ルカに因る聖福音 2

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ルカに因る聖福音 2

第一四章[編集]

イイスス安息日スボタひとりつかさなるファリセイのいへりて、ぱんくらふことありしに、人々ひとびとかれうかがへり。

ここ水腫病すゐきめるひとかれまへてるあり。

イイスス律法りつぱふおよびファリセイひてへり、安息日スボタいやほどこすはよろしきか。

かれもくねんたり。かれそのひとれて、これいやして、らしめたり。

またかれへり、なんぢうちたれうさぎうまあるひうしおちいることあらんに、安息スボタにもただちこれいださざらんか。

かれこれこたふるあたはざりき。

まねかれたるものしゅえらべるをて、たとへまうけてかれへり、

なんぢひとよりこんえんまねかれんときしゅするなかれ、おそらくはなんぢよりたふとものまねかるるありて、

なんぢかれとをまねきしものきたりて、なんぢはん、ひとゆづれと、そのときなんぢ羞ぢて、まつかん。

一〇 すなはちまねかれんとききてまつせよ、なんぢまねきしものきたらんときなんぢに、ともよ、じゃうすすめとはんためなり、そのときなんぢどうせきしゃまへおいさかえあらん。

一一 けだしおよみづかたかくするものひくくせられ、みづかひくくするものたかくせられん。

一二 またかれまねきしものへり、なんぢさんあるひばんさんまうくるときなんぢほういうをも、きゃうだいをも、親戚しんせきをも、めるとなりをも、まねなかれ、おそらくはかれまたなんぢまねきて、なんぢむくひけん。

一三 すなはちえんまうくるとき貧乏まづしきもの廃疾かたは跛者あしなへ瞽者めしひまねけ、

一四 しからばかれなんぢむくゆるあたはざるにりて、なんぢさいはひなり、しゃふくくわつときなんぢむくひんとすればなり。

一五 かれともせきせる一人いちにんこれきて、かれへり、かみくにおいぱんくらはんものさいはひなり。

一六 かれこれへり、あるひとおほいなるばんさんまうけて、おほくのものまねきたり。

一七 ばんさんときおよび、そのぼくつかはして、まねかれたるものへり、きたれ、けだし一切いっさいすでそなはれり。

一八 かれみなおなじくしたり。だいいちものへり、われでんひたり、きてこれんことをえうす、ふ、するをゆるせ。

一九 ものへりわれうしいつつがひひたり、これこころみんためく、ふ、するをゆるせ。

二〇 またものへり、われつまめとりたり、ゆゑきたあたはず。

二一 そのぼくかへりて、これしゅげたれば、しゅいかりて、そのぼくへり、すみやかまちちまたこうぢとにでて、貧乏まづしきもの廃疾かたは跛者あしなへ瞽者めしひここきたれ。

二二 ぼくへり、しゅよ、なんぢめいぜしごとおこなひたれども、なほあまれるあり。

二三 しゅぼくへり、道路みちおよ藩籬まがきあひだでて、らんことをせっとくして、いへたしめよ。

二四 けだしわれなんぢぐ、かれまねかれたるひとは、ひとりばんさんめざらん。けだしされたるものおほけれども、えらばれたるものすくなし。

二五 おほくのたみかれともけるに、かれかへりみて、これへり、

二六 ひとわれきたりて、そのさいきゃうだいまいまたおのれ生命いのちをもにくまずば、もんるをず。

二七 おのれじふになひて、われしたがはざるものも、またもんるをず。

二八 けだしなんぢうちたれたふてんとほっして、して、そのきんこれすにれるかをはからざらん。

二九 おそらくはそのもとゐきて、ふることあたはずば、ものみなかれあざわらひてはん。

三〇 ひとはじめて、ふることあたはざりきと。

三一 あるひいづれのわうでて、わうたたかはんに、まづして、いちまんもっまんひきゐてきたむるものてきするをるかをはからざらん。

三二 しからずば、てきなほとほときかれ使つかひつかはして、はん。

三三 くのごとなんぢうちおよそのてるところてざるものは、もんるをず。

三四 しほものなり、しかれどもしほそのあぢうしなはば、なにもっこれしほはゆくせん、

三五 にも肥料こやしにもよろしからず、ただこれそとつ。みみありてくをものくべし。

第一五章[編集]

