利用者:正信方

• [昭和天皇：人間宣言]
• [デンツィンガー・シェーンメッツァー資料集]　それの資料集のNo._3352番。
• 校本『どちりなきりしたん』小島幸枝－編、版権所有有。一応メモ留め通しに。自分で容易に読めるように漢字替えしたものです、それで全くは小島さんの編集版権がある本文と同じでは無い。現わしただけである。ここから試訳口語言葉替えする。赦され無かったら撤去も已む無し。

1.頁（ページ）。

1.どちりいな（DOCTRINA）の序（じょ）

2.御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの御在世（ございせ）のあいだ御弟子達（みでしたち）に宣玉（のたま）い教（をし）へ

3.置玉（をきたま）ふ事（こと）の中（内）（なか）に取分（とりはき）汝等（なんだち）に教（をし）へ玉（たま）ふ事（こと）は汝等（なんだち）

4.に教（をし）へける如（ごと）く一切人間（いっさいにんげん）に後生（ごしょう）を扶（たす）かる真（まこと）の道（みち）を

5.道（みち）の真（まこと）の掟（をき）てを広（ひろ）めよとの御事也（をんことなり）。是（これ）また即（すな）わち学者（がくしゃ）

6.達（たち）の宣（の）べ於（をけ）る宣（のたま）ふ如（ごと）く三（みっ）つの儀（ぎ）に極（きは）まる也（なり）。

7.一（ひと）つには信（しん）じ奉（たてまつ）るべき事（こと）。二（ふた）つには頼（たの）もしく存（ぞん）じ

8.奉（たてまつ）るべき事（こと）。三（みっ）つには務（つと）め行（おこ）のうべき身持（みも）ちを以（もっ）て務（つと）む

2.頁（ページ）。

1.べき事（こと）これ也（なり）然（しかる）に信（しん）じ奉（たてまつ）るべき題目事（だいもくこと）と云（い）ふは人智（じんち）に

2.及（をよ）ぶ道理（だうり）の上（うへ）なる儀（ぎ）なれば、＋信仰（Fides）と云（ゆ）ふの善（ぜん）にあたる者也（ものなり）

3.是人間（これにんげん）の分別（ふんべつ）に及（およ）ばぬ事也（ことなり）是等（これら）の事（こと）を知（し）らずば弁（わきま）へ

4.ずんば後生（ごしゃう）の道（みち）に迷（まよ）ふ事夥多（ことおお）かるべし。叉頼（またたのも）しく思（おも）ふ

5.事（こと）とは一般希望（Efperanc,a）と云（ゆ）ふの善（ぜん）に当（あ）たる事也（ことなり）是即（これすなわ）ちキリシタン

6.に天主（Deus）より御約束（をんやくそく）を以（も）ってキリシタンに与（あた）へ玉（たま）ふべき後生（ごしょう）に与（あた）る

7.程（ほど）の使徒（しと）の御約束（をんやくそく）の事也此（ことなりこの）一般希望（Efperanc,a）なくば是等（これら）の儀（ぎ）を

8.知（し）らずんば、難儀（なんぎ）に遭（あう）べき時頼（ときたの）む所無（ところな）しと思（おも）ひて力（ちから）を

3.頁（ページ）。

1.落（お）とす心（こころ）を失（うし）なふ事（こと）もあるべし。是叉（これまた）魂（Anima）の大（おお）きなる障（さは）り也（なり）。

2.さて努（つと）め行（をこ）なふ身持（みも）ちを以（も）って努（つと）むべき事（こと）とは＋御大切愛（Charidade）

3.と云（い）ふ大切（たいせつ）の善（ぜん）に与（あた）る事也（ことなり）。是等（これら）の儀事（ぎこと）を心得（こころえ）ざれば、

4.天主（デウス）の御掟（をんおき）てを度々（たびゝゞ）背（そむ）く事（こと）度々（たびゝゞ）あるべし、是故（これゆえ）に

5.それによって此三（このみっ）つの善（ぜん）はに与（あた）る事（こと）はキリシタンの為（ため）に専（もっぱ）ら

6.なる儀（ぎ）なれば也（なり）懸（かか）るが故（ゆえ）に学者（がくしゃ）と名（な）の得（え）られしたる善人達（ぜんにんたち）は

7.是等（これら）の儀（ぎ）に就（つい）て夥多（あまた）の経（きゃう）を書置玉（かきおきたま）ふ者也（ものなり）。今其（いまそ）

8.の内（うち）よりに肝要（かんよう）なる所（ところ）を選取（えらびと）りて版（はん）に開（ひら）き散（ち）りばめ

4.頁（ページ）。

1.迷（まよ）ひを輝（て）らす鏡（かがみ）を為（な）す者也（ものなり）然（しか）ればキリシタンに後生（ごしょう）の専（もっぱ）

2.らなる事（こと）を後生（ごしょう）の為（ため）に専（もっぱ）らなる事（こと）をキリシタンに教（をし）へん為（ため）に

3.＋会衆（Compa/nhia）の上位者（Superior）の命（めい）を受（う）けて司（つかさ）より此小経（このしょうきょう）を編立（あみた）て

4.小（ちい）さき経（きょう）に備（そな）へ玉（たま）ふ者也（ものなり）：名付（なづ）けて＋ドチリナキリシタン（Doctrina Chrift^u(n)）と云（ゆ）う。

