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中岡慎太郎全集/論策五 伝 土佐陸援隊隊長心得

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一、半隊司令は 小隊司令に協同し戮力指揮すべきハ不沙汰、若、働の利害に於而見込有之バ好く司令に申談ずべし。万一司令戦歿致候時は此レに代り下知可致。其補欠にハ小頭を申付べき事。
一、平素練兵之仕方ハ此迄用ひ来候和蘭操法ニ随而教ゆべし。其帰着する処は撒兵独戦に有之候間、重兵の姿勢より導ク事順序たるべき事。
一、小隊半隊の司令ハ勿論歩兵測量の法ヲ心懸およそ千歩内外の地ハ速に見切相差候義、肝要に候事。
仮切手
一、何銃壱挺
但タス三つ股玉取共

右は何隊被仰付、入用ニ付受取申処也。尤御道具平常大切ニ取扱、若傷等出来候ハヾ指紙を以、御達仕候。
御用の節は早速返上可仕候。已上

何野何右衛門組
月日
何右衛門 判
一、小隊司令士ハ即チ大隊司令官に差図ヲ不受、働ハ勿論ニ候事。
一、凡、戦場ハ平素之教場と地勢及ビ難易之異ナル事夥多ナレバ、其地勢ニ応じ務而活撥に指揮し敏捷に働く便事を要すべし。小隊半隊令士決而自己の働ヲ心懸べからず只管部下の働に注意指揮すべき事。
一、部下違法之者あらバ其情実を極め軍監或ハ大隊司令に達すべし。有功亦同断たるべき事。

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。