明治元訳新約聖書(大正4年)/雅各書

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動
Wikisource:宗教 > 聖書 > 明治元訳新約聖書 > 雅各書(元訳大正4年)
Wikipedia
ウィキペディアヤコブの手紙のページがあります。

[二千五十七]
しんやくぜんしょしとヤコブふみ

第一章[編集]

かみおよびしゅイエス キリストしもべヤコブところゞゝゝちりをるじふにわかれやすきとふ
わがきゃうだいもしなんぢらさまゞゝこゝろみあはこれよろこぶべきこととすべし
そはなんぢらのうくしんかうこゝろみハなんぢらをしてにんたいしゃうぜしむるとしれバなり
なんぢらまったかつそなはりてかくところなからんためしのびをしてまったはたらかしめよ
なんぢらうちもしちゑたらざるものあらバとがむることなくおしむことなくしてすべてのものあたふかみもとめよさらあたへられん
されうたがふことなくしんじてこれもとむべしうたがものかぜうごかされてひるがへるうみのなみごと
かくごとひとしゅよりなにものをもうくるとおもなか
かくごとひとふたごゝろにしてそのおこなところことすべてさだまりなし
ひくきゃうだいそのたかくせらるゝことよろこびとせよ
とめものそのひくゝせらるゝことよろこびとせよそはくさはなごとすぐべけれバなり
十一 それひいでねっくさからせバそのはなおちそのうるはしきすがたきゆとめものまたかくのごとそのなすところなかばにしておのれまづほろび
十二 しのびこゝろみうくものさいはひなりそはこゝろみをよしとせらるゝときいのちかんむりうくべけれバなりこのかんむりしゅおのれあいするものやくそくたまひしところのものなり
十三 さそはるゝものかみわれをあくさそふといふなかれかみあくさそはれずまたひとをもあくさそたまハず
十四 ひとあくさそはるゝハおのれよくひかれていざなハるゝなり
十五 よくすでにはらみつみをうみつみすでになりうむ
十六 わがあいするきゃうだいみづかあざむなか
十七 すべてよきたまものまったたまものハみなうへよりもろゝゝひかりちゝよりくだるなりちゝかはることなくまたまはりあらはるゝかげもなきものなり
十八 かれおのれむねしたがまことのことばわれらうめこれわれらをしてそのつくところものなかにてはじめむすべるごとものとならしめんためなり


十九 このゆゑあいするきゃうだいひとおのゝゝきくことをすみやかにしかたることをおそくいかることをおそく
[二千五十八]
べし
二十 そハひといかりかみおこなことをせざれバなり
二一 されもろゝゝけがれおほくじゃあくをすてにうわなんぢらそのこゝろうゑたるところれいこんすくひうことばうくべし
二二 なんぢらことばおこなものとなるべしたゞこれをきくのみにしてみづからあざむものとなるなか
二三 それことばきくのみにしてこれおこなハざるものかがみむかひうまれつきかほをみるひとたり
二四 かれおのれうつさりのちたゞちそのいかなるすがたなりしかをわす
二五
されじゆうなるまったおきてねんごろはなれざるものこれわざおこなものにしてきゝわするゝものあらこのひとそのおこなふところさいはひあらん
二六 なんぢらのうちたれもしみづからかみつかふものおもひてそのしたくつわをつけずみづかそのこゝろあざむかバそのつかふることハいたづらなり
二七 かみなるちゝまへきよくしてけがれなくつかふることハみなしごやもめそのなやみなかみまひまたみづかまもりけがされざるこれなり

第二章[編集]

わがきゃうだいなんぢらさかえしゅなるわれらしゅイエス キリストしんかうみちまもらんにハひとかたよりみることなか
もしひときんのゆびわをはめうるはしきころもなんぢらくわいだうきたまたまづしひとけがれたるころもきたらんに
なんぢらうるはしきころもたるひとかへりみてなんぢこのよきところすわれといひまたまづしきものなんぢかしこたてといひあるひあしのもとすわれといは
なんぢらおのゝゝのうちへだてたてまたあしきおもひひとわかつものにあらずや
あいするきゃうだいかみこのよまづしきものえらびしんかうとまおのれあいするものやくそくたまひしところくにつぐべきものとならしめたまふにあらずや
しかるになんぢらまづしきものいやしめたりなんぢらしひたげまたさいばんしょひくものハとめるものあらずや
かれらなんぢらとなへらるゝところよきなけがものあらずや
なんぢらもしせいしょのすところおのれごとなんぢとなりあいすべしといへたふとおきてまもらバそのおこなふところよし
されひとかたよりみることをせバこれつみおこなふなりおきてなんぢらさだめてつみびととせん
ひと
[二千五十九]
おきてことゞゝまもるとももしそのひとつつまづかバこれすべてをかすなり
十一 それかんいんするなかれといへものまたころすことなかれといへなんぢらかんいんせずともころすことをせバおきてをかものとなるなり
十二 なんぢらかたることおこなふことじゆうおきてよりさばきうけんとするものごとくすべし
十三 あはれむことをせざるものさばかるゝときまたあはれまるゝことなからんあはれみさばきかつなり