ぜいおよ罪人ざいにんはイイススにかんために、みなかれちかづけり。

ファリセイがくこれうらみてへり、かれ罪人ざいにんれて、これともしょくす。

かれたとへまうけてかれへり、

なんぢうちなんぴとか、いっぴゃくひつじありて、そのひとつうしはば、きうじふきうき、きて、うしなはれしものるにいたるまでこれたづねざらんや、

これて、よろこびておのれかたになひ、

いへかへりて、そのともおよとなりあつめて、かれはん、われともよろこべ、けだしわれうしなはれしひつじたりと。

われなんぢぐ、くのごとてんにはひとりあらたむる罪人ざいにんためよろこびは、くわいかいえうせざるきうじふきうじんためよろこびまさらん。

あるひいづれをんなか、きんせんじふまいありて、そのいちまいうしはば、ともしびともし、しつはらひ、るにいたるまで、つとめてたづねざらんや、

これて、そのともおよとなりあつめてはん、われともよろこべ、けだしわれうしひしきんせんたりと。

一〇 われなんぢぐ、くのごとかみ使つかひまへには、ひとりあらたむる罪人ざいにんためよろこびあり。

一一 またへり、あるひとふたりあり、

一二 そのちちへり、ちちよ、べきさんげふぶんわれあたへよ、ちちそのさんげふかれわかてり。

一三 いくざるに、そのたるものことごとあつめて、とほたびおこなひし、彼處かしこ放蕩はうたうせいくわつして、そのさんげふむだづかひせり。

一四 ことごとつひやししにおよびて、そのおほいなるきんおこり、かれはじめてとぼしきをおぼえたり。

一五 すなはちきて、そのぢゅうみんひとりせたれば、そのひとかれつかはしてぶたはしめたり。

一六 かれぶたくら豆莢まめがらもって、そのはらたさんとほっしたれども、かれあたふるものなかりき。

一七 つひみづかかへりみてへり、ちちには幾何いくばくかのやとひびとかてあまれるあるに、われゑてほろぶ。

一八 ちて、ちちきて、これはん、ちちよ、われてんおよなんぢまへつみたり、

一九 すでなんぢとなへらるるにへず、われなんぢやとひびとひとりごとせと。

二〇 すなはちちて、そのちちけり。なほとほりしときそのちちかれあはれみ、はしすすみて、そのくびいだきて、かれ接吻せっぷんせり。

二一 これへり、ちちよ、われてんおよなんぢまへつみたり、すでなんぢとなへらるるにへず。

二二 しかれどもちちそのしょぼくへり、もっとうるはしきころもいだして、かれせよ、ゆびそのに、くつそのあしほどこせ。

二三 かつえたるこうしきて、これほふれ、われくらたのしまん。

二四 けだししてまたき、うしはれてまたられたり。ここおいかれたのしめり。

二五 たまたまそのちゃうりしが、かへりて、いへちかづけるときがくまひとをきたれば、

二六 ひとりぼくびて、なにごとぞとひしに、

二七 かれへり、なんぢおとうときたりしなり、なんぢちちは、そのつつがなくしてかれたるにりて、えたるこうしほふりたり。

二八 ちゃういかりて、るをほっせざりき。そのちちでて、かれすすめしに、

二九 かれちちこたへてへり、よ、われねんなんぢつかへて、いまかつなんぢめいたがはざれども、なんぢいまかつ小山羊こやぎわれあたへて、われともともたのしましめざりき。

三〇 しかるになんぢあそびめともなんぢさんげふつひやししものきたたりしときは、なんぢかれためえたるこうしほふれり。

三一 ちちかれへり、よ、なんぢつねわれともり、われぞくするものみななんぢぞくす。

三二 ただなんぢおとうとしてまたき、うしはれて、またられたるがゆゑに、われよろこたのしむべきなり。

第一六章[編集]

