノ間ニハ一週間以上一月以下ノ期間ヲ存スルコトヲ要ス ○2前項第二号及第三号ノ期日ハ之ヲ併合スルコトヲ妨ケス


第百四十三条  裁判所カ破産ノ宣告ヲ為シタルトキハ直ニ左ノ事項ヲ公告スルコトヲ要ス 一 破産決定ノ主文 二 破産管財人ノ氏名及住所 三 前条ノ規定ニ依リ定メタル期間及期日 四 破産者ノ債務者及破産財団ニ属スル財産ノ所持者ハ破産者ニ弁済ヲ為シ又ハ其ノ財産ヲ交付スヘカラサル旨及債務ヲ負担スルコト又ハ其ノ財産ヲ所持スルコト、所持者カ別除権ヲ有スルトキハ其ノ債権ヲ有スルコトヲ一定ノ期間内ニ破産管財人ニ届出ツヘキ旨ノ命令 ○2知レタル債権者、債務者及財産所持者ニハ前項ニ掲クル事項ヲ記載シタル書面ヲ送達スルコトヲ要ス ○3前二項ノ規定ハ第一項第二号乃至第四号ニ掲クル事項ニ変更ヲ生シタル場合ニ之ヲ準用ス ○4第一項第四号ノ届出ヲ怠リタル者ハ之ニ因リテ破産財団ニ生シタル損害ヲ賠償スルコトヲ要ス


第百四十四条  裁判所カ破産ノ宣告ヲ為シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ検察官ニ通知スルコトヲ要ス


第百四十五条  裁判所カ破産財団ヲ以テ破産手続ノ費用ヲ償フニ足ラスト認ムルトキハ破産ノ宣告ト同時ニ破産廃止ノ決定ヲ為スコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ破産決定ノ主文並破産廃止ノ決定ノ主文及理由ノ要領ヲ公告スルコトヲ要ス ○2前項ノ場合ニ於テ破産廃止ノ決定ノ取消カ確定シタルトキハ前三条ノ規定ヲ準用ス


第百四十六条  前条ノ規定ハ破産手続ノ費用ヲ償フニ足ルベキ金額ノ予納アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ


第百四十七条  破産者ハ裁判所ノ許可ヲ得ルニ非サレハ其ノ居住地ヲ離ルルコトヲ得ス


第百四十八条  裁判所ハ必要ト認ムルトキハ破産者ノ引致ヲ命スルコトヲ得 ○2引致ハ引致状ヲ発シテ之ヲ為ス ○3引致ニハ刑事訴訟法中勾引ニ関スル規定ヲ準用ス


第百四十九条  破産者カ逃走シ又ハ財産ヲ隠匿若ハ毀棄スル虞アルトキハ裁判所ハ其ノ監守ヲ命スルコトヲ得 ○2前項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ決定書ノ正本ヲ検察官ニ送致スルコトヲ要ス検察官ハ破産者ノ居住地ヲ管轄スル警察署ノ警察官又ハ警察吏員ニ命シテ監守ヲ執行セシム


第百五十条  監守ヲ命セラレタル破産者ハ裁判所ノ許可ヲ得ルニ非サレハ外人ト面接又ハ通信スルコトヲ得ス


第百五十一条  監守ノ必要カ止ミタルトキハ裁判所ハ破産者若ハ破産管財人ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ監守ノ決定ヲ取消スコトヲ要ス ○2前項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ決定書ノ正本ヲ検察官ニ送致スルコトヲ要ス検察官ハ警察官又ハ警察吏員ニ命シテ監守ヲ解カシム


第百五十二条  前五条ノ規定ハ破産者ノ法定代理人、理事及之ニ準スヘキ者並支配人ニ付之ヲ準用ス相続財産ニ対スル破産ニ於テ相続人並其ノ法定代理人及支配人ニ付亦同シ


第百五十三条  破産者、其ノ代理人並其ノ理事及之ニ準スヘキ者ハ破産管財人、監査委員又ハ債権者集会ノ請求ニ因リ破産ニ関シ必要ナル説明ヲ為スコトヲ要ス相続財産ニ対スル破産ニ於テ相続人、其ノ代理人、相続財産管理人及遺言執行者亦同シ ○2前項ノ規定ハ前ニ前項ニ規定スル資格ヲ有シタル者ニ之ヲ準用ス


第百五十四条  破産ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ破産宣告前ト雖債務者及第百五十二条ニ規定スル者ノ引致又ハ監守ヲ命スルコトヲ得


第百五十五条  破産ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ破産宣告前ト雖利害関係人ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ破産財団ニ関シ仮差押、仮処分其ノ他ノ必要ナル保全処分ヲ命スルコトヲ得 ○2裁判所ハ前項ノ規定ニ依ル処分ヲ変更シ又ハ之ヲ取消スコトヲ得 ○3前二項ノ規定ニ依ル裁判ハ決定ヲ以テ之ヲ為ス ○4第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル裁判ニ対スル即時抗告ハ執行停止ノ効力ヲ有セズ


第百五十五条ノ二  裁判所ハ破産ノ申立アリタル場合ニ於テ必要ト認ムルトキハ利害関係人ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ破産ノ申立ニ付決定アル迄責任制限手続ノ中止ヲ命ズルコトヲ得但シ責任制限手続開始ノ決定アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ ○2裁判所ハ前項ノ規定ニ依ル中止ノ決定ヲ取消スコトヲ得 ○3前二項ノ規定ニ依ル決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ズ


第百五十六条  破産取消ノ決定カ確定シタル場合ニ於テハ裁判所ハ直ニ其ノ主文ヲ公告スルコトヲ要ス ○2第百四十三条第二項、第百四十四条、第百五十一条第二項、第百五十二条及第三百五十五条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス


第百五十六条ノ二  破産者ノ為ニ開始シタル責任制限手続ニ付廃止ノ決定ガ確定シタル場合ニ於テハ裁判所ハ制限債権者ノ為ニ左ノ事項ヲ定ムルコトヲ要ス 一 債権届出ノ期間但シ其ノ期間ハ責任制限手続廃止ノ決定ガ確定シタル日ヨリ一週間以上二月以下ナルコトヲ要ス 二 債権調査ノ期日但シ其ノ期日ト債権届出期間ノ末日トノ間ニハ一週間以上一月以下ノ期間ヲ存スルコトヲ要ス ○2裁判所ハ前項ノ規定ニ依リ定メタル期間及期日ヲ公告スルコトヲ要ス ○3知レタル制限債権者ニハ第百四十三条第一項第一号第二号及前項ニ掲グル事項ヲ記載シタル書面ヲ送達スルコトヲ要ス ○4破産管財人、破産者及届出ヲ為シタル破産債権者ニハ第二項ニ掲グル事項ヲ記載シタル書面ヲ送達スルコトヲ要ス但シ第一項第二号ノ規定ニ依リ定メラレタル期日ガ第百四十二条第一項第三号ノ規定ニ依リ定メラレタル期日ト同ジナルトキハ届出ヲ為シタル破産債権者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ ○5第二項、第三項及前項本文ノ規定ハ第二項ニ掲グル事項ニ変更ヲ生ジタル場合ニ之ヲ準用ス

第3章[編集]

第三章 破産管財人

第百五十七条  破産管財人ハ裁判所之ヲ選任ス


第百五十八条  破産管財人ハ一人トス但シ裁判所必要ト認ムルトキハ数人ヲ選任スルコトヲ得


第百五十九条  裁判所ハ破産管財人ニ其ノ選任ヲ証スル書面ヲ交付スルコトヲ要ス ○2破産管財人ハ其ノ職務ヲ行フニ当リ利害関係人ノ請求アルトキハ前項ノ書面ヲ示スコトヲ要ス


第百六十条  破産管財人ハ正当ノ事由アルニ非サレハ其ノ任務ヲ辞スルコトヲ得ス ○2破産管財人カ其ノ任務ヲ辞セムトスルトキハ裁判所ニ申立ヲ為スコトヲ要ス


第百六十一条  破産管財人ハ裁判所ノ監督ニ属ス


第百六十二条  破産財団ニ関スル訴ニ付テハ破産管財人ヲ以テ原告又ハ被告トス


第百六十三条  破産管財人数人アルトキハ共同シテ其ノ職務ヲ行フ但シ裁判所ノ許可ヲ得テ職務ヲ分掌スルコトヲ得 ○2破産管財人数人アルトキハ第三者ノ意思表示ハ其ノ一人ニ対シテ之ヲ為スヲ以テ足ル


第百六十四条  破産管財人ハ善良ナル管理者ノ注意ヲ以テ其ノ職務ヲ行フコトヲ要ス ○2破産管財人カ前項ノ注意ヲ怠リタルトキハ其ノ破産管財人ハ利害関係人ニ対シ連帯シテ損害賠償ノ責ニ任ス


第百六十五条  破産管財人ハ臨時故障アル場合ニ於テ其ノ職務ヲ行ハシムル為自己ノ責任ヲ以テ予メ代理人ヲ選任スルコトヲ得 ○2前項ノ代理人ノ選任ハ裁判所ノ認可ヲ得ルコトヲ要ス


第百六十六条  破産管財人ハ費用ノ前払及報酬ヲ受クルコトヲ得其ノ額ハ裁判所之ヲ定ム


第百六十七条  裁判所ハ債権者集会ノ決議若ハ監査委員ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ破産管財人ヲ解任スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ破産管財人ヲ審訊スルコトヲ要ス


第百六十八条  破産管財人ノ任務終了ノ場合ニ於テハ破産管財人又ハ其ノ相続人ハ遅滞ナク債権者集会ニ計算ノ報告ヲ為スコトヲ要ス ○2破産者、破産債権者又ハ後任ノ破産管財人カ債権者集会ニ於テ計算ニ付異議ヲ述ヘサリシトキハ之ヲ承認シタルモノト看做ス ○3破産管財人ハ利害関係人ノ閲覧ニ供スル為計算報告書及監査委員ノ意見書ヲ債権者集会ノ日ヨリ三日前ニ裁判所ニ提出スルコトヲ要ス


第百六十九条  破産管財人ノ任務終了ノ場合ニ於テ急迫ノ事情アルトキハ破産管財人又ハ其ノ相続人ハ後任ノ破産管財人又ハ破産者カ財産ヲ管理スルコトヲ得ルニ至ル迄必要ナル処分ヲ為スコトヲ要ス

第4章[編集]

第四章 監査委員

第百七十条  監査委員ヲ置クカ否ハ第一回ノ債権者集会ニ於テ之ヲ議決スルコトヲ要ス但シ後ノ債権者集会ニ於テ其ノ決議ヲ変更スルコトヲ得


第百七十一条  監査委員ハ三人以上トシ債権者集会ニ於テ之ヲ選任ス ○2監査委員ノ選任ノ決議ハ裁判所ノ認可ヲ得ルコトヲ要ス


第百七十二条  監査委員ノ職務ノ執行ハ過半数ヲ以テ之ヲ決ス ○2特別ノ利害関係ヲ有スル者ハ表決ヲ為スコトヲ得ス


第百七十三条  各監査委員ハ何時ニテモ破産管財人ニ対シテ破産財団ニ関スル報告ヲ求メ又ハ破産財団ノ状況ヲ調査スルコトヲ得


第百七十四条  監査委員ハ何時ニテモ債権者集会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得 ○2重要ナル事由アルトキハ裁判所ハ利害関係人ノ申立ニ因リ監査委員ヲ解任スルコトヲ得


第百七十五条  第百六十四条及第百六十六条ノ規定ハ監査委員ニ之ヲ準用ス

第5章[編集]

