供託法(現代語訳)/昭和56年法律第94号

提供:Wikisource

供託法

第一条 法令の規定によって供託する金銭及び有価証券は、法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは法務大臣の指定する出張所が供託所として保管する。

第一条の二 供託所における事務は、法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは出張所に勤務する法務事務官で、法務局又は地方法務局の長が指定する者が供託官として取り扱う。

第一条の三 供託官の処分を不当であると思料する者は、監督法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。

第一条の四 審査請求は、供託所に審査請求書を提出してする。

第一条の五 供託官は、審査請求を理由があると認めるときは、処分を変更してその旨を審査請求人に通知しなければならない。

② 審査請求に理由がないと認めるときは、意見を付して、審査請求書の提出のあった日から五日内に監督法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。

第一条の六 法務局又は地方法務局の長は、審査請求に理由があると思料するときは、供託官に相当の処分を命じなければならない。

第一条の七 行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)第十四条、第十七条、第二十四条、第二十五条第一項ただし書、第三十四条第二項から第六項まで、第四十条第三項から第六項まで及び第四十三条の規定は、供託官の処分に係る審査請求については、適用しない。

第二条 供託所に供託をしようとする者は、法務大臣が定める書式によって供託書を作り、供託物に添えて差し出さなければならない。

第三条 供託金には、命令で定めるところにより、利息を付さなければならない。

第四条 供託所は、供託物を受け取るべき者の請求により、供託の目的たる有価証券の償還金、利息又は配当金を受け取り、供託物に代えて、又はその従としてこれを保管する。ただし、保証金に代えて有価証券を供託した場合にあっては、供託者は、その利息又は配当金の払渡しを請求することができる。

第五条 法務大臣は、法令の規定によって供託する金銭又は有価証券でない物品を保管すべき倉庫営業者又は銀行を指定することができる。

② 倉庫営業者又は銀行は、その営業の部類に属する物でその保管することができる数量に限り、保管する義務を負う。

第六条 倉庫営業者又は銀行に供託をしようとする者は、法務大臣が定める書式により供託書を作り、供託物に添えて交付しなければならない。

第七条 倉庫営業者又は銀行は、第五条第一項の規定による供託物を受け取るべき者に対し、一般に同種の物について請求する保管料を請求することができる。

第八条 供託物の還付を請求する者は、法務大臣の定めるところにより、その権利を証明しなければならない。

② 供託者は、民法第四百九十六条の規定によること、供託が錯誤によるものであること又はその原因が消滅したことを証明しなければ供託物を取り戻すことができない。

第九条 供託者が供託物を受け取る権利を有しない者を指定したときは、その供託は、無効とする。

第十条 供託物を受け取るべき者が反対給付をすべきときは、供託者の書面又は裁判、公正証書その他の公正の書面によりその給付があったことを証明しなければ供託物を受け取ることができない。

第十一条 この法律は、明治三十二年四月一日から施行する。

第十二条 この法律の施行前に供託した金銭には、その施行の月から払渡請求の前月まで第三条の利息を付さなければならない。

第十三条 第四条、第八条及び第十条の規定は、この法律の施行前に供託した物にも適用する。

第十四条 明治二十三年勅令第百四十五号供託規則は、この法律の施行の日から廃止する。

第十五条 昭和五十七年四月一日から昭和六十年三月三十一日まで間の利息は、第三条の規定にかかわらず、これを付さない。

(供託法中改正法律(大正10年法律第69号) )

① この法律の施行の期日は、勅令で定める。

② この法律の施行前にした供託に関し、必要な規定は、勅令で定める。

③ 供託所の所在地外においては、法務総裁は、当分のうち、適当と認める銀行に第一条の規定による供託事務を取り扱わせることができる。[1]

※ これより下の附則は、制定当時から口語であるため、原文のまま記載する。

(法務庁設置に伴う法令の整理に関する法律(昭和22年法律第195号) )

第十七条 この法律は、公布の後六十日を経過した日から、これを施行する。

第十八条 [略]

(法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和24年法律第137号) )

1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。但し、戸籍法第十一条及び第二十八条第一項の改正規定は、昭和二十三年二月十五日から適用する。

[2~4 略]

5 従前の供託法第一条の三又は第一条の七第一項の規定によつてした抗告に関しては、この法律施行後でも、なお従前の例による。

[6~10 略]

(法務府設置法等の一部を改正する法律(昭和27年法律第268号) )

1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。

2 [略]

3 従前の機関及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。

4 この法律の施行前における法務府の各長官、法務総裁官房長、法務府事務官及び法務府教官の在職は、裁判所法第四十一条、第四十二条(判事補の職権の特例等に関する法律第一条第二項において準用する場合を含む。)及び第四十四条、検察庁法第十九条、弁護士法第五条並びに司法書士法第二条の規定の適用については、それぞれ法務省の事務次官、法務事務官及び法務教官の在職とみなす。

5 他の法令中「法務府」とあるのは「法務省」と、「法務総裁」とあるのは「法務大臣」と、「法務府令」とあるのは「法務省令」と、「法務府事務官」とあるのは「法務事務官」と、「法務府教官」とあるのは「法務教官」と、「法務府技官」とあるのは「法務技官」と読み替えるものとする。

[6~8 略]

(行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和37年法律第161号) )

1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。

2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。

4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。

5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。

[7・8 略]

9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

10 [略]

(商業登記法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律(昭和38年法律第126号) )

この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。ただし、第七条中商法第二百十条第四号、第二百八十条ノ四第二項及び第四百九十八条第一項第九号の改正規定は、公布の日から施行する。

(供託法の一部を改正する法律(昭和56年法律第94号) )

この法律は、公布の日から施行する。

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。

原文の著作権・ライセンスは別添タグの通りですが、訳文はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスのもとで利用できます。追加の条件が適用される場合があります。詳細については利用規約を参照してください。

 
  1. 法務府設置法等の一部を改正する法律(昭和27年法律第268号)附則第5項の規定により、本項中「法務総裁」とあるのは、「法務大臣」とされる。