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間ばかりもかゝつて、石見の益田まで乘つて行つた。 　　　　十四　雪舟の遺蹟 　旅の鞄に入れて來た案内記は、山陰線全通以前のもので、山陰線の西部のことはあまり出てゐない。石見にある雪舟の遺蹟も傳へてない。左にしるす三つの寺は、いずれも雪舟の晩年に縁故の深かつたところである。 醫光寺（いくわうじ）。 萬福寺（まんぷくじ）。…

「彼處に見えるのは、山毛欅（ぶな）に、欅（けやき）ださうだ。」とＡ君はそれを傳へた。 「アヽ、あの黒いのが山毛欅で、白いのが必（きつ）と欅ですぜ。」斯うＡ君が言つた。 　吾儕は雪舟の畫などを引合に出して、眺めながら話して行つたが、そのうちに一人默り、二人默り、復た／＼皆な默つて了つた。 　峠に近づいた頃、馬車は氷を製造する小屋…

　應仁元年に四十八歳で明に渡つた畫僧雪舟が大陸に見出したものは、その大きな破壞の過ぎた跡で、そこには江南に發達した宗教と藝術があり、遣唐使時代の昔に思ひ比べたら、全くの別天地ではなかつたらうか。 　いろ／＼書きつけて見たいことは多く、文藝上の近代のはじめを足利時代に置き、支那より禪僧雪舟…

したことは尠（すくな）くとも愉快であった。で、時雄は父親と寧（むし）ろ快活に種々なる物語に耽（ふけ）った。父親は田舎の紳士によく見るような書画道楽、雪舟、応挙、容斎の絵画、山陽、竹田（ちくでん）、海屋（かいおく）、茶山（さざん）の書を愛し、其の名幅を無数に蔵して居た。話は自（おのずか）らそれに移った…

いん）に傾倒せぬ者が大多数を占めているから、この種の筆墨に物外（ぶつがい）の神韻（しんいん）を伝え得るものははたして幾人あるか知らぬ。 　惜しい事に雪舟（せっしゅう）、蕪村らの力（つと）めて描出（びょうしゅつ）した一種の気韻は、あまりに単純でかつあまりに変化に乏しい。筆力の点から云えばとうていこれら…

油畫中庭󠄄圖カミユ､ピサロ筆一八八〇年作 一面 同上 木版彩󠄃畫婦󠄃人肖󠄃像󠄃埃及コプト朝 一面 同上 紙本著色不動利益緣起繪卷 一卷 同上 紙本著色山水圖雪󠄃舟筆牧松󠄃､了庵ノ贊アリ 一幅 同上 紙本著色牧牛圖文󠄃成󠄃外史󠄃筆龍󠄇派󠄄等三僧ノ贊アリ 一幅 同上 紙本著色源公󠄃忠像󠄃(三十六歌仙切)佐竹家傳來…

同上 絹本著色鳳凰孔雀圖伊藤󠄇若冲筆 二幅 同上 紙本著色山水圖(仿夏珪)雪󠄃舟筆 一幅 同上 紙本著色山水圖(仿夏珪)雪󠄃舟筆 一幅 同上 紙本著色山水圖(仿李唐)雪󠄃舟筆 一幅 同上 紙本著色山水圖(仿李唐)雪󠄃舟筆 一幅 同上 絹本著色耶麻󠄃溪圖高橋草坪󠄃筆庚寅夏六月ノ年記アリ 一卷…

油畫中庭󠄄圖カミユ､ピサロ筆一八八〇年作 一面 同上 木版彩󠄃畫婦󠄃人肖󠄃像󠄃埃及コプト朝 一面 同上 紙本著色不動利益緣起繪卷 一卷 同上 紙本著色山水圖雪󠄃舟筆牧松󠄃､了庵ノ贊アリ 一幅 同上 紙本著色牧牛圖文󠄃成󠄃外史󠄃筆龍󠄇派󠄄等三僧ノ贊アリ 一幅 同上 紙本著色源公󠄃忠像󠄃(三十六歌仙切)佐竹家傳來…

油畫中庭󠄄圖カミユ､ピサロ筆一八八〇年作 一面 同上 木版彩󠄃畫婦󠄃人肖󠄃像󠄃埃及コプト朝 一面 同上 紙本著色不動利益緣起繪卷 一卷 同上 紙本著色山水圖雪󠄃舟筆牧松󠄃､了庵ノ贊アリ 一幅 同上 紙本著色牧牛圖文󠄃成󠄃外史󠄃筆龍󠄇派󠄄等三僧ノ贊アリ 一幅 同上 紙本著色源公󠄃忠像󠄃(三十六歌仙切)佐竹家傳來…

同上 絹本著色鳳凰孔雀圖伊藤󠄇若冲筆 二幅 同上 紙本著色山水圖(仿夏珪)雪󠄃舟筆 一幅 同上 紙本著色山水圖(仿夏珪)雪󠄃舟筆 一幅 同上 紙本著色山水圖(仿李唐)雪󠄃舟筆 一幅 同上 紙本著色山水圖(仿李唐)雪󠄃舟筆 一幅 同上 絹本著色耶麻󠄃溪圖高橋草坪󠄃筆庚寅夏六月ノ年記アリ 一卷…

一帖 同上 紙本縮圖狩野探幽筆十王圖 一卷 同上 紙本縮圖狩野探幽筆卷初ニ莫雲卿書及ビ卅六歌仙圖アリ 一卷 同上 紙本縮圖狩野探幽筆周󠄃文󠄃､雪󠄃舟､雪󠄃村､子昂､顏輝等ノ山水及ビ人物圖アリ 一卷 同上 紙本著色加茂競馬圖六曲屛 一雙 同小石川區林町 前󠄃川 道󠄃平󠄃 紙本著色職人盡圖額…

を多く支那の風物に借りたが、やがて古今獨步の畫才を現はした雪舟によつて淡彩を主とする日本的山水畫が渾成せられ、我が國民精神たる自然に對する親和の情感がよく表現された。その一門またよく師風を繼ぎ、水墨畫の隆盛が導かれた。次に室町時代末期に、雪舟の畫風に源流を發しつゝ、しかも日本畫と宋·元の水墨畫とをよ…