第五章 債権者集会

第百七十六条  債権者集会ハ破産管財人若ハ監査委員ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ裁判所之ヲ招集ス届出ヲ為シタル総債権ニ付裁判所ノ評価シタル額ノ五分ノ一以上ニ当ル破産債権者ノ申立アリタルトキ亦同シ


第百七十七条  債権者集会ノ期日及会議ノ目的タル事項ハ裁判所之ヲ公告スルコトヲ要ス ○2債権者集会ノ延期又ハ続行ニ付言渡アリタルトキハ送達又ハ公告ヲ為スコトヲ要セス


第百七十八条  債権者集会ハ裁判所之ヲ指揮ス


第百七十九条  債権者集会ノ決議ニハ議決権ヲ行フコトヲ得ヘキ出席破産債権者ノ過半数ニシテ其ノ債権額カ其ノ者ノ総債権ノ半額ヲ超ユル者ノ同意アルコトヲ要ス ○2債権者集会ノ決議ニ付特別ノ利害関係ヲ有スル者ハ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得ス


第百八十条  前条ノ規定ニ依リ決議ヲ為スコト能ハサルトキト雖議決スヘキ事項ニ付同意シタル者ノ債権額カ議決権ヲ行フコトヲ得ヘキ出席破産債権者ノ総債権ノ半額ヲ超ユルトキハ裁判所ハ決定ヲ以テ決議アリタルモノト看做スコトヲ得 ○2前項ノ決定ハ裁判所之ヲ公告スルコトヲ要ス其ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第百八十一条  破産債権者ハ代理人ヲ以テ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ代理人ハ代理権ヲ証スル書面ヲ提出スルコトヲ要ス


第百八十二条  破産債権者ハ確定債権額ニ応シテ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得 ○2未確定債権、停止条件附債権、将来ノ請求権又ハ別除権ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハサルヘキ債権額ニ付破産管財人又ハ破産債権者ノ異議アルトキハ裁判所ハ議決権ヲ行ハシムヘキカ否及如何ナル金額ニ付之ヲ行ハシムヘキカヲ定ム ○3裁判所ハ利害関係人ノ申立ニ因リ何時ニテモ前項ノ規定ニ依ル決定ヲ変更スルコトヲ得 ○4前二項ノ規定ニ依ル決定ハ其ノ言渡アリタルトキハ送達ヲ為スコトヲ要セス其ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス ○5破産債権者ハ第四十六条ニ掲グル請求権ニ付テハ議決権ヲ行フコトヲ得ズ ○6第二十三条ノ二ニ規定スル弁済ヲ受ケタル破産債権者ハ其ノ弁済ヲ受ケタル債権額ニ付テハ議決権ヲ行フコトヲ得ズ


第百八十三条  債権者集会ノ決議ハ之ヲ以テ監査委員ノ同意ニ代フルコトヲ得 ○2債権者集会ノ決議カ監査委員ノ意見ト異ナルトキハ其ノ決議ニ従フ


第百八十四条  債権者集会ノ決議カ破産債権者ノ一般ノ利益ニ反スルトキハ裁判所ハ破産管財人、監査委員若ハ破産債権者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ其ノ決議ノ執行ヲ禁止スルコトヲ得 ○2議決権ヲ有セサリシ破産債権者カ前項ノ申立ヲ為スニハ其ノ破産債権者タルコトヲ疏明スルコトヲ要ス ○3第一項ノ規定ニ依ル禁止決定ハ其ノ言渡アリタルトキハ送達ヲ為スコトヲ要セス

第6章[編集]

第六章 破産財団ノ管理及換価

第百八十五条  破産管財人ハ就職ノ後直ニ破産財団ニ属スル財産ノ占有及管理ニ著手スルコトヲ要ス


第百八十六条  破産管財人必要ト認ムルトキハ裁判所書記官、執行官又ハ公証人ヲシテ破産財団ニ属スル財産ニ封印ヲ為サシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テ封印ヲ為シタル者ハ調書ヲ作ルコトヲ要ス ○2前項ノ規定ハ封印除去ノ場合ニ之ヲ準用ス


第百八十七条  裁判所書記官ハ破産宣告ノ後直ニ破産者ノ財産ニ関スル帳簿ヲ閉鎖シ之ニ署名捺印シ且調書ヲ作リ之ニ帳簿ノ現状ヲ記載スルコトヲ要ス但シ署名捺印ニ代ヘテ記名捺印スルコトヲ得


第百八十八条  破産管財人ハ遅滞ナク裁判所書記官、執行官又ハ公証人ノ立会ヲ以テ破産財団ニ属スル一切ノ財産ノ価額ヲ評定スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ遅滞ノ虞アル場合ヲ除クノ外破産者ノ立会ヲ求ムルコトヲ要ス


第百八十九条  破産管財人ハ財産目録及貸借対照表ヲ作ルコトヲ要ス ○2破産管財人ハ財産目録及貸借対照表ノ謄本ニ署名捺印シ之ヲ裁判所ニ提出スルコトヲ要ス封印ニ関スル調書ニ付亦同シ ○3前項ノ署名捺印ハ記名捺印ヲ以テ之ニ代フルコトヲ得 ○4利害関係人ハ第二項ニ規定スル書類ノ閲覧ヲ求ムルコトヲ得


第百九十条  裁判所ハ信書ノ送達ノ事業又ハ電報ノ事業ヲ行フ者ニ対シ破産者ニ宛テタル郵便物若ハ民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第三項ニ規定スル信書便物又ハ電報(以下郵便物等ト称ス)ヲ破産管財人ニ配達スヘキ旨ヲ嘱託スルコトヲ要ス ○2 破産管財人ハ其ノ受取リタル前項ノ郵便物等ノ開披ヲ為スコトヲ得 ○3 破産者ハ前項ノ郵便物等ノ閲覧ヲ求メ且破産財団ニ関セサルモノノ交付ヲ求ムルコトヲ得


第百九十一条  裁判所ハ破産者ノ申立ニ因リ破産管財人ノ意見ヲ聴キ前条第一項ノ嘱託ヲ取消シ又ハ之ヲ制限スルコトヲ得 ○2破産取消若ハ破産廃止ノ決定カ確定シタルトキ又ハ破産終結ノ決定アリタルトキハ裁判所ハ前条第一項ノ嘱託ヲ取消スコトヲ要ス


第百九十二条  第一回ノ債権者集会前ニ於テハ破産管財人ハ裁判所ノ許可ヲ得テ破産者及之ニ扶養セラルル者ニ扶助料ヲ与ヘ又ハ破産者ノ営業ヲ継続スルコトヲ得 ○2貨幣、有価証券其ノ他ノ高価品ノ保管方法ハ裁判所之ヲ定ム


第百九十三条  破産管財人ハ破産宣告ニ至リタル事情並破産者及破産財団ニ関スル経過及現状ニ付第一回ノ債権者集会ニ報告ヲ為スコトヲ要ス


第百九十四条  第一回ノ債権者集会ニ於テハ扶助料ノ給与、営業ノ廃止又ハ継続及高価品ノ保管方法ニ付決議ヲ為スコトヲ要ス


第百九十五条  破産管財人ハ別除権者ニ対シ其ノ権利ノ目的タル財産ヲ示スヘキコトヲ求ムルコトヲ得 ○2破産管財人カ前項ノ財産ヲ評価セムトスルトキハ別除権者ハ之ヲ拒ムコトヲ得ス


第百九十六条  一般ノ債権調査ノ終了前ニ於テハ破産管財人ハ破産財団ノ換価ヲ為スコトヲ得ス一般ノ債権調査ノ終了前強制和議ノ提供アリタル場合ニ於テ其ノ落著ニ至ル迄亦同シ ○2破産財団ニ属スル財産ニシテ遅滞ナク之ヲ換価スルニ非サレハ破産財団ニ損害ヲ生スル虞アルモノハ前項ノ規定ニ拘ラス監査委員ノ同意、監査委員ナキトキハ裁判所ノ許可ヲ得テ破産管財人其ノ換価ヲ為スコトヲ得


第百九十七条  破産管財人左ニ掲クル行為ヲ為スニハ監査委員ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス但シ第七号乃至第十四号ニ掲クル行為ニ付十万円以上ノ価額ヲ有スルモノニ関セサルトキハ此ノ限ニ在ラス

一 不動産ニ関スル物権、登記スヘキ日本船舶及外国船舶ノ任意売却

二 鉱業権、漁業権、特許権、意匠権、実用新案権、回路配置利用権、育成者権、著作権及著作隣接権ノ任意売却

三 営業ノ譲渡

四 商品ノ一括売却

五 借財

六 第九条第二項ノ規定ニ依ル相続抛棄ノ承認、第十条ノ規定ニ依ル包括遺贈抛棄ノ承認及第十一条第一項ノ規定ニ依ル特定遺贈ノ抛棄

七 動産ノ任意売却

八 債権及有価証券ノ譲渡

九 第五十九条第一項ノ規定ニ依ル履行ノ請求

十 訴ノ提起

十一 和解及仲裁合意

十二 権利ノ抛棄

十三 財団債権、取戻権及別除権ノ承認

十四 別除権ノ目的ノ受戻


第百九十八条  第一回ノ債権者集会前ニ於テ前条ノ規定ニ依リ監査委員ノ同意ヲ要スル行為ヲ為スノ必要アルトキハ破産管財人ハ裁判所ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス ○2監査委員ヲ置カサル場合ニ於テハ破産管財人ハ債権者集会ノ決議ヲ経ルコトヲ要ス但シ急迫ノ必要アルトキハ裁判所ノ許可ヲ得ルヲ以テ足ル


第百九十九条  前二条ノ場合ニ於テ破産管財人ハ遅滞ノ虞アル場合ヲ除クノ外破産者ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス


第二百条  破産管財人カ第百九十七条ニ掲クル行為ヲ為スニ付監査委員ノ同意ヲ得タルトキト雖裁判所ハ破産者ノ申立ニ因リ其ノ行為ノ執行ノ中止ヲ命シ且其ノ行為ニ関スル決議ヲ為サシムル為債権者集会ヲ招集スルコトヲ得


第二百一条  破産管財人カ第百九十六条乃至第百九十八条ノ規定ニ違反シ又ハ前条ノ規定ニ依ル執行中止ノ命令ニ違反シタルトキト雖之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス


第二百二条  第百九十七条第一号及第二号ニ掲クルモノノ換価ハ民事執行法其ノ他強制執行ノ手続ニ関スル法令ノ規定ニ依リテ之ヲ為ス


第二百三条  破産管財人ハ民事執行法其ノ他強制執行ノ手続ニ関スル法令ノ規定ニ依リ別除権ノ目的タル財産ノ換価ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ別除権者ハ之ヲ拒ムコトヲ得ス ○2前項ノ場合ニ於テ別除権者ノ受クヘキ金額カ未タ確定セサルトキハ破産管財人ハ代金ヲ別ニ寄託スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ別除権ハ代金ノ上ニ存ス


第二百四条  別除権者カ法律ニ定メタル方法ニ依ラスシテ別除権ノ目的ヲ処分スル権利ヲ有スルトキハ裁判所ハ破産管財人ノ申立ニ因リ別除権者カ其ノ処分ヲ為スヘキ期間ヲ定ム ○2別除権者カ前項ノ期間内ニ処分ヲ為ササルトキハ前項ノ権利ヲ失フ


