宮內省官制

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朕宮內省官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽

明治四十年十月三十一日

宮 內 大 臣伯爵田 中 光 顯


內閣總理大臣侯爵西園寺公望

內 務 大 臣   原    敬

皇室令第三號(官報 十一月一日)

宮內省官制

第一條 宮內大臣ハ親任トス皇室一切ノ事務ニ付キ輔弼ノ責ニ任ス

第二條 宮內大臣ハ所部ノ職員ヲ統督シ兼テ華族ヲ監督ス

第三條 宮內大臣ハ皇室令ノ制定改正又ハ廢止ヲ要スルモノアルトキハ案ヲ具ヘテ上奏スヘシ其ノ國務大臣ノ職務ニ關連スルモノニ付テハ內閣總理大臣又ハ內閣總理大臣及主任ノ國務大臣ト俱ニ上奏スヘシ

第四條 宮內大臣ハ皇室令ノ施行其ノ他主管ノ事務ニ關シ必要ノ規程ヲ定ムルコトヲ得其ノ國務大臣ノ職務ニ關連スルモノニ付テハ內閣總理大臣又ハ內閣總理大臣及主任ノ國務大臣ト協定ヲ經ヘシ

第五條 宮內大臣ハ主管ノ事務ニ關シ省令ヲ發スルコトヲ得

第六條 宮內大臣ハ主管ノ事務ニ關シ警總監及地方長官ニ指令又ハ訓令ヲ下スコト得

第七條 宮內大臣ハ勅旨ヲ奉シ救恤褒賞及賜ノ事ヲ施行ス

第八條 宮內大臣ハ宮內奏任官及勅任待遇奏任待遇宮內職員ノ進退ハ之ヲ上奏シ宮內判任官及准判任判任待遇等外宮內職員ノ進退ハ之ヲ專行ス

第九條 宮內大臣ハ宮內職員及華族ノ敍位ヲ上奏シ其ノ敍勳ハ內閣總理大臣ヲ經テ上奏ス

第十條 宮內大臣ハ主管ノ事務ニ關シ勅裁ヲ經テ顧問委員又ハ評議員ヲ置クコトヲ得

第十一條 宮內大臣ハ事故アルトキハ臨時其ノ職務ヲ次官ニ代理セシムルコトヲ得但シ皇室典範又ハ皇室令ニ依リ公吿ヲ爲シ公式令ニ依リ副ヲ爲シ省令ヲ發シ及重要ノ省務ヲ敷奏スルハ此ノ限ニ在ラス

第十二條 宮內大臣ハ次官及所管各部局長官ニ其ノ職務ノ一部ヲ委任スルコトヲ得

第十三條 宮內大臣ハ會計ノ審査ニ干涉スルコトヲ得ス

第十四條 宮內省ニ大臣官房ヲ置ク

大臣官房ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル但シ便宜ニ從ヒ大臣官房ノ事務ヲ所管各部局ニ於テ處理セシムルコトヲ得

機密ニ屬スル事項
職員ノ進退身分ニ關スル事項
大臣ノ官印及省印ノ管守ニ關スル事項
行幸啓ニ關スル事項
皇族ニ關スル事項
救恤褒賞及賜ニ關スル事項
進獻ニ關スル事項
法規其ノ他重要ナル公文ノ起草及審査ニ關スル事項
皇族會議ニ關スル事項
帝室經濟會議ニ關スル事項
十一 公文書類及成案文書ノ接受發送ニ關スル事項
十二 統計報吿ノ調製ニ關スル事項
十三 恩給扶助料等ニ關スル事項
十四 所管各部局ノ主管ニ屬セサル財產ノ管理ニ關スル事項
十五 前各號ノ外所管各部局ノ主管ニ屬セサル事項