5.是即（これすな）はちキリシタンの教（をし）へと云（ゆ）ふ心也（こころなり）。上下（じょうげ）万民（ばんみん）に

6.容易（たやす）く此旨（このむね）を知（しら）しめんが為（ため）に言葉（ことば）は俗（ぞく）の耳（みみ）に近（ちか）く、

7.儀（ぎ）は天主（Deus）の高（たか）き理（こと）はりを顕（あら）はす天命（てんめい）のそこを極（きは）むる者也（ものなり）。

8.此是（これ）によって理（ことは）りを速（すみや）かに分別（わきま）へんが為（ため）に師弟子（Xi.de.）の問答（もんだう）と

5.頁（ページ）。

1.と為（な）して示（しめ）して連（つら）ぬる者也（ものなり）これされば＋ドチリイナは一切（いっさい）のキリシタン

2.の知恵（ちゑ）の眼（まなこ）を明（あき）らむるを教（をし）へ為（ため）に安心（あんじん）決兆（けっちょう）の一道（いちどう）なれば誰（たれ）[し]も

3.倣（なら）ひ弁（わき）まへ知（し）って、是（これ）を知（し）り分別（わき）まへん事（こと）専要也（せんようなり）然（しか）るに於（を）ひては、

4.迷（まよ）ひの闇（やみ）を逃（のが）れ真（まこと）の道（みち）に光（ひかり）に基（もと）づくべし。

6.頁（ページ）。

目録（もくろく）

• 第一、キリシタンと云（い）ふは何事（なにごと）ぞといふ事（こと）
• 第二、キリシタンの徴（しるし）となる貴（たっと）きクルス（Cruz）の事（こと）
• 第三、我等の父よ（PATER NOSER）の祈り(オラショ)（ORATIO）：主祷文（しゅとうぶん）の事（こと）
• 第四、祝されしマリヤ（Ave Maria）の事（こと）

○尊（たっと）き処女マリヤ（Virgen Maria）のロザイロとて百五十反（ぺん）の祈り（オラショ）の事（こと）

○御喜（をんよろこ）びの観念（くはんねん）五箇条（ごかでう）の事（こと）

○悲（かな）しみの観念（くはんねん）五箇条（ごかでう）の事（こと）

○栄光（GLORIA）の観念（くはんねん）五箇条（ごかでう）の事（こと）

○転葉（ころは）のおらしょの事（こと）

• 第五、救助の女王（Salve Regina）の事（こと）
• 第六、信経（CREDO）ならびに信仰告白（Fides Artigo）の事（こと）
• 第七、天主（DEUS）の御掟（をんをき）て十（とう）の誡め（MADAMENTOS）の事（こと）
• 第八、尊（たっと）き御母（をんはは）聖会衆（SANCTA ECCLESIA）の御掟（ごおき）ての事（こと）
• 第九、七（ななつ）の致命的罪科（モルタルとが）の事（こと）
• 第十、聖会衆（SANCTA ECCLESIA）の七（ななつ）のサカラメント（SACRAMENTO）の事（こと）
• 第十一、此外（このほか）キリシタンに与（あた）る肝要（かんよう）の条々（でうゞゝ）

○慈悲（じひ）の所作（業）（しょさ）

○霊（SPIRITV）にあたる七（ななつ）の事（こと）

○神学上（THEOLOGALES）の有徳（VIRTVdes）と云う三（みつ）の善（ぜん）あり

○枢要徳（CARDINALES）の有徳（VIRTVdes）と云う四（よつ）の善（ぜん）あり

○聖霊（SPIRITV SANCTO）の賜物（dones）とて御与（をんあた）へは七（ななつ）あり

○聖福八端（BENAVENTVRANCAVA YATCV ARI）

○謝（あやま）りの祈り（オラショ）（ORATIO）

FINIS（以上）

○食前（XOCVIEN）の祈り（ORATIO）

○食後（XOCVGONO）の祈り（ORATIO）　

Amen,FINIS（あめん、以上）

7.頁（ページ）。

DAIICHI oooo DOCtrina.どちりいな

1.第一、キリシタンと云ふは何事（なにごと）ぞといふ事（こと）

2.師匠（XIXIO）　キリシタンに成（な）る者（もの）はその教（をし）へ真実（しんじつ）肝要（かんよう）なる旨（むね）を聴聞（ちゃうもん）

3.する事専（こともっぱ）らなればその謂（い）はれを汝能（なんぢよ）く聞（き）くや否（いな）や

4.の御掟（をんおき）ては真実（しんじつ）の御教（をんをし）へなれば、キリシタンに成（な）る者（もの）はその

5.謂（い）はれを聴聞（ちょうもん）する事肝要也（ことかんようなり）その御掟（ごおき）ての事（こと）を聞（きき）れける

6.や。

7.弟子（Dexi.）　御説法（ごせっぽう）の趣向（赴）（おもむ）きの＋公教要理（Catechifmo）を能（よ）く聴聞（ちょうもん）して、天主（Deus）の御（をん）

8.光（ひかり）を蒙（かふむ）りキリシタンに成（な）り奉（たてまつ）るなる者也（ものなり）。

8.頁（ページ）。

1.師（Xi.）　その弁（わきま）へ分別（ふんべつ）せられける事（こと）は如何（いかん）?