第二百五条  破産管財人ハ債権者集会ノ定ムル所ニ依リ債権者集会又ハ監査委員ニ破産財団ノ状況ヲ報告スルコトヲ要ス


第二百六条  破産管財人カ其ノ寄託シタル貨幣、有価証券其ノ他ノ高価品ノ返還ヲ求ムルニハ監査委員ノ同意、監査委員ナキトキハ裁判所ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス但シ債権者集会ニ於テ別段ノ決議ヲ為シタルトキハ其ノ決議ニ依ル ○2破産管財人カ前項ノ規定ニ違反シタル場合ニ於テ受寄者カ善意ニシテ且過失ナキトキハ弁済ハ其ノ効力ヲ有ス ○3前二項ノ規定ハ破産管財人カ受寄者ヲシテ支払其ノ他ノ給付ヲ為サシムル為証券ヲ発行スル場合ニ之ヲ準用ス


第二百七条  商法第百二十六条ノ規定ハ法人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ之ヲ準用ス


第二百八条乃至第二百二十四条  削除


第二百二十五条  匿名組合契約カ営業者ノ破産ニ因リテ終了シタルトキハ破産管財人ハ匿名組合員カ負担スヘキ損失ノ額ヲ限度トシテ出資ヲ為サシムルコトヲ得


第二百二十六条  相続人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル後限定承認ヲ為シタルトキ又ハ財産分離アリタルトキハ相続財産ノ処分ハ破産管財人之ヲ為スコトヲ要ス限定承認又ハ財産分離アリタル後相続人カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキ亦同シ ○2破産管財人カ前項ノ処分ヲ終ヘタルトキハ残余財産ニ付破産財団ノ財産目録及貸借対照表ヲ補充スルコトヲ要ス ○3前二項ノ規定ハ包括受遺者カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ之ヲ準用ス


第二百二十七条  前条ノ規定ハ第八条又ハ第九条第一項ノ規定ニ依リ限定承認ノ効力ヲ有スル場合ニ之ヲ準用ス

第7章[編集]

第七章 破産債権ノ届出及調査

第二百二十八条  破産債権者ハ裁判所ノ定メタル期間内ニ其ノ債権ノ額及原因、一般ノ先取特権其ノ他一般ノ優先権アルトキハ其ノ権利、第四十六条ニ掲グル請求権ヲ含ムトキハ其ノ区分ヲ裁判所ニ届出テ且証拠書類又ハ其ノ謄本若ハ抄本ヲ提出スルコトヲ要ス ○2別除権者ハ前項ニ規定スル事項ノ外別除権ノ目的及其ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハサルヘキ債権額ヲ届出ツルコトヲ要ス ○3破産債権ニ付破産宣告ノ当該訴訟カ繋属スルトキハ第一項ニ規定スル事項ノ外裁判所、件名及番号ヲ届出ツルコトヲ要ス


第二百二十九条  裁判所書記官ハ債権表ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス 一 債権者ノ氏名及住所 二 債権ノ額及原因 三 優先権アルトキハ其ノ権利、第四十六条ニ掲グル請求権ヲ含ムトキハ其ノ区分 四 別除権者カ前条第二項ノ規定ニ依リテ届出テタル債権額 ○2裁判所書記官ハ債権表ノ謄本ヲ破産管財人ニ交付スルコトヲ要ス


第二百三十条  債権ノ届出ニ関スル書類及債権表ハ利害関係人ノ閲覧ニ供スル為之ヲ裁判所ニ備ヘ置クコトヲ要ス


第二百三十一条  債権調査ノ期日ニ於テハ届出アリタル各債権ニ付第二百二十九条第一項ニ掲クル事項ヲ調査ス


第二百三十二条  破産者ハ債権調査ノ期日ニ出頭シテ意見ヲ述フルコトヲ要ス但シ正当ノ事由アルトキハ代理人ヲ出頭セシムルコトヲ得 ○2届出ヲ為シタル破産債権者又ハ其ノ代理人ハ債権調査ノ期日ニ出頭シテ意見ヲ述フルコトヲ得代理人ハ代理権ヲ証スル書面ヲ提出スルコトヲ要ス


第二百三十三条  債権ノ調査ハ破産管財人出頭スルニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス


第二百三十四条  期間後ニ届出アリタル債権ニ付テハ破産管財人及破産債権者ノ異議アル場合ヲ除クノ外債権調査ノ一般期日ニ於テ其ノ調査ヲ為スコトヲ得 ○2破産管財人又ハ破産債権者ノ異議アリタルトキハ裁判所ハ前項ノ債権ノ調査ヲ為ス為特別期日ヲ定ムルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ費用ハ期間後ニ届出ヲ為シタル破産債権者ノ負担トス


第二百三十五条  前条ノ規定ハ破産債権者カ届出テタル事項ニ付届出期間後他ノ破産債権者ノ利益ヲ害スヘキ変更ヲ加ヘタル場合ニ之ヲ準用ス


第二百三十六条  第二百三十四条第二項ノ規定ハ破産債権者カ債権調査ノ一般期日後ニ債権ノ届出ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス


第二百三十七条  債権調査ノ特別期日ヲ定ムル決定ハ之ヲ公告シ且破産管財人、破産者及届出ヲ為シタル破産債権者ニ之ヲ送達スルコトヲ要ス


第二百三十八条  前条ノ規定ハ債権調査ノ期日ノ変更並債権調査ノ延期及続行ニ之ヲ準用ス但シ言渡アリタルトキハ公告及送達ヲ為スコトヲ要セス


第二百三十九条  前二条ノ規定ニ依ル決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第二百四十条  債権調査ノ期日ニ於テ破産管財人及破産債権者ノ異議ナカリシトキハ債権ノ額、優先権及第四十六条ニ掲グル請求権ノ区分ハ之ニ因リテ確定ス ○2破産者カ異議ヲ述ヘタル債権ニ付破産宣告ノ当時訴訟カ繋属スルトキハ債権者ハ破産者ヲ相手方トシテ之ヲ受継クコトヲ得


第二百四十一条  裁判所ハ債権調査ノ結果ヲ債権表ニ記載スルコトヲ要ス破産者ノ述ヘタル異議亦同シ ○2裁判所書記官ハ確定シタル債権ノ証書ニ確定ノ旨ヲ記載シ裁判所ノ印ヲ押捺スルコトヲ要ス


第二百四十二条  確定債権ニ付テハ債権表ノ記載ハ破産債権者ノ全員ニ対シ確定判決ト同一ノ効力ヲ有ス


第二百四十三条  破産債権者カ債権調査ノ期日ニ出頭セサル場合ニ於テ其ノ債権ニ付異議アリタルトキハ裁判所ハ之ヲ其ノ債権者ニ通知スルコトヲ要ス ○2第百十八条第一項ノ規定ハ前項ノ通知ニ之ヲ準用ス


第二百四十四条  異議アル債権ニ付テハ其ノ債権者ハ異議者ニ対シ訴ヲ以テ其ノ債権ノ確定ヲ求ムルコトヲ得 ○2異議者数人アルトキハ之ヲ共同被告トス破産者カ異議者ノ一人ナルトキ亦同シ ○3裁判所ハ債権者ニ其ノ債権ニ関スル債権表ノ抄本ヲ交付スルコトヲ要ス


第二百四十五条  債権確定ノ訴ハ破産裁判所ノ管轄ニ専属ス


第二百四十六条  異議アル債権ニ付破産宣告ノ当時訴訟カ繋属スル場合ニ於テ債権者カ其ノ債権ノ確定ヲ求メムトスルトキハ異議者ヲ相手方トシテ訴訟ヲ受継クコトヲ要ス ○2第二百四十四条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス


第二百四十七条  破産債権者ハ第二百四十一条第一項ノ規定ニ依リ債権表ニ記載シタル事項ニ付テノミ債権確定ノ訴ヲ提起シ又ハ第二百四十条第二項若ハ前条ノ規定ニ依リ訴訟ヲ受継クコトヲ得


第二百四十八条  執行力アル債務名義又ハ終局判決アル債権ニ付テハ異議者ハ破産者カ為スコトヲ得ヘキ訴訟手続ニ依リテノミ其ノ異議ヲ主張スルコトヲ得 ○2第二百四十四条第二項第三項、第二百四十六条及前条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス


第二百四十九条  裁判所ハ破産管財人又ハ破産債権者ノ申立ニ因リ債権ノ確定ニ関スル訴訟ノ結果ヲ債権表ニ記載スルコトヲ要ス


第二百五十条  債権ノ確定ニ関スル訴訟ニ付為シタル判決ハ破産債権者ノ全員ニ対シテ其ノ効力ヲ有ス


第二百五十一条  破産財団カ債権ノ確定ニ関スル訴訟ニ因リテ利益ヲ受ケタルトキハ異議ヲ主張シタル破産債権者ハ其ノ利益ノ限度ニ於テ財団債権者トシテ訴訟費用ノ償還ヲ請求スルコトヲ得


第二百五十二条  債権ノ確定ニ関スル訴訟ノ目的ノ価額ハ配当ノ予定額ヲ標準トシ受訴裁判所之ヲ定ム


第二百五十三条  削除


第二百五十四条  第四十六条第四号ニ掲クル請求権ニ付テハ国又ハ公共団体ハ遅滞ナク其ノ額及原因ヲ裁判所ニ届出ツルコトヲ要ス ○2第二百四十一条第一項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ届出アリタル請求権ニ付之ヲ準用ス


第二百五十五条  前条第一項ノ規定ニ依リ届出アリタル請求権ノ原因カ審査請求其ノ他ノ不服申立又ハ訴訟ヲ為スコトヲ得ヘキ処分ナルトキハ裁判所ハ遅滞ナク其ノ請求権ノ額及原因ヲ破産管財人ニ通知スルコトヲ要ス ○2第二百四十八条乃至第二百五十条ノ規定ハ破産管財人カ異議ヲ主張スル場合ニ之ヲ準用ス

第8章[編集]

第八章 配当

第二百五十六条  一般ノ債権調査終了後ニ於テハ破産管財人配当スルニ適当ナル金銭アリト認ムル毎ニ遅滞ナク配当ヲ為スコトヲ要ス


第二百五十七条  破産管財人配当ヲ為スニハ監査委員ノ同意、監査委員ナキトキハ裁判所ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス


第二百五十八条  破産管財人ハ配当表ヲ作リ之ニ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス 一 配当ニ加フヘキ債権者ノ氏名及住所 二 配当ニ加フヘキ債権ノ額 三 配当スルコトヲ得ヘキ金額 ○2配当ニ加フヘキ債権ハ優先権ノ有無ニ依リテ之ヲ区別シ優先権アルモノニ付テハ其ノ順位ニ従ヒ優先権ナキモノニ付テハ第四十六条ノ規定ニ依リ他ノ債権ニ後ルルモノヲ其ノ他ノモノト区別シテ之ヲ記載スルコトヲ要ス


第二百五十九条  破産管財人ハ利害関係人ノ閲覧ニ供スル為配当表ヲ裁判所ニ提出スルコトヲ要ス


第二百六十条  破産管財人ハ配当ニ加フヘキ債権ノ総額及配当スルコトヲ得ヘキ金額ヲ公告スルコトヲ要ス


第二百六十一条  異議アル債権ニ付テハ債権者カ配当ノ公告アリタル日ヨリ起算シテ二週間内ニ破産管財人ニ対シ其ノ債権ノ確定ニ関スル訴ノ提起又ハ訴訟ノ受継ヲ為シタルコトヲ証明セサルトキハ其ノ配当ヨリ除斥セラル


第二百六十二条  別除権者カ前条ニ定ムル除斥期間内ニ破産管財人ニ対シ其ノ権利ノ目的ノ処分ニ著手シタルコトヲ証明シ且其ノ処分ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハサルヘキ債権額ヲ疏明セサルトキハ配当ヨリ除斥セラル


