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明治元訳新約聖書(大正4年)/以弗所人書

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[千九百八十三]
新約全書しんやくぜんしょ使徒しとパウロエペソびとおくれるふみ

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第一章

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かみむねよりイエス キリスト使徒しとなれパウロエペソにある聖徒せいとおよびイエス キリストありしんずるものふみおく
ねがはくは我儕われらちゝなるかみおよびしゅイエス キリストより恩寵めぐみ平康やすきうけ


神即かみすなは我儕われらしゅなるイエス キリストちゝほむべきかなかれキリストよりすべてれいめぐみてんところにて我儕われらすでめぐみたり
それ神我儕かみわれらをして其前そのまへきよきずなからしめんため世基よのもとゐおかざりしさきより我儕われらキリストうちえら
そのこゝろのまゝにイエス キリストより我儕われらおのれなさんことをあいあらかじめさだめたり
そのめぐみさかえほめしめんためなりすなはちあいするものあるわれらにたまところめぐみなり
そのめぐみゆたかなるによりかれにある我儕われらみたしめ
かみさまゞゝの智慧ちゑ聰明さとりあたへて此恩このめぐみ我儕われらみたしめ
我儕われら其旨そのむね奥義おくぎこゝろのまゝにしめせりこれみづかさだたまひしところなり
すなは滿みつるときにいたりてあるひてんありあるひはにある萬物よろづのものキリストせしめんがためさだたまひしところなり
十一 萬事すべてのことをそのこゝろのまゝにおこなものおのれのむねしたがひてあらかじめ我儕われらさだキリストあり嗣子よつぎなることをしむ
十二
これさきキリストたのめる我儕われらをしてかれさかえさかえの讃美ほめらるゝことなさしめんためなり
十三 爾曹なんぢらまことことばすなはち爾曹なんぢらすく福音ふくいんきゝのちキリストしん我儕われらげふつぐかたなる約束やくそく聖靈せいれいいんせらる
十四 神聖靈かみせいれいをもていんしたまふは其買受そのかひうけものすくかつおのれのさかえあらはさんためなり
十五 是故このゆゑわれ爾曹なんぢらしゅイエスしんずることゝすべて聖徒せいとあいすることをきゝ
十六 爾曹なんぢらため感謝かんしゃしてやま
[千九百八十四]
つね祈禱いのりのとき爾曹なんぢらおも
十七 我儕われらしゅイエス キリスト神榮かみさかえ父智慧ちゝちゑ黙示もくしみたま爾曹なんぢらたま爾曹なんぢらをしてかみしらしめ
十八 また爾曹なんぢらこゝろあきらかにし其召そのめしかうむりてたもところところののぞみ聖靈せいれいたまところげふさかえとみ
十九 またしんずる爾曹なんぢらたいしておこなたまかみちからきはめおほいなることをしらしめたまはんことをねが爾曹なんぢらしんずるはかみおほいなるちから感動はたらきよるなり
二十 二一 すなはキリストおこなひしところにしてかれよりよみがへらせもろゝゝまつりごと權威けんゐ能力ちから宰治きみまた此世このよのみならずきたらんとするにもすべとなふるところうへてんところにておのれみぎしめしちからなり
二二 また一切すべてものうへかしらとなしこれ教會けうくわいたまひて其首そのかしらなせ
二三 教會けうくわいかれ身體からだなり萬物よろずのもの萬物よろずのもの滿みたしむるもの滿みてところなり

第二章

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かみとがつみしにところ爾曹なんぢらをもいかたまへり
爾曹曾なんぢらかつ斯世このよ風俗ならはししたがとがつみおこなひておく亦空中またくうちうにある諸權しょけん總宰すべつかさどるものすなハちしんしたがハざるものうちいまはたらくところれいしたがへり
我儕われらもみなかつ其中そのなかにをりにくよくしたがひておくにくこゝろおもまゝをなし他人ほかのひとごと本性うまれながらにしていかりなりき
しかるに衿恤あはれみとめかみわれらをあいするところおほいなるあいより
つみしにときにすら我儕われらキリストともいかし(なんぢらめぐみよりすくはれしなり
またイエス キリストあるわれらをかれともよみがへらせともてんところせしめたまへり
これいまよりのち世々よゝキリスト イエスうちにて我儕われらほどこところ仁慈なさけをもて其恩そのめぐみすぐれゆたかなることをあらはさんためなり
なんぢらめぐみよりすくひこれ信仰しんかうよりてなりおのれよるあらかみたまものなり
おこなひよるあらかくごとくなるはほこものなからんためなり
我儕われらかみつくたまへるものなりすなは我儕われらをして善事よきわざおこなはしめんため
[千九百八十五]
キリスト イエスうちつくたまへり此事このわざかみわれらにおこなはせんとてあらかじめそなたまひしところなり


