会社計算規則 第二編 会計帳簿
- 第一章 総則(第四条)
- 第二章 資産及び負債
- 第一節 資産及び負債の評価
- 第一款 通則(第五条・第六条)
- 第二款 組織変更等の際の資産及び負債の評価(第七条-第十条)
- 第二節 のれん(第十一条)
- 第三節 株式及び持分に係る特別勘定(第十二条)
- 第一節 資産及び負債の評価
- 第三章 純資産
- 第一節 株式会社の株主資本
- 第一款 株式の交付等(第十三条-第二十一条)
- 第二款 剰余金の配当(第二十二条・第二十三条)
- 第三款 自己株式(第二十四条)
- 第四款 株式会社の資本金等の額の増減(第二十五条-第二十九条)
- 第二節 持分会社の社員資本(第三十条-第三十二条)
- 第三節 組織変更に際しての株主資本及び社員資本(第三十三条・第三十四条)
- 第四節 吸収合併、吸収分割及び株式交換に際しての株主資本及び社員資本
- 第五節 吸収分割会社等の自己株式の処分(第四十条-第四十二条)
- 第六節 設立時の株主資本及び社員資本
- 第七節 評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額(第五十三条・第五十四条)
- 第八節 新株予約権(第五十五条)
- 第一節 株式会社の株主資本
- 第四章 更生計画に基づく行為に係る計算に関する特則(第五十六条)
第一章 総則
[編集]第四条
- 法第四百三十二条第一項及び第六百十五条第一項の規定により会社が作成すべき会計帳簿に付すべき資産、負債及び純資産の価額その他会計帳簿の作成に関する事項(法第四百四十五条第四項及び第五項の規定により法務省令で定めるべき事項を含む。)については、この編の定めるところによる。
- 会計帳簿は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。
第二章 資産及び負債
[編集]第一節 資産及び負債の評価
[編集]第一款 通則
[編集](資産の評価)
- 第五条
- 資産については、この省令又は法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、会計帳簿にその取得価額を付さなければならない。
- 償却すべき資産については、事業年度の末日(事業年度の末日以外の日において評価すべき場合にあっては、その日。以下この編において同じ。)において、相当の償却をしなければならない。
- 次の各号に掲げる資産については、事業年度の末日において当該各号に定める価格を付すべき場合には、当該各号に定める価格を付さなければならない。
- 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い資産(当該資産の時価がその時の取得原価まで回復すると認められるものを除く。) 事業年度の末日における時価
- 二 事業年度の末日において予測することができない減損が生じた資産又は減損損失を認識すべき資産 その時の取得原価から相当の減額をした額
- 取立不能のおそれのある債権については、事業年度の末日においてその時に取り立てることができないと見込まれる額を控除しなければならない。
- 債権については、その取得価額が債権金額と異なる場合その他相当の理由がある場合には、適正な価格を付すことができる。
- 次に掲げる資産については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。
- 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より低い資産
- 二 市場価格のある資産(子会社及び関連会社の株式並びに満期保有目的の債券を除く。)
- 三 前二号に掲げる資産のほか、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な資産
(負債の評価) 第六条
- 負債については、この省令又は法以外の法令に別段の定めがある場合を除き、会計帳簿に債務額を付さなければならない。
- 次に掲げる負債については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。
- 一 次に掲げるもののほか将来の費用又は損失(収益の控除を含む。以下この号において同じ。)の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該事業年度の負担に属する金額を費用又は損失として繰り入れることにより計上すべき引当金(株主等に対して役務を提供する場合において計上すべき引当金を含む。)
- イ 退職給付引当金(使用人が退職した後に当該使用人に退職一時金、退職年金その他これらに類する財産の支給をする場合における事業年度の末日において繰り入れるべき引当金をいう。)
- ロ 返品調整引当金(常時、販売するたな卸資産につき、当該販売の際の価額による買戻しに係る特約を結んでいる場合における事業年度の末日において繰り入れるべき引当金をいう。)
- 二 払込みを受けた金額が債務額と異なる社債
- 三 前二号に掲げる負債のほか、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な負債
- 一 次に掲げるもののほか将来の費用又は損失(収益の控除を含む。以下この号において同じ。)の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該事業年度の負担に属する金額を費用又は損失として繰り入れることにより計上すべき引当金(株主等に対して役務を提供する場合において計上すべき引当金を含む。)
第二款 組織変更等の際の資産及び負債の評価
[編集](組織変更の際の資産及び負債の評価替えの禁止)
- 第七条
- 会社が組織変更をする場合には、当該組織変更をすることを理由にその有する資産及び負債の帳簿価額を変更することはできない。
(組織再編行為の際の資産及び負債の評価)
- 第八条
- 次の各号に掲げる会社は、吸収合併又は吸収分割が当該会社による支配取得に該当する場合その他の吸収型再編対象財産に時価を付すべき場合を除き、吸収型再編対象財産には、当該各号に定める会社における当該吸収合併又は吸収分割の直前の帳簿価額を付さなければならない。
- 一 吸収合併存続会社 吸収合併消滅会社
- 二 吸収分割承継会社 吸収分割会社
- 前項の規定は、新設合併及び新設分割の場合について準用する。
(持分会社の出資請求権)
- 第九条
- 持分会社が組織変更をする場合において、当該持分会社が当該組織変更の直前に持分会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上しているときは、当該組織変更の直前に、当該持分会社は、当該債権を資産として計上しないものと定めたものとみなす。
- 前項の規定は、社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上している持分会社が吸収合併消滅会社又は新設合併消滅会社となる場合について準用する。
(会社以外の法人が会社となる場合における資産及び負債の評価)
- 第十条
- 次に掲げる法律の規定により会社以外の法人が会社となる場合には、当該会社がその有する資産及び負債に付すべき帳簿価額は、他の法令に別段の定めがある場合を除き、当該会社となる直前に当該法人が当該資産及び負債に付していた帳簿価額とする。
第二節 のれん
[編集]第十一条
- 会社は、吸収型再編、新設型再編又は事業の譲受けをする場合において、適正な額ののれんを資産又は負債として計上することができる。
第三節 株式及び持分に係る特別勘定
[編集]第十二条 会社は、吸収分割、株式交換、新設分割、株式移転又は事業の譲渡の対価として株式又は持分を取得する場合において、当該株式又は持分に係る適正な額の特別勘定を負債として計上することができる。
第三章 純資産
[編集]第一節 株式会社の株主資本
[編集]第一款 株式の交付等
[編集](通則)
- 第十三条
- 株式会社がその成立後に行う株式の交付(法第四百四十五条第五項に掲げる行為に際しての株式の交付を除く。)による株式会社の資本金等増加限度額(同条第一項に規定する株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額をいう。以下この節において同じ。)、その他資本剰余金及びその他利益剰余金の額並びに自己株式対価額(第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ロ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号に規定する自己株式の対価の額をいう。以下この章において同じ。)については、この款の定めるところによる。
- 前項に規定する「成立後に行う株式の交付」とは、株式会社がその成立後において行う次に掲げる場合における株式の発行及び自己株式の処分(第八号、第九号、第十二号、第十四号及び第十五号に掲げる場合にあっては、自己株式の処分)をいう。
- 一 法第二編第二章第八節の定めるところにより募集株式を引き受ける者の募集を行う場合
- 二 取得請求権付株式(法第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがあるものに限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合
- 三 取得条項付株式(法第百八条第二項第六号ロに掲げる事項についての定めがあるものに限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合
- 四 全部取得条項付種類株式(当該全部取得条項付種類株式を取得するに際して法第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めをした場合における当該全部取得条項付種類株式に限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合
- 五 株式無償割当てをする場合
- 六 新株予約権の行使があった場合