第二百六十三条  左ノ場合ニ於テハ破産管財人ハ直ニ配当表ヲ更正スルコトヲ要ス 一 債権表ヲ更正スヘキ事由カ除斥期間内ニ生シタルトキ 二 前二条ニ定ムル事項ノ証明及疏明アリタルトキ 三 別除権者カ除斥期間内ニ破産管財人ニ対シ其ノ権利抛棄ノ意思ヲ表示シ又ハ其ノ権利ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハサリシ債権額ヲ証明シタルトキ


第二百六十四条  債権者ハ配当表ニ対シ除斥期間経過ノ後一週間内ニ限リ裁判所ニ異議ヲ申立ツルコトヲ得 ○2裁判所カ配当表ノ更正ヲ命シタルトキハ其ノ決定書ハ利害関係人ノ閲覧ニ供スル為之ヲ備ヘ置クコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ抗告期間ハ決定書ヲ備ヘタル日ヨリ之ヲ起算ス


第二百六十五条  破産管財人ハ前条第一項ニ定ムル期間経過シタル後、異議ノ申立アリタルトキハ其ノ決定アリタル後遅滞ナク配当率ヲ定メ配当ニ加フヘキ各債権者ニ対シテ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス ○2配当率ヲ定ムルニハ監査委員ノ同意、監査委員ナキトキハ裁判所ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス


第二百六十五条ノ二  第二十三条ノ二ニ規定スル弁済ヲ受ケタル債権者ハ他ノ同順位ノ債権者ガ自己ノ受ケタル弁済ト同一ノ割合ノ配当ヲ受クル迄ハ配当ヲ受クルコトヲ得ズ


第二百六十六条  解除条件附債権ヲ有スル者ハ相当ノ担保ヲ供スルニ非サレハ配当ヲ受クルコトヲ得ス


第二百六十七条  強制和議ノ提供アリタルトキハ裁判所ハ破産管財人カ未タ配当率ノ通知ヲ発セサル場合ニ限リ提供者ノ申立ニ因リ其ノ配当ノ中止ヲ命スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ旨ヲ公告スルコトヲ要ス


第二百六十八条  前条ノ規定ニ依リ配当ノ中止ヲ命シタル場合ニ於テ強制和議ノ提供ノ棄却若ハ其ノ不認可ノ決定カ確定シタルトキ又ハ債権者集会ニ於テ強制和議ヲ否決シタルトキハ裁判所ハ配当手続ヲ続行スヘキコトヲ命ス此ノ場合ニ於テハ其ノ旨ヲ公告スルコトヲ要ス


第二百六十九条  債権者ハ破産管財人ニ就キ配当ヲ受クルコトヲ要ス ○2破産管財人カ配当ヲ為シタルトキハ債権表及債権ノ証書ニ配当シタル金額ヲ記入シ之ニ記名捺印スルコトヲ要ス


第二百七十条  第二百六十一条又ハ第二百六十二条ニ定ムル事項ヲ証明又ハ疏明セサルニ因リテ配当ヨリ除斥セラレタル債権者カ後ノ配当ニ関スル除斥期間内ニ其ノ証明又ハ疏明ヲ為シタルトキハ前ノ配当ニ於テ受クヘカリシ額ニ付他ノ同順位ノ債権者ニ先チテ配当ヲ受クルコトヲ得


第二百七十一条  左ニ掲クル債権ニ対スル配当額ハ破産管財人之ヲ寄託スルコトヲ要ス 一 第二百四十四条、第二百四十六条又ハ第二百四十八条ノ規定ニ依リ異議アル債権ニ付訴ノ提起又ハ訴訟ノ受継アリタルモノ

二 配当率ノ通知ヲ発スル前ニ審査請求其ノ他ノ不服申立ノ手続又ハ訴訟ノ落著セサル債権

三 第二百六十二条ノ規定ニ依リ別除権者カ疏明シタル債権額

四 停止条件附債権及将来ノ請求権

五 第二百六十六条ノ規定ニ依リ担保ヲ供セサル場合ニ於ケル解除条件附債権


第二百七十二条  破産管財人最後ノ配当ヲ為スニハ監査委員ノ同意アリタルトキト雖裁判所ノ許可ヲ得ルコトヲ要ス


第二百七十三条  最後ノ配当ニ関スル除斥期間ハ配当ノ公告アリタル日ヨリ起算シテ二週間以上一月内ニ於テ裁判所之ヲ定ム此ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第二百七十四条  最後ノ配当ニ在リテハ破産管財人ハ配当表ニ対スル異議落著ノ後遅滞ナク各債権者ニ対スル配当額ヲ定メ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス


第二百七十五条  停止条件附債権又ハ将来ノ請求権カ最後ノ配当ニ関スル除斥期間内ニ之ヲ行使スルコトヲ得ルニ至ラサルトキハ其ノ債権者ハ配当ヨリ除斥セラル


第二百七十六条  解除条件附債権ノ条件カ最後ノ配当ニ関スル除斥期間内ニ成就セサルトキハ第二百六十六条ノ規定ニ依リテ供シタル担保ハ其ノ効力ヲ失ヒ第二百七十一条第五号ノ規定ニ依リテ寄託シタル金額ハ之ヲ其ノ債権者ニ支払フコトヲ要ス第百一条ノ規定ニ依リテ供シタル担保又ハ寄託シタル金額亦同シ


第二百七十七条  別除権者カ最後ノ配当ニ関スル除斥期間内ニ破産管財人ニ対シ其ノ権利抛棄ノ意思ヲ表示セス又ハ其ノ権利ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハサリシ債権額ヲ証明セサルトキハ配当ヨリ除斥セラル


第二百七十八条  第二百七十五条又ハ前条ノ規定ニ依リテ除斥セラレタル債権者ノ為ニ寄託シタル金額ハ之ヲ他ノ債権者ニ配当スルコトヲ要ス第百条ノ規定ニ依リテ寄託シタル金額亦同シ


第二百七十九条  配当額ノ通知ヲ発スル前新ニ配当ニ充ツヘキ財産アルニ至リタルトキハ破産管財人ハ遅滞ナク配当表ヲ更正スルコトヲ要ス


第二百八十条  左ニ掲クル配当額ハ債権者ノ為破産管財人之ヲ供託スルコトヲ要ス 一 第二百七十一条第一号又ハ第二号ノ規定ニ依リ寄託シタル配当額 二 配当額ノ通知ヲ発スル前ニ訴訟又ハ審査請求其ノ他ノ不服申立ノ手続ノ落著セサル債権ニ対スル配当額 三 債権者カ受取ラサル配当額


第二百八十一条  計算報告ノ為ニ招集シタル債権者集会ニ於テハ破産管財人カ価値ナキ為換価セサリシ財産ノ処分ニ付決議ヲ為スコトヲ要ス


第二百八十二条  債権者集会終結シタルトキハ裁判所ハ破産終結ノ決定ヲ為シ且其ノ主文及理由ノ要領ヲ公告スルコトヲ要ス ○2前項ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第二百八十三条  配当額ノ通知ヲ発シタル後新ニ配当ニ充ツヘキ相当ノ財産アルニ至リタルトキハ破産管財人ハ裁判所ノ許可ヲ得テ追加配当ヲ為スコトヲ要ス破産終結ノ決定アリタル後ト雖亦同シ ○2破産管財人追加配当ノ許可ヲ得タルトキハ遅滞ナク配当スルコトヲ得ヘキ金額ヲ公告シ且各債権者ニ対スル配当額ヲ定メ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス


第二百八十四条  追加配当ハ最後ノ配当ニ付作リタル配当表ニ依リテ之ヲ為ス


第二百八十五条  破産管財人追加配当ヲ為シタルトキハ遅滞ナク計算報告書ヲ作リ之ヲ裁判所ニ提出シテ其ノ認可ヲ申請スルコトヲ要ス


第二百八十六条  配当率又ハ配当額ノ通知ヲ発スル前破産管財人ニ知レサル財団債権者ハ各配当ニ於テ配当スヘキ金額ヲ以テ弁済ヲ受クルコトヲ得ス


第二百八十七条  確定債権ニ付テハ破産者カ債権調査ノ期日ニ於テ其ノ債権ニ対シテ異議ヲ述ヘサリシ場合ニ限リ債権表ノ記載ハ破産者ニ対シ確定判決ト同一ノ効力ヲ有ス ○2債権者ハ破産終結ノ後債権表ノ記載ニ因リテ強制執行ヲ為スコトヲ得


第二百八十八条  破産者カ其ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リ債権調査ノ期日ニ出頭スルコト能ハサリシトキハ其ノ事由ノ止ミタル日ヨリ一週間内ニ限リ異議ヲ追完スル為破産裁判所ニ原状回復ノ申立ヲ為スコトヲ得 ○2裁判所ハ職権ヲ以テ破産者ノ異議アル債権ノ債権者ニ原状回復ノ申立書ヲ送達スルコトヲ要ス ○3裁判所原状回復ヲ許シタルトキハ破産者カ債権調査ノ期日ニ於テ異議ヲ述ヘタルト同一ノ効力ヲ生ス此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ債権表ニ異議ノ記載ヲ為スコトヲ要ス


第二百八十九条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テ最後ノ配当ヨリ除斥セラレタル相続債権者及受遺者ハ残余財産ニ付其ノ権利ヲ行フコトヲ得

第9章[編集]

第九章 強制和議

第二百九十条  破産者ハ何時ニテモ強制和議ノ提供ヲ為スコトヲ得


第二百九十一条  強制和議ノ提供ハ法人ニ在リテハ理事又ハ之ニ準スヘキ者ノ一致アルコトヲ要ス


第二百九十二条  強制和議ノ提供ハ相続財産ニ在リテハ相続人之ヲ為シ相続人数人アルトキハ其ノ一致アルコトヲ要ス


第二百九十三条  一般ノ先取特権其ノ他一般ノ優先権ヲ有スル者ハ強制和議ニ付テハ之ヲ破産債権者ト看做サス


第二百九十四条  強制和議ノ提供ヲ為スニハ提供者ハ弁済ノ方法、担保ヲ供セムトスルトキハ其ノ担保其ノ他強制和議ノ条件ヲ裁判所ニ申出ツルコトヲ要ス


第二百九十五条  強制和議ノ提供者ノ所在不明ナルトキ又ハ詐欺破産ノ公訴繋属スルトキハ強制和議ヲ為スコトヲ得ス詐欺破産ニ付有罪ノ判決確定シタルトキ亦同シ


第二百九十六条  左ノ場合ニ於テハ裁判所ハ破産管財人及監査委員ノ意見ヲ聴キ強制和議ノ提供ヲ棄却スルコトヲ得

一 債権者集会ニ於テ強制和議ヲ否決シタルコトアルトキ

二 強制和議ノ為ニスル債権者集会ノ期日公告後ニ其ノ提供ヲ撤回シタルコトアルトキ

三 強制和議不認可ノ決定ヲ為シタルコトアルトキ

四 強制和議取消ノ決定ヲ為シタルコトアルトキ


第二百九十七条  裁判所強制和議ノ提供ヲ棄却セサル場合ニ於テ監査委員アルトキハ之ヲシテ意見書ヲ提出セシムルコトヲ要ス


第二百九十八条  強制和議ノ提供ニ関スル書類及監査委員ノ意見書ハ利害関係人ノ閲覧ニ供スル為之ヲ裁判所ニ備ヘ置クコトヲ要ス


第二百九十九条  強制和議ノ為ニスル債権者集会ノ期日ハ其ノ決定公告ノ日ヨリ一月内ニ於テ之ヲ定ムルコトヲ要ス ○2期日ニハ届出ヲ為シタル破産債権者、強制和議ノ提供者、強制和議ノ為ニ保証人ト為リ其ノ他破産者ト共ニ債務ヲ負担シ又ハ破産債権者ノ為ニ担保ヲ供スル者、破産管財人及監査委員ヲ呼出スコトヲ要ス 3前項ニ規定スル者ニハ強制和議ノ条件及監査委員ノ意見ノ要領ヲ記載シタル書面ヲ送達スルコトヲ要ス