2.弟（De.）　分別（ふんべつ）せし事（こと）夥多（おほき）也（なり）。

3.師（Xi.）　その旨（むね）、悉（ことゞゝ）く云（い）ふ云（い）はるゝに及（およ）ばず惟（たゞ）その御分別（ごふんべつ）の

4.程（ほど）を知（し）るために第一（だいいち）肝要（かんよう）の題目（だいもく）を申（もう）されよ。

5.弟（De.）　一（ひとつ）には一物（いちもつ）無（な）き所（ところ）より種無（たねな）くして天地万象（てんちばんしょう）を

6.創造（つくり）あらせ玉（たま）ひふ万（よろず）の作（さく）の物（もの）を思召（おぼしめ）すまゝに御進退（ごしんだい）

7.為（な）さるゝその御作為（ごさくな）されては諸善（しょぜん）万徳（まんどく）の御源（をんみなも）と計（はか）りなき

8.御知恵（をんちゑ）万事（ばんじ）叶（かな）ひ玉（たま）ふ御自由（ごじゆう）自在（じざい）の御主（をんあるじ）御作者（ごさくしゃ）天主（Deus）は御一体（ごいったい）

9.頁（ページ）。

1.のみにして在（ま）します事也（ことなり）。二（ふたつ）には是即（これすなは）ち我等（われら）が現世後生（げんせごしょう）

2.共（とも）に計（はか）らい善悪（ぜんあく）の御返報（ごへんぽう）を正（たゞ）しく与（あた）へ玉（たま）ふ御主也（をんあるじなり）。

3.此御一体（このごいったい）を拝（をが）み尊（たっと）び奉（たてま）らずしては後生（ごせう）の御扶（をたす）けに

4.与（あづか）る事更（ことさら）に無（な）し三（みっつ）には御主（をんあるじ）天主（Deus）は父（Padre）と子（Filho）

5.と聖霊（Spiritu Sancto）ゝ申（もう）し奉（たてまつ）りて個体（Perfona）（英語：Person）は三（みっつ）にて在（まし）ませども

6.実体（Subftantia）と申（もう）す御正体（ごしょうたい）は惟（たゞ）御一体（ごいったい）にて座（まし）ます也（なり）、四（よっつ）には、

7.天主（Deus）の子（Filho）一切人間（いっさいにんげん）の科（とが）を送（おく）り玉（たま）ひ（ローマ5:15-17、11:32）後生（ごしょう）を扶（たすか）る道（みち）を

8.教（をし）へ玉（たま）はん為（ため）に天下（あまくだ）り玉（たま）ひ人間性（Humanidade）とて我等（われら）と等（ひと）しき

10.頁（ページ）。

1.＋魂（Anima）色身（しきしん）を御身（をんみ）に受（う）け合（あ）はせ玉（たま）ひ、夫婦（ふうふ）の交（まじは）り無（な）く尊（たっと）

2.き処女（Virgen）マリヤより実（まこと）の人（ひと）と産（うま）れ玉（たま）ひ遂（つゐ）にクルス（Cruz）に懸（かけ）られ、

3.人（ひと）にて在（ま）します御所（をところ）は死（し）ゝ玉（たま）ふ事（こと）。五（いつつ）には叉此（またこれ）後生（ごしょう）の道（みち）は

4.キリシタンの教（をし）へにのみ御掟（をおき）てにのみに極（きは）まる也（なり）それによりてキリシタン

5.に成（な）らずんば後生（ごしゃう）を助（たす）かる事（こと）あるべからずと分別致（ふんべついた）す事（こと）

6.是也（これなり）。

7.師（Xi.）　人間（にんげん）の事（こと）をば何（なに）と分別（ふんべつ）せられけるぞ?

