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新体詩抄/高僧ウルゼーの詩(丶山仙士)

提供:Wikisource


此篇高僧ウルゼー初め王の寵愛を得て大權を握り威を海内振ひ其富王室劣らざる至りしも忽ち王の意戻り官職を奪れ所有を沒收せられたる時世運の定まりきを嘆息る所して頗る有名の作

丶山仙士

おさらばさらいざさら 再び會ぬ暇乞ひ
榮譽永く別るべし 人の習皆都て
利運の端の芽出しな 八重咲きふ花盛り
位重りて 榮曜ママ發華を極むれ
思ふ樣 運命强くがん
も登る龍りと 悦びいさむをろかさよ
冬やゝ深く置く霜の 惰け用捨も荒野原
根までを枯ら霜枯 運極まりて身の墮落
見るも愍れ有樣 我が今日の身の上ぞ
永の年月心 名譽の海浮べる
浮袋てうか 游ぐ童子
せいの立たざる淵入り 飽まで强き我が意地も
こらへをふせ張り裂けて 勞れてたる精神
忠を盡して年寄れる 其の甲斐もく今
身の零落淚川 水屑とこそ成るべけれ
浮世の虚飾や譽れ程 忌むべき物あらかし
至りて我が胸 初めて悟る所あり
廣き世界の其内で 王者の機嫌取り取り
此世を渡るをのこほど 憐むべき無きぞかし
願ふ所其笑顏 恐るゝ所其不興
彼と是との氣がねして 憂さ恐怖さの數々
るより尚ほ多し 女子の機嫌取る
零落る時 天より落るルシファなり
再ぴ浮ぶ瀬あら
この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。

 
翻訳文:

この著作物は、1900年に著作者が亡くなって(団体著作物にあっては公表又は創作されて)いるため、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)80年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物は、アメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。