イイススまたそのもんへり、あるめるひとくわんしゃありて、そのしゅさんげふつひやすとかれうったへられたり。

しゅかれびてへり、なんぢきてことなんぞや、くわんほうこくいだせ、けだしなんぢなほくわんするをず。

くわんしゃこころへり、しゅわれよりくわんしょくうばふ、われなにさんか、くにはちからなく、ふはづ。

われすべきことる、くわんしょくかれんとき人々ひとびとわれそのいへけしめんためなりと。

すなはちそのしゅさいしゃいちいちびて、そのだいいちものへり、なんぢしゅふこと幾何いくばくぞ。

へり、あぶらひゃくなり。かれへり、なんぢてがたり、すみやかして、じふけ。

つぎものへり、なんぢふこと幾何いくばくぞ。へり、むぎひゃくこくなり。かれふ、なんぢてがたりて、はちじふけ。

しゅなるくわんしゃめたり、そのししことたくみなるがゆゑなり、けだししょは、そのぞくるゐおいて、ひかりしょくらぶればさらたくみなり。

われなんぢぐ、たからもって、おのれためとももとめよ、なんぢとぼしからんときかれなんぢ永遠えいゑんすまひけんためなり。

一〇 すくなことおいちゅうなるものは、おほことおいてもちゅうなり、すくなことおいなるものは、おほことおいてもなり。

一一 ゆゑなんぢたからおいちゅうならずば、たれなんぢまことたからたくせん。

一二 ぞくするものちゅうならずば、たれなんぢぞくするものなんぢあたへん。

一三 ぼく二人ふたりしゅつかふるあたはず、けだしあるひこれにくみ、かれあいし、あるひこれおもんじて、かれかろんぜん。なんぢかみたからとにつかふるあたはず。

一四 このむファリセイことごとこれき、しかうしてかれあざわらへり。

一五 かれこれへり、なんぢ人々ひとびとまへおのれす、しかれどもかみなんぢこころれり、けだし人々ひとびとうちたかしとすることは、かみまへにくむべきなり。

一六 律法りつぱふげんしゃとはイオアンにいたりてとどまれり、そのときよりかみくにふくいんせられ、人々ひとびとちからもちゐてこれすすむ。

一七 しかれどもてんはいするは、律法りつぱふいっくわくくるにくらぶれば、さらやすし。

一八 およそのつまいだして、めとものは、かんいんおこなふなり、おっといだされたるをんなめとものも、またかんいんおこなふなり。

一九 めるひとあり、むらさきうはぎほそきぬのとを日々ひびおごたのしめり。

二〇 またまづしきものラザリとづくるあり、ぜんしんしゅもつみて、めるひともんし、

二一 そのしょくたくよりつるくづもって、はらたさんとほっせり、いぬきたりて、そのしゅもつねぶれり。

二二 まづしきものして、てん使りてアウラアムのふところおくられ、めるものしてはうむられたり。

二三 地獄ぢごくくるしみうちりて、かれそのげて、はるかにアウラアムおよそのふところるラザリをたり。

二四 すなはちびてへり、ちちアウラアムよ、われあはれみ、ラザリをつかはして、そのゆびさきみづひたして、したひやさしめよ、けだしわれほのほうちくるしむ。

二五 しかれどもアウラアムへり、よ、なんぢぞんめいときなんぢよきけ、ラザリはおなじくそのあしきけたりしをおもへ、いまかれここなぐさみ、なんぢくるしむ。

二六 ただこれのみならず、なんぢわれとのあひだおほいなるふちかぎれり、ゆゑここよりなんぢわたらんとほっするものあたはず、かれよりもわれわたるをず。

二七 かれへり、しからばちちよ、ふ、ラザリをちちいへつかはせ、

二八 けだしわれにんきゃうだいあり、かれをしてそのまへしょうさしめよ、かれくるしみところきたらざらんためなり。

二九 アウラアムこれふ、かれにモイセイおよげんしゃあり、これくべし。

三〇 かれへり、いなちちアウラアムよ、しかれどもうちよりかれものあらば、かれくわいかいせん。

三一 アウラアムへり、しモイセイおよげんしゃかずば、たとよりふくくわつするものありともしんぜざらん。

第一七章[編集]