8.弟（De.）　人間（にんげん）は色身計（しきしんばか）りに非（あら）ず、果（はつ）る事無（ことな）き魂（アニマ）を持（も）つ

11.頁（ページ）。

1.也（なり）。此（この）魂（+Anima）は色身（しきしん）に生命（いのち）を与（あた）へ例（たと）ひ色身（しきしん）は土（つち）

2.灰（はい）に成（な）ると云（い）ふとも此（この）魂（+Anima）は終（を）はる事無（ことな）し惟（たゞ）善悪（ぜんあく）

3.に従（した）がって後生（ごしょう）の苦楽（くらく）に与（あづ）かるもの也（なり）。

4.師（Xi.）　能（よ）く分別（ふんべつ）せられたり、＋公教要理（Catechifmo）と云（ゆ）ふ初（はじめ）の談義（だんぎ）の理（こと）はりより

5.外（ほか）にもキリシタンの知（し）らずして叶（かな）はざる事夥多（ことおほ）き也（なり）。

6.弟（De.）　その儀（ぎ）を受（う）け玉（たま）はざればこそ御教化（ごけうか）に与（あづ）かりたきと存（ぞん）ずるなれ。

7.師（Xi.）　是我等（これわれら）が願（ねご）ふ所也（ところなり）。先（ま）づキリシタンに成（な）らるゝ事（こと）は

8.如何（いか）なる人（ひと）の仕業（しは）ざとか知（し）れるや?

12.頁（ページ）。

1.弟（De.）　天主（Deus）の恩寵（Grac,a）を以（も）ってキリシタンに成（な）る者也（ものなり）。

2.師（Xi.）　天主（Deus）の恩寵（Grac,a）を以（も）ってとは何事（なにごと）ぞや?

3.弟（De.）　その儀未（ぎいま）だ詳細（具体）（つぶさ）ならず、それを細（こま）かに分別（ふんべつ）せず願（ねが）はくは

4.教（をし）へ玉（たま）へかし。

5.師（Xi.）　天主（Deus）の恩寵（Grac,a）を以（も）ってとは我身（わがみ）父母（ちゝはゝ）御作（ごさく）のものゝ

6.力（ちから）に非（あら）ず只（たゞ）天主（Deus）の＋御善（Bondade）と御慈悲（をんじひ）の上（うへ）よりと叉御（またをん）

7.主（あるじ）ゼズ・キリストの御功力（ごくりき）を以（も）ってキリシタンに成（な）る事也（ことなり）。

8.弟（De.）　人々（ひとゞゝ）キリシタンに成（な）らるゝ時（とき）は何（なに）たる位（くらい）を受（う）けらるゝぞ。

13.頁（ページ）。

1.師（Xi.）　＋至善（Benc,an）の子（こ）天主（Deus）の御養子（ごやうし）天（てん）の御譲（をんゆづ）りを受（う）け奉（たてまつ）る身（み）と

2.なる者也（ものなり）、その故（ゆへ）はバウチズモ（+Baptifmo）の御授（をんさづ）けを受（う）け授（さづ）かる

3.人々（ひとゞゝ）を此（この）位（くらゐ）に上玉（あげたま）はんと思召（おぼしめす）によって也（なり）

4.弟（De.）　さてキリシタンに非（あら）ざる人（ひと）は如何（いかん）?

5.師（Xi.）　＋バウチズモ（Baptifmo）を授（さづ）からざるによって御養子（ごようし）と為（な）し玉（たま）はず天（てん）の

6.御譲（をんゆづ）りを受（う）け間敷（まじ）き玉（たま）う者也（ものなり）。

7.弟（De.）　キリシタンとは何事（なにごと）ぞや?

8.師（Xi.）　御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの御教（をおし）へを心中（しんちゅう）より信仰（フィデス）に受（う）くる

14.頁（ページ）。

1.のみならず言葉（ことば）と身持（みも）ちを以（も）って顕（あら）はす人也（ひとなり）。

2.弟（De.）　何（なに）の故（ゆえ）にか御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの御教（をんをし）へを信仰（フィデス）に受（う）け、

3.言葉（ことば）と身持（みも）ちを以（も）って顕（あら）はす人（ひと）とは云（ゆ）ふべき謂（ゆ）はれけるぞや?

4.師（Xi.）　諸々（もろゝゝ）のキリシタン御主（をんあるじ）＋ゼズ・キリストの貴（たっと）き御事（をんこと）を

5.心（こゝろ）より心中（しんじゅう）に信仰（Fides）に受（う）けずして叶（かな）はぬのみならず肝要（かんよう）な時（とき）は

6.死（し）すると云（ゆ）ふとも、言葉（ことば）にも、身持（みも）ちにも顕（あら）はすべきとの覚悟（かくご）ある

7.事専（こともっぱ）ら也（なり）。

8.弟（De.）　キリシタンと云（ゆ）ふは何（なに）を象（かたど）りたる名（な）ぞや?

15.頁（ページ）。

1.師（Xi.）　＋キリストを象（かたど）り奉（たてまつ）りたる名也（ななり）。

2.キリストとは如何（いか）なる御主（をんあるじ）にて在（ま）しますぞや?

3.師（Xi.）　実（まこと）の天主（Deus）真（まこと）の人（ひと）にて在（ま）します也（なり）。

4.弟（De.）　実（まこと）の天主（Deus）にて在（ま）しますとは何事（なにごと）ぞや?

