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公立私立学校認定ニ関スル規則

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文部省令第三十四号

公立私立学校認定ニ関スル規則ヲ定ムルコト左ノ如シ

明治三十二年六月二十八日文部大臣 伯爵樺山資紀

公立私立学校認定ニ関スル規則

第一条 公立私立学校ニシテ徴兵令第十三条又ハ文官任用令第三条ニ関シ官立府県立中学校ト同等以上トシテ文部大臣ノ認定ヲ受ケントスルトキハ公立学校ニ在リテハ其管理者、私立学校ニ在リテハ其学校代表者ニ於テ左ノ事項ヲ記載シタル書類ヲ添ヘ申請スヘシ但特別ノ規定ニ依リ文部大臣ニ開申シ若クハ其認可ヲ得タル事項ハ之ヲ省略スルコトヲ得

一 学校ノ沿革

二 学則

三 学校長、学校長ナキトキハ其学校代表者ノ履歴

四 教員ノ氏名、資格、分担学科及専任兼任ノ区別

五 生徒定員、現在生徒学年及学級別員数

六 卒業生ノ員数及卒業後ノ情況

七 校地、校舎及寄宿舎ノ図面

八 経費及維持ノ方法

九 教科書目録

十 教授用器具、器械及標本目録

特別ノ規定アルモノヲ除ク外学則ニ規定スヘキ事項ニ付テハ明治三十二年文部省令第十四号中学校及高等女学校設置廃止規則第二条ヲ準用ス

第二条 前条ノ申請ニ基キ文部大臣ニ於テ認定ヲ為スヘキ学校ハ其管理及維持ノ方法確実ニシテ所定ノ学科ヲ教授スルニ足ルヘキ相当ノ教員及設備ヲ具ヘ左号ノ一ニ該当スルモノニ限ル

一 専門学校ニ在リテハ其入学者ハ中学校卒業生若ハ明治二十七年文部省令第七号第一条ノ各学科ニ就キ中学校卒業ノ程度ニ依リ入学試験ヲ行ヒ之ニ合格シタル者ニシテ修業年限三箇年以上ノモノ

二 実業学校ニ在リテハ甲種実業学校若ハ之ト同等以上ノ学科程度ヲ具ヘ修業年限三箇年以上ノモノ

三 其他ノ学校ニ在リテハ其学科程度、入学規則、編制及設備等中学校ノ規定ニ準シ且其教員全数ノ三分ノ一以上ハ専任ニシテ中学校ノ教員免許状ヲ有スルモノ

第三条 文部大臣又ハ地方長官ハ必要ト認メタルトキハ主務官吏ヲシテ認定ヲ受ケタル学校ノ入学試験ニ立会ハシメ又ハ入学試験問題及其答按ヲ査閲セシムヘシ

前項ノ場合ニ於テ試験ノ問題又ハ方法中不適当ト認メタルモノアルトキハ当該官吏ハ其変更ヲ命スルコトヲ得

第四条 認定ヲ受ケタル学校ニ於テ学則、生徒定員、校地、校舎及学校維持ノ方法ヲ変更セントスルトキハ公立学校二在リテハ其管理者私立学校二在リテハ其学校代表者ニ於テ文部大臣ノ認可ヲ受クヘシ但特別ノ規定ニ依リ文部大臣ノ認可ヲ受クヘキ事項ニ付テハ各其規定ニ依ルヘシ

学校代表者変更ノ場合ニ於テモ前項ノ規定ニ依ルヘシ

第五条 明治三十二年文部省令第三十三号中学校生徒入退学及表簿ニ関スル規則第七条乃至第十一条ハ認定ヲ受ケタル学校ニ之ヲ準用ス

第六条 認可[1]ヲ受ケタル学校ニ於テ第二条ノ規定ニ該当セサル生徒ヲ入学セシムルトキハ其生徒ニ特別ノ名称ヲ附シ且其学籍簿ヲ別冊トナスヘシ但認定ノ効力ハ本文ノ生徒ニ及ハス

前項ノ生徒ニ関シテハ第五条ノ表簿ヲ便宜省略スルコトヲ得

第七条 認定ヲ受ケタル学校ハ公立学校ニ在リテハ其管理者私立学校ニ在リテハ其学校ノ代表者ニ於テ毎年六月三十日ノ調査ニ依リ翌月中ニ左ノ事項ヲ文部大臣ニ開申スヘシ但特別ノ規定ニ依リ文部大臣ニ開申スヘキ事項ニ付テハ各其規定ニ依ルヘシ

一 学校長及教員ノ氏名、資格、分担学科及専任兼任ノ区別

二 現在生徒学年及学級別員数

三 前学年中ノ卒業生員数及卒業後ノ情況

四 当該学年ニ於ケル入学生徒数

五 当該年度経費予算ノ細目

六 教科書目録

第八条 認定ヲ受ケタル学校ニシテ此規則ニ違背シ又ハ其成績不良ナリト認メタルトキハ文部大臣ハ将来ニ向テ其認定ヲ取消スコトアルヘシ

第九条 此規則ニ依リ文部大臣ニ提出スヘキ書類ハ地方長官ヲ経由スルヲ要ス

地方長官ニ於テ前項ノ書類ヲ受ケタルトキハ其書類及実況ヲ精査シ意見ヲ附シテ進達スヘシ

附則

第十条 本令ハ明治三十二年七月十五日ヨリ施行ス

第十一条 明治二十六年文部省令第十五号ハ本令施行ノ日ヨリ廃止ス

第十二条 本令施行前ニ為シタル認定ハ尚其効力ヲ有ス但本令ニ牴触スル事項アルトキハ当該学校ニ於テ本令施行ノ日ヨリ六箇月内ニ文部大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ修正スヘシ


正誤

昨二十八日文部省令第三十三号第七条中全(﹅)級ハ年(○)級、同第三十四号第六条第一項認可(﹅)ハ認定(○)ノ孰モ誤

文部大臣秘書官


  • 底本中の旧字を新字に改めた。
  • 傍点は括弧を用いて表記した。
  • 脚註:
  1. 正誤の箇所。

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外部リンク

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