第十五條 宮內省ニ左ノ職員ヲ置ク

次官

祕書官

書記官

翻譯官

第十六條 次官ハ一人勅任トス大臣ヲ輔ケ省務ヲ整理ス

第十七條 祕書官ハ專任二人奏任トス大臣ニ專屬シテ第十四條第二項第一號乃至第三號ノ事務ヲ分掌ス但シ省務ノ現況ニ依リ臨時大臣ノ命ヲ承ケ他ノ事務ヲ助ク

第十八條 書記官ハ專任四人奏任トス第十四條第二項第四號乃至第十五號ノ事務ヲ分掌ス但シ省務ノ現況ニ依リ臨時大臣ノ命ヲ承ケ他ノ事務ヲ助ク

第十九條 翻譯官ハ專任三人奏任トス翻譯及通譯ノ事ヲ分掌ス

第二十條 屬ハ二百七十人判任トス大臣官房各職及各寮ニ分屬シテ庶務ニ從事ス

第二十一條 宮內省ニ宮中顧問官二十五人ヲ置ク勅任名譽官トス大臣ノ諮詢ニ應シ又ハ臨時大臣ノ命ヲ承ケ省務ヲ輔ク

第二十二條 宮內省ニ左ノ各職及各寮ヲ置キ省務ヲ分掌セシム

侍從職

式部職

內藏寮

圖書寮

爵位寮

侍醫寮

大膳寮

諸陵寮

主殿寮

內匠寮

內苑寮

主馬寮

主獵寮

調度寮

第二十三條 侍從職ニ於テハ側近ノ事ヲ掌ル

第二十四條 侍從職ニ左ノ職員ヲ置ク

侍從長

侍從職幹事

侍從

次侍從

第二十五條 侍從長ハ親任又ハ勅任トス常侍奉仕シ侍從職ヲ統轄シ便宜事ヲ奏シ旨ヲ宣ス

第二十六條 侍從職幹事ハ一人勅任トス侍從長ヲ輔ケ侍從長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス

第二十七條 侍從ハ十六人奏任トス側近ノ事ヲ分掌ス

第二十八條 次侍從ハ奏任トス侍從ノ定員內ヲ以テ之ヲ置ク侍從ヲ助ク

第二十九條 式部職ニ於テハ典式及交際ノ事ヲ掌ル

第三十條 式部職ニ左ノ職員ヲ置ク

式部長官

式部次官

式部官

第三十一條 式部長官ハ親任又ハ勅任トス典式ニ奉仕シ式部職ヲ統轄ス

第三十二條 式部次官ハ一人勅任トス式部長官ヲ輔ケ式部長官事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス

第三十三條 式部官ハ二十八人內八人ヲ勅任二十人ヲ奏任トシ名譽官ト爲スコトヲ得典式及接待ノ事ヲ分掌ス

第三十四條 式部職ニ掌典部及樂部ヲ置ク

掌典部ニ於テハ祭事ヲ掌リ樂部ニ於テハ樂事ヲ掌ル

第三十五條 掌典部ニ左ノ職員ヲ置ク

掌典長

掌典次長

掌典

內掌典

掌典補

掌典長ハ一人勅任トス部務ヲ掌理シ所部職員ヲ監督ス

掌典次長ハ一人勅任又ハ奏任トス掌典長ヲ助ケ掌典長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス

掌典ハ八人奏任トシ名譽官ト爲スコトヲ得祭事ヲ分掌ス

內章典ハ六人掌典補ハ八人共ニ判任トス祭典ニ從事ス

第三十六條 樂部ニ左ノ職員ヲ置ク

部長

樂長

樂師

部長ハ奏任トス部務ヲ掌理シ所部職員ヲ監督ス

樂長ハ二人奏任トス樂事ヲ分掌ス

樂師ハ四十人判任トス奏樂ニ從事ス

第三十七條 內藏寮ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル

御資ノ保管運用及出納ニ關スル事項
豫算決算ニ關スル事項
金錢ノ保管出納ニ關スル事項
諸計算書ノ下檢査ニ關スル事項
特別會計ニ屬スル資金又ハ基金ノ保管出納ニ關スル事項

第三十八條 圖書寮ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル

皇統譜ニ關スル事項
皇室典範ノ正本尚藏ニ關スル事項
詔書勅書及皇室令ノ正本尚藏ニ關スル事項
世傳御料臺帳ニ關スル事項
天皇及皇族實錄ノ編修ニ關スル事項
圖書ノ保管出納ニ關スル事項
公文書類ノ編纂及保管ニ關スル事項

第三十九條 爵位寮ニ於テハ爵位華族及有位ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十條 侍醫寮ニ於テハ診候進藥調劑及衞生ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十一條 大膳寮ニ於テハ供御及饗宴ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十二條 諸陵寮ニ於テハ陵墓ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十三條 主殿寮ニ於テハ宮殿廳舍及其ノ附屬建物ノ管守竝警察ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十四條 內匠寮ニ於テハ建築及土木ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十五條 內苑寮ニ於テハ庭苑及園藝ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十六條 主馬寮ニ於テハ馬匹車輛及牧場ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十七條 主獵寮ニ於テハ狩獵及獵場ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十八條 調度寮ニ於テハ物品ノ購入整備及雜役ニ關スル事務ヲ掌ル

