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朝鮮語文法/第五章


第一節 音節

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言語行為において,私たちは,個別的語音を発音するのではない。継続的な音の連鎖を発音する。しかし,音の連鎖は,一回の呼気によって発音されるのではなく,いくつかの小さな節に分割された呼気で発音される。このとき,一回の呼気によって発音される一個又は数個の音を音節という。例えば,「오빠」は二音節,「아버지」は三音節であり,「산」は一音節であるのと同様である。

朝鮮語においては,原則的に音節ごとに母音があるため,ある語の音節の数は,大体その中にある母音の数と一致する。例えば,「귀뚜라미」は四音節(뀌-뚜-라-미),「맑다」は二音節(맑-다)である。

音節の数によって,語は,単音節語(소,개,집),二音節語(아침,모래,아들)及び多音節語(귀뚜라미,민주주의)に区分される。

母音で終わる音節は開音節(해-바-라-기),子音で終わる音節は閉音節(함-박-눈)という。

即ち,パッチムのない音節は開音節,パッチムのある音節は閉音節となる。

[付記]形態論において,「,ㅎ,ㆆ,」のパッチムのある音節が開音節とみなされることに関しては,100ページ(訳註:第二編第七章第一節2))参照。

第二節 二重母音

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ある音節の中にある二つの母音を二重母音という。朝鮮語においては,二重母音としては,「ㅢ」の一つしかない。

しかし,この音も漸次単母音化する傾向を見せている。

「월」,「약」等は,[+ㅓ+ㄹ][+ㅏ+ㄱ]と分析され,[半母音+母音]であるから,二重母音とは,みなしがたい。ここに,母音の前にある半母音は,子音の性質を有する。

第三章 半母音「

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半母音は,その後に母音が来るとき,これと合わさって一音節をなす。いま「全母音ㅣ」と「半母音」を比較してみると,

가지(먹는 가지―名詞)及び
(책을 가다―動詞)

において子音吐「다」が来ると,

이 것은 가지다(三音節)
그는 책을 가다(三音節)

となり,「가지다」「가다」は,全て三音節であるが,母音吐「여서」,「였다」が来ると,

이 것은 가지여서(四音節)
이 것은 가지였다(四音節)

に対して,

그는 책을 가여서 [가져서](三音節)
그는 책을 가였다 [가졌다](三音節)

となり,音節数が互いに異なる。これにより,「全母音ㅣ」と「半母音」が互いに異なる音であることを知ることができる。従って,名詞の[가지]と動詞の[가-]を区別することができ,また名詞の[가지]はいつでも[가지]と,動詞の[가-]はいつでも[가-]と表記することにより,その形態を固定させることができる。

「半母音」は,原則的に用言語幹の末音にのみ現れ,従来の「全母音ㅣ」で表記されていた用言語幹の末音は,その絶対多数が「半母音」で書かなければならないといえる。

1) 語幹末音を「半母音」で書かなければならない例:

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다(負) 였다
다(打) 였다
다(來의尊敬) 였다
다(使食) 였다

2) 語幹末音を「全母音ㅣ」で書かなければならない例:

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아니다(否) 아니고 아니여 아니였다
시다(酸味가 있다) 시고 시여 시였다
미다(窓戶紙를 찢다) 미고 미여 미였다
기다(개미가 기여가다) 기고 기여 기였다
삐다(물이 삐다) 삐고 삐여 삐였다

3) 「半母音」で語幹が終わる用言から転成した名詞の例:

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다→받

다→

다→

다→드

다→

다→느

드ᇫ다→드ᇫ