利用者:Gminky/自転車競技法(昭和23年法律第209号)/自転車競技法の一部を改正する法律(昭和32年法律第168号)

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自転車競技法

第一条 都道府県及び人口、財政等を勘案して自治庁長官が指定する市町村(以下指定市町村という。)は、自転車その他の機械の改良及び輸出の振興並びに機械工業の合理化に寄与するとともに、地方財政の健全化を図るため、この法律により、自転車競走を行うことができる。

[②] 自治庁長官は、必要があると認めるときは、前項の規定により市町村を指定するにあたり、その指定に期限又は条件を附することができる。

[③] 自治庁長官は、指定市町村が一年以上引き続きこの法律による自転車競走(以下競輪という。)を開催しなかつたときは、その指定を取り消すことができる。

[④] 第一項に掲げる者(以下競輪施行者という。)以外の者は、勝者投票券(以下車券という。)その他これに類似するものを発売して、自転車競走を行つてはならない。

[⑤] 競輪施行者は、命令の定めるところにより、競輪の実施を、当該都道府県毎に設立する、自転車振興会に、委任することができる。

第二条 競輪施行者が、競輪を開催しようとするときは、命令の定めるところにより、通商産業局長及び都道府県知事を経由して、通商産業大臣に届け出なければならない。

第三条 競輪の用に供する競走場を設置しようとする者は、命令の定めるところにより、通商産業大臣の許可を受けなければならない。

[②] 通商産業大臣は、前項の許可をしようとするときは、あらかじめ、関係都道府県知事の意見を聞かなければならない。

[③] 都道府県知事は、前項の意見を述べようとするときは、命令の定めるところにより、あらかじめ、公聴会を開いて、利害関係人の意見を聞かなければならない。

[④] 通商産業大臣は、第一項の許可の申請があつたときは、申請に係る競走場の位置、構造及び設備が命令で定める公安上及び競輪の運営上の基準に適合する場合に限り、その許可をすることができる。

[⑤] 競輪は、第一項の許可を受けて設置された競走場(以下競輪場という。)で行われなければならない。但し、通商産業大臣の許可を受けたときは、道路を利用して行うことができる。

[⑥] 通商産業大臣は、必要があると認めるときは、第一項の許可に期限又は条件を附することができる。

[⑦] 通商産業大臣は、競輪場の設置者が一年以上引き続きその競輪場を競輪の用に供しなかつたときは、第一項の許可を取り消すことができる。

第四条 車券の発売又は第九条の規定による払戻金若しくは第九条の三の規定による返還金の交付(以下車券の発売等という。)の用に供する施設を競輪場外に設置しようとする者は、命令の定めるところにより、通商産業大臣の許可を受けなければならない。

[②] 通産商業大臣は、前項の許可の申請があつたときは、申請に係る施設の位置、構造及び設備が命令で定める基準に適合する場合に限り、その許可をすることができる。

[③] 競輪場外における車券の発売等は、第一項の許可を受けて設置された施設(以下場外車券売場という。)でしなければならない。

[④] 前条第六項及び第七項の規定は、第一項の許可に準用する。

第五条 競輪の審判員、競輪に出場する選手及び競輪に使用する自転車の種類、規格は、命令の定めるところにより、日本自転車振興会に、登録されたものでなければならない。

第五条の二 競輪施行者は、左の各号に掲げる事項につき命令で定める範囲をこえて、競輪を開催することができない。

 一 一競輪場当りの年間及び月間開催回数

 二 一施行者当りの年間及び月間開催回数

 三 一回の開催日数

 四 一日の競走回数

[②] 通商産業大臣は、競輪施行者に対して、各施行者間における競輪開催の日取その他競輪施行の調整に関し、必要な指示をすることができる。

第六条 競輪場で競輪を開催するときは、入場者から入場料を取らなければならない。但し、都道府県知事又は指定市町村の市町村長が、無料入場者と定めた者からは、入場料を取らなくてもよい。