第三百条  裁判所ハ強制和議ノ提供者及監査委員ノ申立ニ因リ強制和議ノ為ニスル債権者集会ノ期日ヲ債権調査ノ一般期日ト併合スルコトヲ得


第三百一条  強制和議ノ提供者ハ期日ニ出頭シテ強制和議ノ申立ヲ為スコトヲ要ス但シ正当ノ事由アルトキハ代理人ヲ出頭セシムルコトヲ得 ○2代理人ハ代理権ヲ証スル書面ヲ提供スルコトヲ要ス ○3強制和議ノ提供者又ハ其ノ代理人期日ニ出頭シテ強制和議ノ申立ヲ為ササルトキハ其ノ提供ヲ撤回シタルモノト看做ス


第三百二条  強制和議ノ提供者ハ破産債権者ヲ利スル場合ニ限リ債権者集会ニ於テ其ノ条件ヲ変更スルコトヲ得


第三百三条  強制和議ハ一般ノ債権調査ノ終了前又ハ最後ノ配当ノ許可アリタル後ハ之ヲ決議スルコトヲ得ス


第三百四条  強制和議ノ条件ハ各破産債権者ニ付平等ナルコトヲ要ス但シ不利益ヲ受クル者ノ同意アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス


第三百五条  強制和議ノ提供者又ハ第三者カ強制和議ノ条件ニ依ラスシテ或破産債権者ニ特別ノ利益ヲ与フル行為ハ之ヲ無効トス


第三百六条  強制和議ヲ可決スルニハ議決権ヲ行フコトヲ得ヘキ出席破産債権者ノ過半数ニシテ其ノ債権額カ届出ヲ為シタル破産債権者ノ総債権ノ四分ノ三以上ニ当ル者ノ同意アルコトヲ要ス ○2前項ノ債権額及総債権ノ計算ニ付テハ確定債権ニ在リテハ其ノ額ニ依リ其ノ他ノ債権ニ在リテハ裁判所カ第百八十二条第二項ノ規定ニ依リ定メタル所ニ依ル


第三百六条ノ二  第二十三条ノ二ニ規定スル弁済ヲ受ケタル破産債権者ハ強制和議ニ関スル決議ニ於テ弁済ヲ受ケザル債権額ニ付テノミ議決権ヲ行フコトヲ得 ○2前項ノ場合ニ於テハ議決権ヲ行フコトヲ得ザル債権額ハ前条第一項ノ総債権ニ之ヲ算入セズ


第三百七条  第三百六条ニ規定スル条件ノ一カ成立シタルトキ又ハ議決権ヲ行フコトヲ得ヘキ出席破産債権者ノ過半数ニシテ其ノ債権額カ其ノ者ノ総債権ノ半額ニ超ユル者カ期日ノ続行ニ同意シタルトキハ裁判所ハ強制和議ノ提供者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ続行期日ヲ定メ之ヲ言渡スコトヲ要ス


第三百八条  強制和議ノ可決アリタルトキハ裁判所ハ其ノ期日又ハ直ニ言渡シタル期日ニ於テ強制和議ノ認否ニ付決定ヲ為スコトヲ要ス ○2第二百九十九条第二項ニ規定スル者ハ強制和議ノ認否ニ付意見ヲ述フルコトヲ得


第三百九条  第二百三十八条但書及第二百三十九条ノ規定ハ前二条ノ規定ニ依リ期日ヲ定ムル決定ニ之ヲ準用ス


第三百十条  裁判所ハ左ノ場合ニ限リ破産債権者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ強制和議不認可ノ決定ヲ為スコトヲ得 一 強制和議ノ手続又ハ決議カ法律ノ規定ニ反スル場合ニ於テ其ノ欠缺カ追完スヘカラサルモノナルトキ 二 第二百九十五条ニ規定スル事由カ強制和議ノ決議後ニ生シタルトキ 三 強制和議ノ決議カ不正ノ方法ニ因リテ成立スルニ至リタルトキ 四 強制和議ノ決議カ破産債権者ノ一般ノ利益ニ反スルトキ ○2議決権ヲ有セサリシ破産債権者カ前項ノ申立ヲ為スニハ其ノ破産債権者タルコトヲ疎明スルコトヲ要ス ○3申立人ハ申立ノ原因タル事実ヲ疎明スルコトヲ要ス


第三百十一条  法人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テ強制和議ノ可決アリタルトキハ社団法人ニ在リテハ定款ノ変更ニ関スル規定ニ従ヒ財団法人ニ在リテハ主務官庁ノ認可ヲ得テ法人ヲ継続スルコトヲ得 ○2前項ニ規定スル主務官庁ノ権限ハ政令ノ定ムル所ニ依リ其ノ全部又ハ一部ヲ国ニ所属スル行政庁ニ委任スルコトヲ得 ○3 第一項ニ規定スル主務官庁ノ権限ニ属スル事務ハ政令ノ定ムル所ニ依リ都道府県ノ知事其ノ他ノ執行機関ニ於テ其ノ全部又ハ一部ヲ処理スルコトトスルコトヲ得


第三百十二条  法人ヲ継続スルカ否ノ定リタルトキ又ハ遅滞ナク其ノ手続ヲ為ササルトキハ裁判所ハ其ノ法人ノ理事又ハ之ニ準スヘキ者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ強制和議ノ認否ニ付決定ヲ為ス為期日ヲ定メ之ヲ公告スルコトヲ要ス ○2前項ノ期日ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス ○3法人ヲ継続セサルトキ又ハ遅滞ナク其ノ手続ヲ為ササルトキハ裁判所ハ強制和議不認可ノ決定ヲ為スコトヲ要ス


第三百十三条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テハ相続債権者ニ限リ強制和議ニ関スル決議ニ加ハルコトヲ得


第三百十四条  相続人ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テ限定承認又ハ財産分離アリタルトキハ相続人ノ債権者ニ限リ強制和議ニ関スル決議ニ加ハルコトヲ得


第三百十五条  相続財産及相続人ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テハ相続人ノ強制和議ニ付テハ相続人ノ債権者ニ限リ之ニ関スル決議ニ加ハルコトヲ得


第三百十六条  前三条ノ場合ニ於テハ強制和議ニ関スル決議ニ加ハルコトヲ得サル破産債権者ノ債権ハ第三百六条第一項ノ総債権ニ之ヲ算入セス


第三百十七条  強制和議カ前条ノ破産債権者ノ正当ノ利益ヲ害スヘキトキハ裁判所ハ其ノ申立ニ因リ強制和議不認可ノ決定ヲ為スコトヲ要ス ○2第三百十条第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ申立ニ之ヲ準用ス


第三百十八条  強制和議認否ノ決定ハ之ヲ言渡シ且公告スルコトヲ要ス但シ送達ヲ為スコトヲ要セス


第三百十九条  議決権ヲ有セサリシ破産債権者カ強制和議認否ノ決定ニ対シテ不服ヲ申立ツルニハ其ノ破産債権者タルコトヲ疎明スルコトヲ要ス


第三百二十条  強制和議ニ関スル決議ニ加ハルコトヲ得サル破産債権者ハ強制和議不認可ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第三百二十一条  強制和議ハ認可ノ決定ノ確定ニ因リテ其ノ効力ヲ生ス


第三百二十二条  強制和議認可ノ決定カ確定シタルトキハ裁判所書記官ハ強制和議ノ条件ヲ債権表ニ記載スルコトヲ要ス


第三百二十三条  強制和議認可ノ決定カ確定シタルトキハ破産管財人ハ財団債権者及一般ノ先取特権其ノ他一般ノ優先権ヲ有スル者ノ確定債権ノ弁済ヲ為スコトヲ要ス ○2財団債権及一般ノ優先権アル債権ニシテ異議アルモノニ付テハ破産管財人ハ債権者ノ為供託ヲ為スコトヲ要ス破産管財人ニ対シ疏明アリタル一般ノ優先権アル債権ニ付亦同シ


第三百二十四条  第二百八十二条ノ規定ハ強制和議ノ認可ノ決定カ確定シタル場合ニ之ヲ準用ス


第三百二十五条  破産財団ノ管理及処分ニ付テハ破産者ハ強制和議ニ定メタル制限ニ従フコトヲ要ス


第三百二十六条  強制和議ハ破産債権者ノ全員ノ為且其ノ全員ニ対シテ効力ヲ有ス ○2強制和議ハ破産債権者カ破産者ノ保証人其ノ他破産者ト共ニ債務ヲ負担スル者ニ対シテ有スル権利及破産債権者ノ為ニ供シタル担保ニ影響ヲ及ホサス


第三百二十六条ノ二  第二十三条ノ二ニ規定スル弁済ヲ受ケタル破産債権者ハ他ノ破産債権者ガ自己ノ受ケタル弁済ト同一ノ割合ノ履行ヲ受クル迄ハ強制和議ノ履行ヲ受クルコトヲ得ズ


第三百二十七条  法人ノ債務ニ付責任ヲ負フ社員ハ破産債権者ニ対シ強制和議ノ定ムル限度ニ於テ其ノ責任ヲ負フ但シ強制和議ニ別段ノ定アルトキハ其ノ定ニ従フ


第三百二十八条  確定債権ヲ有スル破産債権者ハ破産者カ債権調査ノ期日ニ於テ其ノ債権ニ対シ異議ヲ述ヘサリシ場合ニ限リ破産終結ノ後破産者、強制和議ノ為ニ保証人ト為リ其ノ他破産者ト共ニ債務ヲ負担シ又ハ破産債権者ノ為ニ担保ヲ供シタル者ニ対シ債権表ノ記載ニ因リテ強制執行ヲ為スコトヲ得但シ民法第四百五十二条及第四百五十三条ノ適用ヲ妨ケス


第三百二十九条  強制和議カ不正ノ方法ニ因リテ成立スルニ至リタルトキハ各破産債権者ハ強制和議ヲ以テ定メタル譲歩ヲ取消スコトヲ得但シ過失ニ因リ強制和議不認可ノ申立ヲ為ササリシ破産債権者ハ此ノ限ニ在ラス ○2譲歩ノ取消権ハ破産債権者カ取消ノ原因ヲ知リタル時ヨリ一月間之ヲ行ハサルトキハ消滅ス強制和議認可ノ決定確定ノ時ヨリ二年ヲ経過シタルトキ亦同シ


第三百三十条  破産者カ強制和議ノ履行ヲ怠リタルトキハ其ノ履行ヲ受ケサル破産債権者ハ強制和議ヲ以テ定メタル譲歩ヲ取消スコトヲ得


第三百三十一条  譲歩ノ取消ハ破産債権者カ強制和議ニ因リテ得タル権利ニ影響ヲ及ホサス ○2譲歩ノ取消ニ因リテ回復シタル債権額ニ付テハ破産債権者ハ強制和議ノ履行完了ノ後ニ非サレハ其ノ権利ヲ行フコトヲ得ス


第三百三十二条  破産者カ強制和議ノ履行ヲ怠リタル場合ニ於テ届出ヲ為シタル破産債権者ノ過半数ニシテ其ノ債権額カ其ノ者ノ総債権ノ四分ノ三以上ニ当ル者ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ強制和議取消ノ決定ヲ為スコトヲ要ス ○2強制和議ノ定ムル所ニ従ヒ全部ノ履行ヲ受ケタル破産債権者ハ前項ノ申立ニ必要ナル員数ニハ之ヲ算入セス全部又ハ一部ノ履行ヲ受ケタル者ニ付テハ従前ノ破産債権ノ額ヨリ其ノ受ケタル額ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ債権額トス ○3第一項ノ債権額及総債権ノ計算ニ付テハ第三百六条第二項ノ規定ヲ準用ス