- 七 取得条項付新株予約権(法第二百三十六条第一項第七号ニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。以下この章において同じ。)の取得をする場合
- 八 単元未満株式売渡請求を受けた場合
- 九 株式会社が当該株式会社の株式を取得したことにより生ずる法第四百六十二条第一項に規定する義務を履行する株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)に対して当該株主から取得した株式に相当する株式を交付すべき場合
- 十 吸収合併後当該株式会社が存続する場合
- 十一 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継をする場合
- 十二 吸収分割により吸収分割会社(株式会社に限る。)が自己株式を吸収分割承継会社に承継させる場合
- 十三 株式交換による他の株式会社の発行済株式の全部の取得をする場合
- 十四 株式交換に際して自己株式を株式交換完全親会社に取得される場合
- 十五 株式移転に際して自己株式を株式移転設立完全親会社に取得される場合
(募集株式を引き受ける者の募集を行う場合)
- 第十四条
- 法第二編第二章第八節の定めるところにより募集株式を引き受ける者の募集を行う場合には、資本金等増加限度額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合(当該募集に際して発行する株式の数を当該募集に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額から第四号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。
- 一 法第二百八条第一項の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)
- イ 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき法第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、法第二百八条第一項の規定により払込みを受けた日)の為替相場に基づき算出された額
- ロ 当該払込みを受けた金銭の額(イに定める額を含む。)により資本金等増加限度額を計算することが適切でない場合 当該金銭の当該払込みをした者における当該払込みの直前の帳簿価額
- 二 法第二百八条第二項の規定により現物出資財産(法第二百七条第一項に規定する現物出資財産をいう。以下この条において同じ。)の給付を受けた場合にあっては、当該現物出資財産の法第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、法第二百八条第二項の規定により給付を受けた日)における価額(次のイ又はロに掲げる場合における現物出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額)
- イ 当該株式会社と当該現物出資財産の給付をした者が共通支配下関係にある場合(当該現物出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該現物出資財産の当該給付をした者における当該給付の直前の帳簿価額
- ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた現物出資財産の価額により資本金等増加限度額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額
- 三 法第百九十九条第一項第五号に掲げる事項として募集株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額
- 四 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額が零以上であるときは、当該額
- イ 当該募集に際して処分する自己株式の帳簿価額
- ロ 第一号及び第二号に掲げる額の合計額から前号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額
- 一 法第二百八条第一項の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)
- 前項に規定する場合には、同項の行為後の次の各号に掲げる額は、同項の行為の直前の当該額に、当該各号に定める額を加えて得た額とする。
- 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額
- イ 前項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額
- ロ 次に掲げる額のうちいずれか少ない額
- (1) 前項第四号に掲げる額
- (2) 前項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零)
- ハ 当該募集に際して処分する自己株式の帳簿価額
- 二 その他利益剰余金の額 前項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額
- 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額
- 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、第一項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額とする。
- 第二項第一号ロに掲げる額は、第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ロ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号の規定の適用については、当該額も、自己株式対価額に含まれるものとみなす。
- 第一項第二号の規定の適用については、現物出資財産について法第百九十九条第一項第二号に掲げる額及び同項第三号に掲げる価額と、当該現物出資財産の帳簿価額(当該出資に係る資本金及び資本準備金の額を含む。)とが同一の額でなければならないと解してはならない。
(株式の取得に伴う株式の発行等をする場合)
- 第十五条
- 次に掲げる場合には、資本金等増加限度額は、零とする。
- 一 取得請求権付株式の取得をする場合
- 二 取得条項付株式の取得をする場合
- 三 全部取得条項付種類株式の取得をする場合
- 前項各号に掲げる場合には、自己株式対価額は、当該各号に掲げる場合において処分する自己株式の帳簿価額とする。
(株式無償割当てをする場合)
- 第十六条
- 株式無償割当てをする場合には、資本金等増加限度額は、零とする。
- 前項に規定する場合には、株式無償割当て後のその他資本剰余金の額は、株式無償割当ての直前の当該額から当該株式無償割当てに際して処分する自己株式の帳簿価額を減じて得た額とする。
- 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、零とする。
(新株予約権の行使があった場合)
- 第十七条
- 新株予約権の行使があった場合には、資本金等増加限度額は、第一号から第三号までに掲げる額の合計額から第四号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合(当該行使に際して発行する株式の数を当該行使に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額から第五号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。
- 一 行使時における当該新株予約権の帳簿価額
- 二 法第二百八十一条第一項に規定する場合又は同条第二項後段に規定する場合におけるこれらの規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)
- イ 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき行使時の為替相場に基づき算出された額
- ロ 当該払込みを受けた金銭の額(イに定める額を含む。)により資本金等増加限度額を計算することが適切でない場合 当該金銭の当該払込みをした者における当該払込みの直前の帳簿価額
- 三 法第二百八十一条第二項前段の規定により現物出資財産(法第二百八十四条第一項に規定する現物出資財産をいう。以下この条において同じ。)の給付を受けた場合にあっては、当該現物出資財産の行使時における価額(次のイ又はロに掲げる場合における現物出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額)
- イ 当該株式会社と当該現物出資財産の給付をした者が共通支配下関係にある場合(当該現物出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該現物出資財産の当該給付をした者における当該給付の直前の帳簿価額
- ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた現物出資財産の価額により資本金等増加限度額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額
- 四 法第二百三十六条第一項第五号に掲げる事項として新株予約権の行使に応じて行う株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額
- 五 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額が零以上であるときは、当該額
- イ 当該行使に際して処分する自己株式の帳簿価額
- ロ 第一号から第三号までに掲げる額の合計額から前号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額
