明治元訳新約聖書(大正4年)/腓利門書

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[二千三十七]
新約全書使徒しんやくぜんしょしとパウロピレモンおくれるふみ

本文[編集]

イエス キリストため囚人めしうどとなれるパウロおよ兄弟きゃうだいテモテ我儕われらあいするものわれらが勤勞はたらきともなるピレモン
およ我儕われら姊妹しまいアピア我儕われらとも戰爭たゝかひをなせるアルキポならびなんぢ家内いへのうち教會けうくわいふみおく
ねがはくハ爾曹なんぢらわれらのちゝなるかみおよびしゅイエス キリストより恩寵めぐみ平康やすきうけ


われいのときつねなんぢことのべ我神わがかみしゃ
そはわれなんぢあい信仰しんかうをもてしゅイエスむかひまたもろゝゝ聖徒せいとむかふことをきけバなり
いのところなんぢとも信仰しんかうたもてるひとなんぢらのうちなるすべて善事よきことしるよりその信仰しんかう功効はたらきをなしキリスト榮光さかえあらはすにいたらんことなり
兄弟きゃうだいわれなんぢのあいよりおほいなる喜樂よろこび安慰なぐさめたり蓋聖徒等そはせいとたちこゝろなんぢによりやすんぜられたれバなり
これよりわれキリストありはゞかところなくなんぢ其作そのなすべきことめいずることをうるいへど
あいゆゑよりむしなんぢもとわれすでに年老としおいいまキリスト イエスため囚人めしうどとなれるパウロかくごとさまにて

わが縲絏なはめうちにてうみなるオ子シモことなんぢもと
十一 かれさきにハなんぢえきなきものなりしがいまなんぢにもわれにもえきあるものとなれりわれかれをなんぢもとかへ
十二 なんぢこれをいれかれこゝろなり
十三 われかれをして我所わがもととゞ福音ふくいんためうけたる縲絏なはめうちなんぢかはりわれつかへしめんとおもへり
十四 しかれどもわれなんぢのうけがはざることなにをもなすこのまずこれなんぢが供給止たすけやむざるにいでずしてこゝろよりいでんことをのぞめバなり
十五 かれしばらなんぢはなれしハなんぢをして永遠かぎりなくかれをとめおき
十六 此後こののちかれをしもべごとくせずしもべまさるものあいする兄弟きゃうだいなさしむるためあらざりしをしらんやわれかれをことあいいはんや爾肉なんぢにくよりてもしゅよりてもこれあいせざるべけんや
十七 なんぢもしわれともとなさバこふわれをいるごとかれいれ
十八 かれもしなんぢ不義ふぎをなしまたなんぢに負債ふさいあらバなんぢこれをわれせよ
十九 われパウロ親手てづからこれをかけわれかならずつくのハんなんぢをもてつくのふべき負債ふさいわれにありされどわれこれをいは
二十 兄弟きゃうだい我爾われなんぢよりえきしゅよりんことをのぞなんぢわがこゝろキリストよりやすましめよ
二一 われなんぢしたがふことをふかしんじてこれなんぢ書贈かくおくなんぢおこなところところかならわがいふところよりもまさらんことをしれ
二二 またなんぢわがために寓所やどそなへよそはわれ爾曹なんぢら祈禱いのりよりつひ我身わがみ爾曹なんぢらあたへられんとおもへバなり
二三 イエス キリストありわれとも囚人めしうどとなれるエパフラスなんぢやすきとふ
二四 わが勤勞はたらきともなるマコアリスタルコデマスルカおなじやすきなんぢとふ
二五 ねがはくハ我主わがしゅイエス キリスト恩惠めぐみつねに爾曹なんぢられいともあらんことをアメン




新約全書腓利門書 終