日本年金機構法

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第一章 総則[編集]

(目的)

第一条
日本年金機構は、この法律に定める業務運営の基本理念に従い、厚生労働大臣の監督の下に、厚生労働大臣と密接な連携を図りながら、政府が管掌する厚生年金保険事業及び国民年金事業(以下「政府管掌年金事業」という。)に関し、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)及び国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の規定に基づく業務等を行うことにより、政府管掌年金事業の適正な運営並びに厚生年金保険制度及び国民年金制度(以下「政府管掌年金」という。)に対する国民の信頼の確保を図り、もって国民生活の安定に寄与することを目的とする。

(基本理念等)

第二条
  1. 日本年金機構は、その業務運営に当たり、政府管掌年金が国民の共同連帯の理念に基づき国民の信頼を基礎として常に安定的に実施されるべきものであることにかんがみ、政府管掌年金事業に対する国民の意見を反映しつつ、提供するサービスの質の向上を図るとともに、業務運営の効率化並びに業務運営における公正性及び透明性の確保に努めなければならない。
  2. 厚生労働大臣及び日本年金機構は、政府管掌年金が国民生活の安定のみならず、医療保険事業その他の社会保険事業の安定的な運営に寄与し、我が国社会の持続的な発展の基盤となるものであることにかんがみ、政府管掌年金事業について、厚生年金保険及び国民年金の被保険者(第二十八条第二十九条及び第三十条第二項において「被保険者」という。)、事業主、地方公共団体並びに政府管掌年金事業に関する団体(次項において「被保険者等」という。)の協力の下に適正に運営するとともに、政府管掌年金及び政府管掌年金事業に対する国民一般の理解を高めるよう努めなければならない。
  3. 被保険者等は、政府管掌年金の円滑な実施に適切な役割を果たすとともに、政府管掌年金事業に対する理解を深め、その運営に協力するよう努めなければならない。

(法人格)

第三条
日本年金機構(以下「機構」という。)は、法人とする。

(事務所)

第四条
  1. 機構は、主たる事務所を東京都に置く。
  2. 機構は、必要な地に従たる事務所を置き、その管轄する区域について、機構の業務を分掌させるものとする。

(資本金)

第五条
  1. 機構の資本金は、附則第十二条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
  2. 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
  3. 機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。

(登記)

第六条
  1. 機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
  2. 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

(名称の使用制限)

第七条
機構でない者は、日本年金機構という名称を用いてはならない。

(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の準用)

第八条
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条の規定は、機構について準用する。

第二章 役員及び理事会並びに職員[編集]

(役員)

第九条
  1. 機構に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事七人以内及び監事二人を置く。
  2. 機構に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事四人以内を置くことができる。

(理事会の設置及び任務)

第十条
  1. 機構に、理事会を置く。
  2. 理事会は、理事長、副理事長及び理事をもって組織する。
  3. 理事会は、この法律の規定により厚生労働大臣の認可(第十三条第二項及び第十六条第四項の認可を除く。)又は承認(第二十四条の承認を除く。)を受けなければならない事項その他理事会が特に必要と認める重要事項を審議し、決定する。

(理事会の会議)

第十一条
  1. 理事会は、理事長が招集する。
  2. 理事長は、理事会の議長となり、会務を総理する。
  3. 理事会は、理事長、副理事長及び理事の過半数の出席がなければ、その議事を開き、議決することができない。
  4. 理事会の議事は、出席した理事長、副理事長及び理事の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(役員の職務及び権限等)

第十二条
  1. 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
  2. 副理事長は、機構を代表し、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
  3. 理事は、理事長の定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。
  4. 監事は、次に掲げる事項を監査する。
    一 機構の財務の状況
    二 機構の業務(業務に際しての個人情報(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)第二条第二項に規定する個人情報その他厚生労働省令で定めるものをいう。第三十八条第一項において同じ。)の管理を含む。)の状況
  5. 監事は、監査を行ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、監査報告書を作成し、理事長に提出しなければならない。
  6. 監事は、必要があると認めるときは、理事会に出席し、意見を述べることができる。
  7. 監事は、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
  8. 監事は、必要があると認めるときは、理事長又は厚生労働大臣に意見を提出することができる。
  9. 理事長は、第五項の規定により監査報告書の提出があったときは、理事会に報告するものとする。
  10. 第四項から前項までに定めるもののほか、監査に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

(役員の任命)

第十三条
  1. 理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命する。
  2. 副理事長及び理事は、理事長が厚生労働大臣の認可を受けて任命する。

(役員の任期)

第十四条
  1. 役員の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
  2. 役員は、再任されることができる。

(役員の欠格条項)

第十五条
政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。

(役員の解任)