第七条 競輪施行者は、一口金二十円以下の車券を、額面金額で売出すことができる。

第七条の二 学生生徒及び未成年者は、車券を購入し、又は譲り受けてはならない。

第八条 左の各号の一に該当する者は、当該各号に掲げる競輪について、車券を購入し、又は譲り受けてはならない。

 一 競輪に関係する政府職員及び競輪施行者の職員にあつては、すべての競輪

 二 日本自転車振興会及び自転車振興会の役職員並びに競輪の選手にあつては、すべての競輪

 三 前二号に掲げる者を除き、入場料の徴収、車券の発売等、競輪場内の整理及び警備その他競輪の事務に従う者にあつては、当該競輪

第九条 競輪施行者は、勝者投票の的中者に対し、その競走についての車券の売上金(車券の発売金額から第九条の三の規定により返還すべき金額を差し引いたもの。以下同じ。)の額の百分の七十五に相当する金額を、当該勝者に対する各車券にあん分して払戻金として交付する。

[②] 前項の払戻金の額が、車券の額面金額に満たないときは、その額面金額を払戻金の額とする。

[③] 勝者投票の的中者がいない場合における売上金は、その金額の百分の七十五に相当する金額を、当該競走における勝者以外の出走した選手に投票した者に対し、各車券にあん分して払戻金として交付する。

[④] 第一項又は前項の規定により交付すべき金額の算出方法及びその交付については、命令で定める。

[⑤] 前四項の規定により払戻金を交付する場合において、その金額に一円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

第九条の二 前条第一項の払戻金の額が命令で定める払戻金の最高限度額をこえるときは、その最高限度額に相当する額を払戻金の額とする。

第九条の三 車券を発売した後、当該競走について左の各号の一に該当する事由が生じたときは、当該競走についての投票は、無効とする。

 一 出走すべき選手がなくなり、又は一人のみとなつたこと。

 二 競走が成立しなかつたこと。

 三 競走に勝者がなかつたこと。

[②] 第一着及び第二着の選手を一組として勝者とする勝者投票法(以下連勝式勝者投票法という。)以外の投票法において、発売した車券に表示された選手が出走しなかつたときは、その選手に対する投票は、無効とする。

[③] 連勝式勝者投票法において、左の各号の一に該当する事由が生じたときは、その組に対する投票は無効とする。

 一 異なる連勝式番号をつけられた選手を一組とした場合にあつては、発売した車券に表示された選手のうち連勝式番号を同じくする選手のすべてが出走しなかつたこと。

 二 同一の連勝式番号をつけられた選手を一組とした場合にあつては、発売した車券に表示された選手のすべてが出走せず、又はそのうちいずれか一人のみが出走したこと。

[④] 入場者以外の者に対し発売した車券の発売金額の全部又は一部を、天災地変その他やむを得ない事由に因り、入場者に対し発売した車券の発売金額と合計することができなかつたときは、入場者以外の者の投票であつて合計することができなかつたものは、無効とする。

[⑤] 前四項の場合においては、当該車券を所有する者は、競輪施行者に対し、その車券と引換にその額面金額の返還を請求することができる。

第九条の四 第九条の規定による払戻金及び前条の規定による返還金の債権は、六十日間行わないときは、時効によつて消滅する。

第十条 競輪施行者は、左の各号に掲げる金額を日本自転車振興会に交付しなければならない。

 一 一回の開催による車券の売上金の額が別表第一の上欄に掲げる金額に相当するときは、同表の下欄に掲げる金額に相当する金額

 二 一回の開催による車券の売上金の額に応じ、その額の千分の三以内において命令で定める金額に相当する金額

[②] 競輪施行者は、自転車振興会に競輪の実施を委任したときは、委任の範囲及び一回の開催による車券の売上金の額に応じ命令で定める金額を自転車振興会に交付しなければならない。