十一 是故このゆゑ爾曹心なんぢらこゝろとめにくより異邦人いはうじんなる爾曹手なんぢらてにくおこなへる割禮かつれいもの不割禮ふかつれいとなへられしものなれバ
十二 其時そのとき爾曹なんぢらキリストなくイスラエルせきあらざる異邦人いはうじんにして約束やくそくにつひてむすたまひし契約けいやくあづかりなくのぞみなく又世またよありかみなきものなりき
十三 しかれどもキリスト イエスあれさきとほざかりし爾曹なんぢらイエスよりちかづけり
十四 十五 かれ我儕われらやはらぎなり二者ふたつのものひとつとなし冤仇うらみとなるへだてかきこぼ律法おきてうちめいずるところのり其肉體そのにくたいにてはいせり蓋二者そはふたつのものおのれつらこれひとつあたらしきひとつくりてやはらがしめ
十六 また十字架じふじか冤仇うらみほろぼまたこれを二者ふたつのもの一體ひとつのみとなしてかみやはらがしめんためなり
十七 またかれきたりて福音ふくいんつた爾曹遠なんぢらとほざかりしものおよびちかものにも和平やはらぎのべたり
十八 それかれより我儕二者一われらふたつのものひとつみたまありちゝちかづことうるなり
十九 是故このゆゑ爾曹今なんぢらいまより賓旅たびゞとあら亦寄寓者またやどれるものあら聖徒せいとおなくにまたかみいへぞくするものなり
二十 かつなんぢら使徒しと預言者よげんしゃもとゐうへたてらるイエス キリストみづか其隅そのすみ首石おやいしとなれり
二一 全屋ひといへみな搆合くみたてかれうちありやゝにまし聖殿主きよきみやしゅうちなるなり
二二 爾曹なんぢらともかれうちたてられたり是靈これみたまよりかみ居給すみたまところとなるべきためなり


第三章

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是故このゆゑ爾曹なんぢら異邦人いはうじんためキリスト イエス囚人めしうどとなれるわれパウロ爾曹なんぢらためいの
爾曹なんぢらためかみわれたまひしめぐみ爾曹なんぢらすでにきゝしならん
すなは黙示もくしをもて奥義おくぎわれしめせるなり
[千九百八十六]
われほゞまへしるせるごと
爾曹なんぢらこれをよまこれよりわがキリスト奥義おくぎさとれることをしるべし