第十六条
  1. 厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
  2. 厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
    一 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。
    二 職務上の義務違反があるとき。
  3. 前項に規定するもののほか、厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員(監事を除く。)の職務の執行が適当でないため機構の業務の実績が悪化した場合であって、その役員に引き続き当該職務を行わせることが適切でないと認めるときは、その役員を解任することができる。
  4. 理事長は、前二項の規定によりその任命に係る役員を解任しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
  5. 厚生労働大臣は、副理事長又は理事が第二項又は第三項に規定する事由に該当すると認めるときは、理事長に対し、その役員の解任を命ずることができる。

(代表権の制限)

第十七条
機構と理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合においては、監事が機構を代表する。

(代理人の選任)

第十八条
理事長及び副理事長は、理事又は機構の職員のうちから、機構の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

(職員の任命)

第十九条
機構の職員は、理事長が任命する。

(役員及び職員の地位)

第二十条
機構の役員及び職員(以下「役職員」という。)は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(役員の報酬等)

第二十一条
  1. 役員に対する報酬及び退職手当(以下この条において「報酬等」という。)は、その役員の業績が考慮されるものでなければならない。
  2. 機構は、役員に対する報酬等の支給の基準を定め、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
  3. 前項の報酬等の支給の基準は、国家公務員の給与、民間事業の役員の報酬等、機構の業務の実績、第三十四条第二項第四号の人件費の見積りその他の事情を考慮して定められなければならない。
  4. 厚生労働大臣は、第二項の規定による届出があったときは、その届出に係る報酬等の支給の基準を社会保障審議会に通知するものとする。
  5. 社会保障審議会は、前項の規定による通知を受けたときは、その通知に係る報酬等の支給の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、厚生労働大臣に対し、意見を申し出ることができる。

(職員の給与等)

第二十二条
  1. 職員の給与は、その職員の勤務成績が考慮されるものでなければならない。
  2. 機構は、職員の給与及び退職手当の支給の基準を定め、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
  3. 前項の給与及び退職手当の支給の基準は、機構の業務の実績を考慮し、かつ、社会一般の情勢に適合したものとなるように定められなければならない。

第三章 服務[編集]

(服務の本旨)

第二十三条
  1. 役職員の服務は、国民の共同連帯の理念に基づき設けられた政府管掌年金において、国民の信頼を基礎として納付された保険料(厚生年金保険法第八十一条第一項に規定する保険料及び国民年金法第八十七条第一項に規定する保険料をいう。)により運営される政府管掌年金事業の意義を自覚し、強い責任感を持って、誠実かつ公正にその職務を遂行し、国民の信頼にこたえることを本旨としなければならない。
  2. 役職員は、厚生労働省令で定めるところにより、任命権者に対して、前項の服務の本旨に則して職務を遂行する旨を誓約する書面を提出しなければならない。
  3. 役職員は、第二十七条に規定する業務について、この法律、厚生年金保険法国民年金法児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)健康保険法(大正十一年法律第七十号)若しくは船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、これらの法律に基づく命令若しくはこれらの法律に基づいてする厚生労働大臣の処分又は機構が定める業務方法書その他の規則を遵守し、機構のため忠実に職務を遂行しなければならない。

(役員の兼職禁止)

第二十四条
役員(非常勤の者を除く。)は、在任中、厚生労働大臣の承認のある場合を除くほか、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。

(役職員の秘密保持義務)

第二十五条
役職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(制裁規程)

第二十六条
  1. 機構は、業務開始の際、制裁規程を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
  2. 前項の制裁規程においては、機構の役職員が、この法律、厚生年金保険法国民年金法児童手当法健康保険法若しくは船員保険法、これらの法律に基づく命令若しくはこれらの法律に基づいてする厚生労働大臣の処分若しくは機構が定める業務方法書その他の規則に違反し、又は機構の役職員たるにふさわしくない行為をしたときは、当該役職員に対し、免職、停職、減給又は戒告の処分その他の制裁を課する旨を定めなければならない。

第四章 業務[編集]

第一節 業務の範囲等[編集]

(業務の範囲)