[③] 前項の命令で定める金額は、一回の開催による車券の売上金の額の別表第二の上欄に掲げる区分ごとに、同表の下欄に掲げる金額をこえてはならない。

第十一条 自転車振興会は、競輪の実施並びに自転車に関する事業の振興を目的とし、都道府県ごとに設立する。

[②] 自転車振興会は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立される法人とする。

第十一条の二 自転車振興会の役員の選任及び解任は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

第十一条の三 自転車振興会は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

[②] 自転車振興会は、毎事業年度経過後二月以内に、その事業年度の事業報告書、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、通商産業大臣に提出しなければならない。

第十二条 日本自転車振興会は、競輪の公正かつ円滑な実施を図るとともに、自転車その他の機械に関する事業の振興に資することを目的とする。

第十二条の二 日本自転車振興会は、法人とする。

第十二条の三 日本自転車振興会は、主たる事務所を東京都に置く。

[②] 日本自転車振興会は、通商産業大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

第十二条の四 日本自転車振興会は、政令の定めるところにより、登記しなければならない。

[②] 前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

第十二条の五 日本自転車振興会でない者は、日本自転車振興会という名称を用いてはならない。

第十二条の六 民法第四十四条、第五十条及び第五十四条の規定は、日本自転車振興会に準用する。

第十二条の七 日本自転車振興会に、役員として、会長一人、副会長一人、理事八人以内及び監事二人以内を置く。

第十二条の八 会長は、日本自転車振興会を代表し、その業務を総理する。

[②] 副会長は、会長の定めるところにより、日本自転車振興会を代表し、会長を補佐して日本自転車振興会の業務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。

[③] 理事は、会長の定めるところにより、会長及び副会長を補佐して日本自転車振興会の業務を掌理し、会長及び副会長に事故があるときはその職務を代理し、会長及び副会長が欠員のときはその職務を行う。

[④] 監事は、日本自転車振興会の業務を監査する。

第十二条の九 会長、副会長及び監事は、通商産業大臣が任命する。

[②] 理事は、通商産業大臣の認可を受けて、会長が任命する。

[③] 役員の任期は、三年とする。

[④] 役員は、再任されることができる。

第十二条の十 左の各号の一に該当する者は、役員となることができない。

 一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた後、三年を経過しない者

 二 この法律に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた後、三年を経過しない者

 三 国会議員、国家公務員(審議会、協議会等の委員その他これに準ずる地位にある者であつて、非常勤のものを除く。)又は地方公共団体の議会の議員

 四 政党の役員

 五 日本自転車振興会に対する物品の売買、施設の提供若しくは工事の請負を業とする者又はこれらの者が法人であるときはその役員若しくは役員と同等以上の支配力を有する者

第十二条の十一 通商産業大臣は、会長、副会長又は監事が前条各号の一に該当するに至つたときは、これを解任しなければならない。

[②] 会長は、理事が前条各号の一に該当するに至つたときは、これを解任しなければならない。

[③] 通商産業大臣は、会長、副会長若しくは監事が心身の故障のため職務を執行することができないと認めるとき、又は会長、副会長若しくは監事に職務上の義務違反その他会長、副会長若しくは監事たるに適しない非行があると認めるときは、これを解任することができる。

[④] 会長は、理事が心身の故障のため職務を執行することができないと認めるとき、又は理事に職務上の義務違反その他理事たるに適しない非行があると認めるときは、通商産業大臣の認可を受けて、これを解任することができる。

第十二条の十二 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、通商産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

第十二条の十三 日本自転車振興会と会長又は副会長との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合は、監事が日本自転車振興会を代表する。

第十二条の十四 日本自転車振興会の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第十二条の十五 日本自転車振興会に、運営委員会を置く。