イイススまたそのもんへり、誘惑いざなひきたらざるをず、ただこれきたものわざはひなるかな

ひとせう一人ひとりつみいざなはんよりは、むしろ磨石ひきうすそのくびけられて、うみとうぜられん。

おのれつつしめ、なんぢきゃうだいなんぢつみば、かれいましめよ、いば、かれゆるせ。

ある七次ななたびなんぢつみまたある七次ななたびみづかかへりみて、われゆとはば、かれゆるせ。

使しゅへり、われしんせ。

しゅへり、なんぢからしだねごとしんあらば、くはに、けてうみわれとふとも、なんぢかん。

たれなんぢうちたがへし、あるひけものぼくあらんに、そのよりかへりてのちこれただちきたりてせきせよとものあらんや、 あにかれはずや、ばんさんそなへ、われくひのみするあひだおびつかねてわれつかへ、のちなんぢくひのみせよと。

かれそのぼくめいぜられしことをおこなひしために、これしゃせんか、われこれおもはず。

一〇 くのごとなんぢも、およなんぢめいぜられしことおこなひしときにはへ、われえきぼくなり、おこなふべきことおこなひしのみと。

一一 かれイエルサリムにくに、サマリヤとガリレヤとのあひだたり。

一二 あるむらときらいびゃうしゃじふにんかれむかへ、とほちて、こゑげてへり、

一三 イイススふうよ、われあはれめ。

一四 イイススかれて、へり、きて、おのれさいしめせ。かれとききよまれり。

一五 そのうち一人ひとりおのれいやされしをて、かへりて、おほごゑもっかみさんえいし、

一六 イイススのそくふくしてかんしゃせり、かれはサマリヤのひとなり。

一七 イイススへり、きよまりしものじふにんあらずや、そのきう何處いづこるか、

一八 ぞくjinn ほか如何いかんかへりて、くわうえいかみせざる。

一九 またかれへり、ちてけ、なんぢしんなんぢすくへり。

二〇 ファリセイに、かみくにいづれとききたるとはれて、かれこたへてへり、かみくにあらはきたらず、

二一 人々ひとびとよ、此處ここり、あるひよ、彼處かしこりと、はざらん。けだしよ、かみくになんぢうちり。

二二 またもんへり、なんぢひといちにちんとほっときいたらん、しかうしてこれざらん。

二三 人々ひとびとなんぢに、よ、此處ここり、あるひよ、彼處かしこりとはん、なかれ、したがなかれ。

二四 けだしいなづまてんはてよりひらめきて、てんはてにまでひかるがごとく、ひとそのくのごとくならん。

二五 しかれどもかれおほくるしみけて、てらるし。

二六 ノイのりしごとく、ひとにもくのごとくならん。

二七 人々ひとびとくらみ、めととつぎて、ノイのはうしういたり、洪水こうずゐきたりて、ことごとかれほろぼせり。

二八 おなじくまたロトのりしごと人々ひとびとくらみ、り、ゑ、構造やづくりせり、

二九 しかれどもロトがソドムよりでしてんより硫黄ゆわうりて、ことごとかれほろぼせり。

三〇 ひとあらはるるにもまたくのごとくならん。

三一 そのうへらんものは、そのうつはものいへらば、これらんためくだからず、らんものも、おなじくあとかへからず。

三二 ロトのつまおくせよ。

三三 おのれ生命いのちすくはんともとむるものは、これうしなはん、これうしなものは、これそんせん。

三四 われなんぢぐ、その二人ふたりとこおなじくせんに、一人ひとりられ、一人ひとりのこされん。

三五 二人ふたりをんなともうすかんに、一人ひとりられ、一人ひとりのこされん。

三六 二人ふたりらんに、一人ひとりられ、一人ひとりのこされん。

三七 かれひていはく、しゅよ、何處いづこにかこれる。かれこれへり、しかばねところには、わしあつらん。

第一八章[編集]