5.師（Xi.）　万事叶（ばんじかな）ひ玉（たま）ふ御親（をんおや）天主（Deus）の真（まこと）の御独子（をんひとりご）

6.にて在（ま）しませばます也（なり）

7.弟（De.）　真（まこと）の人（ひと）にて在（ま）しますとは如何（いかん）

8.師（Xi.）　貴（たっと）き御母（をんはゝ）処女（Virgen）主（Domina）聖（Sancta）マリヤ（Maria）の真（まこと）の御独子（をんひとりご）

16.頁（ページ）。

1.にて在（ま）します也（なり）それによって天主（Deus）にて在（ま）します御所（をんところ）も

2.をひて御母（をんはゝ）を持（も）ち玉（たま）はぬ如（ごと）く人（ひと）にて在（ま）します御所（をんところ）も

3.地（ち）に於（お）いては御父（をんちゝ）を持（も）ち玉（たま）はぬ也（なり）。

4.弟（De.）　何（なに）ゝよってかキリストとは唱（とな）へ奉（たてまつ）るぞ?

5.師（Xi.）　キリストとは貴（たっと）き＋油（Oleo）を塗（ぬ）られ玉（たま）ふと云（ゆ）ふ心也（こゝろなり）

6.その[:父なる]神（かみ）[:יהוהヱホバ?によって（コリント第一15:27,8）]帝王（ていわう）、祭司（Sacerdote）、預言者（Propheta）此三（このみ）さまの人貴（ひとたっと）き[:聖霊の]油（あぶら）

7.油（Oleo）を塗（ぬ）られ玉（たま）ひし也（なり）。御主（をんあるじ）ゼズ・キリスト人（ひと）にて御座（まし）ます

8.御所（をんところ）は帝王（ていわう）の中（なか）の帝王（ていわう）、祭司（Sacerdote）の中（なか）の大祭司（Sacerdote）、

17.頁（ページ）。

1.預言者（Propheta）の中（なか）の預言者（Propheta）にて在（ま）しますによって件（cuda^n）の貴（たっと）き

2.油（Oleo）の代（か）はりに聖霊（Spiritu fancto）の恩寵（Garac,a）を満々（みちゝゝ）て持（も）ち

3.玉（たま）ふが故（ゆへ）によってベアト油注がれた者（Chrifto）と唱（とな）へ奉（たてまつ）る也（なり）。

DAINI CHRISTAN NO XIRVXI TONARV TATTOQI CRVZ NOCOTO.

4.第二、キリシタンの徴（しるし）となる貴（たっと）きクルス（Cruz）の事（こと）

5.師（Xi.）　何（いず）れのキリシタンも我等（われら）が光（ひかり）なる御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの

6.貴（たっと）き御クルス（をんCruz）に対（たい）し奉（たてまつ）りて心（こころ）の及（およ）ぶ程（ほど）の信心（しんじん）を

7.持（も）つべき事専（こともっぱ）ら也（なり）、其故（そのゆ）へは我等（われら）を罪科（とが）より逃（のが）し玉（たま）はん

8.為（ため）に彼（か）のクルス（Cruz）に懸（かゝ）りたく[:全く自発的に、父なる神の命令でも無くっても本当はある（命だ!）けれども]思召（おぼしめ）し玉（たま）ふ者也（ものなり）其（それ）によって我等（われら）

18.頁（ページ）。

1.が上（うへ）にクルス（Cruz）の徴（しるし）を常（つね）に唱（とな）へる事（こと）が肝要也（かんようなり）。クルス（Cruz）の

2.文（もん）は三所（みつところ）に唱（とな）へる也（なり）。一（ひとつ）は額（ひたい）、二（ふたつ）には口（くち）、

3.三（みっつ）には、胸也（むねなり）。

4.弟（De.）　キリシタンの徴（しるし）とは何事（なにごと）ぞや?

5.師（Xi.）　上（うへ）に云（ゆ）いし如（ごと）く貴（たっと）き御（をん）クルス（Cruz）也（なり）

6.其故（そのゆ）へ如何（いかん）

7.師（Xi.）　我等（われら）が御主（をんあるじ）ゼズ・キリストはクルス（Cruz）の上（うへ）にて我等（われら）を自由（じゆう）に為（な）し解脱（げだつ）

8.し玉（たま）へばふによって也（なり）係（かゝ）るが故（ゆへ）に何（いづ）れのキリシタンも我等（われら）が光（ひかり）

19.頁（ページ）。

1.と成（な）る御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの貴（たっと）き御（み）クルス（Cruz）に対（たい）し奉（たてまつ）りて心（こころ）の

2.及（およ）ぶ程信心（ほどしんゞゝ）を持（も）つべき事専（こともっぱ）ら也（なり）我等（われら）を[罪]科（とが）より逃（のが）し

3.玉（たま）はん為（ため）に彼（か）のクルス（Cruz）に懸（かか）りたく思召（おぼしめ）し玉（たま）へば也（なり）。

4.弟（De.）　自由（じゆう）に成（な）し玉（たま）ふ解脱（げだつ）とは何事（なにごと）ぞや?