[②] 次条第一項第一号から第四号までの業務その他競輪の公正かつ円滑な実施を図るため必要な業務(以下競輪に関する業務という。)に関し業務の方法を定め、及び事業計画を作成し、又はこれらを変更しようとするときは、会長は、運営委員会の意見を聞かなければならない。

[③] 日本自転車振興会は、競輪に関する業務を行うには、会長が運営委員会の意見を聞いて定めた方針に従わなければならない。

[④] 会長は、競輪に関する業務を掌理する理事の任命又は解任について第十二条の九第二項又は第十二条の十一第四項の認可を申請しようとするときは、運営委員会の意見を聞かなければならない。

[⑤] 運営委員会は、前三項に定めるものの外、会長の諮問に応じ、日本自転車振興会の競輪に関する業務の運営について調査審議する。

[⑥] 運営委員会は、委員二十人以内で組織する。

[⑦] 委員は、競輪に関し学識経験のある者のうちから、通商産業大臣の認可を受けて、会長が任命する。

[⑧] 委員の任期は、三年とする。

[⑨] 委員は、再任されることができる。

第十二条の十六 日本自転車振興会は、第十二条に掲げる目的を達成するため、左の業務を行う。

 一 競輪の審判員及び競輪に出場する選手の検定及び登録並びに競輪に使用する自転車の種類及び規格の登録を行うこと。

 二 選手及び自転車の競走前の検査の方法、審判の方法その他競輪の実施方法に関し、自転車振興会を指導すること。

 三 選手の出場のあつせんを行うこと。

 四 審判員、選手その他の競輪の実施に必要な者を養成し、又は訓練すること。

 五 自転車その他の機械に関する事業の振興に必要な資金の融通のため、銀行その他の金融機関に対し、資金の貸付を行うこと。

 六 自転車その他の機械に関する事業の振興のための事業を補助すること。

 七 第十条第一項及び小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号)第十六条の規定による交付金の受入を行うこと。

 八 前各号に掲げるものの外、第十二条に掲げる目的を達成するため必要な業務

[②] 日本自転車振興会は、前項第八号に掲げる業務を行おうとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。

[③] 日本自転車振興会は、第一項第七号に掲げる業務のうち第十条第一項第二号の規定による交付金の受領の事務を自転車振興会に委託することができる。

第十二条の十七 日本自転車振興会は、第十条第一項第一号の規定による交付金及び小型自動車競走法第十六条の規定による交付金を、競輪に関する業務に必要な経費に充ててはならない。

第十二条の十八 日本自転車振興会は、業務開始の際、業務の方法を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

[②] 前項の業務の方法には、左の事項を定めておかなければならない。

 一 競輪の審判員及び競輪に出場する選手の検定の方法及び合格基準

 二 選手の出場のあつせんの基準

 三 審判員、選手その他の競輪の実施に必要な者の養成又は訓練の課程、期間、場所及び費用負担の方法

 四 自転車その他の機械に関する事業の振興に必要な資金の融通のための資金の貸付の利率、償還期限及び償還の方法

 五 補助の対象とする自転車その他の機械に関する事業の振興のための事業の選定の基準及び補助の方法

 六 前各号に掲げるものの外、命令で定める事項

第十二条の十九 日本自転車振興会の事業年度は、毎年四月に始まり、翌年三月に終る。

第十二条の二十 日本自転車振興会は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

第十二条の二十一 日本自転車振興会は、資金を借り入れようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。

第十二条の二十二 日本自転車振興会は、左の方法以外の方法によつて業務上の余裕金を運用しようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。

 一 銀行若しくは商工組合中央金庫への預金又は郵便貯金

 二 国債証券、地方債証券、鉄道債券、電信電話債券又は商工債券の保有

第十二条の二十三 日本自転車振興会は、毎事業年度経過後二月以内に、その事業年度の事業報告書、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、通商産業大臣に提出しなければならない。

第十二条の二十四 日本自転車振興会は、通商産業大臣が監督する。

[②] 通商産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、日本自転車振興会に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