第二十七条
  1. 機構は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
    一 厚生年金保険法第百条の四第一項に規定する権限に係る事務、同法第百条の十第一項に規定する事務、同法第七十九条第一項各号に掲げる事業及び同条第二項に規定する運用並びに同法第百条の十一第一項に規定する収納を行うこと。
    二 国民年金法第百九条の四第一項に規定する権限に係る事務、同法第百九条の十第一項に規定する事務、同法第七十四条第一項各号に掲げる事業及び同条第二項に規定する運用並びに同法第百九条の十一第一項に規定する収納を行うこと。
    三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
  2. 機構は、前項の業務のほか、次の業務を行う。
    一 児童手当法第二十二条第三項に規定する権限に係る事務及び同条第八項に規定する事務を行うこと。
    二 健康保険法第二百四条第一項に規定する権限に係る事務、同法第二百五条の二第一項に規定する事務及び同法第二百四条の六第一項に規定する収納を行うこと。
    三 船員保険法第百五十三条第一項に規定する権限に係る事務、同法第百五十三条の八第一項に規定する事務及び同法第百五十三条の六第一項に規定する収納を行うこと。
    四 次に掲げる事務を行うこと。
    イ 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第六十六条第九項に規定する事務並びに同法第百十三条第二項、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百四十四条の二十四の二第二項及び私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)第四十七条の三第二項に規定する権限に係る事務
    ロ 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第九条第十二項に規定する権限に係る事務
    ハ 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)その他の法律の規定による厚生年金保険法による年金たる保険給付及び国民年金法による年金たる給付(次条並びに第三十八条第五項第二号及び第三号において「年金給付」という。)の支払をする際における保険料その他の金銭の徴収及び納入に係る事務
    ニ 社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律(平成十九年法律第百四号)第百三条の二第一項に規定する権限に係る事務及び同法第百三条の三第一項に規定する事務
    ホ 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律(平成二十一年法律第三十七号)第十三条第一項に規定する権限に係る事務、同法第十七条第一項に規定する事務及び同法第十八条第一項に規定する収納に係る事務
    五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(被保険者等の意見の反映)

第二十八条
機構は、第二条第一項の趣旨を踏まえ、被保険者、事業主、年金給付の受給権者(次条及び第三十条第二項において「受給権者」という。)その他の関係者の意見を機構の業務運営に反映させるために必要な措置を講じなければならない。

(年金事務所)

第二十九条
機構は、従たる事務所の業務の一部を分掌させるため、被保険者、事業主及び受給権者の利便の確保に配慮しつつ、必要な地に年金事務所を置くものとする。

(年金委員)

第三十条
  1. 厚生労働大臣は、社会的信望があり、かつ、政府管掌年金事業の適正な運営について理解と熱意を有する者として機構が推薦する者のうちから、年金委員を委嘱することができる。
  2. 年金委員は、厚生労働大臣及び機構による政府管掌年金事業の運営に協力して、政府管掌年金事業に関する国民の理解を高めるための啓発を行い、並びに政府管掌年金事業に関する事項につき被保険者又は受給権者からの相談に応じ、及びこれらの者に対する助言その他の活動を行う。
  3. 厚生年金保険の適用事業所の事業主は、機構に対し、当該事業所に使用される者の中から、年金委員にふさわしい者を推薦することができる。
  4. 年金委員は、その職務に関して知り得た秘密を他に漏らしてはならない。年金委員でなくなった後においても、同様とする。
  5. 年金委員は、その職務に関して、国から報酬を受けない。
  6. 年金委員は、国の予算の範囲内において、その職務を遂行するために要する費用の支給を受けることができる。
  7. 前各項に定めるもののほか、年金委員に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

(業務の委託等)

第三十一条
  1. 機構は、厚生労働大臣の定める基準に従って、第二十七条に規定する業務の一部を委託することができる。
  2. 前項の規定により委託を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員その他の当該委託を受けた業務に従事する者(次項において「受託者等」という。)又はこれらの者であった者は、当該業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
  3. 第二十条の規定は、受託者等について準用する。

(業務方法書)

第三十二条
  1. 機構は、業務開始の際、業務方法書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
  2. 前項の業務方法書に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。

第二節 中期目標等[編集]

(中期目標)

第三十三条
  1. 厚生労働大臣は、三年以上五年以下の期間において機構が達成すべき業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を定め、これを機構に指示するとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
  2. 中期目標においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
    一 中期目標の期間(前項の期間の範囲内で厚生労働大臣が定める期間をいう。第三十七条第一項において同じ。)
    二 提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項
    三 業務運営の効率化に関する事項
    四 業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項

(中期計画)

第三十四条
  1. 機構は、前条第一項の指示を受けたときは、中期目標に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、当該中期目標を達成するための計画(以下この条及び次条において「中期計画」という。)を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
  2. 中期計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
    一 提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置
    二 業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置
    三 業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項に関する目標を達成するためとるべき措置
    四 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画
  3. 厚生労働大臣は、第一項の認可をした中期計画が前条第二項第二号から第四号までに掲げる事項の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その中期計画を変更すべきことを命ずることができる。

(年度計画)

第三十五条
機構は、毎事業年度、前条第一項の認可を受けた中期計画に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業年度における同条第二項各号に掲げる事項についての業務運営に関する計画を作成し、当該事業年度の開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(各事業年度に係る業務の実績に関する評価)