第三百三十三条  詐欺破産ニ付有罪ノ判決カ確定シタルトキハ裁判所ハ破産債権者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ強制和議取消ノ決定ヲ為スコトヲ得 ○2裁判所ハ有罪ノ判決確定前ト雖第百五十四条及第百五十五条ニ定ムル処分ヲ命スルコトヲ得


第三百三十四条  第三百三十一条第一項ノ規定ハ強制和議ノ取消ニ之ヲ準用ス


第三百三十五条  強制和議取消ノ決定カ確定シタルトキハ破産手続ヲ続行ス


第三百三十六条  第一編ノ規定ノ適用ニ付テハ強制和議ノ取消ハ之ヲ破産ノ宣告ト看做シ第三百三十二条ノ場合ニ在リテハ強制和議取消ノ申立、第三百三十三条ノ場合ニ在リテハ公訴ノ提起ハ其ノ前ニ支払ノ停止又ハ破産ノ申立ナキトキハ之ヲ支払ノ停止又ハ破産ノ申立ト看做ス


第三百三十七条  第百四十一条乃至第百四十六条及第百五十四条乃至第百五十六条ノ規定ハ強制和議ノ取消ニ付之ヲ準用ス ○2破産手続続行ノ費用ハ仮ニ国庫ヨリ之ヲ支弁ス


第三百三十八条  強制和議ノ効力ヲ受ケタル債権者ニ付テハ従前ノ破産債権ノ額ヨリ強制和議ノ定ムル所ニ従ヒテ受ケタル額ヲ控除シタルモノヲ以テ破産債権ノ額トス


第三百三十九条  従前ノ確定債権ニ付テハ破産債権者カ強制和議ノ定ムル所ニ従ヒテ受ケタル額ノミヲ調査ス


第三百四十条  強制和議ノ効力ヲ受ケタル債権者カ強制和議ノ定ムル所ニ従ヒテ受ケタルモノアルトキハ従前ノ破産債権ノ額ヲ以テ配当ニ加フヘキ債権ノ額ト看做シ破産財団ニ其ノ債権者カ受ケタルモノヲ加算シテ配当率ノ標準ヲ定ム但シ其ノ債権者ハ他ノ破産債権者カ自己ノ受ケタルモノト同一ノ割合ノ配当ヲ受クル迄ハ配当ヲ受クルコトヲ得ス


第三百四十一条  破産終結ノ後破産者カ強制和議ノ効力ヲ受ケタル債権者ニ対シテ為シタル担保ノ供与ハ強制和議ノ取消ニ因リテ其ノ効力ヲ失フ


第三百四十二条  強制和議ノ効力ヲ受ケタル債権者ハ従前ノ債権ニ付テハ破産ノ申立ヲ為スコトヲ得ス


第三百四十三条  強制和議取消ノ申立及破産ノ申立アリタル場合ニ於テ裁判所カ其ノ一ニ付強制和議取消ノ決定又ハ破産ノ宣告ヲ為シタルトキハ他ノ一ノ申立ヲ棄却スルコトヲ要ス ○2前項ノ規定ニ依ル棄却ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第三百四十四条  第三百三十一条第一項及第三百三十八条乃至第三百四十一条ノ規定ハ強制和議ノ履行完了前ニ破産ノ宣告アリタル場合ニ之ヲ準用ス第三百三十三条ノ規定ニ依リ強制和議取消ノ決定ヲ為スコトヲ得ル場合ニ於テ破産ノ宣告アリタルトキ亦同シ


第三百四十五条  相続財産ニ対シテ破産ノ宣告アリタル場合ニ於テハ相続人ハ強制和議ノ履行完了前其ノ固有財産ニ於ケルト同一ノ注意ヲ以テ相続財産ノ管理ヲ継続スルコトヲ要ス但シ強制和議ニ別段ノ定アルトキハ其ノ定ニ従フ ○2民法第六百四十五条、第六百四十六条、第六百五十条第一項第二項及第九百十八条第二項第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス ○3前項ニ於テ準用スル民法第九百十八条第二項及第三項ノ規定ニ依ル相続財産ノ保存又ハ管理ニ関スル処分ハ家事審判法ノ適用ニ関シテハ之ヲ同法第九条第一項甲類ニ掲クル事項ト看做ス


第三百四十六条  第百三十一条ノ規定ハ相続財産ニ関スル強制和議取消ノ申立ニ之ヲ準用ス

第10章[編集]

第十章 破産廃止

第三百四十七条  破産者ハ債権届出ノ期間内ニ届出ヲ為シタル総破産債権者ノ同意ヲ得タルトキ又ハ同意ヲ為ササル破産債権者ニ対シ他ノ破産債権者ノ同意ヲ得テ破産財団ヨリ担保ヲ供シタルトキハ破産廃止ノ申立ヲ為スコトヲ得 ○2未確定債権ニ付其ノ債権者ノ同意ヲ必要トスヘキカ否ハ裁判所之ヲ定ム破産債権者ニ供スヘキ担保カ相当ナルカ否ニ付亦同シ ○3前項ノ規定ニ依ル決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第三百四十八条  法人カ破産ノ宣告ヲ受ケタル場合ニ於テ破産廃止ノ申立ヲ為スニハ法人継続ノ手続ヲ為スコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ第三百十一条ノ規定ヲ準用ス


第三百四十九条  破産廃止ノ申立ヲ為スニハ其ノ申立ニ必要ナル条件カ具備スルコトヲ証スル書面ヲ提出スルコトヲ要ス


第三百五十条  裁判所ハ破産廃止ノ申立アリタル旨ヲ公告シ且利害関係人ノ閲覧ニ供スル為其ノ申立ニ関スル書類ヲ備ヘ置クコトヲ要ス


第三百五十一条  破産債権者ハ前条ノ公告アリタル日ヨリ起算シテ二週間内ニ破産廃止ノ申立ニ付裁判所ニ異議ヲ申立ツルコトヲ得 ○2前項ノ期間経過前ニ届出ヲ為シタル破産債権者モ亦異議ヲ申立ツルコトヲ得


第三百五十二条  裁判所ハ前条第一項ノ期間経過ノ後破産廃止ノ決定ヲ為スニ必要ナル条件カ具備スルカ否ニ付破産者、破産管財人及異議ヲ申立テタル破産債権者ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス


第三百五十三条  破産宣告ノ後裁判所カ破産財団ヲ以テ破産手続ノ費用ヲ償フニ足ラスト認メタルトキハ破産管財人ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ破産廃止ノ決定ヲ為スコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ裁判所ハ債権者集会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス ○2前項ノ規定ハ破産手続ノ費用ヲ償フニ足ルベキ金額ノ予納アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ


第三百五十四条  裁判所カ破産廃止ノ決定ヲ為シタルトキハ其ノ主文及理由ノ要領ヲ公告スルコトヲ要ス


第三百五十五条  破産廃止ノ決定カ確定シタルトキハ破産管財人ハ財団債権ノ弁済ヲ為シ異議アルモノニ付テハ債権者ノ為供託ヲ為スコトヲ要ス


第三百五十六条  第二百九十一条及第二百九十二条ノ規定ハ破産廃止ノ申立ニ之ヲ準用ス


第三百五十七条  第二百八十七条ノ規定ハ破産廃止ノ決定カ確定シタル場合ニ之ヲ準用ス

第10章の2[編集]

第十章の二 外国倒産処理手続がある場合の特則

(外国管財人との協力) 第三百五十七条の二  破産管財人は、破産者についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続で、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下同じ。)がある場合には、外国管財人(当該外国倒産処理手続において破産者の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。以下同じ。)に対し、破産手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供を求めることができる。 2 前項に規定する場合には、破産管財人は、外国管財人に対し、外国倒産処理手続の適正な実施のために必要な協力及び情報の提供をするよう努めるものとする。


(外国管財人の権限等) 第三百五十七条の三  外国管財人は、債務者について破産の申立てをすることができる。 2 外国管財人は、前項の申立てをするときは、破産の原因たる事実を疎明しなければならない。 3 外国管財人は、破産者の破産手続において、債権者集会に出席し、意見を述べることができる。 4 第一項の規定により外国管財人が破産の申立てをした場合において、破産宣告があったときは第百四十三条第二項の書面を、同条第一項第二号から第四号までに掲げる事項に変更を生じたときはその旨を記載した書面を、破産取消しの決定が確定したときはその主文を記載した書面を、それぞれ外国管財人に送達しなければならない。


(相互の手続参加) 第三百五十七条の四  外国管財人は、届出をしていない破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加しているものを代理して、破産者の破産手続に参加することができる。ただし、当該外国の法令によりその権限を有する場合に限る。 2 破産管財人は、届出をした破産債権者であって、破産者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。 3 破産管財人は、前項の規定による参加をした場合には、同項の規定により代理した破産債権者のために、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる。ただし、届出の取下げ、和解その他の破産債権者の権利を害するおそれがある行為をするには、当該破産債権者の授権がなければならない。

第11章[編集]

第十一章 小破産

第三百五十八条  破産財団ニ属スル財産ノ額カ百万円ニ満タスト認ムルトキハ裁判所ハ破産ノ宣告ト同時ニ小破産ノ決定ヲ為スコトヲ要ス ○2前項ノ場合ニ於テハ裁判所ハ第百四十三条第一項ニ掲クル事項ノ外小破産決定ノ主文ヲ公告シ且同条第二項ノ書面ニ之ヲ記載スルコトヲ要ス


第三百五十九条  裁判所破産手続中ニ破産財団ニ属スル財産ノ額カ百万円ニ満タサルコトヲ発見シタルトキハ小破産ノ決定ヲ為スコトヲ得 ○2前項ノ規定ニ依リ小破産ノ決定ヲ為シタル場合ニ於テハ裁判所ハ決定ノ主文ヲ公告シ且破産管財人、監査委員並知レタル債権者及債務者ニ之ヲ記載シタル書面ヲ送達スルコトヲ要ス


第三百六十条  裁判所破産手続中ニ破産財団ニ属スル財産ノ額カ百万円以上ナルコトヲ発見シタルトキハ小破産取消ノ決定ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前条第二項ノ規定ヲ準用ス


第三百六十一条  小破産ノ決定及小破産取消ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第三百六十二条  第一回ノ債権者集会ノ期日及債権調査ノ期日ハ已ムコトヲ得サル事由アル場合ヲ除クノ外之ヲ併合スルコトヲ要ス


第三百六十三条  監査委員ハ之ヲ置カス


第三百六十四条  第一回ノ債権者集会、強制和議取消後ノ第一回ノ債権者集会並債権調査、計算報告及強制和議ノ為ニスル債権者集会ヲ除クノ外裁判所ノ決定ヲ以テ債権者集会ノ決議ニ代フ ○2前項ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第三百六十五条  配当ハ一回トシ最後ノ配当ニ関スル規定ニ依ル但シ追加配当ヲ為スコトヲ妨ケス


第三百六十六条  小破産手続ニ関スル公告ハ第百十六条ノ規定ニ依ル掲示ヲ為スヲ以テ足ル

第3編[編集]

第三編 免責及復権

第1章[編集]