第十二条の二十五 日本自転車振興会の解散については、別に法律で定める。

第十三条 競輪施行者及び自転車振興会は、競輪場内の秩序(場外車券売場を設置する場合にあつては、場外車券売場における秩序を、第三条第五項但書の規定により道路を利用して競輪を行う場合にあつては、道路その他競輪の実施に関連する場所における秩序を含む。以下同じ。)を維持し、且つ、競輪の公正及び安全を確保するため、入場者の整理、選手の出場に関する適正な条件の確保、競輪に関する犯罪及び不正の防止その他必要な措置を講じなければならない。

[②] 競輪場の設置者は、その競輪場の位置、構造及び設備を、第三条第四項の命令で定める基準に適合するように維持しなければならない。

[③] 場外車券売場の設置者は、その場外車券売場の位置、構造及び設備を、第四条第二項の命令で定める基準に適合するように維持しなければならない。

第十四条 通商産業大臣は、競輪場内の秩序を維持し、競輪の公正又は安全を確保し、その他この法律の施行を確保するため必要があると認めるときは、競輪施行者、自転車振興会又は競輪場若しくは場外車券売場の設置者に対し、選手の出場又は競輪場若しくは場外車券売場の貸借に関する条件を適正にすべき旨の命令、競輪場又は場外車券売場を修理し、改造し、又は移転すべき旨の命令その他必要な命令をすることができる。

第十五条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度内において、競輪施行者、自転車振興会、日本自転車振興会若しくは競輪場若しくは場外車券売場の設置者に対し、競輪の開催、終了及び会計その他必要な事項について報告を求め、又はその職員に、これらの者の事務所若しくは競輪場若しくは場外車券売場に立ち入り、その状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させることができる。

[②] 前項の規定により立入検査をする場合には、当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

第十六条 通商産業大臣は、競輪施行者がこの法律若しくはこの法律に基く命令若しくはこれらに基く処分に違反し、又はその施行に係る競輪につき公益に反し、若しくは公益に反する虞のある行為をしたときは、当該競輪施行者に対し、競輪の開催を停止し、又は制限すべき旨を命ずることができる。

[②] 通商産業大臣は、自転車振興会若しくは競輪場若しくは場外車券売場の設置者又はその役員が、この法律若しくはこの法律に基く命令若しくはこれらに基く処分に違反し、又はその関係する競輪につき公益に反し、若しくは公益に反する虞のある行為をしたときは、当該自転車振興会又は競輪場若しくは場外車券売場の設置者に対し、その業務を停止し、若しくは制限し、又は当該役員を解任すべき旨を命ずることができる。

[③] 通商産業大臣は、前二項の規定による処分をしようとする場合には、これらの規定に掲げる者に対し、あらかじめ、その旨を通知して、自己に有利な証拠を提出し、弁明する機会を与えなければならない。但し、緊急の必要によりこれらの処分をしようとするときは、この限りでない。

第十六条の二 通商産業大臣は、競輪場又は場外車券売場の設置者が前条第二項の規定による命令に違反したときは、当該競輪場又は場外車券売場の設置の許可を取り消すことができる。

第十七条 通商産業大臣の諮問に応じて、競輪場の設置の許可その他競輪に関する重要事項について調査審議するため、通商産業省に競輪審議会を置く。

[②] 競輪審議会は、会長一人及び委員二十人以内をもつて組織する。

[③] 会長及び委員の任期は、二年とする。但し、補欠の会長及び委員の任期は、前任者の残任期間とする。

[④] 会長及び委員は、再任されることができる。

[⑤] 会長及び委員は、関係行政機関の職員及び学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。

[⑥] 会長は、競輪審議会の会務を総理する。

[⑦] 会長及び委員は、非常勤とする。

[⑧] 前各項に定めるものの外、議事の手続その他競輪審議会の運営に関し必要な事項は、命令で定める。

第十七条の二 通商産業大臣の諮問に応じて、第十条第一項第一号の規定による交付金及び小型自動車競走法第十六条の規定による交付金の運用に関する重要事項について調査審議するため、通商産業省に自転車等機械関係事業振興資金協議会を置く。