第三十六条
  1. 厚生労働大臣は、機構の事業年度ごとの業務の実績について、評価を行わなければならない。
  2. 厚生労働大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、機構に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。

(中期目標に係る業務の実績に関する評価)

第三十七条
  1. 機構は、中期目標の期間の終了後三月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、当該中期目標の達成状況に関する報告書(第五十一条第一項第六号及び第五十九条第六号において「中期実績報告書」という。)を厚生労働大臣に提出しなければならない。
  2. 厚生労働大臣は、機構の中期目標の達成状況について、評価を行わなければならない。
  3. 厚生労働大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、機構に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。

第三節 年金個人情報の保護[編集]

第三十八条

  1. 厚生労働省及び機構は、年金個人情報(厚生年金保険法第二十八条に規定する原簿及び国民年金法第十四条に規定する国民年金原簿に記録する個人情報その他政府管掌年金事業の運営に当たって厚生労働省及び機構が取得する個人情報をいう。以下この条において同じ。)を保有するに当たっては、それぞれその所掌事務又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。
  2. 厚生労働省及び機構は、前項の規定により特定された利用の目的(以下この条において「利用目的」という。)の達成に必要な範囲を超えて、年金個人情報を保有してはならない。
  3. 厚生労働省及び機構は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
  4. 厚生労働大臣(その委任を受けた者を含む。以下この条において同じ。)及び機構は、法律の規定に基づき、年金個人情報を自ら利用し、又は提供しなければならない場合を除き、利用目的以外の目的のために年金個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
  5. 前項の規定にかかわらず、厚生労働大臣及び機構は、次の各号のいずれかに該当するときに限り、利用目的以外の目的のために年金個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、年金個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人(当該年金個人情報によって識別される特定の個人をいう。以下この項において同じ。)又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
    一 本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
    二 厚生労働大臣及び機構が次に掲げる事務の遂行に必要な限度で年金個人情報を内部で利用し、又は相互に提供する場合であって、当該年金個人情報を利用し、又は提供することについて相当な理由のあるとき。
    イ 政府管掌年金事業の運営に関する事務
    ロ 全国健康保険協会が管掌する健康保険及び船員保険の事業に関する業務のうち、健康保険法又は船員保険法の規定により厚生労働大臣又は機構が行うこととされているもの
    ハ 介護保険法その他の法律の規定により、年金給付の支払をする際保険料その他の金銭を徴収し、これを納入する事務
    ニ その他法令の規定により厚生労働大臣又は機構が行う事務であって厚生労働省令で定めるもの
    三 次に掲げる事務を遂行する者に当該事務の遂行に必要な限度で年金個人情報を提供する場合であって、当該年金個人情報を提供することについて相当な理由のあるとき。
    イ 政府管掌年金事業の運営に関する事務のうち、法令の規定により厚生労働大臣又は機構以外の者が行うこととされているもの
    ロ 全国健康保険協会が管掌する健康保険及び船員保険の事業に関する業務(前号ロに掲げるものを除く。)
    ハ 国民健康保険法の規定による被保険者の資格に関する事務
    ニ 被用者年金各法(国民年金法第五条第一項第二号から第四号までに掲げる法律をいう。)による年金たる給付に関する事務
    ホ 年金給付と他の法律による給付との併給の調整に関する事務
    ヘ 介護保険法その他の法律の規定により、厚生労働大臣をして年金給付の支払をする際保険料その他の金銭を徴収させ、これを納入させる事務
    ト 政府管掌年金事業に関連する事務であって厚生労働省令で定めるもの
    四 専ら統計の作成若しくは学術研究の目的のために年金個人情報を提供するとき、又は本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき。
  6. 前項の規定は、年金個人情報の利用又は提供を制限する他の法令の規定の適用を妨げるものではない。
  7. 厚生労働大臣及び機構は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、年金個人情報の利用目的以外の目的のための厚生労働省又は機構の内部における利用をそれぞれ特定の部局若しくは機関又は特定の役員若しくは職員に限るものとする。
  8. 厚生労働大臣及び機構は、第五項第三号又は第四号の規定に基づき、年金個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、年金個人情報の提供を受ける者に対し、提供に係る年金個人情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の年金個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
  9. 年金個人情報が行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第三項に規定する保有個人情報に該当する場合における同法第三十六条第一項各号の規定の適用については、同項各号中「第八条第一項及び第二項」とあるのは、「日本年金機構法(平成十九年法律第百九号)第三十八条第四項及び第五項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
  10. 年金個人情報が独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律第二条第三項に規定する保有個人情報に該当する場合における同法第三十六条第一項各号の規定の適用については、同項各号中「第九条第一項及び第二項」とあるのは、「日本年金機構法(平成十九年法律第百九号)第三十八条第四項及び第五項」とするほか、同法の規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