第一章 免責

第三百六十六条ノ二  破産者ハ破産手続ノ解止ニ至ル迄ノ間何時ニテモ破産裁判所ニ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得破産宣告ト同時ニ破産廃止ノ決定アリタルトキハ其ノ決定確定ノ後ト雖一月内ハ仍免責ノ申立ヲ為スコトヲ得 ○2破産者ハ免責ノ申立ヲ為シタルトキハ強制和議ノ提供、第三百四十七条ノ規定ニ依ル破産廃止ノ申立又ハ再生手続開始ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ ○3強制和議ノ提供ヲ為シタルトキハ其ノ棄却若ハ不認可ノ決定ガ確定シ又ハ債権者集会ニ於テ強制和議ガ否決セラレタル後ニ非ザレバ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ ○4第三百四十七条ノ規定ニ依ル破産廃止ノ申立ヲ為シタルトキハ其ノ棄却ノ決定ガ確定シタル後ニ非ザレバ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ ○5 再生手続開始ノ申立ヲ為シタルトキハ其ノ棄却、再生手続廃止又ハ再生計画不認可ノ決定ガ確定シタル後ニ非ザレバ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ ○6破産者ガ其ノ責ニ帰スベカラザル事由ニ因リ第一項ノ規定ニ依ル免責ノ申立ヲ為スコト能ハザリシ場合ニ於テハ其ノ事由ノ止ミタル後一月内ニ限リ免責ノ申立ノ追完ヲ為スコトヲ得


第三百六十六条ノ三  破産者ハ免責ノ申立ト同時ニ知レタル破産債権者ノ氏名及住所並破産債権ノ額乃原因、別除権アルトキハ其ノ目的及其ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハザル債権額ヲ記載シタル債権者名簿ヲ提出スルコトヲ要ス申立ト同時ニ提出スルコト能ハザルトキハ爾後遅滞ナク之ヲ提出スルコトヲ要ス


第三百六十六条ノ四  免責ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ期日ヲ定メテ破産者ヲ審訊スルコトヲ要ス ○2前項ノ期日ヲ定ムル決定ハ之ヲ公告シ且検察官、破産管財人及免責ノ効力ヲ受クベキ知レタル破産債権者ニ之ヲ送達スルコトヲ要ス ○3前項ノ規定ハ第一項ノ期日ノ変更並審訊ノ延期及続行ニ之ヲ準用ス ○4第二百三十八条但書及第二百三十九条ノ規定ハ前二項ノ規定ニ依ル決定ニ之ヲ準用ス ○5第一項ノ期日ハ債権者集会又ハ債権調査ノ期日ト併合スルコトヲ妨ゲズ


第三百六十六条ノ五  裁判所ハ破産管財人ヲシテ免責不許可ノ事由ノ有無ニ付調査ヲ為サシメ前条ノ審訊期日ニ於テ其ノ結果ヲ報告セシムルコトヲ得


第三百六十六条ノ六  裁判所ハ利害関係人ノ閲覧ニ供スル為免責ノ申立ニ関スル書類及前条ノ規定ニ依ル破産管財人ノ調査書類ヲ備ヘ置クコトヲ要ス


第三百六十六条ノ七  検察官、破産管財人又ハ免責ノ効力ヲ受クベキ破産債権者ハ第三百六十条ノ四ノ審訊期日又ハ其ノ期日ニ於テ裁判所ガ定ムル一月以上ノ期間内ニ免責ノ申立ニ付裁判所ニ異議ヲ申立ツルコトヲ得 ○2 前項ノ期間ヲ定ムル決定ニ付其ノ言渡アリタルトキハ送達ヲ為スコトヲ要セズ


第三百六十六条ノ八  異議ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ破産者及異議申立人ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス


第三百六十六条ノ九  裁判所ハ左ノ場合ニ限リ免責不許可ノ決定ヲ為スコトヲ得 一 破産者ニ第三百七十四条、第三百七十五条、第三百七十七条又ハ第三百八十二条ノ罪ニ該ルベキ行為アリト認ムルトキ 二 破産者ガ破産宣告前一年内ニ破産ノ原因タル事実アルニ拘ラズ其ノ事実ナキコトヲ信ゼシムル為詐術ヲ用ヒテ信用取引ニ因リ財産ヲ取得シタルコトアルトキ 三 破産者ガ虚偽ノ債権者名簿ヲ提出シ又ハ裁判所ニ対シ其ノ財産状態ニ付虚偽ノ陳述ヲ為シタルトキ 四 破産者ガ免責ノ申立前十年内ニ免責ヲ得タルコトアルトキ 五 破産者ガ本法ニ定ムル破産者ノ義務ニ違反シタルトキ


第三百六十六条ノ十  破産者ガ免責ノ審理ヲ為スベキ期日ニ正当ノ事由ナクシテ出頭セズ又ハ出頭スルモ陳述ヲ拒ミタルトキハ裁判所ハ免責ノ申立ヲ却下スルコトヲ得 ○2前項ノ場合ニ於テハ破産者ハ同一ノ破産ニ付再ビ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ


第三百六十六条ノ十一  免責ノ決定ハ確定ノ後ニ非ザレバ其ノ効力ヲ生セズ


第三百六十六条ノ十二  免責ヲ得タル破産者ハ破産手続ニ依ル配当ヲ除キ破産債権者ニ対スル債務ノ全部ニ付其ノ責任ヲ免ル但シ左ニ掲グル請求権ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ 一 租税 二 破産者ガ悪意ヲ以テ加ヘタル不法行為ニ基ク損害賠償 三 雇人ノ給料但シ一般ノ先取特権ヲ有スル部分ニ限ル 四 雇人ノ預リ金及身元保証金 五 破産者ガ知リテ債権者名簿ニ記載セザリシ請求権但シ債権者ガ破産ノ宣告アリタルコトヲ知リタル場合ヲ除ク 六 罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金及過料


第三百六十六条ノ十三  免責ハ破産債権者ガ破産者ノ保証人其ノ他破産者ト共ニ債務ヲ負担スル者ニ対シテ有スル権利及破産債権者ノ為ニ供シタル担保ニ影響ヲ及ボサズ


第三百六十六条ノ十四  免責ノ決定ガ確定シタルトキハ裁判所ハ其ノ主文ヲ公告シ債権表アルトキハ之ニ免責決定確定ノ旨ヲ記載スルコトヲ要ス


第三百六十六条ノ十五  詐欺破産ニ付破産者ニ対スル有罪ノ判決ガ確定シタルトキハ裁判所ハ破産債権者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ免責取消ノ決定ヲ為スコトヲ得免責ガ破産者ノ不正ノ方法ニ因リテ得ラレタル場合ニ於テ破産債権者ガ免責後一年内ニ免責ノ取消ノ申立ヲ為シタルトキ亦同ジ


第三百六十六条ノ十六  裁判所ハ免責取消ノ裁判ヲ為ス前破産者及申立人ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス


第三百六十六条ノ十七  免責取消ノ決定ハ確定ノ後ニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ


第三百六十六条ノ十八  免責ノ取消アリタルトキハ免責後其ノ取消迄ノ間ニ生ジタル原因ニ基キ破産者ニ対シ債権ヲ有スルニ至リタル者ハ他ノ債権者ニ先チテ弁済ヲ受クル権利ヲ有ス


第三百六十六条ノ十九  免責取消ノ決定ガ確定シタルトキハ裁判所ハ其ノ主文ヲ公告シ債権表アルトキハ之ニ免責取消決定確定ノ旨ヲ記載スルコトヲ要ス


第三百六十六条ノ二十  第百八条乃至第百十二条及第百十四条乃至第百十八条ノ規定ハ免責及免責取消ノ手続ニ之ヲ準用ス

第2章[編集]

第二章 復権

第三百六十六条ノ二十一  破産者ハ左ノ場合ニ於テハ復権ス 一 免責ノ決定ガ確定シタルトキ 二 強制和議認可ノ決定ガ確定シタルトキ 三 第三百四十七条ノ規定ニ依ル申立ニ基ク破産廃止ノ決定ガ確定シタルトキ 四 再生計画認可ノ決定ガ確定シタルトキ 五 破産者ガ破産宣告後詐欺破産ノ罪ニ付有罪ノ確定判決ヲ受クルコトナクシテ十年ヲ経過シタルトキ ○2免責取消、強制和議取消又ハ再生計画取消ノ決定ガ確定シタルトキハ前項第一号、第二号又ハ第四号ノ規定ニ依ル復権ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フ


第三百六十七条  前条ノ規定ニ依リ復権ヲ得ザル破産者ガ弁済其ノ他ノ方法ニ因リ破産債権者ニ対スル債務ノ全部ニ付其ノ責任ヲ免レタルトキハ破産裁判所ハ破産者ノ申立ニ因リ復権ノ決定ヲ為スコトヲ要ス ○2申立人ハ其ノ責任ヲ免レタルコトヲ証スル書面ヲ提出スルコトヲ要ス


第三百六十八条  復権ノ決定ハ確定ノ後ニ非サレハ其ノ効力ヲ生セス


第三百六十九条  裁判所ハ復権ノ申立アリタル旨ヲ公告シ且利害関係人ノ閲覧ニ供スル為其ノ申立ニ関スル書類ヲ備ヘ置クコトヲ要ス


第三百七十条  破産債権者ハ前条ノ公告アリタル日ヨリ起算シテ三月内ニ復権ノ申立ニ付裁判所ニ異議ヲ申立ツルコトヲ得


第三百七十一条  異議ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ破産者及異議ヲ申立テタル破産債権者ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス


第三百七十二条  復権ノ決定カ確定シタルトキハ裁判所ハ其ノ主文ヲ公告スルコトヲ要ス


第三百七十三条  第百八条乃至第百十二条及第百十四条乃至第百十七条ノ規定ハ復権ノ手続ニ之ヲ準用ス

第4編[編集]

第四編 罰則

第三百七十四条  債務者破産宣告ノ前後ヲ問ハス自己若ハ他人ノ利益ヲ図リ又ハ債権者ヲ害スル目的ヲ以テ左ニ掲クル行為ヲ為シ其ノ宣告確定シタルトキハ詐欺破産ノ罪ト為シ十年以下ノ懲役ニ処ス 一 破産財団ニ属スル財産ヲ隠匿、毀棄又ハ債権者ノ不利益ニ処分スルコト 二 破産財団ノ負担ヲ虚偽ニ増加スルコト 三 法律ノ規定ニ依リ作ルヘキ商業帳簿ヲ作ラス、之ニ財産ノ現況ヲ知ルニ足ルヘキ記載若ハ記録ヲ為サス又ハ不正ノ記載若ハ記録ヲ為シ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト 四 第百八十七条ノ規定ニ依リ裁判所書記官カ閉鎖シタル帳簿ニ変更ヲ加ヘ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト


第三百七十五条  債務者破産宣告ノ前後ヲ問ハス左ニ掲クル行為ヲ為シ其ノ宣告確定シタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス 一 浪費又ハ賭博其ノ他ノ射倖行為ヲ為シ因テ著ク財産ヲ減少シ又ハ過大ノ債務ヲ負担スルコト 二 破産ノ宣告ヲ遅延セシムル目的ヲ以テ著ク不利益ナル条件ニテ債務ヲ負担シ又ハ信用取引ニ因リ商品ヲ買入レ著ク不利益ナル条件ニテ之ヲ処分スルコト 三 破産ノ原因タル事実アルコトヲ知ルニ拘ラス或債権者ニ特別ノ利益ヲ与フル目的ヲ以テ為シタル担保ノ供与又ハ債務ノ消滅ニ関スル行為ニシテ債務者ノ義務ニ属セス又ハ其ノ方法若ハ時期カ債務者ノ義務ニ属セサルモノ 四 法律ノ規定ニ依リ作ルヘキ商業帳簿ヲ作ラス、之ニ財産ノ現況ヲ知ルニ足ルヘキ記載若ハ記録ヲ為サス又ハ不正ノ記載若ハ記録ヲ為シ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト 五 第百八十七条ノ規定ニ依リ裁判所書記官カ閉鎖シタル帳簿ニ変更ヲ加ヘ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト


