国民の保護及び公共の安全のためのテロ防止法

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国民の保護及び公共の安全のためのテロ防止法
(略称: テロ防止法、テ防法)
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第1条(目的)この法律は,テロの予防及び対応活動等に関して必要な事項及びテロによる被害保全等を規定することにより,テロから国民の生命及び財産を保護し,及び国家及び公共の安全を確保することを目的とする。

第2条(定義)この法律において使用する用語の意義は,次の通りである。

1.「テロ」とは,国家・地方公共団体又は外国政府(外国地方公共団体及び条約又はその他の国際的協約により設立された国際機構を含む)の権限行使を妨害し又は義務のない行為をさせる目的若しくは公衆を脅迫する目的でする次の各目の行為をいう。
イ. 他人を殺害し,若しくは他人の身体を傷害し生命に対する危険を発生させる行為又は他人を逮捕・監禁・略取・誘引し,若しくは人質にする行為
ロ. 航空機(「航空法」第2条第1号の航空機をいう。以下,本目において同じ)に関する次のそれぞれのいずれか一に該当する行為
1)運行中(「航空保安法」第2条第1号の運行中をいう。以下,本目において同じ)の航空機を墜落させ,又は転覆・破壊する行為その他運行中の航空機の安全を害するに足る損壊を加える行為
2)暴行又は脅迫その他の方法により運行中の航空機を強奪し,又は航空機の運航を強制する行為
3)航空機の運航に関連する航空施設を損壊し,又は操作を妨害して航空機の安全な運航に危害を加える行為
ハ. 船舶(「船舶及び海上構造物に対する危害行為の処罰等に関する法律」第2条第1号本文の船舶をいう。以下,この目において同じ)又は海上構造物(同法第2条第5号の海上構造物をいう。以下,この目において同じ)に関する次のそれぞれのいずれ一に該当する行為
1)運航(同法第2条第2号の運航をいう。以下,この目において同じ)中の船舶又は海上構造物を破壊し,又はその安全を脅かすに足る程度の損傷を加える行為(運航中の船舶又は海上構造物に積載の貨物に損傷を加える行為を含む)
2)暴行又は脅迫その他の方法により運航中の船舶又は海上構造物を強奪し,又は船舶の運航を強制する行為
3)運航中の船舶の安全を脅かすためその船舶の運航に関する機器・施設を破壊し,重大な損傷を加え,又は機能障害状態を惹起する行為
ニ. 死亡・重傷害又は重大な物的損傷を誘発するよう製作され,又は同様の威力を有する生化学・爆発性・焼夷性の武器若しくは装置を次の各々のいずれか一に該当する車輌又は施設に配置し,爆発させ,又はその他の方法によりこれを使用する行為
1)汽車・電車・自動車等人又は物の運送に利用される車輌であって,公衆の利用する車輌
2)1)に該当する車輌の運行のため利用される施設又は道路,公園,駅その他公衆の利用する施設
3)電気又はガスを供給するための施設,公衆の飲用水を供給する水道,電気通信を利用するための施設及びその他の施設であって,共用で提供され,又は公衆の利用する施設
4)石油,可燃性ガス,石炭その他の燃料等の原料となる物質を製造若しくは精製し,又は燃料にするため処理・輸送若しくは貯蔵する施設
5)公衆の出入りしうる建造物・航空機・船舶であって,1)から4)までに該当するものを除く施設
ホ. 核物質(「原子力施設等の防護及び放射能防災対策法」 第2条第1号の核物質をいう。以下,この目において同じ),放射性物質(「原子力安全法」第2条第5号の放射性物質をいう。以下,この目において同じ)又は原子力施設(「原子力施設等の防護及び放射能防災対策法」第2条第2号の原子力施設をいう。以下,この目において同じ)に関する次のそれぞれのいずれ一に該当する行為
1)原子炉を破壊し,他人の生命・身体若しくは財産を害し,又はその他公共の安全を脅かす行為
2)放射性物質等並びに原子炉及び関係施設,核燃料サイクル施設又は放射線発生装置を不当に操作して他人の生命又は身体に危険を加える行為
3)核物質を収受・所持・所有・保管・使用・運搬・改造・処分又は分散する行為
4)核物質若しくは原子力施設を破壊・損傷若しくはその原因を提供し,又は原子力施設の正常な運転を妨害して放射性物質を排出し,又は放射線を露出する行為
2.「テロ団体」とは,国際連合(UN)が指定したテロ団体をいう。
3.「テロ危険人物」とは,テロ団体の組織員又はテロ団体の宣伝,テロ資金募金・寄付その他テロの予備・陰謀・宣伝・扇動をした,又はしたと疑う相当の理由のある者をいう。
4.「外国人テロ戦闘員」とは,テロを実行・計画・準備し,又はテロに参加する目的で国籍国でない国家のテロ団体に加入し,又は加入するため移動若しくは移動を試みる内国人・外国人をいう。
5.「テロ資金」とは,「公衆等脅迫目的及び大量殺傷武器拡散のための資金調達行為の禁止に関する法律」第2条第1号による公衆等脅迫目的のための資金をいう。
6.「対テロ活動」とは,第1号のテロ関連情報の収集,テロ危険人物の管理,テロに利用されうる危険物質等のテロ手段の安全管理,人員・施設・装備の保護,国際行事の安全確保,テロの危険に対応及び武力鎮圧等テロの予防及び対応に関する諸般の活動をいう。
7.「関係機関」とは,対テロ活動を遂行する国家機関,地方公共団体その他大統領令で定める機関をいう。
8.「対テロ調査」とは,対テロ活動に必要な情報又は資料を収集するため現場調査・文書閲覧・試料採取等を行い,又は調査対象者に資料提出及び陳述を要求する活動をいう。

