奠都三十年祝賀帖/第二 祝賀会の発起
抑々奠都三十年祝賀會の起源を尋ぬるに実に本年一月二十七日東京府下に於ける各雑誌記者四十餘名、京橋區日吉町花月楼に於て懇親の小集を催ふしたる時にあり、乃ち席上東京教育社長日下部三之助氏奠都三十年祝賀の儀發言せるや、満場一致之を賛成し直に發起委員として左十社を推薦す。
医事新報社 | 博文館 | 東京教育社 | ||
東京経済雑誌社 | 龍文社 | 開發社 | ||
大日本国書株式會社 | 大日本社 | 明友社 | ||
世界日本社 |
奠都三十年祝賀の發起委員に推薦せられたる以上の十社は、委員とす、是に於て同委員は府下一般の新聞社を訪ひ、協議之を賛助して發起者たることを諾したり、其新聞社左の如し、
日本新聞社 | 報知新聞社 | 東京日日新聞社 |
東京新聞社 | 中央新聞社 | 中外商況新報社 |
讀賣新聞社 | 萬朝新聞社 | やまと新聞社 |
毎日新聞社 | 国民新聞社 | 朝日新聞社 |
都新聞社 | 時事新報社 |
此に於てか新聞雑誌社共同發起となり、更に委員を撰びて東京府知事、市参事會員、市會議員、各區長等に謀る所あり、尋で廣く發起人を募りたるに、忽ちにして之に應ずる者五百餘名の多きに達せり、依て三月七日を期し日本橋倶樂部に於て發起総會を開き、左の規定を定め此に本會の成立を告けたり。
第一條 本會は奠都三十年祝賀會と稱し、事務所を東京市京橋區日吉町十五番地九州倶樂部內に置く。
(中略)
第十七條 己を得ずして規程の變更を要する場合に於ては發起人之を決す、
既に本會の成立を吿げたれば、爰に盛大なる祝典を擧ぐることに決し、委員五十名を選擧し、東京府知事子爵岡部長職氏を會長に、澁澤榮一氏を副會長に推薦し、更に專務委員二十名を撰ひ、委員長を澁澤榮一氏とし、副委員長に中野武麿氏とし、發企人の名義を持って左の趣意書を公にしたり。
(中略)
會長子爵岡部長職 副會長澁澤榮一
委員 | 大倉喜八郎 | 松岡辯 | 原六郎 | 今村淸之助 | 米倉一平 |
大江卓 | 高田愼藏 | 喜谷市郞右衛門 | 近藤廉平 | 雨宮敬次郞 | |
佐久間貞一 | 中野武麿 | 芳野世經 | 梅浦精一 | 橫山孫一郞 | |
松田秀雄 | 田中平八 | 岩谷松平 | 加藤德三 | 二橋元長 | |
豐川良平 | 岡田來吉 | 岩出惣兵衞 | 中澤彥吉 | 相澤喜兵衛 | |
土田政次郎 | 岡本善七 | 淺田正文 | 朝吹英二 | 山本達雄 | |
上田安三郎 | 淸水滿之助 | 池田謙三 | 野中萬助 | 伊東幹一 | |
森村市左衛門 | 小野金六 | 渡邊治左衛門 | 安田善次郎 | 馬越恭平 | |
山中隣之郎 | 萩原源太郎 | 大橋佐平 | 毎日新聞社 | 都新聞社 | |
國民新聞社 | 東京新聞社 | 日本新聞社 | 東京新聞社 | 帝國通信社 |
斯くて專務委員は數回の集會を重ねて着々會務を整頓し、準備次第に進捗され、四月五日を以て行幸啓に付き宮內大臣より東京府知事へ宛、左の御沙汰書を拜受するに至れり。
(中略)
此御沙汰書を拜受するや、二重橋外の芝生に玉座便殿其他の來賓席建設に着手し、此に式典を擧行することゝなり、即ち當日の次第を左の如く定めたり。
四月十日
(中略)
之を奠都三十年祝賀會の發起とす、其行幸の盛典式場の餘興等は以下記述する所の記事と共に數種の寫眞版に就て其實況を知得すべし。
この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。
- 法律命令及官公󠄁文󠄁書
- 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
- 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁
この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。