- 前項に規定する場合には、新株予約権の行使後の次の各号に掲げる額は、当該行使の直前の当該額に、当該各号に定める額を加えて得た額とする。
- 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額
- イ 前項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額
- ロ 次に掲げる額のうちいずれか少ない額
- (1) 前項第五号に掲げる額
- (2) 前項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零)
- ハ 当該行使に際して処分する自己株式の帳簿価額
- 二 その他利益剰余金の額 前項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額
- 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額
- 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第一号から第三号までに掲げる額の合計額から同項第四号に掲げる額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額とする。
- 第二項第一号ロに掲げる額は、第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ロ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号の規定の適用については、当該額も、自己株式対価額に含まれるものとみなす。
- 第一項第一号の規定の適用については、新株予約権が募集新株予約権であった場合における当該募集新株予約権についての法第二百三十八条第一項第二号及び第三号に掲げる事項と、第一項第一号の帳簿価額とが同一のものでなければならないと解してはならない。
- 第一項第三号の規定の適用については、現物出資財産について法第二百三十六条第一項第二号及び第三号に掲げる価額と、当該現物出資財産の帳簿価額(当該出資に係る資本金及び資本準備金の額を含む。)とが同一の額でなければならないと解してはならない。
(取得条項付新株予約権の取得をする場合)
- 第十八条
- 取得条項付新株予約権の取得をする場合には、資本金等増加限度額は、第一号に掲げる額から第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に株式発行割合(当該取得に際して発行する株式の数を当該取得に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額から第四号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。
- 一 当該取得時における当該取得条項付新株予約権(当該取得条項付新株予約権が新株予約権付社債(これに準ずるものを含む。以下この号において同じ。)に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債(これに準ずるものを含む。)を含む。以下この項において同じ。)の価額
- 二 当該取得条項付新株予約権の取得と引換えに行う株式の交付に係る費用の額のうち、株式会社が資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額
- 三 株式会社が当該取得条項付新株予約権を取得するのと引換えに交付する財産(当該株式会社の株式を除く。)の帳簿価額(当該財産が社債(自己社債を除く。)又は新株予約権(自己新株予約権を除く。)である場合にあっては、会計帳簿に付すべき額)の合計額
- 四 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額が零以上であるときは、当該額
- イ 当該取得に際して処分する自己株式の帳簿価額
- ロ 第一号に掲げる額から第二号及び前号に掲げる額の合計額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)に自己株式処分割合(一から株式発行割合を減じて得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額
- 前項に規定する場合には、取得条項付新株予約権の取得後の次の各号に掲げる額は、取得条項付新株予約権の取得の直前の当該額に、当該各号に定める額を加えて得た額とする。
- 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額
- イ 前項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額
- ロ 次に掲げる額のうちいずれか少ない額
- (1) 前項第四号に掲げる額
- (2) 前項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に株式発行割合を乗じて得た額(零未満である場合にあっては、零)
- ハ 当該取得に際して処分する自己株式の帳簿価額
- 二 その他利益剰余金の額 前項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額が零未満である場合における当該額に株式発行割合を乗じて得た額
- 一 その他資本剰余金の額 イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額
- 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第一号に掲げる額から同項第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じて得た額に自己株式処分割合を乗じて得た額とする。
- 第二項第一号ロに掲げる額は、第百五十条第二項第八号及び第百五十八条第八号ロ並びに法第四百四十六条第二号並びに第四百六十一条第二項第二号ロ及び第四号の規定の適用については、当該額も、自己株式対価額に含まれるものとみなす。
(単元未満株式売渡請求を受けた場合)
- 第十九条
- 単元未満株式売渡請求を受けた場合には、資本金等増加限度額は、零とする。
- 前項に規定する場合には、単元未満株式売渡請求後のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。
- 一 単元未満株式売渡請求の直前のその他資本剰余金の額
- 二 当該単元未満株式売渡請求に係る代金の額
- 三 当該単元未満株式売渡請求に応じて処分する自己株式の帳簿価額
- 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、単元未満株式売渡請求に係る代金の額とする。
(法第四百六十二条第一項に規定する義務を履行する株主に対して株式を交付すべき場合)
- 第二十条
- 株式会社が当該株式会社の株式を取得したことにより生ずる法第四百六十二条第一項に規定する義務を履行する株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)に対して当該株主から取得した株式に相当する株式を交付すべき場合には、資本金等増加限度額は、零とする。
- 前項に規定する場合には、同項の行為後のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。
- 一 前項の行為の直前のその他資本剰余金の額
- 二 前項の株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)が株式会社に対して支払った金銭の額
- 三 当該交付に際して処分する自己株式の帳簿価額
- 第一項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項の株主(株主と連帯して義務を負う者を含む。)が株式会社に対して支払った金銭の額とする。
(設立時又は成立後の株式の交付に伴う義務が履行された場合)
- 第二十一条
- 次に掲げる義務が履行された場合には、株式会社のその他資本剰余金の額は、当該義務の履行により株式会社に対して支払われた額が増加するものとする。
第二款 剰余金の配当
[編集](法第四百四十五条第四項の規定による準備金の計上)
- 第二十二条
- 株式会社が剰余金の配当をする場合には、剰余金の配当後の資本準備金の額は、当該剰余金の配当の直前の資本準備金の額に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額を加えて得た額とする。
- 一 当該剰余金の配当をする日における準備金の額が当該日における基準資本金額(資本金の額に四分の一を乗じて得た額をいう。以下この条において同じ。)以上である場合 零
- 二 当該剰余金の配当をする日における準備金の額が当該日における基準資本金額未満である場合 イ又はロに掲げる額のうちいずれか少ない額に資本剰余金配当割合(次条第一号イに掲げる額を法第四百四十六条第六号に掲げる額で除して得た割合をいう。)を乗じて得た額
- イ 当該剰余金の配当をする日における準備金計上限度額(基準資本金額から準備金の額を減じて得た額をいう。以下この条において同じ。)
- ロ 法第四百四十六条第六号に掲げる額に十分の一を乗じて得た額
- 株式会社が剰余金の配当をする場合には、剰余金の配当後の利益準備金の額は、当該剰余金の配当の直前の利益準備金の額に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額を加えて得た額とする。
(減少する剰余金の額)
- 第二十三条
- 株式会社が剰余金の配当をする場合には、剰余金の配当後の次の各号に掲げる額は、当該剰余金の配当の直前の当該額から、当該各号に定める額を減じて得た額とする。
第三款 自己株式
[編集]第二十四条
- 株式会社が当該株式会社の株式を取得する場合には、その取得価額を、増加すべき自己株式の額とする。
- 株式会社が自己株式の処分又は消却をする場合には、その帳簿価額を、減少すべき自己株式の額とする。
