序文 (電網訳)

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序文[編集]

電網聖書 - Public Domain

 聖書はこれまで何千年もの間,その全巻もしくは一部が,世界中の大勢の人たちによってさまざまな言語で訳されてきました。日本においても,すぐれた翻訳が多く出版されています。しかし,どの翻訳も,いかにも古風であるか,著作権によって複製が制限されているかのどちらかであるのは残念なことです。現状では,インターネットや他の媒体上で,権利関係を気にすることなく自由に複製できる現代語による全訳聖書はありません。

 「電網聖書」は,完全に自由な利用を目的とした,現代日本語による聖書の新しい翻訳です。この翻訳は,当初からパブリック・ドメインに置かれるという点で,他の翻訳とは一線を画しています。このことは,さまざまな媒体上での複製や頒布,その他あらゆる形態での利用が,有償か無償かを問わず,だれにとっても自由であることを意味します。しかしながら,この翻訳をもとに,大勢の人たちが改訂や派生作品の作成を始めて,それを同じ名称で呼ぶなら,混乱のおそれがあります。それで,この翻訳の内容に何らかの変更を加えた場合,許可を得ないかぎり「電網聖書」という名称を用いないこと,それだけが訳者の要求です。

 聖書はもともと古いヘブライ語やギリシャ語で書かれました。原語で書かれた本文からじかに訳出することが理想であることは言うまでもありません。しかし,それらの言語は,現代に生活するわたしたちにはけっしてなじみ深いものとは言えません。聖書を原語から翻訳できる人はそれほど多くはありませんし,たとえ十分の力量があるとしても,原文の解釈,本文の選択,学術的な調査といった,時間のかかる多くの作業をこなさなければなりません。無料で自由に利用できる現代語訳聖書を生み出すという「電網聖書」の目的を達成するためには,翻訳にかかる労力をできるだけ少なくすることが必要と思われました。そこでこのプロジェクトでは,ふさわしい英訳聖書を底本とすることにより,専門的な時間のかかる作業を省略することにしました。

 幾つかの翻訳を注意深く調べたのち,1901年の「アメリカ標準訳」をもとにした「世界英語聖書」(World English Bible)を底本として選びました。この決定がなされた理由として,その英訳聖書がパブリック・ドメインに置かれており,現代英語による翻訳であり,本文が電子的に入手できることを挙げることができます。重訳による原文からの逸脱や錯誤を避けるために,翻訳作業はいくつかの日本語訳を参照しながら進められています。とはいえ,ひとたび「世界英語聖書」を底本として選んだ以上,その方針や解釈を忠実に反映することに重点が置かれています。

この翻訳プロジェクトは今なお進行中です。このプロジェクトには,最新の訳文を読んで,漢字・句読点・文法の誤りや不明瞭な言葉づかいや一貫性の欠けている部分を指摘したり,英語や原語の本文と照らし合わせてよりよい訳文を提案するボランティアが必要とされています。そうしたご報告やご意見は電子メールで寄せていただけるなら助けになります[1]

2001年12月24日

CozoH

脚注[編集]

  1. 電子メールアドレス等は、外部リンクの電網聖書を参照のこと(Wikisourceではないことに注意)。

外部リンク[編集]