イイススまたたとへまうけて、かれつねたうしてむべからざることをへり、

いはく、あるまち裁判さいばんくわんあり、かみおそれず、ひとぢず。

そのまちひとりやもめあり、かれきたりてへり、われあだよりたすけよ。

かれひさしくうけがはざりしが、そののちみづかおもひてへり、われかみおそれず、ひとぢずといへども

やもめわれわづらはすにりて、われこれたすけん、そのつねきたりて、われかまびすしくせざらんためなり。

しゅへり、なる裁判さいばんくわんところけ。

かみちうかれところそのえらびたるものを、ひさしくしのぶとも、つひたすけざらんや。

われなんぢぐ、すみやかかれたすけん。しかれどもひときたりて、しんんや。

またおのれなりとしんじて、にんあなどものに、たとへかたれり。

一〇 二人ふたりたうせんため殿でんのぼれり、ひとりはファリセイ、ひとりぜいなり。

一一 ファリセイちて、おのれうちいのれり、かみよ、われなんぢかんしゃわれにんざんこくかんいんなるごとく、あるひぜいごとくならざるをもってなり。

一二 われひと七日なぬかに、二次ふたたびものいみし、およところじふぶんいつささぐと。

一三 ぜいとほちて、あへげててんあふがず、すなはちむねちてへり、かみよ、われ罪人ざいにんあはれめと。

一四 われなんぢぐ、ひとかれひとよりはとせられて、いへかへれり。けだしおよみづかたかくするものひくくせられ、みづかひくくするものたかくせられん。

一五 嬰兒をさなごかれたづさきたれるあり、かれれんためなり、もんて、これいましめたり。

一六 しかれどもイイススかれびてへり、をさなわれくをゆるせ、これきんずるなかれ、けだしかみくにくのごとものぞくす。

一七 われまことなんぢぐ、幼兒をさなごごとくにかみくにけざるものは、これるをず。

一八 あるつかさかれひてへり、ぜんなるよ、われ永遠えいゑん生命いのちがんためなにすべきか。

一九 イイススかれへり、なんぢなんわれぜんとなふる、ひとりかみよりほかぜんなるものなし。

二〇 なんぢいましめれり、いんするなかれ、ころなかれ、ぬすなかれ、まうしょうするなかれ、なんぢうやまへ。

二一 かれへり、われをさなきよりみなこれまもれり。

二二 イイススこれきて、かれへり、なんぢなほひとつらざることあり、ことごとなんぢしょいうりて、ひんじゃほどこせ、しからばたからてんたもたん、かつきたりてわれしたがへ。

二三 かれこれきて、はなはだうれひたり、おほいめるゆゑなり。

二四 イイススそのはなはだうれひたるをへり、とみたもものかみくにるはかたかな

二五 けだしらくはりあな穿とほるは、めるものかみくにるよりやすし。

二六 これきしものへり、しからばたれすくはれん。

二七 かれへり、ひとにはよくせざるところかみにはよくすなり。

二八 ペトルへり、よ、われ一切いっさいてて、なんぢしたがへり。

二九 イイススかれへり、われまことなんぢぐ、かみくにためいへあるひあるひきゃうだいあるひまいあるひつまあるひて、

三〇 しかうしてときおほばいけ、いまきた永遠えいゑん生命いのちけざるものあらず。

三一 じふもんまねきて、かれへり、よ、われイエルサリムにのぼる、しかうしてげんしゃりてひとしてしるされしことみならん。

三二 けだしかれはうじんわたされ、あざけられ、はずかしめられ、つばきせられん。

三三 ひとかれむちうち、かれころさん、しかうしてだいさんじつかれふくくわつせん。

三四 しかれどもかれすこしもこれさとらざりき、ことばかれためかくれて、かれはれしことらざりき。

三五 かれがイエリホンにちかづけるときある瞽者めしひみちかたはらしてへり。

三六 たみぐるをきて、なにごとぞとへば、

三七 人々ひとびとかれにイイスス ナゾレイのぐるなりとげたり。

三八 かれびてへり、ダワィドのイイススよ、われあはれめ。

三九 まへものかれいましめてもださしむれども、かれいよいよおほいべり、ダワィドのよ、われあはれめ。

四〇 イイススとどまりて、かれたづさきたるをめいじ、そのちかづきしときこれひて

四一 へり、なんぢなにさんことをほっするか。かれへり、しゅよ、るをんことを。

四二 イイススかれへり、るをよ、なんぢしんなんぢすくへり。

四三 かれただちるをかみさんえいして、イイススにしたがへり。しゅうみんこれて、さんかみせり。

第一九章[編集]