[②] 自転車等機械関係事業振興資金協議会は、会長一人及び委員十四人以内をもつて組織する。

[③] 前条第三項から第八項までの規定は、自転車等機械関係事業振興資金協議会に準用する。

第十八条 左の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第一条第四項の規定に違反した者

 二 競輪に関して、勝者投票類似の行為をさせて財産上の利益を図つた者

第十九条 左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第八条各号の一に該当する者であつて当該各号に掲げる競輪に関し前条第二号の違反行為の相手方となつたもの

 二 業として車券の購入の委託を受け、又は財産上の利益を図る目的をもつて不特定多数の者から車券の購入の委託を受けた者

第二十条 左の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。

 一 第八条の規定に違反した者

 二 第十八条第一号の違反行為の相手方となつた者

 三 第八条第三号に該当する者であつて同号に掲げる競輪以外の競輪に関し第十八条第二号の違反行為の相手方となつたもの又は第八条各号に掲げる者以外の者であつて第十八条第二号の違反行為の相手方となつた者

第二十一条 第七条の二又は第八条の規定に違反する行為があつた場合において、その行為をした者がこれらの規定により車券の購入又は譲受を禁止されている者であることを知りながら、その違反行為の相手方となつた者(その相手方が発売者であるときは、その発売に係る行為をした者)は、五万円以下の罰金に処する。

第二十一条の二 第十二条の十七の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第二十二条 左の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。

 一 第十五条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 二 第十五条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第二十二条の二 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前六条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

第二十三条 自転車振興会の役員若しくは職員又は競輪の選手が、その職務又は競走に関して賄ろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。因つて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。

第二十四条 前条に掲げる役員若しくは職員又は選手になろうとする者が、その担当すべき職務又は行うべき競走に関して請託を受けて賄ろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、同条に掲げる役員若しくは職員又は選手となつた場合において、二年以下の懲役に処する。

[②] 前条に掲げる役員若しくは職員又は選手であつた者が、その在職中請託を受けてその職務又は競走に関して不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたことに関して、賄ろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときも、前項と同様とする。

第二十五条 前二条の場合において、収受した賄ろは、これを没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第二十六条 第二十三条又は第二十四条に規定する賄ろを供与し、又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

[②] 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を軽減し、又は免除することができる。

第二十七条 偽計又は威力を用いて競輪の公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

第二十八条 競輪においてその公正を害すべき方法による競走を共謀した者は、二年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第二十九条 左の各号に掲げる違反があつた場合は、その行為をした自転車振興会又は日本自転車振興会の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。

 一 第十一条の三第一項、第十二条の三第二項、第十二条の十六第二項、第十二条の十八第一項又は第十二条の二十から第十二条の二十二までの規定により通商産業大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかつたとき。

 二 第十一条の三第二項又は第十二条の二十三の規定に違反して、事業報告書、財産目録、貸借対照表若しくは損益計算書を提出せず、又は不実の記載をしたこれらの書類を提出したとき。

 三 第十二条の四第一項の規定による政令に違反して、登記することを怠つたとき。

 四 第十二条の十六第一項に掲げる業務以外の業務を行つたとき。

 五 第十二条の二十四第二項の規定による通商産業大臣の命令に違反したとき。

第三十条 第十二条の五の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。

附 則

 この法律は、公布の日から、これを施行する。

別表第一

売上金の額 日本自転車振興会に交付すべき金額
六千万円以上八千万円未満 売上金の額の千分の十。ただし、売上金の額の千分の九百六十が六千万円未満となるときは、当該売上金の額と六千万円との差額の千分の二百五十
八千万円以上一億円未満 売上金の額の千分の十三。ただし、売上金の額の千分の九百四十八が七千六百八十万円未満となるときは、当該売上金の額と七千六百八十万円との差額の千分の二百五十
一億円以上二億円未満 売上金の額の千分の十五。ただし、売上金の額の千分の九百四十が九千四百八十万円未満となるときは、当該売上金の額と九千四百八十万円との差額の千分の二百五十
二億円以上 売上金の額の千分の十七。ただし、売上金の額の千分の九百三十二が一億八千八百万円未満となるときは、当該売上金の額と一億八千八百万円との差額の千分の二百五十