第五章 財務及び会計[編集]

(事業年度)

第三十九条
機構の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。

(企業会計原則)

第四十条
機構の会計は、厚生労働省令で定めるところにより、原則として企業会計原則によるものとする。

(財務諸表等)

第四十一条
  1. 機構は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
  2. 機構は、前項の規定により財務諸表を厚生労働大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事及び会計監査人の意見を付けなければならない。
  3. 機構は、第一項の規定による厚生労働大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表並びに前項の事業報告書、決算報告書並びに監事及び会計監査人の意見を記載した書面を、主たる事務所及び従たる事務所に備えて置き、厚生労働省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

(会計監査人の監査等)

第四十二条
  1. 機構は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。
  2. 会計監査人は、厚生労働大臣が選任する。
  3. 会計監査人は、公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人でなければならない。
  4. 公認会計士法の規定により、財務諸表について監査をすることができない者は、会計監査人となることができない。
  5. 会計監査人の任期は、その選任の日以後最初に終了する事業年度の財務諸表についての厚生労働大臣の前条第一項の承認の時までとする。
  6. 厚生労働大臣は、会計監査人が次の各号のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。
    一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
    二 会計監査人たるにふさわしくない非行があったとき。
    三 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき。

(借入金等)

第四十三条
  1. 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
  2. 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
  3. 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
  4. 機構は、長期借入金及び債券発行をすることができない。

(交付金)

第四十四条
  1. 政府は、予算の範囲内において、機構に対し、その業務に要する費用に相当する金額を交付するものとする。
  2. 政府は、前項の規定により交付金を交付するときは、機構に対し、その交付に充てるための財源の国庫負担又は保険料の別ごとの内訳及び当該財源の内訳に対応した交付金の使途を明らかにするものとする。

(財産の処分等の制限)

第四十五条
機構は、厚生労働省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

(会計規程)

第四十六条
機構は、業務開始の際、会計に関する事項について規程を定め、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。

(厚生労働省令への委任)

第四十七条
この法律に規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第六章 監督[編集]

(報告及び検査)

第四十八条
  1. 厚生労働大臣は、この法律、厚生年金保険法、国民年金法、児童手当法、健康保険法又は船員保険法を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務並びに資産及び債務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の事務所その他その業務を行う場所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
  2. 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
  3. 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(業務改善命令)

第四十九条
  1. 厚生労働大臣は、第三十六条第一項又は第三十七条第二項の規定による評価の結果必要があると認めるとき、その他機構の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
  2. 厚生労働大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。

(法令違反等の是正)

第五十条
  1. 厚生労働大臣は、第四十八条第一項の規定により報告をさせ、又は検査を行った場合において、機構の業務又は会計が、法令若しくはこれに基づく処分若しくは業務方法書その他の規則に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、機構に対し、その業務又は会計の是正のため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
  2. 厚生労働大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。

第七章 雑則[編集]

(業務運営に関する情報の公表)

第五十一条
  1. 機構は、次に掲げる場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。
    一 第十二条第九項の規定により理事会に報告があったとき。
    二 第十三条第二項の規定により副理事長又は理事が任命されたとき。
    三 第十六条第一項から第三項までの規定により副理事長又は理事が解任されたとき。
    四 第二十六条第一項、第三十二条第一項、第三十四条第一項又は第三十五条の規定による認可を受けたとき。
    五 第二十一条第二項、第二十二条第二項又は第四十六条の規定による届出をしたとき。
    六 第三十七条第一項の規定により中期実績報告書を提出したとき。
  2. 機構は、前項に定めるもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、第二十九条に規定する年金事務所の設置の状況、第三十一条第一項の規定により機構の業務の委託を受けた者における機構の職員の出向の状況その他の機構の業務運営及び組織に関する情報を公表しなければならない。

(社会保障審議会への諮問)

第五十二条
厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、社会保障審議会に諮問しなければならない。
一 第三十三条第一項の規定により中期目標を定め、又は変更しようとするとき。
二 第三十六条第一項又は第三十七条第二項の規定による評価を行おうとするとき。
三 第四十九条第一項の規定による命令をしようとするとき。

(財務大臣との協議)

第五十三条
厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一 第三十三条第一項の規定により中期目標を定め、又は変更しようとするとき。
二 第三十四条第一項、第三十五条第四十三条第一項若しくは第二項又は第四十五条の規定による認可をしようとするとき。

(他の法令の準用)

第五十四条
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、機構を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。

(経過措置)

第五十五条
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

(権限の委任)

第五十六条
  1. この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
  2. 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

第八章 罰則[編集]