第三百七十六条  債務者ノ法定代理人、理事及之ニ準スヘキ者並支配人前二条ニ規定スル行為ヲ為シ債務者ニ対スル破産宣告確定シタルトキハ前二条ノ例ニ依ル相続財産ニ対スル破産ニ於テ相続人並其ノ法定代理人及支配人ニ付亦同シ


第三百七十七条  本法ニ依リ監守ヲ命セラレタル者逃走シ又ハ裁判所ノ許可ヲ得スシテ外人ト面接若ハ通信シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス ○2破産者裁判所ノ許可ヲ得スシテ居住地ヲ離レタルトキ罰前項ニ同シ


第三百七十八条  債務者及第三百七十六条ニ規定スル者ニ非スシテ第三百七十四条ニ規定スル行為ヲ為シタル者又ハ自己若ハ他人ヲ利スル目的ヲ以テ破産債権者トシテ虚偽ノ権利ヲ行ヒタル者ハ債務者ニ対スル破産宣告確定シタルトキハ十年以下ノ懲役ニ処ス


第三百七十九条  第三百七十四条、第三百七十五条及前条ノ規定ノ適用ニ付テハ強制和議ノ取消ハ之ヲ破産ノ宣告ト看做ス


第三百八十条  破産管財人又ハ監査委員其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役又ハ二十万円以下ノ罰金ニ処ス破産債権者、其ノ代理人又ハ理事若ハ之ニ準スヘキ者債権者集会ノ決議ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキ亦同シ ○2前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハサルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス


第三百八十一条  破産管財人、監査委員、破産債権者、其ノ代理人又ハ理事若ハ之ニ準スヘキ者ニ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ二十万円以下ノ罰金ニ処ス ○2前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得


第三百八十二条  第百五十三条ノ規定ニ依リ説明ノ義務アル者故ナク説明ヲ為サス又ハ虚偽ノ説明ヲ為シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス ○2前項ノ罪ヲ犯シタル者破産裁判所ニ其ノ事実ヲ申出テタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得


第三百八十二条ノ二  第三百八十条ノ規定ハ日本国外ニ於テ同条ノ罪ヲ犯シタル者ニモ之ヲ適用ス ○2第三百八十一条第一項ノ罪ハ刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条ノ例ニ従フ

附則[編集]

附則 抄

第三百八十三条  本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム


第三百八十四条  明治二十三年法律第三十二号商法第三編、同年法律第百一号及家資分散法ハ之ヲ廃止ス


第三百八十六条  他ノ法令中身代限ノ処分ヲ受ケ債務ヲ完済サセル者ニ関スル規定ハ破産又ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケタル者ニ之ヲ準用ス ○2身代限ノ処分ヲ受ケ債務ヲ完済セサル者及家資分散ノ宣告ヲ受ケタル者ハ他ノ法令ノ適用ニ付テハ之ヲ破産者ト看做ス


第三百八十七条  本法施行前破産若ハ復権ノ申立、破産若ハ家資分散ノ宣告又ハ支払猶予ノ許可若ハ仮許可アリタルモノニ付テハ仍旧法ニ依ル但シ明治二十三年法律第三十二号商法第千五十四条ノ規定ハ此ノ限ニ在ラス ○2本法施行前ニ為シタル家資分散又ハ支払猶予ノ申立ハ決定ヲ以テ之ヲ棄却ス此ノ決定ニ対シテ不服ヲ申立ツルコトヲ得ス


第三百八十八条  旧法ニ依リテ破産若ハ家資分散ノ宣告又ハ身代限ノ処分ヲ受ケタル者ハ本法ニ依リテ復権ノ申立ヲ為スコトヲ得此ノ申立ハ其ノ事件ノ第一審裁判所ニ之ヲ為スコトヲ要ス


第三百八十九条  削除


附則 (大正一五年四月二四日法律第七〇号)

本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム


附則 (昭和一四年四月五日法律第六八号) 抄

本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム


附則 (昭和二二年四月一六日法律第六一号) 抄

第三十三条  この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。


附則 (昭和二二年一二月二二日法律第二二三号) 抄

第二十九条  この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。


第三十一条  相続につき、この法律と同日に施行される民法の一部を改正する法律(以下新法という。)附則第二十五条第一項の規定の適用される場合における破産については、第十九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 ○2新法附則第二十五条第二項に規定する相続に係る相続財産に対し、この法律施行前に破産の宣告があつたときも、前項と同様とする。


附則 (昭和二七年六月七日法律第一七三号)

1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。 2 この法律施行前に破産の宣告のあつた事件については、破産法第十八条から第二十二条まで、第三十八条、第四十六条、第五十二条、第百二条、第百八十二条、第二百二十八条、第二百二十九条、第二百四十条、第二百五十四条及び第二百五十八条の改正規定(同法第二百二十九条の改正規定については、「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改める部分を除く。)にかかわらず、なほ従前の例による。 3 この法律施行前に破産手続の解止のあつた事件の破産者は、破産法第三百六十六条ノ二十一第一項第二号及び第三号に掲げる場合を除き、同法第三百六十六条ノ二第一項の規定にかかわらず、この法律施行の日から一年内は、免責の申立をすることができる。この法律施行の際裁判所に係属中の破産事件の破産者も、また同様である。 4 破産法第三百六十六条ノ二第五項の規定は、前項の破産者がその責に帰することのできない事由によつて同項の期間内に免責の申立をすることができなかつた場合に準用する。 5 この法律施行前に破産法第三百六十六条ノ二十一第一項第二号から第四号までに掲げる事由のあつた破産者は、この法律施行の際に復権する。 6 前項の規定により強制和議認可の決定の確定に基く復権のあつた後強制和議取消の決定が確定したときは、復権は、将来に向つてその効力を失う。 7 第五項の規定は、身代限の処分を受けた者及び家資分散の宣告を受けた者に準用する。


附則 (昭和三三年四月三〇日法律第一〇六号) 抄

(施行期日) 1 この法律は、昭和三十三年七月一日から施行する。


附則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄

1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。 3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等についこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。 4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。 5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。 6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。 8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。


附則 (昭和四一年七月一日法律第一一一号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


附則 (昭和四二年六月一二日法律第三六号) 抄

1 この法律は、登録免許税法の施行の日から施行する。


附則 (昭和四二年七月二七日法律第八八号) 抄

(施行期日) 1 この法律は、昭和四十二年九月二十日から施行する。 6 この法律の施行前に破産の申立て又は職権による破産の宣告があつた事件については、第二条の規定による改正後の第百五十五条第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 7 第二条の規定による改正後の破産法第百四条第二号(和議法第五条並びに商法(明治三十二年法律第四十八号)第四百三条第一項及び第四百五十六条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に破産の申立て若しくは職権による破産の宣告、和議開始の申立て、整理開始の申立ての若しくは職権による整理開始の命令又は特別清算開始の申立て若しくは職権による特別清算開始の命令があつた事件については、適用せず、この法律の施行後にそれらの申立て、宣告又は命令があつた事件については、この法律の施行後に債務負担の原因が生じ、かつ、債務を負担した場合に限り適用する。


附則 (昭和四五年五月六日法律第四八号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、昭和四十六年一月一日から施行する。


附則 (昭和四六年六月三日法律第一〇〇号) 抄

(施行期日) 1 この法律は、昭和四十六年七月一日から施行する。


附則 (昭和五〇年一二月二七日法律第九四号) 抄

(施行期日等) 1 この法律は、海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。


附則 (昭和五四年三月三〇日法律第五号) 抄

(施行期日) 1 この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。 3 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。


附則 (昭和六〇年五月三一日法律第四三号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


附則 (平成三年五月二一日法律第七九号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。 一から四まで 略 五 第六条から第二十一条まで、第二十五条及び第三十四条並びに附則第八条から第十三条までの規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日


(その他の処分、申請等に係る経過措置) 第六条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)でこの法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。


(罰則に関する経過措置) 第七条  この法律の施行前にした行為及び附則第二条第一項の規定により従前の例によることとされる場合における第四条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


附則 (平成八年六月二六日法律第一一〇号) 抄

 この法律は、新民訴法の施行の日から施行する。


附則 (平成一〇年五月二九日法律第八三号) 抄

第一条  この法律は、千九百七十二年十一月十日、千九百七十八年十月二十三日及び千九百九十一年三月十九日にジュネーヴで改正された千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。


附則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日


(国等の事務) 第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。


(処分、申請等に関する経過措置) 第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。


(不服申立てに関する経過措置) 第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。


(手数料に関する経過措置) 第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。


(罰則に関する経過措置) 第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任) 第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 2 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。


(検討) 第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。


第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


附則 (平成一一年一二月二二日法律第二二五号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(民法等の一部改正に伴う経過措置) 第二十五条  この法律の施行前に和議開始の申立てがあった場合又は当該申立てに基づきこの法律の施行前若しくは施行後に和議開始の決定があった場合においては、当該申立て又は決定に係る次の各号に掲げる法律の規定に定める事項に関する取扱いについては、この法律の附則の規定による改正後のこれらの規定にかかわらず、なお従前の例による。 一 民法第三百九十八条ノ三第二項 二 船員保険法第三十三条ノ十二ノ三第一項第一号ハ 三 農水産業協同組合貯金保険法第五十九条第三項及び第六十八条の三第二項 四 雇用保険法第二十二条の二第一項第一号ハ 五 非訟事件手続法第百三十五条ノ三十六 六 商法第三百九条ノ二第一項第二号並びに第三百八十三条第一項及び第二項 七 証券取引法第五十四条第一項第七号、第六十四条の十第一項及び第七十九条の五十三第一項第二号 八 中小企業信用保険法第二条第三項第一号 九 会社更生法第二十条第二項、第二十四条、第三十七条第一項、第三十八条第四号、第六十七条第一項、第七十八条第一項第二号から第四号まで、第七十九条第二項、第八十条第一項並びに第百六十三条第二号及び第四号 十 国の債権の管理等に関する法律第三十条 十一 割賦販売法第二十七条第一項第五号 十二 外国証券業者に関する法律第二十二条第一項第八号及び第三十三条第一項 十三 民事訴訟費用等に関する法律別表第一の十二の項及び十七の項ニ 十四 積立式宅地建物販売業法第三十六条第一項第五号 十五 中小企業倒産防止共済法第二条第二項第一号 十六 銀行法第四十六条第一項 十七 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律第百十一条第四項第二号 十八 保険業法第六十六条、第百五十一条及び第二百七十一条第一項 十九 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第二十四条第一項、第二十六条、第二十七条、第三十一条、第四十五条、第四十八条第一項第二号から第四号まで及び第四十九条第一項 二十 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第四十条第一項及び第三項


(罰則の適用に関する経過措置) 第二十六条  この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則において従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


附則 (平成一二年一一月二九日法律第一二八号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


附則 (平成一二年一一月二九日法律第一二九号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


附則 (平成一三年一一月二八日法律第一二九号) 抄

(施行期日) 1 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。 (罰則の適用に関する経過措置) 2 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


附則 (平成一四年七月三一日法律第九八号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一章第一節(別表第一から別表第四までを含む。)並びに附則第二十八条第二項、第三十三条第二項及び第三項並びに第三十九条の規定 公布の日


(罰則に関する経過措置) 第三十八条  施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任) 第三十九条  この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。


附則 (平成一四年七月三一日法律第一〇〇号)

(施行期日) 第一条  この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)の施行の日から施行する。


(罰則に関する経過措置) 第二条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(その他の経過措置の政令への委任) 第三条  前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


附則 (平成一五年八月一日法律第一三四号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


附則 (平成一五年八月一日法律第一三八号) 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

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  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

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