昭和二十年六月二十六日内閣告諭

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皇軍陸空一體ノ眞二感激スベキ善戰健鬪ト官民不屈ノ協力敢鬪トニ拘ラズ沖繩本島ノ守備遂ニ成ラズ。恐懼何物カ之ニ加ヘン。

然レドモ沖繩本島ニ於ケル作戰ニヨリ敵ニ與ヘタル損害ハ甚大ニシテ啻ニ敵ノ作戰遂行ニ齟齬ヲ來サシメタルノミナラズ、其ノ神上ニ與ヘタル打擊ヲ思ヘバ我ガ今後ノ戰爭遂行ヲ有利ニ導キタルモノ誠ニ大ナルモノアリト謂フヲ得ベシ。

惟フニ敵ノ空襲ハ爾今愈〻苛烈ナルベク新ナル本土侵寇亦豫期セザルヲ得ズ。正ニ元寇以來ノ國難ニシテ帝國ノ存亡ヲ決スルノ秋ナリ。

神州ハ 御稜威ノ下我等ノ祖先之ヲ保衞シ我等相倶ニ之ヲ護持シ永ク之ヲ子孫ニ繼承セシムベキノ地ニシテ未ダ嘗テ外夷ノ侵寇ヲ許サズ。焉ゾ之ヲ敵ノ蹂躙ニ委スルヲ得ンヤ。卽チ吾等ハ 聖訓ニ恪遵シテ義勇公ニ奉ジ朝野相依リ隣保相扶ケ道義ヲ尙ビ節制ヲ重ンジ各〻其ノ職務ニ勵シテ彌〻士氣ヲ昂揚シ國家ノ總力ヲ擧ゲテ敵ヲ千里ノ外ニ攘フベキノミ。作戰ノ方途ハ旣ニ定マリ、戰力充實ノ施策亦日ヲ逐ウテ進ム。而シテ國民義勇隊結成セラレテ國民ノ隊伍新ニ成ルアリ。政府ハ從來廔〻聲明シタル所信ニ從ヒ果斷邁進スベシ。

本大臣ハ帝國存亡ノ關頭ニ立チ玆ニ全國民ニ對シ更メテ宣戰ノ大詔ニ示シ給ヘル 聖旨ヲ奉體シ死生一如ノ日本魂ニ徹シテ自奮自勵相互信賴愈〻加ハルベキ苦難ニ堪へ、進ンデ一切ノ行動ヲ戰勝ノ一途ニ集中シ誓ツテ國難ヲ打開センコトヲ要望ス。

  昭和二十年六月二十六日

    內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞

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