- 株式会社が自己株式の消却をする場合には、自己株式の消却後のその他資本剰余金の額は、当該自己株式の消却の直前の当該額から当該消却する自己株式の帳簿価額を減じて得た額とする。
第四款 株式会社の資本金等の額の増減
[編集](資本金の額)
- 第二十五条
- 株式会社の資本金の額は、第一款及び第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
- 株式会社の資本金の額は、法第四百四十七条の規定による場合に限り、同条第一項第一号の額に相当する額が減少するものとする。この場合において、次に掲げる場合には、資本金の額が減少するものと解してはならない。
- 一 新株の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
- 二 自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
- 三 会社の吸収合併、吸収分割又は株式交換の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
- 四 設立時発行株式又は募集株式の引受けに係る意思表示その他の株式の発行又は自己株式の処分に係る意思表示が無効とされ、又は取り消された場合
(資本準備金の額)
- 第二十六条
- 株式会社の資本準備金の額は、第一款及び第二款並びに第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
- 株式会社の資本準備金の額は、法第四百四十八条の規定による場合に限り、同条第一項第一号の額(資本準備金に係る額に限る。)に相当する額が減少するものとする。この場合においては、前条第二項後段の規定を準用する。
(その他資本剰余金の額)
- 第二十七条
- 株式会社のその他資本剰余金の額は、第一款及び第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
- 株式会社のその他資本剰余金の額は、前三款及び第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。
- 前項、前三款及び第四節の場合において、これらの規定により減少すべきその他資本剰余金の額の全部又は一部を減少させないこととすることが必要かつ適当であるときは、これらの規定にかかわらず、減少させないことが適当な額については、その他資本剰余金の額を減少させないことができる。
(利益準備金の額)
- 第二十八条
- 株式会社の利益準備金の額は、第二款及び第四節に定めるところのほか、法第四百五十一条の規定により剰余金の額を減少する場合に限り、同条第一項第一号の額(その他利益剰余金に係る額に限る。)に相当する額が増加するものとする。
- 株式会社の利益準備金の額は、法第四百四十八条の規定による場合に限り、同条第一項第一号の額(利益準備金に係る額に限る。)に相当する額が減少するものとする。
(その他利益剰余金の額)
- 第二十九条
- 株式会社のその他利益剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
- 一 法第四百四十八条の規定により準備金の額を減少する場合 同条第一項第一号の額(利益準備金に係る額に限り、同項第二号に規定する場合にあっては、当該額から利益準備金についての同号の額を減じて得た額)に相当する額
- 二 当期純利益金額が生じた場合 当該当期純利益金額
- 三 前二号に掲げるもののほか、その他利益剰余金の額を増加すべき場合 その他利益剰余金の額を増加する額として適切な額
- 株式会社のその他利益剰余金の額は、次項、前三款及び第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。
- 第二十七条第三項の規定により減少すべきその他資本剰余金の額を減少させない額がある場合には、当該減少させない額に対応する額をその他利益剰余金から減少させるものとする
第二節 持分会社の社員資本
[編集](資本金の額)
- 第三十条
- 持分会社の資本金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額の範囲内で持分会社が資本金の額に計上するものと定めた額が増加するものとする。
- 一 社員が出資の履行をした場合(履行をした出資に係る次号の債権が資産として計上されていた場合を除く。) イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額の合計額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)
- イ 当該社員が履行した出資により持分会社に対し払込み又は給付がされた財産(当該財産がロに規定する財産に該当する場合における当該財産を除く。)の価額
- ロ 当該社員が履行した出資により持分会社に対し払込み又は給付がされた財産(当該財産の持分会社における帳簿価額として、当該財産の払込み又は給付をした者における当該払込み又は給付の直前の帳簿価額を付すべき場合における当該財産に限る。)の払込み又は給付をした者における当該払込み又は給付の直前の帳簿価額の合計額
- ハ 当該出資の履行の受領に係る費用の額のうち、持分会社が資本金又は資本剰余金から減ずるべき額と定めた額
- 二 持分会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上することと定めた場合 当該債権の価額
- 三 持分会社が資本剰余金の額の全部又は一部を資本金の額とするものと定めた場合 当該資本剰余金の額
- 一 社員が出資の履行をした場合(履行をした出資に係る次号の債権が資産として計上されていた場合を除く。) イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額の合計額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)
- 持分会社の資本金の額は、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。
- 一 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合(合同会社にあっては、|法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 当該退社する社員の出資につき資本金の額に計上されていた額
- 二 持分会社が社員に対して出資の払戻しをする場合(合同会社にあっては、法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 当該出資の払戻しにより払戻しをする出資の価額の範囲内で、資本金の額から減ずるべき額と定めた額(当該社員の出資につき資本金の額に計上されていた額以下の額に限る。)
- 三 持分会社(合同会社を除く。)が資産として計上している前項第二号の債権を資産として計上しないことと定めた場合 当該債権につき資本金に計上されていた額
- 四 持分会社(合同会社を除く。)が資本金の額の全部又は一部を資本剰余金の額とするものと定めた場合 当該資本剰余金の額とするものと定めた額に相当する額
- 五 損失のてん補に充てる場合(合同会社にあっては、法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 持分会社が資本金の額の範囲内で損失のてん補に充てるものとして定めた額
(資本剰余金の額)
- 第三十一条
- 持分会社の資本剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
- 一 社員が出資の履行をした場合(履行をした出資に係る次号の債権が資産として計上されていた場合を除く。) イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額
- イ 前条第一項第一号イ及びロに掲げる額の合計額からハに掲げる額を減じて得た額
- ロ 当該出資の履行に際して資本金の額に計上した額
- 二 持分会社が社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上することと定めた場合 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額
- イ 前条第一項第二号に定める額
- ロ 当該決定に際して資本金の額に計上した額
- 三 持分会社(合同会社を除く。)が資本金の額の全部又は一部を資本剰余金の額とするものと定めた場合 当該資本剰余金の額とするものと定めた額
- 四 損失のてん補に充てる場合(合同会社にあっては、法第六百二十七条の規定による手続をとった場合に限る。) 持分会社が資本金の額の範囲内で損失のてん補に充てるものとして定めた額
- 五 前各号に掲げるもののほか、資本剰余金の額を増加させることが適切な場合 適切な額
- 一 社員が出資の履行をした場合(履行をした出資に係る次号の債権が資産として計上されていた場合を除く。) イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額
- 持分会社の資本剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。ただし、利益の配当により払い戻した財産の帳簿価額に相当する額は、資本剰余金の額からは控除しないものとする。
- 一 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合 当該退社する社員の出資につき資本剰余金の額に計上されていた額
- 二 持分会社が社員に対して出資の払戻しをする場合 当該出資の払戻しにより払戻しをする出資の価額から当該出資の払戻しをする場合において前条第二項の規定により資本金の額を減少する額を減じて得た額
- 三 持分会社(合同会社を除く。)が資産として計上している前項第二号の債権を資産として計上しないことと定めた場合 当該債権につき資本剰余金に計上されていた額
- 四 持分会社が資本剰余金の額の全部又は一部を資本金の額とするものと定めた場合 当該資本金の額とするものと定めた額に相当する額