5.師（Xi.）　堕天使（てんぐ）の捕（とら）はれ人（びと）ゝ成（な）りたる我等（われら）が普代（ふだい）（奴隷で罪に仕えている所の）の所（ところ）を逃（のが）し玉（たま）うに

6.よって也（なり）。ooooooo

7.弟（De.）　何（なに）たる人（ひと）が自由（じゆう）に成（な）るぞ?

8.師（Xi.）　捕（とら）はれ人既（びとすで）に奴隷（やっこ）の身（み）と成（な）りたる者（もの）が自由（じゆう）に成（な）る

20.頁（ページ）。

1.也（なり）。

2.さては我等（われら）は捕（とら）はれ人（びと）と成（な）りたる身（み）か?

3.師（Xi.）　中々（なかゝゝ）捕（とら）はれたる奴隷（やっこ）也（なり）。

4.弟（De.）　捕（とら）はれ人（びと）と成（な）りたる謂（い）はれは如何（いかん）?何（なに）たる者（もの）の奴隷（やっこ）に成（な）りた

5.るや?

6.師（Xi.）　堕天使（てんぐ）と我等（われら）が罪科（とが）の奴隷也（やっこなり）。御主（をんあるじ）の御言葉（みことば）に:

7.罪科（とが）を犯（をか）す者（もの）は堕天使（てんま）（エフェゾ、6:12）の奴隷也（やっこなり）（ヨハネ伝8:34）と宣玉（のたま）ふ也（なり）。

8.然（さ）れば故如何（ゆへいかん）と成（な）れば人（ひと）は致命的罪科（mortalとが）を犯（をか）せば堕天使即（てんぐすな）はち

21.頁（ページ）。

1.其者（そのもの）を進退（しんだい）（ローマ6:16-20）するが故（ゆへ）に奴隷（やっこ）と成（な）りたる者也（ものなり）

2.然（しか）れば、クルス（Crus）に懸（かゝ）り玉（たま）ふ道（みち）を以（も）って定（さだ）め玉（たま）ふバウチズモ（Baptifmo）の

3.授（さづ）けを受（う）けるか叉（また）は告解白（Confessio）のサカラメント（Sacramento）をなりとも受（う）け

4.奉（たてまつ）れば其者（そのもの）に御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの与（あた）へ玉（たま）ふ恩寵（Grac,a）を以（も）って

5.其人（そのひと）の諸々（もろゝゝ）の罪科（とが）を赦（ゆる）し逃（のが）し離（はな）し玉（たま）ふによって其（その）

6.クルス（Cruz）の御功力（ごくりき）を以（も）って御主（をんあるじ）ゼズ・キリストは堕天使（てんま）の奴隷（やっこ）と成（な）り

7.たる所（ところ）を請（う）け返（かへ）し玉（たま）ふと申（まを）す也（なり）。然（さ）れば人（ひと）の奴隷（やっこ）と成（な）り

8.たる者（もの）を請（う）け返（かへ）して解脱（げだつ）自由（じゆう）に為（な）す事（こと）は真（まこと）に深（ふか）き

22.頁（ページ）。

1.柔恩也（ぢうおんなり）、名（な）を叉奴隷（またやっこ）と成（な）したる人（ひと）の辛（つら）さを深（ふか）く思（おも）い知（し）る

2.に於（お）いては今請（いまう）け返（かへ）されたる所（ところ）の音読（をんどく）を能（よ）く分別（わきま）ふべきもの

3.也（なり）。奴隷成（やっこな）りし時（とき）の主人情（しゅじんなさ）けなく在（あ）りたる程請（ほどう）け返（かへ）され

4.たる恩（をん）も深（ふか）きもの也（なり）。然（しか）るに我等（われら）が御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの

5.恩寵（Grac,a）を以（も）って堕天使（てんぐ）の手（て）より罪科人（とがにん）を恩寵（Grac,a）を以（も）って取返（とりかへ）し玉（たま）ひて

6.自由（じゆう）に為（な）し玉（たま）ふ御恩（ごおん）の事（こと）は幾何（いか）ばかりの事（こと）と思（おも）ふや

7.ならんや?

8.キリシタンはクルス（Cruz）の文（もん）を幾様（いくさま）に唱（とな）ふるぞや?

23.頁（ページ）。

1.師（Xi.）　二様（ふたさま）に唱（とな）ふる也（なり）。一（ひとつ）には右（みぎ）の大指（おほゆび）にてクルス（Cruz）の

2.文（もん）を額（ひたひ）と口（くち）と胸（むね）に唱（とな）ゆる也（なり）＋破（Perfinal）れと云（ゆ）ふ、二（ふたつ）

3.には＋好意（Benzer）と云（ゆ）ふ也（なり）。

4.弟（De.）　＋破壊（Perfinal）とは、何事（なにごと）ぞや?

5.師（Xi.）　右（みぎ）の大指（おほゆび）にてクルス（Cruz）の文（もん）を額（ひたひ）と、口（くち）と、胸（むね）に

6.唱（とな）ゆる也（なり）

7.弟（De.）　其三（そのみっつ）の文（もん）を唱（とな）ゆる時（とき）は何（なに）たる事（こと）を申（もう）し上（あぐ）るぞ?