前代ぜんだいこれひとしらしめしは今靈いまみたま聖使徒きよきしと預言者よげんしゃしめすがごとくならざりき
その奥義おくぎすなは異邦人いはうじん福音ふくいんよりキリスト イエスありとも嗣子よつぎとなりとも一躰ひとつのからだとなりとも約束やくそくあづかことうることなり
われかみ恩賜たまものすなハち其能そのちから感動はたらきわれたまひしめぐみによりて此福音このふくいん役者つかへびととなれり
すべて聖徒せいとうち最微者いとちいさきものよりもちひさわれ此恩このめぐみたまひてはかることあたハざるキリストとみ異邦人いはうじんつた
かつイエス キリスト萬物よろづのものつくりしかみうちはじめより以來このかたかくれたる奥義おくぎ如何いかんすべてひとさとらしむ
これ教會けうくわいてんところにあるまつりごととれもの權威けんゐもてものかみ萬殊さまゞゝ智慧ちゑしらしめんためなり
十一 神世々かみよゝさきよりさだたまひしむねしたがへるなりこのむね我儕われらしゅキリスト イエスより成就じょうじゅせり
十二 我儕われらキリスト イエスありこれしんずるによりおくせざることをまたはゞかることなくしてかみちかづくことをたり
十三 是故このゆゑ我爾曹われなんぢらもとむわが爾曹なんぢらためうく患難なやみによりおづることなかこれなんぢらのほまれなり
十四 十五 これより我儕われらしゅイエス キリスト父即ちゝすなはてんにある諸族しょぞくかれよりものちゝひざまづきて
十六 ねがふハ其榮そのさかえとみしたが其靈そのみたまをもて爾曹なんぢらうちひと剛健つよくすこやかにし
十七 またキリストをして信仰しんかうより爾曹なんぢらこゝろをらしめ
十八 また爾曹なんぢらをしてあいねざあいもとゐとしてすべて聖徒せいとともはかべからざるキリストあいしり
十九 そのひろながふかたかさをさとらしめまたすべてかみ滿みたしめたまハんことなり
二十 ねがはくハ我儕われらうちおこな能力ちからしたがひて我儕われらもとむるところおもところよりもいたまされること行得なしうもの
二一 キリスト イエスにより教會けうくわいうちにて世々窮よゝかぎりなくさかえせんことをアメン


以下[千九百八十七]

第四章

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れバしゅあり囚人めしうどとなれるわれなんぢらにすゝむなんぢらめされしめしかなひおこなハんことを

ことごと謙遜けんそん柔和にうわ寛容ゆるやかなるこゝろおこなあいたがひしの
平和へいわといふつなぎうちつとめみたまたまところひとつなるをまもるべし
からだひとつみたまひとつなり爾曹なんぢらめされてたもところのぞみひとつなるがごと
主一信仰一しゅひとつしんかうひとつバプテスマひとつ
かみすなハち萬人すべてのひと父一ちゝひとつなりかれ萬人すべてのひとうへにあり萬人すべてのひとつらぬ萬人すべてのひとうちあり
われら各人おのゝゝキリストたまところりゃうしたがひてめぐみたまふなり
是故このゆゑいへることありかれうへのぼりしときとりこにするものとりこにしたまものひとたまへりと
すでうへのぼれりといへ先地まづちしたくだりしにあらずや
くだりしものすなはもろゝゝてんうへのぼりしものなりかれよろずのもの滿みたんとす
十一
そのたまひしところ使徒しとあり預言者よげんしゃあり傳道者でんだうしゃあり牧師ぼくしあり教師けうしあり
一二 これ聖徒せいとまったふし服役つとめことおこなキリストからだとくたて
一三 我儕われらをしてみなおなじくかみしんこれ全人まったきひとすなハちキリスト滿足みちたれるほどとなるまでにいた
一四 いまよりのち嬰兒こどもならずひと詭譎いつはりてだて誘惑まどはしたくみ蕩漾たゞよはさるゝことなく各様さまゞゝをしへかぜ搖動うごかされず
一五 あいをもて眞理まことおこなそだちすべてのことかしらなるキリストならはしめんためなり
一六 かれもととし全體ぜんたいすべての百節ふしゞゝたすけによりて聯絡鞏固つらなりかたまりその肢體したいおのおの分量ぶんりゃうしたが方行はたらき其體そのからだそだてみづからあいよりとくたつるなり