- 五 合同会社が第九条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定により資産として計上している前項第二号の債権を資産として計上しないことと定めたものとみなされる場合 当該債権につき資本金及び資本剰余金に計上されていた額
- 六 前各号に掲げるもののほか、資本剰余金の額を減少させることが適切な場合 適切な額
(利益剰余金の額)
- 第三十二条
- 持分会社の利益剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
- 一 当期純利益金額が生じた場合 当該当期純利益金額
- 二 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額(零未満である場合には、零)
- イ 当該持分の払戻しを受けた社員の出資につき資本金及び資本剰余金の額に計上されていた額の合計額
- ロ 当該持分の払戻しにより払い戻した財産の帳簿価額
- 三 前二号に掲げるもののほか、利益剰余金の額を増加させることが適切な場合 適切な額
- 持分会社の利益剰余金の額は、第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が減少するものとする。ただし、出資の払戻しにより払い戻した財産の帳簿価額に相当する額は、利益剰余金の額からは控除しないものとする。
- 一 当期純損失金額が生じた場合 当該当期純損失金額
- 二 持分会社が退社する社員に対して持分の払戻しをする場合 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額(零未満である場合には、零)
- イ 当該持分の払戻しにより払い戻した財産の帳簿価額
- ロ 当該持分の払戻しを受けた社員の出資につき資本金及び資本剰余金の額に計上されていた額の合計額
- 三 社員が出資の履行をする場合(第三十条第一項第一号イ及びロに掲げる額の合計額が零未満である場合に限る。) 当該合計額
- 四 前三号に掲げるもののほか、利益剰余金の額を減少させることが適切な場合 適切な額
第三節 組織変更に際しての株主資本及び社員資本
[編集](組織変更後持分会社の社員資本)
- 第三十三条
- 株式会社が組織変更をする場合には、組織変更後持分会社の次の各号に掲げる額は、当該各号に定める額とする。
- 一 資本金の額 組織変更の直前の株式会社の資本金の額
- 二 資本剰余金の額 イに掲げる額からロ及びハに掲げる額の合計額を減じて得た額
- イ 組織変更の直前の株式会社の資本準備金の額及びその他資本剰余金の額の合計額
- ロ 組織変更をする株式会社が有する自己株式の帳簿価額
- ハ 組織変更をする株式会社の株主に対して交付する組織変更後持分会社の持分以外の財産の帳簿価額(組織変更後持分会社の社債(自己社債を除く。次号ロにおいて同じ。)にあっては、当該社債に付すべき帳簿価額)のうち、株式会社が資本剰余金の額から減ずるべき額と定めた額
- 三 利益剰余金の額 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額
- イ 組織変更の直前の株式会社の利益準備金の額及びその他利益剰余金の額の合計額
- ロ 組織変更をする株式会社の株主に対して交付する組織変更後持分会社の持分以外の財産の帳簿価額(組織変更後持分会社の社債にあっては、当該社債に付すべき帳簿価額)のうち、株式会社が利益剰余金の額から減ずるべき額と定めた額
(組織変更後株式会社の株主資本)
- 第三十四条
- 持分会社が組織変更をする場合には、組織変更後株式会社の次の各号に掲げる額は、当該各号に定める額とする。
- 一 資本金の額 組織変更の直前の持分会社の資本金の額
- 二 資本準備金の額 零
- 三 その他資本剰余金の額 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額
- イ 組織変更の直前の持分会社の資本剰余金の額
- ロ 組織変更をする持分会社の社員に対して交付する組織変更後株式会社の株式以外の財産の帳簿価額(組織変更後株式会社の社債等(自己社債を除く。第五号ロにおいて同じ。)にあっては、当該社債等に付すべき帳簿価額)のうち、組織変更をする持分会社が資本剰余金の額から減ずるべき額と定めた額
- 四 利益準備金の額 零
- 五 その他利益剰余金の額 イに掲げる額からロに掲げる額を減じて得た額
- イ 組織変更の直前の持分会社の利益剰余金の額
- ロ 組織変更をする持分会社の社員に対して交付する組織変更後株式会社の株式以外の財産の帳簿価額(組織変更後株式会社の社債等にあっては、当該社債等に付すべき帳簿価額)のうち、組織変更をする持分会社がその他利益剰余金の額から減ずるべき額と定めた額
第四節 吸収合併、吸収分割及び株式交換に際しての株主資本及び社員資本
[編集]第一款 吸収合併
[編集](吸収型再編対価の全部又は一部が吸収合併存続会社の株式又は持分である場合における吸収合併存続会社の株主資本等の変動額)
- 第三十五条
- 吸収型再編対価の全部又は一部が吸収合併存続会社の株式又は持分である場合には、吸収合併存続会社において変動する株主資本等の総額(次項において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。
- 一 当該吸収合併が支配取得に該当する場合(吸収合併消滅会社による支配取得に該当する場合を除く。) 吸収型再編対価時価又は吸収型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法
- 二 吸収合併存続会社と吸収合併消滅会社が共通支配下関係にある場合 吸収型再編対象財産の吸収合併の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(前号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法)
- 三 前二号に掲げる場合以外の場合 前号に定める方法
- 前項の場合には、吸収合併存続会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、吸収合併存続会社が吸収合併契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金(当該吸収合併存続会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金(当該吸収合併存続会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。
(株主資本等を引き継ぐ場合における吸収合併存続会社の株主資本等の変動額)
- 第三十六条
- 前条の規定にかかわらず、吸収型再編対価の全部が吸収合併存続会社の株式又は持分である場合であって、吸収合併消滅会社における吸収合併の直前の株主資本等を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、吸収合併の直前の吸収合併消滅会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額をそれぞれ当該吸収合併存続会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の変動額とすることができる。ただし、対価自己株式又は先行取得分株式等がある場合にあっては、当該対価自己株式又は当該先行取得分株式等の帳簿価額を吸収合併の直前の吸収合併消滅会社のその他資本剰余金の額から減じて得た額を吸収合併存続会社のその他資本剰余金の変動額とする。
- 吸収型再編対価が存しない場合であって、吸収合併消滅会社における吸収合併の直前の株主資本等を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、吸収合併の直前の吸収合併消滅会社の資本金及び資本剰余金の合計額を当該吸収合併存続会社のその他資本剰余金の変動額とし、吸収合併の直前の利益剰余金の額を当該吸収合併存続会社のその他利益剰余金の変動額とすることができる。ただし、先行取得分株式等がある場合にあっては、当該先行取得分株式等の帳簿価額を吸収合併の直前の吸収合併消滅会社の資本金及び資本剰余金の合計額から減じて得た額を吸収合併存続会社のその他資本剰余金の変動額とする。
第二款 吸収分割
[編集](吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額)
- 第三十七条
- 吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合には、吸収分割承継会社において変動する株主資本等の総額(次項において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。
- 一 当該吸収分割が支配取得に該当する場合(吸収分割会社による支配取得に該当する場合を除く。) 吸収型再編対価時価又は吸収型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法
- 二 前号に掲げる場合以外の場合であって、吸収型再編対象財産に時価を付すべきとき 前号に定める方法
- 三 吸収分割承継会社と吸収分割会社が共通支配下関係にある場合(前号に掲げる場合を除く。) 吸収型再編対象財産の吸収分割の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(第一号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法)
- 四 前三号に掲げる場合以外の場合 前号に定める方法
- 前項の場合には、吸収分割承継会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、吸収分割承継会社が吸収分割契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金(当該吸収分割承継会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金(当該吸収分割承継会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金。次条において同じ。)の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。