第3条(国家及び地方公共団体の責務)①国家及び地方公共団体は,テロから国民の生命・身体及び財産を保護するためテロの予防及び対応に必要な制度及び与件を造成し,対策を樹立してこれを施行しなければならない。

②国家及び地方公共団体は,第1項の対策を講ずるにあたり,国民の基本的人権が侵害されないよう最善の努力をしなければならない。

③この法律を執行する公務員は,憲法上の基本権を尊重してこの法律を執行しなければならず,憲法及び法律で定める適法手続を遵守すべき義務を負う。

第4条(他の法律との関係)この法律は,対テロ活動に関し,他の法律に優先して適用する。

第5条(国家テロ対策委員会)①対テロ活動に関する政策の重要事項を審議・議決するため,国家テロ対策委員会(以下「対策委員会」という)を置く。

②対策委員会は国務総理及び関係機関の長のうち大統領令で定める者で構成し,委員長は国務総理がする。

③対策委員会は,次の各号の事項を審議・議決する。

1. 対テロ活動に関する国家の政策樹立及び評価
2. 国家の対テロ基本計画等の重要中長期対策の推進事項
3. 関係機関の対テロ活動の役割分担・調整の必要な事項
4. その他委員長又は委員が対策委員会で審議・議決する必要があるとして提議する事項

④その他対策委員会の構成・運営等に必要な事項は,大統領令で定める。

第6条(対テロセンター)①対テロ活動に関して次の各号の事項を遂行するため国務総理所属として関係機関の公務員で構成される対テロセンターを置く。

1. 国家の対テロ活動関連任務の分担及び協力事項の実務の調整
2. 長短期の国家の対テロ活動指針作成・配布
3. テロ警報の発令
4. 国家の重要行事の対テロ安全対策の樹立
5. 対策委員会の会議及び運営に必要な事務の処理
6. その他対策委員会で審議・議決した事項

②対テロセンターの組織・定員及び運営に関する事項は,大統領令で定める。

③対テロセンター所属職員の人的事項は,公開しないことができる。

第7条(対テロ人権保護官)① 関係機関の対テロ活動による国民の基本権侵害の防止のため対策委員会所属として対テロ人権保護官(以下,「人権保護官」という)1名を置く。