一七 是故このゆゑわれこれをしゅあり爾曹なんぢらいまし爾曹今なんぢらいまよりのち異邦人いはうじんごと其心そのこゝろ邪曲よこしまなるにまかせておこなふべからず
一八 かれら心昏こゝろくらものなり又知またしるところなきによりかたくななるによりかみいのちとほざかれり
一九 彼等かれらはぢしらこのみすべてけがれおこなはんためおのれ放蕩はうたうわたせり
二十 され爾曹なんぢらかくごとおこなはんためキリストまなべるにあら
[千九百八十八]
二一 爾曹なんぢらかれにきゝかれのをしへうけイエスにある眞理まことしりしならん
二二 なんぢらさきならへ舊人ふるきひとすなはちひとまどはすよくためやぶらるゝものをぬぎ
二三 また爾曹なんぢらこゝろれいあらたにし
二四 かみかたどりて眞理まことたゞしききよきにてつくれる新人あたらしきひとるべし
二五 かく謊言いつはりすておのゝゝ其隣そのとなりまこといふべしそはわれらたがひえだなればなり
二六 いかりつみをかすことなかいかりいるまでにいたることなか
二七 惡魔あくまところさすることなか
二八 ぬすみをする者復ものまたぬすみをするなかれむし貧者まづしきものほどこさんためにはげみづから善工よきわざなすべし
二九 すべけがれたることば爾曹なんぢらくちよりいだすことなか惟時たゞときしたがひてひととくたつべき善事よきことをいひ聽者きくものをしてえきあらしむべし
三十 かみ聖靈せいれいをしてうれへしむることなか爾曹救なんぢらすくひためかれいんうけものなり
三一 爾曹なんぢらすべての很毒にがきこと恚憾いきどほり忿怒いかり喧嚷さわぎ謗讟のゝしりまたすべてあくおのれよりすつべし
三二 たがひ仁慈なさけ憐恤あはれみあるべしキリストありかみなんぢらをゆるたまへるごと爾曹なんぢらたがひゆるすべし


第五章

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なんぢらあいせらるゝ兒女こどもごとかみならふべし
またあいおこなキリスト我儕われらあい我儕われらかはりおのれ禮物そなへものとなし犠牲いけにへとなしてかみまへ馨香かうばしきにほひあらしめんとて獻給さゝげたまひしがごとくすべし
聖徒せいとたるにかなふごとく奸淫かんいんおよびすべて汚穢けがれたることまた貪婪むさぼることをたがひいふことだに爲勿するなか
淫辭いんじ浮言うきたること戯謔たはむれごといふなかれ是宜これよろしからざることなりむししゃすることをすべし
そはすべて姦淫かんいんするもの汚穢けがれたるものおよび貪婪者むさぼるものすなはち偶像ぐうざうをがものキリストかみとのくにつぐざることは爾曹知なんぢらしれバなり
なんぢらひと虛言いつはりごとあざむかるゝことなかかみいかりこれらのことより背逆者もとれるものいたるなり
是故このゆゑ彼等かれらくみすることなか
爾曹なんぢらもとくらかりしが今主いましゅありひかれりひかり子輩こどもごとおこなふべし
蓋光そはひかりむすところすべてよきことゝたゞしきことゝ誠實まことうちにあればなり
しゅ
[千九百八十九]
よろこところわきまへてこれおこなふべし
十一 なんぢらむすバざる暗行くらきわざくみすることなくかへっこれせむべし
十二 彼等かれらかげにておこなところことこれいふだにもはづべきことなり
十三 すべせめうくべきことはひかりよりあらはるゝなりそはすべてをあらはものひかりなればなり
十四 是故このゆゑいへことありいねたるものさまよりおきキリストなんぢてらさん
十五 され爾曹なんぢらつゝしみておこなひかたくすべしさとからざるものごとくせず智者さときものごとくし
十六 をりうかゞふべし是時惡これときあしければなり
十七 是故このゆゑおろかなるものなることなくしゅむね如何いかにさとるべし
十八 またさけゑふことなかこれをなすは放蕩ほうとうなりよろしくみたま滿みたさるべし
十九 たがひうたれいかんじてつくれるとをかたりあひまたうたひて爾曹なんぢらこゝろしゅ讃美さんびすべし
二十 すべてことにつきてつね我儕われらしゅイエス キリストより神即かみすなはちゝしゃすべし
二一 キリストおそるゝこゝろたがひしたがふべし