イイスス イエリホンにりてけり。

よ、ザクヘイとづくるものあり、ぜいちゃうにしてめるものなり。

イイススの如何いかなるひとたるをんとほっしたれども、ひとおほきにりてるをざりき、たけみじかければなり。

すなはちはしすすみて、かれため無花果樹いちじくのぼれり、かれかたはらぎんとすればなり。

イイススところきたりしときあふぎて、これへり、ザクヘイよ、すみやかくだれ、けだしわれこんにちなんぢいへやどるべし。

かれいそくだり、よろこびてイイススをけたり。

ひとみなこれて、うらみてへり、かれきて罪人ざいにんかくれり。

ザクヘイちて、しゅへり、しゅよ、われしょいうなかばもって、まづしきものほどこさん、ひてひとよりりしことあらば、よんばいにしてこれつぐなはん。

イイススかれへり、こんにちすくひいへのぞめり、ひともアウラアムのなればなり。

一〇 けだしひとほろびしものたづねてすくはんためきたれり。

一一 かれこれとき、イイススまたたとへまうけたり、けだしかれすでにイエルサリムにちかづき、かれかみくにただちあらはるべしとおもへり。

一二 ゆゑかれへり、あるたっとひととほけり、くにけてかへらんためなり。

一三 ときじふにんぼくして、かれぎんじふきんあたへてへり、かへるまで貿易ぼうえきせよ。

一四 そのくにたみかれにくみて、のちより使つかひつかはしてへり、われひとわれわうたるをほっせず。

一五 かれくにけてかへりしときかれぎんあたへししょぼくすことをめいじたり、おのおの幾何いくばくたるをらんためなり。

一六 だいいちものきたりてへり、しゅよ、なんぢいっきんじふきんたり。

一七 しゅかれへり、かなぜんなるぼくよ、なんぢちひさものおいちゅうなりしにりて、じふまちつかさどれ。

一八 そのつぎものきたりてへり、しゅよ、なんぢいっきんきんたり。

一九 これにもへり、なんぢいつつまちつかさどれ。

二〇 またそのつぎものきたりてへり、しゅよ、なんぢいっきんここり、われふくさつつみてこれまもれり、

二一 なんぢおそれしゆゑなり、けだしなんぢげんこくなるひとにして、かざりしものり、かざりしものる。

二二 しゅかれふ、しきぼくよ、われなんぢくちりてなんぢさばかん、なんぢげんこくなるひとにして、かざりしものり、かざりしものるをりたらば、

二三 なんぎん兌銭肆かわせざあずけざりし、しかせばわれきたりて、これともけしならん。

二四 つひまへてるものへり、かれよりいっきんりて、じふきんてるものあたへよ。

二五 かれへり、しゅよ、かれすでじふきんてり。

二六 いはく、われなんぢぐ、およてるものにはあたへられ、たざるものよりは、そのてるものうばはれん。

二七 かつかれてきかれわうたるをほっせざりしものを、ここきたりて、まへちゅうせよ。

二八 これをはりて、イイススまへき、イエルサリムにむかひてのぼれり。

二九 橄欖エレオンざんづくるやまちかく、ワィファギヤおよびワィファニヤにちかづきしときかれ二人ふたりもんつかはして

三〇 へり、まへなるむらけ、そのうちらば、つなぎたるわかきうさぎうまひといまかつらざりしものはん、これきてきたれ。

三一 なんぢ何爲なんすれぞくとものあらば、かれへ、しゅこれもとむと。

三二 つかはされしものきて、かれひしごとことへり。

三三 わかきうさぎうまときそのしゅかれへり、なんわかきうさぎうまく。

三四 かれへり、しゅこれもとむ。

三五 すなはちこれをイイススにきたり、おのれころもわかきうさぎうまに掛け、イイススをそのうへせたり。

三六 かれとき人々ひとびとおのれころもみちけり。

三七 すで橄欖エレオンざんよりくだりちかづけるときたいしゅうもんよろこびて、そのところことごとくののうために、おほごゑかみさんして

三八 へり、しゅりてきたわうしゅくふくせらる、てんにはへいいたたかきにはくわうえいと。

三九 たみうちよりあるファリセイかれへり、よ、なんぢもんいましめよ、

四〇 かれこれこたへり、われなんぢぐ、かれもださば、いしばん。

四一 すでちかづきしときまちて、これためきて

四二 へり、ああなんぢにだに、なんぢへいあんくわんすることりたらんには。しかれどもいまなんぢかくれたり。

四三 けだしなんぢいたりて、なんぢてきとりできづきて、なんぢめぐり、はうよりなんぢめ、

四四 なんぢおよなんぢうちなんぢしょほろぼし、なんぢうちいしいしうへのこさざらん、なんぢ眷顧かへりみときなんぢらざりしにりてなり。

四五 つひ殿でんりて、そのうち貿易うりかひするものいだして、

四六 かれへり、いへたういへなりとしるされたるに、なんぢこれ盗賊ぬすびと巣窟さうくつせり。

四七 すなはち日々ひび殿でんりて、をしへべたり、さいしょちゃうがくおよたみちゃうらうかれほろぼさんとはかりたれども、

四八 ところらざりき、けだしたみみなはなれずしてかれけり。

第二〇章[編集]