第五十七条

第二十五条又は第三十一条第二項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第五十八条

第四十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

第五十九条

次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により厚生労働大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 この法律の規定により厚生労働大臣に届出をしなければならない場合において、その届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 第六条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠ったとき。
四 第二十七条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
五 第三十四条第三項、第四十九条第一項又は第五十条第一項の規定による厚生労働大臣の命令に違反したとき。
六 第三十七条第一項の規定による中期実績報告書の提出をせず、又は中期実績報告書に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして中期実績報告書を提出したとき。
七 第四十一条第三項の規定に違反して財務諸表、事業報告書、決算報告書若しくは監事及び会計監査人の意見を記載した書面を備え置かず、又は閲覧に供しなかったとき。
八 第五十一条第一項又は第二項の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき。

第六十条

第七条の規定に違反して日本年金機構という名称を用いた者は、十万円以下の過料に処する。

附則[編集]

附則(平成一九年七月六日法律第一〇八号、国家公務員法等の一部を改正する法律)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十年十二月三十一日までの間において政令で定める日[1]から施行する。


附則(平成一九年七月六日法律第一〇九号、日本年金機構法)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十二年四月一日までの間において政令で定める日[2]から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第三条から第六条まで、第八条、第九条、第十二条第三項及び第四項、第二十九条並びに第三十六条の規定、附則第六十三条中健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第十八条第一項の改正規定、附則第六十四条中特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)附則第二十三条第一項、第六十七条第一項及び第百九十一条の改正規定並びに附則第六十六条及び第七十五条の規定 公布の日
二 附則第二十二条、第二十四条、第二十六条から第二十八条まで及び第三十条の規定、附則第四十四条中国民健康保険法第百九条及び第百十九条の二の改正規定並びに附則第七十一条の規定 平成二十年十月一日

(検討)

第二条
政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況、国民年金の保険料の納付の状況、機構における業務の効率化及び改善の状況等を勘案して、機構の組織及び業務の存続の必要性の有無を含めた在り方その他政府管掌年金事業の運営に関する全般的な検討を行い、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(基本計画)

第三条
  1. 政府は、社会保険庁長官から厚生労働大臣及び機構への業務の円滑な引継ぎを確保し、政府管掌年金事業の適正かつ効率的な運営を図るため、機構の当面の業務運営に関する基本計画(以下この条及び附則第五条第二項において「基本計画」という。)を定めるものとする。
  2. 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
    一 機構が自ら行う業務と第三十一条第一項の規定により委託する業務との区分、委託先の選定に係る基準その他の業務の委託の推進についての基本的な事項
    二 機構の設立に際して採用する職員の数その他の機構の職員の採用についての基本的な事項
  3. 政府は、第一項の規定により基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、政府管掌年金又は経営管理に関し専門的な学識又は実践的な能力を有し、中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者の意見を聴くものとする。

(理事長等となるべき者の指名等)

第四条
  1. 厚生労働大臣は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に機構の理事長となるべき者及び監事となるべき者を指名する。
  2. 前項の規定により指名された理事長となるべき者は、厚生労働大臣の認可を受けて機構の副理事長となるべき者及び理事となるべき者を指名する。
  3. 前二項の規定により指名された理事長、副理事長、理事又は監事となるべき者は、機構の成立の時において、第十三条第一項及び第二項の規定により、それぞれ理事長、副理事長、理事又は監事に任命されたものとする。

(設立委員等)

第五条
  1. 厚生労働大臣は、設立委員を命じて、機構の設立に関する事務を処理させる。
  2. 設立委員は、基本計画に基づき、機構の職員の労働条件及び機構の職員の採用の基準を定めなければならない。
  3. 設立委員は、業務方法書、制裁規程その他厚生労働省令で定める規則を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
  4. 前項の規定によりした厚生労働大臣の認可は、厚生労働省令で定めるところにより、施行日において、第二十六条第一項、第三十二条第一項その他の厚生労働省令で定める規定によりした厚生労働大臣の認可とみなす。
  5. 設立委員は、機構の設立の準備を完了したときは、その旨を厚生労働大臣に届け出るとともに、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

(社会保障審議会への諮問等)

第六条
厚生労働大臣は、最初の中期目標の策定に必要な準備として、施行日前においても社会保障審議会に諮問すること及び財務大臣との協議を行うことができる。

(機構の成立)

第七条
機構は、この法律の施行の時に成立する。

(職員の採用)

