コンテンツにスキップ

司法警察官吏及司法警察官吏ノ職務ヲ行フヘキ者ノ指定等ニ關スル件

提供:Wikisource


朕司法警察官吏及司法警察官吏ノ職務ヲ行フヘキ者ノ指定等ニ關スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽
攝政名
大正十二年十二月二十八日
内閣總理大臣 伯爵 山本權兵衛
内務大臣 子爵 後藤 新平
農商務大臣   岡野敬次郎
逓信大臣   犬養  毅
司法大臣   平沼騏一郎
鐵道大臣   山之内一次
外務大臣 男爵 伊集院彦吉


勅令第五百二十八號

第二条  監獄又ハ分監ノ長ハ監獄又ハ分監ニ於ケル犯罪ニ付刑事訴訟法第二百四十八条ニ規定スル司法警察官ノ職務ヲ行フ

第三条  左ニ掲クル者ニシテ其ノ所属長官其ノ官庁所在地ヲ管轄スル地方裁判所ノ検事正ト協議シテ指命シタルモノハ第一号乃至第八号ノ二ニ掲クル者ニ在リテハ刑事訴訟法第二百四十八条ニ規定スル司法警察官ノ職務ヲ、第九号乃至第十四号ニ掲クル者ニ在リテハ司法警察吏ノ職務ヲ行フ

一  二等又ハ三等ノ帝室林野局出仕
二  猟場管守ノ事務ヲ担当スル三等ノ宮内省出仕
三  監獄又ハ分監ノ長タル者及看守タル者ヲ除クノ外監獄職員タル二級又ハ三級ノ法務庁事務官
四  営林局署勤務ノ農林事務官及農林技官
五  鉄道局又ハ鉄道局ノ事務ヲ取扱フ命令ヲ以テ定ムル地方官署勤務ノ二級又ハ三級ノ運輸事務官ニシテ国有鉄道ニ於ケル旅客公衆ノ秩序維持又ハ荷物事故防止ノ事務ヲ担当スルモノ、国有鉄道ノ駅長、車掌区長又ハ自動車区長タル二級又ハ三級ノ運輸事務官及国有鉄道ノ駅ノ助役タル二級又ハ三級ノ運輸事務官
六  北海道庁ノ営林区署勤務ノ二級又ハ三級ノ地方技官及三級ノ地方事務官
七  公有林野ノ事務ヲ担当スル北海道庁ノ二級又ハ三級ノ地方事務官及地方技官
八  狩猟取締ノ事務ヲ担当スル庁府県ノ三級ノ地方技官
九  三等ノ帝室林野局出仕
十  第二号ニ掲クル者ヲ除クノ外猟場管守ノ事務ヲ担当スル宮内省職員
十一  看守タル法務庁事務官
十二  鉄道局又ハ鉄道局ノ事務ヲ取扱フ命令ヲ以テ定ムル地方官署勤務ノ三級ノ運輸事務官ニシテ国有鉄道ニ於ケル旅客公衆ノ秩序維持又ハ荷物事故防止ノ事務ヲ担当スルモノ、国有鉄道ノ駅、車掌区若ハ自動車区ノ助役又ハ車掌区若ハ自動車区ノ支区長タル三級ノ運輸事務官及鉄道手、国有鉄道ノ駅勤務ノ三級ノ運輸事務官又ハ鉄道手ニシテ専ラ国有鉄道ニ於ケル旅客公衆ノ秩序維持又ハ荷物事故防止ノ事務ヲ担当スルモノ並ニ国有鉄道ノ車掌タル三級ノ運輸事務官、鉄道手及雇員
十三  北海道庁河川監守タル三級ノ地方事務官
十四  経済監視官補タル地方事務官

第四条  前条ノ規定ニ依リ司法警察官吏ノ職務ヲ行フ者ノ職務ノ範囲ハ左ニ掲クル罪ニ関スルモノニ限ル

一  前条第一号及第九号ニ掲クル者ニ在リテハ御料林野又ハ其ノ産物ニ関スル罪
二  前条第二号及第十号ニ掲クル者ニ在リテハ御猟場ニ於ケル狩猟ニ関スル罪
三  前条第三号及第十一号ニ掲クル者ニ在リテハ監獄又ハ分監ニ於ケル犯罪
四  前条第四号ニ掲クル者ニ在リテハ国有林野、部分林、公有林野官行造林、其ノ林野ノ産物又ハ其ノ林野若ハ国営猟区ニ於ケル狩猟ニ関スル罪
五  前条第五号及第十二号ニ掲クル者ニ在リテハ停車場又ハ列車ニ於ケル現行犯
六  前条第六号ニ掲クル者ニ在リテハ北海道ニ於ケル国有林野、部分林、其ノ林野ノ産物又ハ其ノ林野ニ於ケル狩猟ニ関スル罪
七  前条第七号ニ掲クル者ニ在リテハ北海道ニ於ケル公有林野、其ノ林野ノ産物又ハ其ノ林野ニ於ケル狩猟ニ関スル罪
八  前条第八号ニ掲クル者ニ在リテハ狩猟ニ関スル罪
九  前条第十三号ニ掲クル者ニ在リテハ北海道ニ於ケル河川又ハ其ノ附属物ニ関スル罪
十  前条第八号ノ二及第十四号ニ掲クル者ニ在リテハ経済統制ニ関スル犯罪

第六条  遠洋区域、近海区域又ハ沿海区域ヲ航行スル総噸数二十噸以上ノ船舶ノ船長ハ其ノ船舶内ニ於テ刑事訴訟法第二百四十八条ニ規定スル司法警察官ノ職務ヲ行フ

前項ノ船舶内ニ於ケル司法警察吏ノ職務ハ甲板部、機関部及事務部ノ海員中其ノ各部ニ於テ職掌ノ上位ニ在ル者之ヲ行フ

前二項ノ規定ハ復員又ハ掃海ニ従事スル船舶ニ付之ヲ準用ス

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。