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  • むかしにかはりて、はらからの鬢白く眉皺よりて、只命有てとのみいひて、ことの葉もなきに、兄(コノカミ)の守袋をほどきて、母の白髮おがめよ、浦島が子の玉手箱、汝が眉もやゝ老たりとしばらく泣て、   手にとらば消ん涙ぞあつき秋の霜  大和国に行脚して、葛下郡竹の内と云所に至る。此所は例のちりが旧里なれば、日頃とゞまりて足を休む。…
    9キロバイト (2,040 語) - 2021年12月24日 (金) 08:35
  • に入れ、幽斎封印にて烏丸殿に預置き、世静謐に成りて彼の書物を封の儘返す時、幽斎立旨請取りて歌を読み烏丸殿へ被遣けり。   あけて見ぬ甲斐もありけり玉手箱再び帰る浦嶋が波 若狭国小浜の城主京極少将勝俊は、右の田辺の城攻に、近隣に居ながら後巻せざる故に、臆病者の名を取り、天下に面目を失ふ故、剃髪して東…
    177バイト (12,156 語) - 2024年2月3日 (土) 17:28
  • 十五の夏の頃、初めて参(まゐ)り仕へしに、あだし情(なさけ)の手枕(たまくら)の、睡(まどろ)む程(ほど)も夏(なつ)の夜(よ)の、明けてくやしき玉手箱(たまてばこ)、再びかくともの給はざれば、たゞ拙(つたな)き身を怨(うら)みて、明(あか)し暮(くら)しけるに、或時雨夜(あきよ)の御つれ〴〵とて…
    6キロバイト (31,392 語) - 2024年1月29日 (月) 16:47
  • 遺言にて、豊前の臼杵の城を加恩に預けられける。帰陣の後に、光広より箱をかへすとて、    明けて見ぬかひも有りけり玉手箱再び帰る浦島が波 御返事をとて、幽斎    浦島や光を添へて玉手箱明けてだに見ずかへす波哉 と、互に諷吟をして、伝授の箱を贈り返し、公家・武家共に悦びあへる折柄に、はからずも、治部…
    3キロバイト (116,548 語) - 2024年2月3日 (土) 18:43