十四 わがきゃうだいひとみづかしんかうありといひおこなひなくバなにえきあらんそのしんかういかでかれすくんや
十五 もしきゃうだいあるひハしまいはだかにてにちようかてともしからんに
十六 なんぢらのうちあるひとこれにいひあんぜんにしてねがはくハなんぢらあたゝかにしてあくことをよとしかしてそのからだなくてならぬものこれあたへずバなんえきあらん
十七 かくごとしんかうもしおこなひをかねざるときハすなはしぬるなり
十八 あるひといハんなんぢしんかうありわれおこなひありこふなんぢがおこなひかねざるしんかうわれしめわれおこなひよりしんかうなんぢしめさんと
十九 なんぢかみたゞひとつなりとしんかくしんずるハあくきまたしんじておのゝけ
二十 あゝおろかなるひとおこなひかねざるしんかうしぬることをなんぢしらんとおもふや
二一 われらせんぞアブラハムそのイサクだんうへさゝげとせられたるハおこなひよるあらずや
二二
そのしんかうおこなひともはたらかつおこなひよりしんかうまったきたるをなんぢみるべし
二三 これせいしょしるしてアブラハムかみしんそのしんかうとせられたりとあるかなへりかれまたかみともよばれたり
二四 なんぢらひととせらるゝハしんかうにのみよるあらおこなひよることをしるなるべし
二五 またぎふラハブつかひうけこれをほかみちよりさらしめてとせられたるハおこなひよるあらずや
二六 もしたましひはなるればしぬるごとくしんかうおこなはなるればしぬるなり


第三章[編集]

わがきゃうだいなんぢらおほとなるべからずそはわれらたるものさばきうけることもっとおもきしればな
[二千六十]

われらはみなしバゝゝあやまちなせものなりひともしことばあやまちなくばこれまったきひとにしてぜんたいくつわおきうるなり
それわれらむまおのれしたがはせんとしてそのくちくつわおくときハそのぜんたいまはすべし
ふねまたそのかたちおほきかつはげしきかぜおはるゝともちひさきかじかじとりこゝろまゝこれまはすなり
かくごとしたまたちいさきものにしてほこることおほいなりわづかのひいかにおほいなるはやしもやすを
したすなはすなハちあくせかいなりしたひゃくたいうちそなはりありてぜんたいけがまたぜんせかいもやすなりしたぢごくよりもえいづ
それさまゞゝけものとりはふものうみあるものみなせいうくまたすでひとせいせられたり
されひとたれもしたせいあたハずすなはおさへがたきあくにしてしのどくみてるものなり
われらこれをしゅなるちゝいはひまたこれをもてかみかたちかたどりてつくられたるひとのろ
いはひのろいひとつくちよりいづわがきゃうだいかくごときことハあるべきにあら
十一 いずみみなもとひとつのあなよりあまきみづにがきみづともいださん
十二 わがきゃうだいいちじくきかんらんむすあるひぶどうきいちじくむすぶことをんやかくごといづみみなもとしおみづまみづともいだすことあたはず
十三 なんぢらのうちかしこくしてさときものはたれなるやにうわなるちゑよきおこないあらはすべし
十四 されもしなんぢらこゝろうちにがきねたみあらそひいだかばこれまことそむきほこなかまたいつはなか
十五 かゝちゑうへよりくだるにあらつけるものじゃうよくつけるものあくまつけるものなり
十六 そはねたみあらそひあるところにはみだれさまゞゝあしきこととあればなり
十七 されうへからのちゑだいいちきよつぎへいわくわんようにゅうじゅんかつあはれみよきみみちひとかたよりみずまたいつはりなきものなり
十八 へいわおこなものへいわまくよりむすぶなり

第四章[編集]

