上告審手続きに関する特例法
上告審手続きに関する特例法
[編集]第1条(目的)この法律は,上告審手続きに関する特例を規定することにより,最高裁判所が法律審としての機能を効率的に遂行し,法律関係を迅速に確定することを目的とする。 [全文改正 2009.11.2.]
第2条(適用範囲)この法律は,民事訴訟,家事訴訟及び行政訴訟(「特許法」第9章及びこれを準用する規定による訴訟を含む。以下同じ)の上告事件に適用する。 [全文改正 2009.11.2.]
第3条(「民事訴訟法」 適用の排除)「民事訴訟法」の規定(他法により準用する場合を含む)が本法の規定に牴触するときは,本法による。 [全文改正 2009.11.2.]
第4条(審理の不続行)① 最高裁判所は,上告理由に関する主張が次の各号のいずれか一の事由を事由を含まないと認めるときは,これ以上審理をせず,判決で上告を棄却する。
- 1. 原審判決が憲法に違反し,又は憲法を不当に解釈したとき
- 2. 原審判決が命令・規則又は処分の法律違反与否について不当に判断したとき
- 3. 原審判決が法律ㆍ命令・規則又は処分について最高裁判所判例と相反して解釈したとき
- 4. 法律ㆍ命令・規則又は処分に対する解釈について,最高裁判所判例がなく,又は最高裁判所判例を変更する必要があるとき
- 5. 第1号から第4号までの規定以外に重大な法令違反に関する事項があるとき
- 6. 「民事訴訟法」 第424条第1項第1号から第5号までに規定する事由があるとき
② 仮差押え委及び仮処分に関する判決については,上告理由に関する主張が第1項第1号から第3号までに規定する事由を含まないと認められるときは,第1項の例による。
③ 上告理由に関する主張が第1項各号の事由(仮差押え及び仮処分に関する判決の場合においては,第1項第1号から第3号までに規定する事由)を含む場合においても,次の各号のいずれか一該当するときは,第1項の例による。
- 1. その主張自体として見て,理由がないとき
- 2. 原審判決に関係がなく,又は原審判決に影響を及ぼさないとき [全文改正 2009.11.2.]
第5条(判決の特例)① 第4条及び「民事訴訟法」第429条本文による判決には,理由を記載しないことができる。
② 第1項の判決は,言渡しが必要なく,上告人に送達されることによりその効力が生ずる。
③ 第1項の判決は,その原本を裁判所書記官,裁判所事務官,裁判所主事又は裁判所主事補(以下「裁判所事務官等」と言う)に交付し,裁判所事務官等は,直ちにこれを受けた日時を合わせて記載し,押印した後当事者に送達しなければならない。[全文改正 2009.11.2.]
第6条(特例の制限)① 第4条及び第5条は,「裁判所組織法」第7条第1項但書きにより裁判する場合にのみ適用する。
② 原審裁判所から上告記録を受けた日から4箇月以内に第5条による判決の原本が裁判所事務官等に交付されなかったときは,第4条及び第5条を適用しない。 [全文改正 2009.11.2.]
第7条(再抗告及び特別抗告への準用)民事訴訟,家事訴訟及び行政訴訟の再抗告及び特別抗告事件には,第3条,第4条第2項・第3項,第5条第1項・第3項及び第6条を準用する。 [全文改正 2009.11.2.]
附則 <1994.7.27.>
[編集]①(施行日)この法律は,1994年9月1日から施行する。但し,特許法第9章の規定及びこれを準用する規定による訴訟の上告・再抗告及び特別抗告事件については,1998年3月1にちから施行する。
②(経過措置)この法律の施行前において上告状・再抗告状及び特別抗告状が提出された事件については,従前の例による。
③(他法の改正)民事訴訟法中,次の通り改正する。 第184条但書きを次の通り改める。
但し,控訴審及び上告審においては,記録の送付を受けた日から5月内に行う。
附則 <2002.1.26.> (民事訴訟法)
[編集]第1条(施行日)この法律は,2002年7月1日から施行する。
第2条 ないし 第5条 省略
第6条(他法の改正)① ないし ⑪ 省略
⑫上告審手続きに関する特例法中,次の通り改正する。
第4条第1項第6号中,「民事訴訟法第394条第1項第1号ないし第5号」を「民事訴訟法第424条第1項第1号ないし第5号」と改める。
第5条第1項中,「民事訴訟法第399条本文」を「民事訴訟法第429条本文」と改める。
⑬ ないし ㉙ 省略
第7条 省略
附則 <2009.11.2.>
[編集]この法律は,公布の日に施行する。
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