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中岡慎太郎全集/文久元年2月27日付仙頭勘右衛門宛

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 先日は私義差出ニ付、御訪来之節
 よんどころなく御無音仕候失敬之事。
一筆啓上仕候。春暖之砌、先以被斎聖成御観坐賀候。
扨は、私など師匠間崎哲馬義、此節借賦等出来、至極気之毒、且御国之人才を見すけがす義、甚以堪がたく右ニ付、私や吉村虎太郎やが世話を以、衆義講相催東西懸組相談相懸候処、六百匁懸多十七八人位出来居候処、是非共廿人ニ足リ不申てハ事たらず、然ニ最早来月指入之ころハ一会相立申心得ニ而候得共、右申都合、其ニ付此度吉村虎太カ私カ之内罷出御相談可申筈ニ而候得共、無拠取紛、以書中御相談申候。何卒勘八君と御両所様ハ何分御加リ被仰付度、返すも虎太よりも頻ニ申候事ニ而候。
もし又御両所様どふ(ぞ)工面御坐候て一トロハ御両所様あはせ、是非共奉願候。右急々御示談之上、御返書奉願候。どふぞ色よき御返事を待、先は取急右奉御意度。匇々謹言

二月廿七日
勘右門様
光拝

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。