なんぢらうちいくさあらそひいづこよりきたりしやなんぢらひゃくたいよくよりきたりしにあらずや
[二千六十一]
なんぢらむさぼれどもころすことをしねたむことをすれどもうることあたはずなんぢらあらそひいくさせりなんぢらもとめざるによりざるなり
なんぢらもとめてなほざるはなんぢらよくのためにつひやさんとしてみだりもとむるがゆゑなり
かんいんおこなだんじょなんぢらよともとするはかみあだするなるをしらざらんやともとならんことをおもものかみあだなり
せいしょかみわれらうちすましめたまみたまねっしんわれらいつくしむといへるをなんぢらむなしきことゝおもふや
かみさらおほいなるめぐみあたこれよりていふかみたかぶるものふせへりくだるものめぐみあたふと
このゆゑなんぢらかみしたがあくまふせさらかれなんぢらをにげさら
なんぢらかみちかづさらかみなんぢらにちかづたまはんつみびとなんぢらきよくせよふたごゝろものなんぢらこゝろいさぎよくせよ
なんぢらくるしかなしなけなんぢらのわらひかなしみかへなんぢらよろこびうれへかへ
みづからしゅまへひくゝせよされしゅなんぢらをたかくせん
十一 きゃうだいたがひそしなかきゃうだいそしりあるひはきゃうだいするものおきてそしおきてするなりなんぢもしおきてせばおきておこなものあらおきてするものなり
十二 おきてをたてひとするものたゞひとりなりかれすくふことほろぼすことをなしうなりなんぢたれなればとなりする
十三 われらけふあすそれがしまちにゆきかしこひとゝせとゞまりうりかひしてんといふもの
十四 なんぢらあすことしらなんぢらいのちなにしばらあらはれてつひきゆきりなり
十五 なんぢらいふことにかへかくいへしゅもしゆるたまはゞわれらいきあるひこのことあるひはかのことなさんと
十六 されいまなんぢらたかぶりてほこることをなすすべかくごとほこりあくなり
十七 ひとぜんおこなことしりこれおこなはざるはつみなり


第五章[編集]

とめるものなんぢらすできたらんとするわざはひおもひなきさけぶべし
なんぢらたからくちなんぢらのころもしみく
なんぢらきんぎんさびくされりこのさびあかしなしなんぢらせめかつごとなんぢらにくくはなんぢらこのすえ
[二千六十二]
ありてなほたからたくはふることをせり
なんぢらそのたからせしやとひびとあたへざるあたひさけそのかりものよびごゑすでばんぐんしゅみみいれ
なんぢらありおごりたのしほふらるゝありなほそのこゝろよろこばせり
なんぢらたゞしきものつみさだかつこれをころせりかれなんぢらをふせがざりき


きゃうだいしのびしゅきたるをまつべしのうふちたうとさんうるのぞみてまへあととのあめうるまでひさししのびてこれまて
なんぢらしのなんぢらこゝろかたうせよそはしゅきたたまふことちかづけばなり
きゃうだいなんぢらたがひうらむることなかおそらくはつみさだめられんさばきするものもんまへたて
きゃうだいなんぢらしゅよりかたりしよげんしゃくるしみしのびとののりとすべし
十一 われらしのものさいはひなりとおもなりなんぢらかつヨブしのびきけしゅいかにかれなしたまひしそのはてすなはしゅじひふかかつあはれみあるものなり
十二 きゃうだいいせつちかなかあるひてんあるひはあるひはほかのものさしちかなかなんぢらしかるしかりとしいないなとすべしおそらくはなんぢらつみさだめられん
十三 なんぢらのうちたれくるしものあるあらばいのりせよたれよろこものあるかあらばそのひとさんびせよ
十四 なんぢらのうちたれやめものあるあらばけうくわいちゃうらうたちまねくべしかれらしゅよりそのひとあぶらそゝこれためいのら
十五 それしんかうよりいづいのりやめるものすくふべししゅこれをおこさんつみをかしゝことあらゆるされん
十六 なんぢらたがひあやまちをいひあらはしかつやまひいやさるゝことをためたがひいのるべしたゞしきひとあついのりちからあるものなり
十七 エリヤわれらおなじじゃうひとなりかれあめふらざることをせついのりければさんねんろく げつあいだちあめふらざりき
十八 またいのりければてんよりあめふりてそのさんはえいだせり
十九 わがきゃうだいなんぢらのうちあるひまことみちよりまよへものあらんにたれこれひきかへさば
二十 このひとしるべしつみびとそのまよへみちよりひきかへすはすなはそのたましひよりすくひかつおほくつみおほふことを
[二千六十三]



新約全書雅各書 終