日朝通商章程

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動

朝鮮國議定諸港ニ於テ日本國人民貿易規則

  • 第一則 日本國商船日本國政府所管ノ軍艦及專
    ラ通信ニ用フル諸船ヲ除ク
    朝鮮國ニテ許可セシ諸港ニ入津ノ時船主或ハ船長日本國人民管理者ヨリ渡シタル證書ヲ三日ノ内ニ朝鮮國官廳ヘ差出スヘシ
所謂證書ナル者ハ船主所持ノ日本國船籍航海公證ノ類ヲ入港ノ日ヨリ出港ノ日マテ管理者ニ差出シ置キ管理者ヨリ此證書類ヲ預リタル證票ヲ與フ是ヲ日本國現時施行ノ商船成規ト爲ス
船主本港碇泊此證票ヲ朝鮮國官廳ヘ差出シ日本國ノ商船タルコトヲ驗明ス
此時船主又其記錄簿ヲ差出スヘシ
所謂記錄ナル者ハ船名並ニ本船ヲ發スルノ地名積荷ノ噸數石數共ニ船舶ノ容積
ヲ算定スルノ名
船長ノ姓名乘組水夫ノ人員船客ノ姓名ヲ詳記シテ船主調印シタル者ナリ
此時船主又本船積荷ノ報單竝船内所用雜物ノ簿記ヲ差出スヘシ
所謂報單ナル者ハ荷物ノ名或ハ其物質ノ實名并荷主ノ姓名記號番號ヲ詳記シテ記載番號ナキ荷物
ハ此例ニアラス
報知スルナリ此報單及其他書類共何レモ日本國文ヲ用ヒテ漢譯文ヲ副ルコト無シ
  • 第二則 日本國商船進港ノ積荷ヲ陸揚セント欲スル時ハ船主或ハ荷主ヨリ更ニ積荷ノ物名并元價斤量個數ヲ書記シ朝鮮國官廳ヘ屆出ヘシ官廳屆書ヲ得ハ速ニ荷卸免狀ヲ渡スヘシ
  • 第三則 船主或ハ荷主第二則ノ免狀ヲ得タルノ後其荷物ヲ陸揚スヘシ朝鮮國官吏若シ之ヲ檢査セント要スレハ荷主敢テ之ヲ拒ムコト無シ官吏亦注意檢査シテ之カ爲メ毀損ヲ致スコト無カレ
  • 第四則 出港セントスル荷物ハ荷主第二則入港積荷屆書ノ式ニ照シ船名并荷物ノ品書個數ヲ書記シ朝鮮國官廳ニ屆出ヘシ官廳ハ速ニ之ヲ許可シ出港荷物免狀ヲ渡スヘシ荷主免狀ヲ得ハ本船ニ積入ムコトヲ得ヘシ官廳若シ其荷物ヲ檢査セント要スレハ荷主敢テ之ヲ拒ムコト無シ
  • 第五則 日本國商船出港ヲ要スル時ハ前日正午前ニ朝鮮國官廳ヘ報知スヘシ官廳報ヲ得ハ嘗テ預リ置キタル證書ヲ還附シ出港免狀ヲ渡スヘシ
  • 第六則 嗣後朝鮮國諸港口ニ於テ粮米及雜穀トモ輸出スルヲ得ヘシ
  • 第七則 港税
連桅檣ノ商船及蒸氣商船税金五圓
單桅檣ノ商船税金貳圓[荷物五百:石以上積]
單桅檣ノ商船税金壹圓五拾錢[荷物五百石以下積]
倶に附屬脚艇ヲ除ク
日本國政府ニ屬スル諸船舶ハ港税ヲ納レス(脚艇免税ノコト國文ニハ末項ニアレ:トモ朝鮮文ニハ之ヲ第一項ニ揚ク)
  • 第八則 朝鮮國政府或ハ人民諸物品ヲ不開港場ノ港岸ニ運輸セント欲スル時ハ日本國商船ヲ雇入ルヽコトヲ得ヘシ雇主若シ人民ナレハ朝鮮國政府ノ免狀ニ照シテ雇役スヘシ
  • 第九則 日本國船隻若シ通商ヲ許サヽル朝鮮國ノ港口ニ到リ私ニ賣買ヲ爲スヲ該地方官見屆タル時ハ最寄管理官ニ引渡スヘシ管理官ハ其所得ノ錢物一切ヲ取上ケテ朝鮮國官廳ニ交付スヘシ
  • 第十則 鴉片煙販賣ヲ嚴禁ス
  • 第十一則 兩國現ニ定ムル規則ハ今後兩國小民貿易形况ニ依リ各委員時ニ隨テ事情ヲ酌量シ商議改正スルヲ得ヘシ此カ爲メ兩國委員各調印シテ卽日ヨリ遵行セシム

大日本國紀元二千五百三十六年明治九年八月二十四日

理事官外務大丞 宮本小一(印)

大朝鮮國開國四百八十五年丙子七月初六日

講修官議政府堂上 趙寅煕(印)

この著作物は1924年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。