コンテンツにスキップ

商店法

提供:Wikisource


第一條

本法ハ市及主務大臣ノ指定スル町村(町村ニ準ズベキモノヲ含ム)ニ於テ物品販賣業又ハ理容業ヲ營ム店舗ニ之ヲ適用ス
前項ノ物品販賣業及理容業ノ範圍ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第二條

店主ハ本法ニ定ムル閉店時刻以後顧客ニ對シ前條ノ營業ヲ爲スコトヲ得ズ但シ閉店時刻前ヨリ引續キ店舗ニ在ル顧客ニ對シテハ此ノ限ニ在ラズ
店主ハ閉店時刻以後ト雖モ負傷、疾病、災害其ノ他緊急ノ事由ヲ提示セル顧客ニ對シ其ノ必要ニ應ズル物品ヲ販賣スルコトヲ得

第三條

閉店時刻ハ午後十時トス
行政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地域ヲ限リ前項ノ時刻ヲ午後十一時迄繰延ブルコトヲ得

第四條

業務ノ繁忙ナル時期ニ付行政官廳必要アリト認ムルトキハ期間又ハ地域ヲ限リ一年ヲ通ジ六十日以内前二條ノ規定ヲ適用セズ又ハ前條ノ時刻ヲ繰延ブルコトヲ得
前項ノ外行政官廳臨時必要アリト認ムルトキハ期間又ハ地域ヲ限リ前二條ノ規定ヲ適用セズ又ハ前條ノ時刻ヲ繰延ブルコトヲ得

第五條

店主ハ使用人ニ每月少クトモ一囘ノ休日ヲ與フベシ

第六條

左ニ揭グル店舗ニシテ行政官廳ノ許可ヲ受ケタルモノニ付テハ第二條及第三條ノ規定ハ之ヲ適用セズ
一 興行場、觀覽場、遊技場其ノ他之ニ類スル場所ニ於ケル店舗
二 展覽會場、共進會場、博覽會場其ノ他之ニ類スル場所ニ於ケル店舗
三 停車場又ハ船舶發着所ニ於ケル店舗
四 其ノ他主務大臣ノ指定スル場所ニ於ケル店舗
前項第二號ノ店舗ニシテ行政官廳ノ許可ヲ受ケタルモノニ付テハ前條ノ規定ハ之ヲ適用セズ

第七條

常時五十人以上ノ使用人ヲ使用スル店舗ニ在リテハ店主ハ十六歲未滿ノ者及女子ヲシテ一日ニ付十一時間ヲ超エテ就業セシムルコトヲ得ズ
前項ノ店舗ニ在リテハ店主ハ十六歲未滿ノ者又ハ女子ノ就業時間ガ六時間ヲ超ユルトキハ少クトモ三十分、十時間を超ユルトキハ少クトモ一時間ノ休憩時間ヲ就業時間中ニ於テ之ニ與フベシ
業務ノ繁忙ナル時期ニ於テハ店主ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ一年ヲ通ジ六十日以内第一項ノ就業時間ヲ延長スルコトヲ得
前項ノ外臨時必要アル場合ニ於テハ店主ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ第一項ノ就業時間ヲ延長スルコトヲ得

第八條

前條第一項ノ店舗ニ在リテハ店主ハ十六歲未滿ノ者及女子ニ每月少クトモ二囘ノ休日ヲ與フベシ
業務ノ繁忙ナル時期其ノ他臨時必要アル場合ニ於テ店主行政官廳ノ許可ヲ受ケタルトキハ前項ノ休日ヲ一囘ト爲スコトヲ得

第九條

行政官廳ハ命令ノ定ムル所ニ依リ店舗又ハ其ノ附屬建設物ニ於ケル使用人ノ危害ノ防止又ハ衞生ニ關シ必要ナル事項ヲ店主ニ命ズルコトヲ得

第十條

天災事變ノ爲又ハ事變ノ處アル爲必要アル場合ニ於テハ主務大臣ハ期間又ハ地域ヲ限リ本法ノ全部又ハ一部ヲ適用セザルコトヲ得

第十一條

行政官廳監督上必要アリト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ店舗又ハ其ノ附屬建設物ニ臨檢セシムルコトヲ得但シ使用人以外ノ者ノ居室ハ此ノ限ニ在ラズ
當該官吏前項ノ規定ニ依リ臨檢スル場合ハ其ノ證票ヲ携帶スベシ

第十二條

店主ハ店舗ノ管理ニ付一切ノ權限ヲ有スル店舗管理人ヲ選任スルコトヲ得
店主本法施行地内ニ居住セザルトキハ店舗管理人ヲ選任スルコトヲ要ス
店舗管理人ノ選任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ但シ法令ノ規定ニ依リ法人ヲ代表スル者及支配人ノ中ヨリ選任スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第十三條

前條ノ店舗管理人ハ本法及本法ニ基キテ發スル命令ノ適用ニ付テハ店主ニ代ルモノトス
店主營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有セザル未成年者若ハ禁治産者ナル場合又ハ法人ナル場合ニ於テ店舗管理人ナキトキハ其ノ法定代理人又ハ法令ノ規定ニ依リ法人ヲ代表スル者ニ付亦前項ニ同ジ

第十四條

店主又ハ前條ノ規定ニ依リ店主ニ代ル者第二條第一項、第五條、第七條第一項第二項又ハ第八條第一項ノ規定ニ違反シタルトキハ五百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス

第十五條

正當ノ理由ナクシテ當該官吏ノ臨檢ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ尋問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス

第十六條

店主又ハ第十三條ノ規定ニ依リ店主ニ代ル者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出ザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ

第十七條

本法及本法ニ基キテ發スル命令ハ營利ヲ目的トセザル物品販賣又ハ理容ノ事業ヲ爲ス店舗ニ之ヲ準用ス但シ國、都道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニ付テハ店舗管理人ニ關スル規定及罰則ハ此ノ限ニ在ラズ

第十八條 本法ハ汽車、汽船其ノ他ノ交通機關内ニ於ケル店舗及露店ニ之ヲ適用セズ

行政官廳ハ物品販賣業ヲ營ム露店ニ付終業スベキ時刻ヲ定ムルコトヲ得
附則

本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム



この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。