(株主資本等を引き継ぐ場合における吸収分割承継会社の株主資本等の変動額)
- 第三十八条
- 前条の規定にかかわらず、分割型吸収分割における吸収型再編対価の全部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合であって、吸収分割会社における吸収分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、分割型吸収分割により変動する吸収分割会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額をそれぞれ当該吸収分割承継会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の変動額とすることができる。ただし、対価自己株式がある場合にあっては、当該対価自己株式の帳簿価額を吸収分割により変動する吸収分割会社のその他資本剰余金の額から減じて得た額を吸収分割承継会社のその他資本剰余金の変動額とする。
- 吸収型再編対価が存しない場合であって、吸収分割会社における吸収分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、吸収分割により変動する吸収分割会社の資本金及び資本剰余金の合計額を当該吸収分割承継会社のその他資本剰余金の変動額とし、吸収分割により変動する吸収分割会社の利益剰余金の額を当該吸収分割承継会社のその他利益剰余金の変動額とすることができる。
- 前二項の場合の吸収分割会社における吸収分割に際しての資本金、資本剰余金又は利益剰余金の額の変更に関しては、法第二編第五章第三節第二款の規定その他の法の規定に従うものとする。
第三款 株式交換
[編集]第三十九条
- 吸収型再編対価の全部又は一部が株式交換完全親会社の株式又は持分である場合には、株式交換完全親会社において変動する株主資本等の総額(以下この条において「株主資本等変動額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法に従い定まる額とする。
- 一 当該株式交換が支配取得に該当する場合(株式交換完全子会社による支配取得に該当する場合を除く。) 吸収型再編対価時価又は株式交換完全子会社の株式の時価を基礎として算定する方法
- 二 株式交換完全親会社と株式交換完全子会社が共通支配下関係にある場合 株式交換完全子会社の財産の株式交換の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(前号に定める方法によるべき部分にあっては、当該方法)
- 三 前二号に掲げる場合以外の場合 前号に定める方法
- 前項の場合には、株式交換完全親会社の資本金及び資本剰余金の増加額は、株主資本等変動額の範囲内で、株式交換完全親会社が株式交換契約の定めに従い定めた額とし、利益剰余金の額は変動しないものとする。ただし、法第七百九十九条(法第八百二条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による手続をとっている場合以外の場合にあっては、株式交換完全親会社の資本金及び資本準備金の増加額は、株主資本等変動額に対価自己株式の帳簿価額を加えて得た額に株式発行割合(当該株式交換に際して発行する株式の数を当該株式の数及び対価自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。)を乗じて得た額から株主資本等変動額まで(株主資本等変動額に対価自己株式の帳簿価額を加えて得た額に株式発行割合を乗じて得た額が株主資本等変動額を上回る場合にあっては、株主資本等変動額)の範囲内で、株式交換完全親会社が株式交換契約の定めに従いそれぞれ定めた額(株式交換完全親会社が持分会社である場合にあっては、株主資本等変動額)とし、当該額の合計額を株主資本等変動額から減じて得た額をその他資本剰余金の変動額とする。
- 前項の規定にかかわらず、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額のうち、対価自己株式の処分により生ずる差損の額をその他資本剰余金(当該株式交換完全親会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金)の減少額とし、その余の額をその他利益剰余金(当該株式交換完全親会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金)の減少額とし、資本金、資本準備金及び利益準備金の額は変動しないものとする。
第五節 吸収分割会社等の自己株式の処分
[編集](吸収分割会社の自己株式の処分)
- 第四十条
- 吸収分割により吸収分割会社(株式会社に限る。)が自己株式を吸収分割承継会社に承継させる場合には、当該吸収分割後の吸収分割会社のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。
- 一 吸収分割の直前の吸収分割会社のその他資本剰余金の額
- 二 吸収分割会社が交付を受ける吸収型再編対価に付すべき帳簿価額のうち、次号の自己株式の対価となるべき部分に係る額
- 三 吸収分割承継会社に承継させる自己株式の帳簿価額
- 前項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第二号に掲げる額とする。
(株式交換完全子会社の自己株式の処分)
- 第四十一条
- 株式交換完全子会社が株式交換に際して自己株式を株式交換完全親会社に取得される場合には、当該株式交換後の株式交換完全子会社のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。
- 一 株式交換の直前の株式交換完全子会社のその他資本剰余金の額
- 二 株式交換完全子会社が交付を受ける吸収型再編対価に付すべき帳簿価額
- 三 株式交換完全親会社に取得させる自己株式の帳簿価額
- 前項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第二号に掲げる額とする。
(株式移転完全子会社の自己株式の処分)
- 第四十二条
- 株式移転完全子会社が株式移転に際して自己株式を株式移転設立完全親会社に取得される場合には、当該株式移転後の株式移転完全子会社のその他資本剰余金の額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額とする。
- 一 株式移転の直前の株式移転完全子会社のその他資本剰余金の額
- 二 株式移転完全子会社が交付を受ける新設型再編対価に付すべき帳簿価額のうち、次号の自己株式の対価となるべき部分に係る額
- 三 株式移転設立完全親会社に取得させる自己株式の帳簿価額
- 前項に規定する場合には、自己株式対価額は、同項第二号に掲げる額とする。
第六節 設立時の株主資本及び社員資本
[編集]第一款 通常の設立
[編集](株式会社の設立時の株主資本)
- 第四十三条
- 法第二十五条第一項各号に掲げる方法により株式会社を設立する場合における株式会社の設立時に行う株式の発行に係る法第四百四十五条第一項に規定する株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。
- 一 法第三十四条第一項又は第六十三条第一項の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)
- イ 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき払込みがあった日の為替相場に基づき算出された金額
- ロ 当該払込みを受けた金銭の額(イに定める額を含む。)により資本金又は資本準備金の額として計上すべき額を計算することが適切でない場合 当該金銭の当該払込みをした者における当該払込みの直前の帳簿価額
- 二 法第三十四条第一項の規定により金銭以外の財産(以下この条において「現物出資財産」という。)の給付を受けた場合にあっては、当該現物出資財産の給付があった日における価額(次のイ又はロに掲げる場合における現物出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額)
- イ 当該株式会社と当該現物出資財産の給付をした者が共通支配下関係となる場合(当該現物出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該現物出資財産の当該給付をした者における当該給付の直前の帳簿価額
- ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた現物出資財産の価額により資本金又は資本準備金の額として計上すべき額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額
- 一 法第三十四条第一項又は第六十三条第一項の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)
- 三 法第三十二条第一項第三号に掲げる事項として、設立に要した費用の額のうち設立に際して資本金又は資本準備金の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額
- 設立(法第二十五条第一項各号に掲げる方法によるものに限る。以下この条において同じ。)時の株式会社のその他資本剰余金の額は、零とする。
- 設立時の株式会社の利益準備金の額は、零とする。
- 設立時の株式会社のその他利益剰余金の額は、零(第一項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から同項第三号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合にあっては、当該額)とする。