8.師（Xi.）　『ヘル（Per）　シイヌン（fignum）　サンテ（fanctae）　クルシス（Crucis）　デ　イニミシス（de iminicis）　ナフチリス（noftris）　リヘラ　ナフス（libera　nos）

24.頁（ページ）。

1.デウス　ナフステル（Deus　nofter）　』この言葉（ことば）の心（こゝろ）は：「我等（われら）が（の）天主（Deus）、サンクタ　クルス（Sancta　Cruz）

2.の御徴（をんしるし）を以（も）って我等（われら）が敵（てき）を[:より]破逃（やぶれのが）し玉（たま）へ」と唱（とな）ふる也（なり）。

3.と云（ゆ）ふ心也（こころなり）。我等（われら）が（の）天主（Deus）サンタ　クルス（fancta　Curuz）の御徴（をんしるし）を以（も）ってと云（ゆ）ふ、＋ヘル（Per）

4.シイヌン　サンテ（fignum　sanctae）　クルシス（Crucis）の一句（いっく）を唱（とな）へて、額（ひたひ）にクルス（Cruz）を結（むす）ぶ也（なり）。

5.『我等（われら）が敵（てき）を』と云（ゆ）ふ＋デ　イニミシズ　ナフスチリス（De　iminicis　noftris）の一句（いっく）を以（も）ってには口（くち）に

6.クルス（Cruz）を唱（とな）ふる也（なり）。逃（のが）し玉（たま）へと申（もう）す、リヘラ　ナフス（Libera　nos）　デウス　ナフズテル（Deus　nofter）　の

7.一句（いっく）を以（も）ってには胸（むね）にクルス（Cruz）を唱（とな）ふる也（なり）

8.額（ひたひ）と、口（くち）と、胸（むね）と、この三所（みつところ）にクルス（Cruz）を唱（となふ）る事（こと）は

25.頁（ページ）。

1.何（なに）たる子細（しさい）ぞや?

2.師（Xi.）　額（ひたひ）に唱（とな）ゆる事（こと）は天主（Deus）より妄念（まうねん）を除（のぞ）きけ玉（たま）はん為（ため）

3.也（なり）。口（くち）に唱（とな）ゆる事（こと）は悪口（あっこう）妄語（まうご）を口（くち）より逃（のが）し玉（たま）はん

4.為也（ためなり）。叉（また）胸（むね）に唱（とな）ゆる事（こと）は心（こゝろ）より出（いづ）る悪（あ）しき所作（行為）（しょさ）を

5.逃（のが）し玉（たま）はん為（ため）也（なり）。堕天使（てんま）はクルス（Cruz）程怖（ほどおそ）れ奉（たてまつ）る事（こと）

6.無（な）ければ我等（われら）の上（うへ）にクルス（Cruz）の徴（しるし）を常（つね）に唱（とな）ゆる事肝要（ことかんよう）

7.也（なり）。しその故（ゆへ）は堕天使（てんま）は霊者（Spiritu）なれば、如何（いか）なる剣（つるぎ）もとても恐（おそ）るゝ

8.事無（ことな）し：刀剣（たうけん）矛盾（むじゅん）も彼（かれ）に持（も）ちゆる道無（みちな）し。然（しか）れ共（ども）御（をん）

26.頁（ページ）。

1.主（あるじ）ゼズ・キリストクルス（Cruz）の上（うへ）にて死（し）ゝ玉（たま）ふを以（も）って堕天使（てんぐ）彼等（かれら）をば

2.絡（から）め置（お）き玉（たま）ひ、人（ひと）を自由（じゆう）に為（な）し玉（たま）へば、彼（かれ）に近（ちか）づかんとする

3.者（もの）より外（ほか）に仇（あた）を為（な）す事（こと）叶（かな）はぬやうに為（な）し玉（たま）ふが故（ゆへ）に、

4.によって、大（おほ）きにクルス（Cruz）を怖（をそ）れ奉（たてまつ）るもの也（なり）

5.弟（De.）　堕天使（てんぐ）を絡（から）め置（を）き玉（たま）ふに於（を）いては何（なに）とて彼程人（かほどひと）に仇（あた）をば為（な）し

6.けるぞや?