二二 つまなるものしゅしたがふがごとおのれおっとしたがふべし
二三 そはキリスト教會けうくわいかしらなるごとをっとつまかしらなれバなりキリスト救主すくひぬしなり
二四 され教會けうくわいキリストしたがごとつますべてのことをっとしたがふべし
二五 おっとなるものキリスト教會けうくわいあい其爲そのためおのれ捨給すてたまひしごと爾曹なんぢらつまあいすべし
二六 かれおのれすてしはみづあらひことばより教會けうくわいきよこれせいなるものとせんがためなり
二七 また點汚しみなくしわなくすべかくごとたぐひなくせいにしてきづなきさかえなる教會けうくわいみづかおのれまへたてためなり
二八 かくごとをっとそのつまおのれとなしてあいすべしつまあいするものおのれあいするなり
二九 おのれにくものかつあることなしこれ保養まもりやしなふことキリスト教會けうくわい保養まもりやしなふがごと
三十 我儕われらかれえだなりかれにく
[千九百九十]
いでかれがほねよりいでたり
三一 是故このゆゑひとちゝはゝはな其婦そのつまふたつのもの一體いったいになるべし
三二 この奥義おくぎおほいなりわがいふところキリスト教會けうくわいさすなり
三三 爾曹なんぢらおのゝゝそのつまおのれとなしてあいすべしつま其夫そのをっとうやまふべし


第六章

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なるもの爾曹主なんぢらしゅあり兩親ふたおやにしたがふべし是合宜これたゞしきことなれバなり
なんぢ父母ちゝはゝうやまふべし約束やくそくくはへたるいましめこれはじめとす
これなんぢさいはひまた地上ちのうへ壽長いのちながからんためなり
ちゝなるもの爾曹なんぢらいからすることなかしゅ警戒いましめ教訓をしへ養育そだつべし
しもべなるものキリストしたがふがごと畏懼戰慄おそれおのゝきまことのこゝろをもて肉體にくたいつけ主人しゅじんしたがふべし
ひとよろこバするものごと只眼前たゞめのまへことつとむるゝなかキリストしもべごとこゝろよりかみむねおこなふべし
ひとつかふるがごとくせずしゅつかふるがごと甘心こゝろよくつかふべし
そはしもべなるものにもあれ自主じしゅなるものにもあれ各行おのゝゝおこなところぜんよりしゅよりむくいうけんことを爾曹知なんぢらしれバなり
主人しゅじんなるもの爾曹なんぢらまたかくのごと彼等かれらおこなひて厲言おどすことやめそはかれらと爾曹なんぢら主天しゅてんありかれハかたよところなしと爾曹知なんぢらしればなり


此他このほかなほいは我兄弟わがきょうだいしゅおよび其大そのおほいなるちからより剛健つよくなるべし
十一 なんぢら惡魔あくま奸計はかりごとふせがためかみ武具ぶぐよろふべし
十二 我儕われら血肉けつにくたゝかふにあらまつりごとまた權威けんゐまた斯世このよ幽暗くらきつかさどるものまたてんところにあるあくれいたゝかふなり
十三 是故このゆゑかみ武具ぶぐとるべしこれあしきあひあだふせすべてこと成就じゃうじゅしてたゝためなり
十四 なんぢらたつまことおびとしてこしむすたゞしき護胸むねあてとしてむねあて
十五 和平おだやかなる福音ふくいんそなへくつとしてあし穿はき
十六 このほか信仰しんかうたてとるべし此盾このたてをもてことゞゝ惡者あしきもの火箭ひやけすことを
十七 またすくひかぶとおよび聖靈せいれいつるぎすなハちかみことばとり
十八 つね各様さまゞゝ禱告いのり祈求ねがひみたまよりもとめかつすべて聖徒せいと
[千九百九十一]
ためにもつゝしみて此事このことをなしいのりてうまざるべし
十九 またわがくちひらくときことばたまハり侃々はゞからずして福音ふくいん奥義おくぎしめ
二十 またわがいふべきところごとこれ侃々はゞからずして言得いひうるやうわがためにもいのるべしわれこの福音ふくいんため使者ししゃとなりてくさりつながれたり


二一 あいする兄弟主きゃうだいしゅ忠心ちゅうしんにてつかふテキコわが如何いかにしてある我事わがこと爾曹なんぢら告知つげしらせん
二二 われかれをこと爾曹なんぢらつかはすハ爾曹なんぢら我事わがことしら又彼またかれをして爾曹なんぢらこゝろなぐさめしめんためなり
二三 ねがはくハ兄弟父きゃうだいちゝなるかみしゅイエス キリストにより信仰しんかうそへ平康やすきあいんことを
二四 ねがはくハ我儕われらしゅイエス キリストかはらずしてあいするすべてものめぐみあらんことをアメン




新約全書以弗所書 終