②人権保護官の資格,任期等運営に関する事項は,大統領令で定める。

第8条(専任組織の設置)①関係機関の長は,テロ予防及び対応のため必要な専任組織を置くことができる。

②関係機関の専任組織の構成及び運営並びに効率的テロ対応のため必要な事項は,大統領令で定める。

第9条(テロ危険人物に対する情報収集等)①国家情報院長は,テロ危険人物について出入国・金融取引及び通信利用等関連情報を収集することができる。この場合において,出入国・金融取引及び通信利用等の関連情報の収集にあっては,「出入国管理法」,「関税法」,「特定金融取引情報の報告及び利用等に関する法律」,「通信秘密保護法」の手続きによる。

②国家情報院長は,第1項による情報の収集及び分析の結果テロに利用された,又は利用される可能性のある金融取引について,支払停止等の措置を取るよう金融委員会委員長に要請することができる。

③国家情報院長は,テロ危険人物に対する個人情報(「個人情報保護法」上の敏感情報を含む)及び位置情報を「個人情報保護法」第2条の個人情報処理者及び「位置情報の保護及び利用等に関する法律」第5条の位置情報事業者に要求することができる。

④国家情報院長は,対テロ活動に必要な情報又は資料を収集するため対テロ調査及びテロ危険人物に対する追跡をすることができる。この場合において,事前又は事後に対策委員会委員長に報告しなければならない。

第10条(テロ予防のための安全管理対策の樹立)① 関係機関の長は,大統領令で定める国家重要施設並びに多くの人が利用する施設及び装備(以下,「テロ対象施設」という)に対するテロ予防対策及びテロの手段として利用されうる爆発物・銃器類・化生放物質[1](以下,「テロ利用手段」という),国家重要行事に対する安全管理対策を樹立しなければならない。

②第1項による安全管理対策の樹立・施行に必要な事項は,大統領令で定める。

第11条(テロ脆弱要因の事前除去)①テロ対象施設及びテロ利用手段の所有者又は管理者は,保安装備を設置する等テロ脆弱要因の除去のため務めなければならない。

②国家は,第1項のテロ対象施設及びテロ利用手段の所有者又は管理者に対し,必要な場合その費用の全部又は一部を支援することができる。

③第2項による費用支援の対象・基準・方法及び手続等に必要な事項は,大統領令で定める。

第12条(テロ扇動・宣伝物緊急削除等要請)①関係機関の長は,テロを扇動・宣伝する文章又は図画,象徴的表現物,テロに利用されうる爆発物等の危険物製造法等がインターネット又は放送・新聞,掲示板等を通じ流布された場合において,該当機関の長に緊急削除又は中断,監督等の協力を要請することができる。

②第1項の協力要請を受けた該当機関の長は,必要な措置を取り,その結果を関係機関の長に通報しなければならない。

第13条(外国人テロ戦闘員に対する規制)①関係機関の長は,外国人テロ戦闘員として出国しようとしていると疑うに足る相当の理由のある内国人・外国人について,一時出国禁止を法務大臣に要請することができる。

②第1項による一時出国禁止期間は,90日とする。但し,出国禁止を継続する必要があると判断すべき相当の理由のある場合において,関係機関の長は,その事由を明示して延長を要請することができる。

③関係機関の長は,外国人テロ戦闘員として荷担した者について,「旅券法」第13条による旅券の効力停止及び同法第12条第3項による再発給拒否を外交大臣に要請することができる。

第14条(申告者保護及び褒賞金)① 国家は,「特定犯罪申告者等保護法」によりテロに関する申告者,犯人検挙のため提報し,又は検挙活動を行った者又はその親族等を保護しなければならない。

②関係機関の長は,テロの計画若しくは実行に関する事実を関係機関に申告してテロを事前に予防することができるようにし,又はテロに荷担若しくは支援した者を申告し若しくは逮捕した者について大統領令で定めるところにより褒賞金を支給することができる。

第15条(テロ被害の支援)①テロにより身体又は財産の被害を負った国民は,関係機関に直ちに申告しなければならない。但し,人質等やむを得ない事由により申告することができないときは,法律関係又は契約関係により保護義務のある者がこれを知ったときに直ちに申告しなければならない。