第四十九條 各寮ニ左ノ職員ヲ置ク

主事

第五十條 頭ハ各一人勅任トス寮務ヲ掌理シ所部職員ヲ監督ス

第五十一條 主事ハ各一人內藏寮主事及主殿寮主事ハ各二人侍醫寮主事ハ三人共ニ奏任トス寮務ヲ掌ル

侍醫寮主事ハ侍醫ヲシテ之ヲ兼ネシム

第五十二條 圖書寮ニ編修官專任三人ヲ置ク奏任トス編修ノ事ヲ分掌ス

第五十三條 侍醫寮ニ左ノ職員ヲ置ク

侍醫

侍醫補

醫員

藥劑師長

藥劑師

藥劑員

侍醫ハ二十五人勅任又ハ奏任トス診候進藥及衞生ノ事ヲ分掌ス

侍醫補ハ奏任トス侍醫ノ定員內ヲ以テ之ヲ置ク侍醫ヲ助ク

醫員ハ十人判任トス醫務ニ從事ス

藥劑師長ハ一人奏任トス藥品ノ製造試驗及調劑ノ事ヲ掌ル

藥劑師ハ三人奏任トス藥劑師長ヲ助ク

藥劑員ハ八人判任トス藥品ノ製造試驗及調劑ニ從事ス

第五十四條 大膳寮ニ左ノ職員ヲ置ク

主膳長

主膳

主膳長ハ一人奏任トス膳羞ノ事ヲ掌ル

主膳ハ專任五人判任トス膳羞ニ從事ス

第五十五條 主殿寮ニ警察部ヲ置ク

警察部ニ於テハ宮殿及廳舍ノ警察ヲ掌ル

第五十六條 警察部ニ左ノ職員ヲ置ク

皇宮警

皇宮警

皇宮警部

皇宮警長ハ一人奏任トス部務ヲ掌理シ所部職員ヲ監督ス

皇宮警ハ一人奏任トス皇宮警長ヲ助ク

皇宮警部ハ三十人判任トス警察ニ從事ス

第五十七條 內匠寮及內苑寮ニ技師及技手ヲ置ク

內匠寮技師ハ六人內苑寮技師ハ四人共ニ奏任トス各主務ニ屬スル技術ノ事ヲ分掌ス

內匠寮技師一人ハ之ヲ勅任ト爲スコトヲ得

內匠寮技手ハ五十五人內苑寮技手ハ十二人共ニ判任トス技術ニ從事ス

第五十八條 主馬寮ニ左ノ職員ヲ置ク

車馬監

調馬師

馬醫師

馬醫

技師

技手

車馬監ハ一人奏任トス車馬裝具ノ管守及馬匹ノ飼養調習ニ關スル事務ヲ掌ル

調馬師ハ三人奏任トス馬匹調習ノ事ヲ分掌ス

馬醫師ハ二人奏任トス馬匹醫療ノ事ヲ分掌ス

馬醫ハ四人判任トス馬匹ノ醫療ニ從事ス

技師ハ六人奏任トス牧場ニ關スル技術ノ事ヲ分掌ス

技手ハ五十人判任トス牧場ノ技術ニ從事ス

第五十九條 主獵寮ニ主獵官ヲ置ク

主獵官ハ十五人內二人ヲ勅任十三人ヲ奏任トシ共ニ名譽官トス狩獵ノ事ヲ掌ル

第六十條 宮內大臣ハ大臣官房及所管各部局ノ分課ヲ廢置シ及其ノ處務規程ヲ定ムルコトヲ得

各分課ニ課長ヲ置ク大臣官房分課ノ課長ニハ祕書官又ハ書記官ヲ以テ之ニ充テ所管各部局分課ノ課長ニハ奏任官又ハ判任官ヲ以テ之ニ充ツ

第六十一條 宮內大臣ハ須要ニ從ヒ勅任待遇奏任待遇准判任判任待遇及等外ノ職ヲ置キ其ノ職制ヲ定ムルコトヲ得但シ奏任待遇以上ニ係ルノ職制ハ勅裁ヲ經ヘシ

附則

第六十二條 本令ハ明治四十一年一月一日ヨリ之ヲ施行ス

明治二十二年宮內省達第十號明治二十三年宮內省達第十八號明治三十七年宮內省達甲第三號及明治三十九年宮內省達甲第十四號ハ之ヲ廢止ス

第六十三條 本令施行ノ際別ニ官記ヲ交付セス內藏主事ハ內藏寮主事ニ爵位局長ハ爵位頭ニ爵位局主事ハ爵位寮主事ニ侍醫局長ハ侍醫頭ニ侍醫局主事ハ侍醫寮主事ニ大膳大夫ハ大膳頭ニ大膳亮ハ大膳寮主事ニ主殿助ハ主殿寮主事ニ內匠助ハ內匠寮主事ニ內苑局長ハ內苑頭ニ內苑局技師ハ內苑寮技師ニ內苑局技手ハ內苑寮技手ニ主馬助ハ主馬寮主事ニ主獵局長ハ主獵頭ニ主獵局主事ハ主獵寮主事ニ調度局長ハ調度頭ニ調度局主事ハ調度寮主事ニ各藏寮及局ノ屬ハ宮內屬ニ任セラレタルモノトス

本令施行ノ際宮中顧問官タルハ別ニ官記ヲ交付セス本令ノ宮中顧問官ニ任セラレタルモノトス

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  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。