別表第二

売上金の額 金額
四千万円以下 四千万円の千分の六十五
四千万円をこえ九千万円以下 九千万円の千分の六十
九千万円をこえ一億五千万円以下 一億五千万円の千分の五十五
一億五千万円をこえ三億円以下 三億円の千分の五十
三億円をこえ四億円以下 四億円の千分の四十
四億円をこえ六億円以下 六億円の千分の三十
六億円をこえるもの 売上金の額の千分の三十

附 則(自転車競技法の一部を改正する法律(昭和24年法律第217号))

 この法律は、公布の日から施行する。

附 則(地方財政委員会設置法(昭和25年法律第210号))

1 この法律は、公布の日から施行する。

[2~17 略]

附 則(自転車競技法等の一部を改正する法律(昭和27年法律第220号))

1 この法律施行の期日は、公布の日から起算して六箇月をこえない期間内において、政令で定める。

2 自治庁長官は、必要があると認めるときは、この法律施行後六十日以内にこの法律施行の際現に自転車競技法第一条第一項の規定により受けている指定に期限又は条件を附することができる。

3 改正後の自転車競技法第一条第二項及び前項中「自治庁長官」とあるのは、自治庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)が施行されるまでの間は、「地方財政委員会」と読み替えるものとする。

4 この法律施行の際現に自転車競技法第五条の規定により登録されている自転車競走場は、改正後の自転車競技法第三条第一項の許可を受けて設置されたものとみなす。

5 この法律施行の際現に自転車競走場の外部に設置されている勝車投票券の発売又は勝者投票券についての払戻金若しくは返還金の交付の用に供する施設であつて、この法律施行前六箇月以内に自転車競技法第二条の規定によつてした届出に係るものは、この法律施行後六箇月間は、改正後の自転車競技法第四条第一項の許可を受けて設置されたものとみなす。

6 この法律施行前に生じた勝者投票券についての払戻金又は返還金の債権の時効期間については、なお従前の例による。

7 この法律施行の際現に改正前の自転車競技法第十一条第二項の規定により設置されている自転車振興会連合会は、改正後の自転車競技法第十一条第二項の規定により設置されたものとみなす。

8 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附 則(自治庁設置法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律(昭和27年法律第262号))

1 この法律は、自治庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)施行の日から施行する。

[2~5 略]

附 則(通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律(昭和27年法律第276号))

1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。

[2~4 略]

附 則(自転車競技法等の臨時特例に関する法律(昭和29年6月9日法律第169号))

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 第一条及び第四条の規定は、昭和二十九年四月一日以後に開催された自転車競走等の勝者投票券等の売上金について適用する。

3 昭和二十九年四月一日前に開催された自転車競走等の勝者投票券等の売上金については、第一条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 自転車競走等が昭和二十九年三月と同年四月とにまたがつて開催されたときは、当該自転車競走等に係る国庫納付金の金額は、同年三月三十一日までの期間に対応する部分の金額とし、第一条第二項の規定により自転車振興会連合会等に納入すべき金額は、同年四月一日以後の期間に対応する部分の金額とする。

5 この法律は、昭和三十年三月三十一日にその効力を失う。但し、その時までにした行為に対する罰則の適用については、その時以後もなおその効力を有する。

6 この法律失効の際、自転車振興会連合会等に属する第二条第一項の業務に係る資産及び負債は、国に帰属する。

7 自転車競技法の一部を次のように改正する。

  [次のよう略]