當時そのときある、イイスス殿でんりてたみをしへ、ふくいんぶるにさいしょちゃうおよがくちゃうらうともきて、かれへり、

われげよ、なんぢなんけんもっこれおこなふか、あるひたれなんぢけんあたへたる。

かれこれこたへてへり、われまたいちごんなんぢはん、われげよ、

イオアンの洗禮せんれいてんよりせしか、そもそもひとよりせしか。

かれひそかしてへり、てんよりとはばなんぢなんかれしんぜざりしとはん、

ひとよりとはば、たみみないしもっわれたん、イオアンをげんしゃしんずればなり。

つひこたへてへり、いづれれよりせしをらず。

イイススかれへり、われなんけんもっこれおこなふをなんぢげざらん。

ここおいかれたとへたみかたれり、あるひとだうゑんゑ、これゑんていたくして、はうきてひさしくたり。

一〇 およびて、かれぼくゑんていつかはして、かれだうあたへしめんとせしに、ゑんていこれをうちて、むなしくかへらしめたり。

一一 またぼくつかはししに、かれこれをもうち、はずかしめて、むなしくかへらしめたり。

一二 まただいみつものつかはししに、これをもきずつけて、いだせり。

一三 そのときだうゑんしゅへり、われなにさんか、あいつかはさん、あるひかれぢんと。

一四 しかれどもゑんていかれて、あひしてへり、嗣子よつぎなり、きてかれころさん、そのげふわれものとならんためなり。

一五 すなはちかれだうゑんそといだしてころせり。しからばだうゑんしゅかれなにさんか。

一六 かれきたりて、そのゑんていほろぼし、だうゑんものたくせん。これきしものへり、ねがはくはらざらん。

一七 しかるにイイススかれそそぎてへり、して、こうてたるいしをくぐうしゅせきれりと、ふはなんぞや。

一八 およいしうへたふるるものやぶられ、いしそのうへつるものくだかれん。

一九 ときさいしょちゃうがくとはかれかんとはかりたれども、たみおそれたり、そのかれして、たとへかたりしをさとりたればなり。

二〇 すなはちかれうかがひて、しゃまねをなせるかんじゃつかはして、ことばりてかれあみせんとほっせり、かれ有司いうしに、およはうはくけんわたさんためなり。

二一 かれひてへり、よ、われなんぢただしくかつをしへ、かたちもっひとらず、すなはちまことかみみちをしふるをる。

二二 われぜいをケサリにをさむるはよろしやいなや。

二三 イイススかれあくおもひりてへり、なんわれこころみる、

二四 ぎんいちまい|まい}}をわれしめせ、これたれすがたしるしあるか。こたへてへり、ケサリの。

二五 かれこれへり、しからばケサリのものをケサリにをさめ、かみものかみをさめよ。

二六 かれたみまへそのことばふるをず、そのこたへとしてもくねんたり。

二七 またふくくわつなしとふサッドゥケイにんかれきて、ひて

二八 いはく、よ、モイセイわれためしょしてへり、ひときゃうだいつまあり、なくしてせば、きゃうだいそのつまめとりて、そのきゃうだいつぎおこすべしと。

二九 きゃうだいしちにんありしが、だいいちものつまめとり、なくしせり。

三〇 だいものつまめとり、またなくしてせり。

三一 だいさんものこれめとり、そのしちいたるまでみなしかり、とものこさずしてせり。

三二 そののちつままたせり。

三三 しからばふくくわつときかれそのうちたれつまらんか、けだししちにんこれつませり。

三四 イイススかれこたへてへり、しょめとるあり、とつぐあり、