7.師（X）　例（たと）へを以（も）って是（これ）を云（い）へば繋（つな）がれたる虎（とら）、狼（おほかみ）は彼等（かれら）が

8.側（そば）に寄（よ）る者（もの）にのみ食（くら）い付（つ）くが如（ごと）く、御主（をんあるじ）ゼズ・キリストは

27.頁（ページ）。

1.クルス（Cruz）の上（うへ）に於（を）ひて堕落天使（てんぐ）を絡（から）め玉（たま）ふと云（い）へども、をひてより後（のち）は、

2.罪科（とが）を以（も）って彼（かれ）が堕天使（てんぐ）の側（そば）に寄（よ）る者（もの）にのみ仇（あた）を為（な）す也（なり）。

3.何（いづ）れの致命的（mortal）罪科（とが）をなりとも犯（をか）す時（とき）は堕天使（てんぐ）の側（そば）に立寄（たちよ）り、

4.咎（とが）を捨（す）てんとする時（とき）堕天使（てんぐ）の側（そば）より退（しりぞ）く也此等（なりこれら）の

5.事皆（ことみな）クルス（Cruz）の上（うへ）にて死（し）ゝ玉（たま）ふ御主（をんあるじ）ゼズ・キリストの御功力（ごくりき）を

6.以（も）って出来（いでき）たると堕天使（てんぐ）は能（よ）く知（し）りたるによって大（おほ）きにクルス（Cruz）を怖（おそ）るゝ

7.也（なり）。サン・ゼラウニモ（S.Hieronymo）の宣玉（のたま）ふ如（ごと）く曰（いは）く犬（いぬ）は打（うた）れたる杖（つえ）を見（み）て

8.怖（をそ）れて逃（に）ぐる如（ごと）く也（なり）とサン・ゲレガウリヨ（S.Gregoriu）あるジュデヨ（Iudeoni）に付（つゐ）て書（か）き

28.頁（ページ）。

1.宣玉（のたま）ふは：彼（かれ）信仰（Fides）をも持（も）たずクルス（Cruz）をも用（もち）ゐず、却（かへ）って軽（かろ）

2.しむると無（な）いがしろにすると云（い）へども或時（あるとき）夥多（あまた）の堕天使（てんぐ）群（むら）がりたる

3.所（ところ）に入（い）り、－大（おほ）きに怖（をそ）れ仇（あた）を為（な）されじが為（ため）に兼（かね）てより身（み）の

4.上（うへ）にクルス（Cruz）の文（もん）を唱（とな）へければ堕天使悉（てんぐたちま）ち逃去（にげさ）って曰（いは）く

5.信仰（Fides）を持（もた）ざる虚（むな）しきうつけもの也（なり）と云（い）へどもクルス（Cruz）の文（もん）を

6.唱（とな）ふるが故（ゆへ）に、仇（あた）を為（な）す事叶（ことかな）はずと云（い）へり則（すな）はち仇（あた）を為（な）さんと

7.すれども遂（つい）に叶（かな）はざりしと也（なり）。然（しか）れば信仰（Fides）を帯（たい）せざる者（もの）さへ

8.クルス（Cruz）の文（もん）を唱（とな）ふるを以（も）って堕天使（てんぐ）を追払（をひはら）い逃（にが）しけるに、善（よ）き

29.頁（ページ）。

1.キリシタンの上（うへ）に唱（とな）へ奉（たてまつ）らば如何（いかゞ）あるべきぞや?

2.弟（D.）　一（ひとつ）さまのクルス（Cruz）の破（Perfinal）りたると唱（とな）へは分別（ふんべつ）の聴聞（ちょうもん）せり。

3.今一（いまひとつ）の＋好意（Benzer）の唱（とな）へやうを教（をし）へ玉（たま）へ。

4.師（X.）　今一（いまひとつ）には右（みぎ）の手（て）を以（も）って額（ひたひ）より胸迄（むねまで）、左（ひだり）の

5.肩（かた）より右（みぎ）の肩迄（かたまで）、クルス（Cruz）の文（もん）を唱（とな）ふる也（なり）唱（とな）ふる

6.言葉（ことば）には口（くち）にて唱（とな）ゆる文（ぶん）は＋イン　ナウミネ　パアチリス（In　nomine　Patris）、ヱツ　フィリイ（Et　Filij）、ヱト　スピリツ（Et　Spiritus）　サンチ、アメン（Sancti　Amen）。此心（このこころ）は天主（Deus）パアテレ　フィリヨ、スピリツ（Padre　Filho,　Spiritu）

8.サンチ（Sancti）の御名（みな）を以（も）ってと申（もう）す意也（こゝろなり）。＋イン　ナウミネ　パアチリス（In　nomine　Patris）と

30.頁（ページ）

1.唱（とな）ゆる時（とき）は手（て）を額（ひたひ）に指（さ）し、＋ヱツ　フィリイ（Et　Filhij）と申（もう）す時（とき）は、胸（むね）を

2.指（さ）し＋ヱツ　スピリツ（Et　Spiritu）と申（もう）す時（とき）は左（ひだり）の肩（かた）、サンチ（Sancti）と申（もう）す時（とき）は右（みぎ）の

3.肩（かた）に手（て）を指（さ）す遣（や）る也（なり）

• 一応写真制版のどちりなきりしたんがあるのですが、どうも江戸時代の筆記で、解らないところがありますが、A.D.1600年丁度の写真製版があるのでそちらを見ながら小島版のを参照して、第三章のパアテルノーステルをここに忘れ止めの為に文語で書き、口語訳をウィキソースに出したいと思います。慶長五年長崎版、ローマ・カサナンテ図書館蔵です。106.130.55.71 2020年5月17日 (日) 10:37 (UTC)