8 この法律施行の際、現に存する自転車振興会及び自転車振興会連合会は、この法律施行の日に民法第三十四条の規定により設立される法人となつたものとみなす。

[9~11 略]

附 則(自転車競技法の一部を改正する法律(昭和32年法律第168号))

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和三十二年十月一日から施行する。ただし、附則第三条から第五条まで及び第二十三条の規定は、公布の日から施行する。

第二条 この法律の施行の日の前後にまたがつて開催される競輪については、改正後の第十条の規定を適用する。

 (日本自転車振興会の設立)

第三条 通商産業大臣は、改正後の第十二条の九第一項の例により、日本自転車振興会の会長又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された会長又は監事となるべき者は、日本自転車振興会の成立の時において、この法律の規定によりそれぞれ会長又は監事に任命されたものとする。

第四条 通商産業大臣は、設立委員を命じて、日本自転車振興会の設立に関する事務を処理させる。

第五条 設立委員は、設立の準備を完了したときは、その事務を附則第三条第一項の規定により指名された会長となるべき者に引き継がなければならない。

第六条 附則第三条第一項の規定により指名された会長となるべき者は、前条の事務の引継を受けたときは、政令の定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

第七条 日本自転車振興会は、設立の登記をすることによつて成立する。

第八条 この法律の施行の際現に自転車振興会連合会又は全国小型自動車競走会連合会に属する旧自転車競技法等の臨時特例に関する法律(昭和二十九年法律第百六十九号)第二条第一項の業務に係る財産は、日本自転車振興会が、その成立の時において、承継する。

第九条 自転車振興会連合会は、日本自転車振興会の成立の時において解散し、前条に規定する財産を除くその一切の権利及び義務は、その時において日本自転車振興会が承継する。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。

2 第七条の規定により日本自転車振興会の設立の登記がされたときは、登記官吏は、職権で、自転車振興会連合会の解散の登記をし、その登記用紙を閉鎖しなければならない。

 (経過的措置)

第十条 この法律の施行の際現に改正前の第五条の規定により自転車振興会連合会に登録されている競輪の審判員、競輪に出場する選手並びに競輪に使用する自転車の種類及び規格は、それぞれ改正後の同条の規定により日本自転車振興会に登録されたものとみなす。

第十一条 この法律の施行の際現に自転車振興会の役員の地位にある者の任期は、この法律の施行の日から起算して六月を経過するまでとする。

第十二条 この法律の施行の日の属する事業年度の自転車振興会の事業計画及び収支予算については、改正後の第十一条の三第一項中「毎事業年度の開始前に」とあるのは、「自転車競技法の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第百六十八号)の施行後遅滞なく」とする。

第十三条 日本自転車振興会の成立の日の属する事業年度の事業計画及び収支予算については、改正後の第十二条の二十中「毎事業年度の開始前に」とあるのは、「日本自転車振興会の成立後遅滞なく」とする。

第十四条 日本自転車振興会が附則第八条の規定により承継した自転車振興会連合会又は全国小型自動車競走会連合会の旧自転車競技法等の臨時特例に関する法律第二条第一項の業務に係る財産は、第十二条の十七に規定する交付金とみなして、同条の規定を適用する。

第十五条 日本自転車振興会が附則第八条又は第九条第一項の規定により承継した財産のうちに改正後の第十二条の二十二各号の方法以外の方法によつて余裕金を運用したものがあるときは、この法律の施行の日から六月間は、その運用について同条の認可があつたものとみなす。

第十六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (限時的効力)

第十七条 改正後の第十条第一項第一号及び第十二条の十六第一項第五号から第七号までに規定する事項については、この法律の施行の日から三年を経過する日以後においては、別に法律で定めるところによるものとする。

[第十八条~第二十三条 略]