②国家又は地方公共団体は,第1項の被害を受けた者について大統領令で定めるところにより治療及び復旧に必要な費用の全部又は一部を支援することができる。但し,「旅券法」第17条第1項但書による外交大臣の許可を受けずに訪問及び滞在の禁止された国家又は地域を訪問・滞在した者については,この限りではない。

③第2項による費用支援の基準・手続・金額及び方法等に関して必要な事項は,大統領令で定める。

第16条(特別慰労金)①テロにより生命の被害を負った者の遺族又は身体上の傷害及び長期治療を要する被害を負った者に対しては,その被害の程度に従い等級を定め,特別慰労金を支給することができる。但し,「旅券法」第17条第1項但書による外交大臣の許可受けずに訪問及び滞在の禁止された国家又は地域を訪問・滞在した者に対してはこの限りではない。

②第1項による特別慰労金支給の基準・手続・金額及び方法等に関して必要な事項は,大統領令で定める。

第17条(テロ団体構成罪等)①テロ団体を構成し,又は構成員として加入した者は,次の各号の区分に従い罰する。

1. 首謀者は,死刑・無期又は10年以上の懲役
2. テロを企画又は指揮する等重要な役割を担った者は,無期又は7年以上の懲役
3. 他国の外国人テロ戦闘員として加入した者は, 5年以上の懲役
4. その他の者は,3年以上の懲役

② テロ資金であることを知りながら資金を調達・斡旋・保管し,又はその取得及び発生原因に関する事実を仮想する等テロ団体を支援した者は,10年以下の懲役又は1億圓以下の罰金に処する。

③ テロ団体加入を支援し,又は他人に加入を勧誘若しくは先導した者は,5年以下の懲役に処する。

④ 第1項及び第2項の未遂犯は,罰する。

⑤ 第1項及び第2項において定める罪を犯す目的で予備又は陰謀をした者は, 3年以下の懲役に処する。

⑥ 「刑法」等国内法で罪として規定する行為が第2条のテロに該当する場合においては,当該法律において定める刑に従って罰する。

第18条(虚偽告訴,捏造)①他人に刑事処分を受けさせる目的で第17条の罪について虚偽告訴若しくは偽証をし,又は証拠を捏造・隠滅・隠匿した者は,「刑法」第152条から第157条までに定める刑に2分の1を加重して罰する。

②犯罪捜査又は情報の職務に従事する公務員又はこれを補助する者若しくはこれを指揮する者が職権を濫用して第1項の行為をしたときも,第1項の刑と同様とする。但し,その法定刑の最低が2年未満であるときは,これを2年とする。

第19条(世界主義)第17条の罪は,大韓民国領域外において犯した外国人にも国内法を適用する。

附則 <法律第14071号,2016.3.3.>[編集]

第1条(施行日)この法律は,公布の日から施行する。但し,第5条から第8条まで,第10条,第11条,第14条から第16条までは,公布後3個月が経過した日から施行する。

第2条(他法の改正)①通信秘密保護法の一部を次の通り改正する。

第7条第1項各号列記以外の部分中,「国家安全保障に対する相当の危険が予想される場合」を「国家安全保障に相当の危険が予想される場合又は「国民の保護及び公共の安全のためのテロ防止法」第2条第6号の対テロ活動に必要な場合」と改める。

②特定金融取引情報の報告及び利用等に関する法律の一部を次の通り改正する。

第7条第1項各号列記以外の部分中,「調査又は金融監督業務」を「調査,金融監督業務又はテロ危険人物に対する調査業務」と,「中央選挙管理委員会又は金融委員会」を「中央選挙管理委員会,金融委員会又は国家情報院長」と改める。

第7条第4号中,「金融委員会(以下,「検察総長等」という)は」を「金融委員会,国家情報院長(以下,「検察総長等」という)は」と改める。

③ 特定犯罪申告者等保護法の一部を次の通り改正する。.

第2条第1号にヘ目を次の通り新設する。

ヘ. 「国民の保護及び公衆の安全のためのテロ防止法」第17条の罪
  1. 訳注:学・物・射性物質のこと。

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