- 第一項第二号の規定の適用については、現物出資財産について定款に定めた額と、当該現物出資財産の帳簿価額(当該出資に係る資本金及び資本準備金の額を含む。)とが同一の額でなければならないと解してはならない。
(持分会社の設立時の社員資本)
- 第四十四条
- 持分会社の設立(新設合併及び新設分割による設立を除く。以下この条において同じ。)時の資本金の額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)の範囲内で、社員になろうとする者が定めた額(零以上の額に限る。)とする。
- 一 設立に際して出資の履行として持分会社が払込み又は給付を受けた財産(以下この条において「出資財産」という。)の出資時における価額(次のイ又はロに掲げる場合における出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額)
- イ 当該持分会社と当該出資財産の給付をした者が共通支配下関係となる場合(当該出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該出資財産の当該払込み又は給付をした者における当該払込み又は給付の直前の帳簿価額
- ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた出資財産の価額により資本金又は資本剰余金の額として計上すべき額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額
- 二 設立時の社員になろうとする者が設立に要した費用のうち、設立に際して資本金又は資本剰余金の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額
- 一 設立に際して出資の履行として持分会社が払込み又は給付を受けた財産(以下この条において「出資財産」という。)の出資時における価額(次のイ又はロに掲げる場合における出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額)
- 持分会社の設立時の資本剰余金の額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額とする。
- 一 出資財産の価額
- 二 設立時の資本金の額
- 持分会社の設立時の利益剰余金の額は、零(第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を減じて得た額が零未満である場合にあっては、当該額)とする。
第二款 新設合併
[編集](支配取得に該当する場合における新設合併設立会社の株主資本等)
- 第四十五条
- 新設合併が支配取得に該当する場合には、新設合併設立会社の設立時の株主資本等の総額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める額の合計額(次項において「株主資本等変動額」という。)とする。
- 一 新設合併取得会社に係る部分 当該新設合併取得会社の財産の新設合併の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法に従い定まる額
- 二 新設合併取得会社以外の新設合併消滅会社に係る部分 当該新設合併消滅会社の株主等に交付される新設型再編対価時価又は新設型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法に従い定まる額
- 前項の場合には、当該新設合併設立会社の設立時の資本金及び資本剰余金の額は、株主資本等変動額の範囲内で、新設合併消滅会社が新設合併契約の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は零とする。ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該額を設立時のその他利益剰余金(当該新設合併設立会社が持分会社の場合にあっては、利益剰余金。第四十七条第二項において同じ。)の額とし、資本金、資本剰余金及び利益準備金の額は零とする。
- 前二項の規定にかかわらず、第一項の場合であって、新設合併取得会社の株主等に交付する新設型再編対価の全部が新設合併設立会社の株式又は持分であるときは、新設合併設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める規定を準用してそれぞれ算定される額の合計額とすることができる。
- 一 新設合併取得会社に係る部分 第四十七条
- 二 新設合併取得会社以外の新設合併消滅会社に係る部分 第一項(同項第一号に係る部分を除く。)及び前項
(共通支配下関係にある場合における新設合併設立会社の株主資本等)
- 第四十六条
- 新設合併消滅会社の全部が共通支配下関係にある場合には、新設合併設立会社の設立時の株主資本等の総額は、新設型再編対象財産の新設合併の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(前条第一項第二号に規定する方法によるべき部分にあっては、当該方法)に従い定まる額とする。
- 前項の場合には、新設合併設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める規定を準用してそれぞれ算定される額の合計額とする。
(株主資本等を引き継ぐ場合における新設合併設立会社の株主資本等)
- 第四十七条
- 前条第一項の場合であって、新設型再編対価の全部が新設合併設立会社の株式又は持分であり、かつ、新設合併消滅会社における新設合併の直前の株主資本等を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、新設合併の直前の各新設合併消滅会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額の各合計額をそれぞれ当該新設合併設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額とすることができる。ただし、先行取得分株式等がある場合にあっては、当該先行取得分株式等の帳簿価額を新設合併の直前の各新設合併消滅会社のその他資本剰余金(当該新設合併設立会社が持分会社の場合にあっては、資本剰余金。以下この条において同じ。)の合計額から減じて得た額を新設合併設立会社の設立時のその他資本剰余金の額とする。
- 前項の規定にかかわらず、同項の場合であって、非対価交付消滅会社があるときには、当該非対価交付消滅会社の資本金及び資本剰余金の合計額を当該非対価交付消滅会社のその他資本剰余金の額とみなし、当該非対価交付消滅会社の利益剰余金の額を当該非対価交付消滅会社のその他利益剰余金の額とみなして、同項の規定を適用する。
(その他の場合における新設合併設立会社の株主資本等)
第三款 新設分割
[編集](単独新設分割の場合における新設分割設立会社の株主資本等)
- 第四十九条
- 新設分割設立会社(二以上の会社が新設分割する場合における新設分割設立会社を除く。以下この条及び次条において同じ。)の設立時における株主資本等の総額は、新設型再編対象財産の新設分割会社における新設分割の直前の帳簿価額を基礎として算定する方法(当該新設型再編対象財産に時価を付すべき場合にあっては、新設型再編対価時価又は新設型再編対象財産の時価を基礎として算定する方法)に従い定まる額(次項において「株主資本等変動額」という。)とする。
- 前項の場合には、新設分割設立会社の資本金及び資本剰余金の額は、株主資本等変動額の範囲内で、新設分割会社が新設分割計画の定めに従いそれぞれ定めた額とし、利益剰余金の額は零とする。ただし、株主資本等変動額が零未満の場合には、当該株主資本等変動額をその他利益剰余金(新設分割設立会社が持分会社である場合にあっては、利益剰余金)の額とし、資本金、資本剰余金及び利益準備金の額は零とする。
(株主資本等を引き継ぐ場合における新設分割設立会社の株主資本等)
- 第五十条
- 前条の規定にかかわらず、分割型新設分割の新設型再編対価の全部が新設分割設立会社の株式又は持分である場合であって、新設分割会社における新設分割の直前の株主資本等の全部又は一部を引き継ぐものとして計算することが適切であるときには、分割型新設分割により変動する新設分割会社の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額をそれぞれ新設分割設立会社の設立時の資本金、資本剰余金及び利益剰余金の額とすることができる。
- 前項の場合の新設分割会社における新設分割に際しての資本金、資本剰余金又は利益剰余金の額の変更に関しては、法第二編第五章第三節第二款の規定その他の法の規定に従うものとする。
(共同新設分割の場合における新設分割設立会社の株主資本等)
- 第五十一条
- 二以上の会社が新設分割をする場合には、次に掲げるところに従い、新設分割設立会社の株主資本又は社員資本を計算するものとする。
- 一 仮に各新設分割会社が他の新設分割会社と共同しないで新設分割を行うことによって会社を設立するものとみなして、当該会社(以下この条において「仮会社」という。)の計算を行う。
- 二 各仮会社が新設合併をすることにより設立される会社が新設分割設立会社となるものとみなして、当該新設分割設立会社の計算を行う。
第四款 株式移転
[編集]第五十二条
- 株式移転設立完全親会社の設立時における株主資本の総額は、次の各号に掲げる部分の区分に応じ、当該各号に定める額の合計額(次項において「株主資本変動額」という。)とする。
- 一 当該株式移転が株式移転完全子会社による支配取得に該当する場合における他の株式移転完全子会社に係る部分 当該他の株式移転完全子会社の株主に対して交付する新設型再編対価時価又は当該他の株式移転完全子会社の株式の時価を基礎として算定する方法に従い定まる額
- 二 株式移転完全子会社の全部が共通支配下関係にある場合における当該株式移転完全子会社に係る部分 当該株式移転完全子会社における財産の帳簿価額を基礎として算定する方法(前号に規定する方法によるべき部分にあっては、当該方法)に従い定まる額
