犯罪卽決例

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○ 制令[編集]

犯罪卽決例明治四十三年勅令第三百二十四號第一條及第二條ニ依リ勅裁ヲ得テ玆ニ之ヲ公布ス

明治四十三年十二月十五日 朝鮮總督 子爵 寺內正毅

法令第十号

犯罪卽決例
  • 第一條 警察署長又ハ其ノ職務を取扱フ者ハ其ノ管轄區域內ニ於ケル左ノ犯罪ヲ卽決スルコトヲ得
 拘留、笞刑又ハ科料ノ刑ニ該ルヘキ罪
 三月以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金若ハ科料ノ刑ニ處スヘキ賭博ノ罪及拘留又ハ科料ノ刑ニ處スヘキ刑法第二百八條ノ罪
 區裁判󠄁所ノ裁判󠄁權ニ屬スル事件ニシテ三月以下ノ懲役ノ刑ニ處スヘキ刑法大全第五編第九章第十七節及第二十節ノ罪
 區裁判󠄁所ノ裁判󠄁權ニ屬スル事件ニシテ三月以下ノ懲役、禁錮、禁獄若ハ拘留、笞刑又ハ百圓以下ノ罰金若ハ科料ノ刑ニ處スヘキ行政法規違反ノ罪
  • 第二條 卽決ハ裁判󠄁ノ正式ヲ用ヰス被告人ノ陳述ヲ聽キ證憑ヲ取調ヘ直ニ其ノ言渡ヲ爲スヘシ
被告人ヲ呼出スノ必要ナキトキ又ハ之ヲ呼出スモ出頭セサルトキハ直ニ其ノ言渡書ノ謄本ヲ本人又ハ其ノ住所ニ送󠄁達スルコトヲ得
  • 第三條 卽決ノ言渡ヲ受ケタル者之ニ服セサルトキハ管轄區裁判󠄁所ニ正式裁判󠄁ヲ請󠄁求スルコトヲ得
  • 第四條 卽決ノ言渡書ニハ被告人ノ氏名、年齡、身分、職業、住所、犯罪ノ事實、適用シタル法條、言渡シタル刑、正式裁判󠄁ヲ請󠄁求スルコトヲ得ヘキ期間竝言渡ヲ爲シタル官使ノ官職氏名及年月日ヲ記載スヘシ
  • 第五條 正式裁判󠄁ヲ請󠄁求スル者ハ卽決ノ言渡ヲ爲シタル官署ニ申立書ヲ差出スヘシ其ノ期間ハ第二條第一項ノ場合ニ於テハ言渡アリタル日ヨリ三日同條第二項ノ場合ニ於テハ言渡書謄本ノ送󠄁達アリタル日ヨリ五日トス
前󠄁項ノ期間內ニ正式裁判󠄁ヲ請󠄁求セサルトキハ卽決ノ言渡ハ確定シタルモノトス
  • 第六條 前󠄁條ノ申立ヲ受ケタル官署ハ速ニ關係書類ヲ管轄區裁判󠄁所檢事ニ送󠄁致スヘシ
  • 第七條 懲役、禁錮又ハ禁獄ノ言渡ヲ受ケタル被告人ニ對シテハ警察署長又ハ其ノ職務ヲ取扱フ者ハ勾留狀ヲ發スルコトヲ得
  • 第八條 拘留ノ言渡ヲ爲シタル場合ニ於テ必要ナルトキハ第五條に定メタル期間內被告人ヲ留置スルコトヲ得 但シ言渡シタル刑期ニ相當スル日數ヲ過クルコトヲ得ス
笞刑ノ言渡ヲ受ケタル被告人ニ付テハ笞五ヲ一日ニ折算シ前󠄁項ノ規定ヲ準用ス
  • 第九條 罰金又ハ科料ノ言渡ヲ爲シタル場合ニ於テハ其ノ金額ヲ假納󠄁セシムヘシ若納󠄁メサルトキハ一圓ヲ一日ニ折算シテ被告人ヲ留置ス其ノ一圓ニ滿タサルモノト雖尙一日ニ計算ス
  • 第十條 留置セラレタル者正式裁判󠄁ヲ請󠄁求シ呼出狀ノ送󠄁達アリタルトキハ直ニ其ノ留置ヲ釋クヘシ
  • 第十一條 第八條、第九條ニ依ル留置ノ日數ハ之ヲ拘留ノ刑期ニ算入シ笞刑ノ言渡ヲ受ケタル者ニ付テハ一日ヲ笞五ニ折算シテ其ノ笞數ニ算入シ罰金又ハ科料ノ言渡ヲ受ケタル者ニ付テハ一日ヲ一圓ニ折算シテ其ノ金額ニ算入ス


附 則[編集]

本令ハ明治四十四年一月一日ヨリ之ヲ施行ス

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。