第八条
  1. 設立委員は、社会保険庁長官を通じ、その職員に対し、機構の職員の労働条件及び機構の職員の採用の基準を提示して、機構の職員の募集を行うものとする。
  2. 社会保険庁長官は、前項の規定によりその職員に対し、機構の職員の労働条件及び機構の職員の採用の基準が提示されたときは、機構の職員となることに関する社会保険庁の職員の意思を確認し、機構の職員となる意思を表示した者の中から、当該機構の職員の採用の基準に従い、機構の職員となるべき者を選定し、その名簿を作成して設立委員に提出するものとする。
  3. 前項の名簿に記載された社会保険庁の職員のうち、設立委員から採用する旨の通知を受けた者であってこの法律の施行の際現に社会保険庁の職員であるものは、機構の成立の時において、機構の職員として採用される。
  4. 第一項の規定により提示する労働条件の内容となるべき事項、同項の規定による提示の方法、第二項の規定による職員の意思の確認の方法その他前三項の規定の実施に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
  5. 設立委員は、機構の職員の採否を決定するに当たっては、人事管理に関し高い識見を有し、中立の立場で公正な判断をすることができる学識経験者のうちから厚生労働大臣の承認を受けて選任する者からなる会議の意見を聴くものとする。
  6. 機構の職員の採用について、設立委員がした行為及び設立委員に対してなされた行為は、それぞれ、機構がした行為及び機構に対してなされた行為とする。
  7. 第二項又は第三項の規定により機構の職員の採用に関して行う事務については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百六条の二第一項の規定は、適用しない。

(秘密保持義務)

第九条
  1. 設立委員又はその職にあった者は、機構の設立の事務に関して職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
  2. 前条第五項の規定により選任された者は、同項の規定による機構の職員の採否の決定に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
  3. 前二項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

(機構の職員の退職手当に関する経過措置)

第十条
  1. 附則第八条第三項の規定により機構の職員として採用される者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。
  2. 機構は、前項の規定の適用を受けた機構の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を機構の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
  3. 機構は、機構の成立の日の前日に社会保険庁の職員として在職し、附則第八条第三項の規定により引き続いて機構の職員として採用された者のうち機構の成立の日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業等給付の受給資格を取得するまでの間に機構を退職したものであって、その退職した日まで社会保険庁の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。

(児童手当に関する経過措置)

第十一条
附則第八条第三項の規定により機構の職員として採用された者であって、機構の成立の日の前日において厚生労働大臣又はその委任を受けた者から児童手当法第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第五項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、機構の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、機構の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第五項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。

(権利義務の承継等)

第十二条
  1. 機構の成立の際、第二十七条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、機構の成立の時において機構が承継する。
  2. 前項の規定により機構が国の有する権利及び義務を承継したときは、機構に承継される権利に係る資産で政令で定めるものの価額の合計額から、承継される義務に係る負債で政令で定めるものの価額の合計額を差し引いた額に相当する金額は、政令で定めるところにより、政府から機構に対し出資されたものとする。
  3. 前項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
  4. 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

(不動産に関する登記)

第十三条
機構が前条第一項の規定により不動産に関する権利を承継した場合において、その権利につきなすべき登記の手続については、政令で特例を設けることができる。

(国有財産の無償使用)

第十四条
国は、機構の成立の際現に社会保険庁に使用されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、機構の用に供するため、機構に無償で使用させることができる。

(名称の使用制限に関する経過措置)

第十五条
この法律の施行の際現に日本年金機構という名称を使用している者については、第七条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

(事業年度に関する経過措置)

第十六条
機構の最初の事業年度は、第三十九条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、その後最初の三月三十一日に終わるものとする。

(年度計画に関する経過措置)

第十七条
機構の最初の事業年度の第三十五条に規定する業務運営に関する計画については、同条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「機構の成立後遅滞なく」とする。

(業務の特例)

第十八条
  1. 機構は、当分の間、第二十七条に規定する業務のほか、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(平成十六年法律第百六十六号)第三十二条の二第一項に規定する権限に係る事務、同法第三十二条の七第一項に規定する事務及び同法第三十二条の八第一項に規定する収納を行う。
  2. 機構が前項の業務を行う場合における第二十三条第三項、第二十六条第二項、第三十一条第一項、第四十八条第一項及び第五十九条第四号並びに附則第十二条第一項の規定の適用については、第二十三条第三項中「第二十七条」とあるのは「第二十七条及び附則第十八条第一項」と、「若しくは船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)」とあるのは「、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)若しくは特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(平成十六年法律第百六十六号)」と、第二十六条第二項中「若しくは船員保険法」とあるのは「、船員保険法若しくは特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」と、第三十一条第一項中「第二十七条」とあるのは「第二十七条及び附則第十八条第一項」と、第四十八条第一項中「又は船員保険法」とあるのは「、船員保険法又は特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」と、第五十九条第四号及び附則第十二条第一項中「第二十七条」とあるのは「第二十七条及び附則第十八条第一項」とする。
  3. 第一項の業務のほか、機構は、厚生年金保険法附則第二十九条の四、国民年金法附則第十条、健康保険法附則第十一条及び船員保険法附則第十一条の規定により行うこととされた事務を行う。