- 三 前二号に掲げる部分以外の部分 前号に規定する方法に従い定まる額
- 前項の場合には、当該株式移転設立完全親会社の設立時の資本金及び資本剰余金の額は、株主資本変動額の範囲内で、株式移転完全子会社が株式移転計画の定めに従い定めた額とし、利益剰余金の額は零とする。ただし、株主資本変動額が零未満の場合にあっては、当該額を設立時のその他利益剰余金の額とし、資本金、資本剰余金及び利益準備金の額は零とする。
第七節 評価・換算差額等
[編集](評価・換算差額等又はその他の利益包括累計額)
- 第五十三条
- 次に掲げるものその他資産、負債又は株主資本若しくは社員資本以外のものであっても、純資産の部の項目として計上することが適当であると認められるものは、純資産として計上することができる。
- 一 資産又は負債(デリバティブ取引により生じる正味の資産又は負債を含む。以下この条において同じ。)につき時価を付すものとする場合における当該資産又は負債の評価差額(利益又は損失に計上するもの並びに次号及び第三号に掲げる評価差額を除く。)
- 二 ヘッジ会計を適用する場合におけるヘッジ手段に係る損益又は評価差額
- 三 土地の再評価に関する法律(平成十年法律第三十四号)第七条第一項に規定する再評価差額
(土地再評価差額金を計上している会社を当事者とする組織再編行為等における特則)
- 第五十四条
- 吸収合併若しくは吸収分割又は新設合併若しくは新設分割(以下この項において「合併分割」という。)に際して前条第三号に掲げる再評価差額を計上している土地が吸収型再編対象財産又は新設型再編対象財産(以下この項において「対象財産」という。)に含まれる場合において、当該対象財産につき吸収合併存続会社、吸収分割承継会社、新設合併設立会社又は新設分割設立会社が付すべき帳簿価額を当該合併分割の直前の帳簿価額とすべきときは、当該土地に係る土地の再評価に関する法律の規定による再評価前の帳簿価額を当該土地の帳簿価額とみなして、当該合併分割に係る株主資本等の計算に関する規定を適用する。
- 株式交換又は株式移転(以下この項において「交換移転」という。)に際して前条第三号に掲げる再評価差額を計上している土地が株式交換完全子会社又は株式移転完全子会社(以下この項において「交換移転完全子会社」という。)の資産に含まれる場合において、当該交換移転完全子会社の株式につき株式交換完全親会社又は株式移転設立完全親会社が付すべき帳簿価額を算定の基礎となる交換移転完全子会社の財産の帳簿価額を評価すべき日における当該交換移転完全子会社の資産(自己新株予約権を含む。)に係る帳簿価額から負債(新株予約権に係る義務を含む。)に係る帳簿価額を減じて得た額をもって算定すべきときは、当該土地に係る土地の再評価に関する法律の規定による再評価前の帳簿価額を当該土地の帳簿価額とみなして、当該交換移転に係る株主資本等の計算に関する規定を適用する。
- 事業の譲渡若しくは譲受け又は金銭以外の財産と引換えにする株式又は持分の交付(以下この項において「現物出資等」という。)に際して前条第三号に掲げる再評価差額を計上している土地が現物出資等の対象となる財産(以下この項において「対象財産」という。)に含まれている場合において、当該対象財産につき当該対象財産を取得する者が付すべき帳簿価額を当該現物出資等の直前の帳簿価額とすべきときは、当該土地に係る土地の再評価に関する法律の規定による再評価前の帳簿価額を当該土地の帳簿価額とみなして、当該現物出資等に係る株主資本等の計算に関する規定を適用する。
第八節 新株予約権
[編集]第五十五条
- 株式会社が新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権と引換えにされた金銭の払込みの金額、金銭以外の財産の給付の額又は当該株式会社に対する債権をもってされた相殺の額その他適切な価格を、増加すべき新株予約権の額とする。
- 前項に規定する「株式会社が新株予約権を発行する場合」とは、次に掲げる場合において新株予約権を発行する場合をいう。
- 一 法第二編第三章第二節の定めるところにより募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合
- 二 取得請求権付株式(法第百七条第二項第二号ハ又はニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合
- 三 取得条項付株式(法第百七条第二項第三号ホ又はヘに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合
- 四 全部取得条項付種類株式(当該全部取得条項付種類株式を取得するに際して法第百七十一条第一項第一号ハ又はニに掲げる事項についての定めをした場合における当該全部取得条項付種類株式に限る。)の取得をする場合
- 五 新株予約権無償割当てをする場合
- 六 取得条項付新株予約権(法第二百三十六条第一項第七号ヘ又はトに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合
- 七 吸収合併後当該株式会社が存続する場合
- 八 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継をする場合
- 九 株式交換による他の株式会社の発行済株式の全部の取得をする場合
- 新設合併、新設分割又は株式移転により設立された株式会社が設立に際して新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権についての適切な価格を設立時の新株予約権の額とする。
- 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める額を、減少すべき新株予約権の額とする。
- 一 株式会社が自己新株予約権の消却をする場合 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額
- 二 新株予約権の行使又は消滅があった場合 当該新株予約権の帳簿価額
- 株式会社が当該株式会社の新株予約権を取得する場合には、その取得価額を、増加すべき自己新株予約権の額とする。
- 次の各号に掲げる自己新株予約権(当該新株予約権の帳簿価額を超える価額で取得するものに限る。)については、当該各号に定める価格を付さなければならない。
- 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い自己新株予約権(次号に掲げる自己新株予約権を除く。) イ又はロに掲げる額のうちいずれか高い額
- イ 当該事業年度の末日における時価
- ロ 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額
- 二 処分しないものと認められる自己新株予約権 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額
- 一 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い自己新株予約権(次号に掲げる自己新株予約権を除く。) イ又はロに掲げる額のうちいずれか高い額
- 株式会社が自己新株予約権の処分若しくは消却をする場合又は自己新株予約権の消滅があった場合には、その帳簿価額を、減少すべき自己新株予約権の額とする。
- 第一項及び第三項から前項までの規定は、株式等交付請求権(新株予約権以外の権利であって、当該株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。以下この条において同じ。)について準用する。
- 募集株式を引き受ける者の募集に際して発行する株式又は処分する自己株式が株式等交付請求権の行使によって発行する株式又は処分する自己株式であるときにおける第十四条第一項の規定の適用については、同項中「第一号及び第二号に掲げる額の合計額」とあるのは、「第一号及び第二号に掲げる額の合計額並びに第五十五条第八項に規定する株式等交付請求権の行使時における帳簿価額の合計額」とする。
第四章 更生計画に基づく行為に係る計算に関する特則
[編集]第五十六条
- 更生会社(会社更生法第二条第七項に規定する更生会社をいう。以下この項及び第三項において同じ。)が更生計画(同法第二条第二項に規定する更生計画をいう。以下この項において同じ。)に基づき行う行為についての当該更生会社が計上すべきのれん、純資産その他の計算に関する事項は、この省令の規定にかかわらず、更生計画の定めるところによる。
- 更生計画(会社更生法第二条第二項並びに金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号。以下この条において「更生特例法」という。)第四条第二項及び第百六十九条第二項に規定する更生計画をいう。以下この条において同じ。)において株式会社を設立することを定めた場合(新設合併、新設分割又は株式移転により株式会社を設立することを定めた場合を除く。)には、当該株式会社の設立時ののれん、純資産その他の計算に関する事項は、この省令の規定にかかわらず、更生計画の定めるところによる。
- 更生計画において会社(更生会社を除く。)が更生会社等(更生会社並びに更生特例法第四条第七項に規定する更生協同組織金融機関及び更生特例法第百六十九条第七項に規定する更生会社をいう。次項において同じ)の更生債権者等(会社更生法第二条第十三項並びに更生特例法第四条第十三項及び第百六十九条第十三項に規定する更生債権者等をいう。以下この条において同じ。)に対して吸収合併又は株式交換に際して交付する金銭等を割り当てた場合には、当該更生債権者等に対して交付する金銭等の価格も当該吸収合併又は株式交換に係る吸収型再編対価として考慮するものとする。
- 更生計画において新設合併又は株式移転により設立される会社が更生会社等の更生債権者等に対して新設合併又は株式移転に際して交付する株式、持分又は社債等を割り当てた場合には、当該更生債権者等に対して交付する株式、持分又は社債等の価格も当該新設合併又は株式移転に係る新設型再編対価として考慮するものとする。