母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法

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本則[編集]

(目的)

第一条
この法律は、子育てと就業との両立が困難であること、就業に必要な知識及び技能を習得する機会を必ずしも十分に有してこなかったこと等の母子家庭の母が置かれている特別の事情並びに子育てと就業との両立が困難であること等の父子家庭の父が置かれている特別の事情に鑑み、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別の措置を講じ、もって母子家庭及び父子家庭の福祉を図ることを目的とする。

(母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する施策の充実)

第二条
  1. 厚生労働大臣は、母子及び寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)第十一条第一項に規定する基本方針(以下この条において「基本方針」という。)において、同条第二項各号に掲げる事項のほか、父子家庭の父の就業の支援に関する事項を併せて定めるものとする。
  2. 厚生労働大臣は、基本方針について、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業に関する状況を踏まえ、その安定した就業を確保するための支援に特別の配慮がなされたものとしなければならない。
  3. 厚生労働大臣及び関係行政機関の長は、基本方針において母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関して講じようとする施策の充実が図られるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
  4. 母子及び寡婦福祉法第十一条第二項第三号に規定する母子家庭及び寡婦自立促進計画(以下この条において「自立促進計画」という。)を策定する同号に規定する都道府県等は、自立促進計画において、同法第十二条各号に掲げる事項のほか、当該都道府県等の区域における父子家庭の父の就業の支援に関する事項を併せて定めるものとする。
  5. 前項に規定する都道府県等は、自立促進計画について、基本方針に即し、職業能力の開発及び向上の支援その他母子家庭の母及び父子家庭の父の安定した就業を確保するための支援に特別の配慮がなされたものとしなければならない。

第三条

国及び地方公共団体は、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の促進を図るための措置を講ずるに当たっては、情報通信技術等に関する職業能力の開発及び向上並びに情報通信ネットワークを利用した在宅就業等多様な就業の機会の確保並びにこれらに関する業務に従事する人材の養成及び資質の向上に留意しなければならない。

(母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する施策の実施の状況の公表)

第四条
政府は、毎年一回、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する施策の実施の状況を公表しなければならない。

(民間事業者に対する協力の要請)

第五条
国は、第一条に規定する母子家庭の母が置かれている特別の事情及び父子家庭の父が置かれている特別の事情に鑑み、民間事業者に対し、母子家庭の母及び父子家庭の父の優先雇用その他の母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の促進を図るために必要な協力を求めるように努めるものとする。

(母子福祉団体等の受注機会の増大への努力)

第六条
国及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)又は特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)のうち、その資本金の全部若しくは大部分が国からの出資による法人又はその事業の運営のために必要な経費の主たる財源を国からの交付金若しくは補助金によって得ている法人であって、政令で定めるものは、物品及び役務の調達に当たっては、母子及び寡婦福祉法第六条第六項に規定する母子福祉団体その他母子家庭の母又は父子家庭の父の福祉を増進することを主たる目的とする社会福祉法人、一般社団法人若しくは一般財団法人又は特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人であって、その受注に係る業務を行う者が主として母子家庭の母又は父子家庭の父であるもの(以下この条において「母子福祉団体等」という。)の受注の機会の増大を図るため、予算の適正な使用に留意しつつ、優先的に母子福祉団体等から物品及び役務を調達するように努めなければならない。

(地方公共団体等の努力)

第七条
  1. 地方公共団体は、前二条の規定に基づく国の施策に準じて、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の促進を図るために必要な施策を講ずるように努めるものとする。
  2. 地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)は、物品及び役務の調達に当たっては、前項の規定に基づきその設立に係る地方公共団体が物品及び役務の調達に当たって講ずる措置に準じて、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の促進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(財政上の措置等)

第八条
国は、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の促進を図るため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるように努めなければならない。

附則[編集]

附則

この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日[1]から施行する。

脚注[編集]

  1. 母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法の施行期日を定める政令(2013年(平成25年)1月17日政令第2号)により、2013年(平成25年)3月1日

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