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  • (い)ってはなはだ嬉しいと自慢するんです。六十七になって寝られなくなるなあ当り前でさあ。修業も糸瓜(へちま)も入(い)ったものじゃないのに当人は全く克己(こっき)の力で成功したと思ってるんですからね。それで外出する時には、きっと鉄扇(てっせん)をもって出るんですがね」「なににするんだい」「何にするん…
    1.06メガバイト (208,385 語) - 2022年11月4日 (金) 04:57
  • と成った。そればかりではない、父は娘が手習の手本にまで、貞操の美しいことや、献身の女の徳であることや、隣の人までも愛せよということや、それから勤勉、克己、倹約、誠実、篤行などの訓誨(くんかい)を書いて、それをお種に習わせたものであった。  こういう阿爺(おやじ)を持って嫁(かたづ)いて来た人の腹(お…
    437キロバイト (86,210 語) - 2022年9月18日 (日) 11:16
  • 方がございません」と何だか意味のありそうな事を云った。一度退(ひ)きかけた敬太郎の好奇心はこの答でまた打ち返して来そうにしたが、善(よ)くないという克己心(こっきしん)にすぐ抑えられた。  母はなお田口の弁護をした。そんな忙がしい身体(からだ)だから、時によると心にもない約束違いなどをする事もあるが…
    677キロバイト (132,287 語) - 2022年4月2日 (土) 11:15
  • った。二人(ににん)目の妻威能(いの)は怜悧(れいり)で、人を使う才があった。とにかく抽斎に始てアンチパチイを起させたのは、三人目の徳であった。  克己を忘れたことのない抽斎は、徳を叱(しか)り懲らすことはなかった。それのみではない。あらわに不快の色を見せもしなかった。しかし結婚してから一年半ばかり…
    642キロバイト (126,753 語) - 2022年3月23日 (水) 18:11