(処分、申請等に関する経過措置)

第七十三条
  1. この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下同じ。)の施行前に法令の規定により社会保険庁長官、地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長(以下「社会保険庁長官等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣、地方厚生局長若しくは地方厚生支局長又は機構(以下「厚生労働大臣等」という。)がした裁定、承認、指定、認可その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
  2. この法律の施行の際現に法令の規定により社会保険庁長官等に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の相当規定に基づいて、厚生労働大臣等に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
  3. この法律の施行前に法令の規定により社会保険庁長官等に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされている事項で、施行日前にその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、この法律の施行後の法令の相当規定により厚生労働大臣等に対して、報告、届出、提出その他の手続をしなければならないとされた事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律の施行後の法令の規定を適用する。
  4. なお従前の例によることとする法令の規定により、社会保険庁長官等がすべき裁定、承認、指定、認可その他の処分若しくは通知その他の行為又は社会保険庁長官等に対してすべき申請、届出その他の行為については、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律の施行後の法令の規定に基づく権限又は権限に係る事務の区分に応じ、それぞれ、厚生労働大臣等がすべきものとし、又は厚生労働大臣等に対してすべきものとする。

(罰則に関する経過措置)

第七十四条
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律により適用される児童手当法の特例)

第七十五条
機構が、平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律(平成二十二年法律第十九号。以下「平成二十二年度子ども手当支給法」という。)第二十条第一項の規定により適用される児童手当法第二十二条第三項に規定する権限に係る事務及び平成二十二年度子ども手当支給法第二十条第一項の規定により適用される児童手当法第二十二条第八項に規定する事務を行う場合における第二十三条第三項、第二十六条第二項、第二十七条第二項及び第四十八条第一項の規定の適用については、第二十三条第三項中「児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)」とあるのは「児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)(平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律(平成二十二年法律第十九号。以下「平成二十二年度子ども手当支給法」という。)第二十条第一項の規定により適用される場合を含む。)」と、第二十六条第二項中「児童手当法」とあるのは「児童手当法(平成二十二年度子ども手当支給法第二十条第一項の規定により適用される場合を含む。)」と、第二十七条第二項第一号中「児童手当法」とあるのは「児童手当法第二十二条第三項及び平成二十二年度子ども手当支給法第二十条第一項の規定により適用される児童手当法」と、「及び同条第八項」とあるのは「並びに児童手当法第二十二条第八項及び平成二十二年度子ども手当支給法第二十条第一項の規定により適用される児童手当法第二十二条第八項」と、第四十八条第一項中「児童手当法」とあるのは「児童手当法(平成二十二年度子ども手当支給法第二十条第一項の規定により適用される場合を含む。)」とする。

(政令への委任)

第七十六条
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


附則(平成一九年七月六日法律第一一一号、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)

第八条
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


附則(平成一九年一二月五日法律第一二七号、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 第十四条を第十七条とする改正規定及び第十三条の次に三条を加える改正規定(第十六条に係る部分に限る。)並びに附則第五条、第七条及び第八条の規定[3] 公布の日


附則(平成一九年一二月五日法律第一二八号、労働契約法)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日[4]から施行する。


附則(平成二一年五月一日法律第三六号、社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十二年一月一日から施行する。

(調整規定)

第八条
この法律及び日本年金機構法又は雇用保険法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第三十号)に同一の法律の規定についての改正規定がある場合において、当該改正規定が同一の日に施行されるときは、当該法律の規定は、日本年金機構法又は雇用保険法等の一部を改正する法律によってまず改正され、次いでこの法律によって改正されるものとする。


附則(平成二二年三月三一日法律第一九号、平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律)抄

(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。ただし、附則第二十条の規定は、公布の日から施行する。

(政令への委任)

第二十条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


附則(平成二二年四月二八日法律第二八号、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律等の一部を改正する法律)

この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二条[5]及び第三条の規定は、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律の施行の日[6]から施行する。

脚注[編集]

  1. 国家公務員法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(2008年(平成20年)12月25日政令第388号)により、2008年(平成20年)12月31日
  2. 日本年金機構法の施行期日を定める政令(2008年(平成20年)12月19日政令第387号)により、2010年(平成22年)1月1日
  3. 日本年金機構法の改正規定は、附則第八条にあたる
  4. 労働契約法の施行期日を定める政令(2008年(平成20年)1月23日政令第10号)により、2008年(平成20年)3月1日
  5. 本法の改正規定にあたる
  6. 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律の施行期日を定める政令(2010年(平成22年)4月28日政令第132号)により、2010年(平成22年)4月30日



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