三五 しかれどもかれおよよりふくくわつるにあたれるものめとるなく、とつぐなし、

三六 けだしすですることあたはず、かれてん使ひとしく、かつふくくわつとしてはかみなればなり。

三七 しゃふくくわつすることにきては、モイセイもいばらへんおいて、しゅをアウラアムのかみ、イサアクのかみ、イアコフのかみとなふるをもっこれあらはせり。

三八 かみしゃかみあらず、すなはち生者せいしゃかみなり、けだしかれりてはみなくるなり。

三九 あるがくこたへてへり、よ、なんぢひしところし。

四〇 これよりあへまたかれところなかりき。

四一 イイススかれへり、ひと如何いかんぞハリストスをダワィドのなりとふ。

四二 ダワィドみづかせいうたしょふ、しゅしゅへり、なんぢみぎして、

四三 なんぢてきなんぢあしだいすにいたれと。

四四 くダワィドはかれしゅとなふ、如何いかんかれそのたる。

四五 たみみなときかれそのもんへり、

四六 つつしみてがくふせげ、かれながころもにてあそぶをこのみ、街衢ちまたにはといあんくわいだうにはしゅえんにはじゃうせきよろこぶ、

四七 かれやもめいへみ、いつはりてながいのりす、かれもっともおもていざいけん。

第二一章[編集]

イイススげて、める人々ひとびとその献金ささげものけんさいばことうずるを

また一人ひとりまづしきやもめレプタをとうずるを

へり、われまことなんぢぐ、まづしきやもめしゅうじんよりおほとうじたり、

けだしかれみなその羨余あまりより献金ささげものかみとうじ、かれそのとぼしきところより、そのてる生計せいけいことごととうじたり。

あるひと殿でんことそのうるはしきいしほうなふひんとをもっかざりたることかたれるときかれへり、

きたらん、なんぢものうちひとついしいしうへのこらずして、みなくづされん。

かれひてへり、よ、いづれときことらんか、またこれらんとするときは、如何いかなるしるしあるか。

かれへり、つつしみてまどはさるるなかれ、けだしおほくのものおかしてきたたり、われなりとはん、ときちかづけり、かれあとしたがなかれ。

なんぢたたかひみだれとをかんときおそるるなかれ、けだしこれことるべし、しかれども末期をはりいますみやかならず。

一〇 そのときかれへり、たみたみめ、くにくにめん、

一一 處々ところどころおほいなるしんきんえきびゃうあり、おそるべき現象あらはれおよおほいなる休徴しるしてんよりするあらん。

一二 およこれことさきに、人々ひとびとそのなんぢき、なんぢ窘逐きんちくして、くわいだうおよひとやわたし、ためなんぢしょわうしょこうまへかん。

一三 なんぢことふはしょうさんためなり。

一四 ゆゑなんぢこころさだめて、なにこたへんとあらかじおもんぱかなかれ。

一五 けだしわれくちとをあたへて、およなんぢあだをして辯駁べんばくてきたいするあたはざらしめん。

一六 なんぢまたきゃうだい親戚しんせきほういうよりわたされ、かつなんぢうちあるものころされん。

一七 なんぢためしゅうじんにくまれん。

一八 しかれどもなんぢかうべひとつほろびざらん。

一九 忍耐にんたいもっなんぢたましひすくへ。

二〇 なんぢイエルサリムがぐんかこまれたるをときは、そのほろびちかづきしをれ。

二一 そのときイウデヤにものやまのがるべし、まちうちものここよりづべし、さとにあるものそのうちるべからず。

二二 けだしふくしうなり、およしるされしことかなはんためなり。

二三 そのにははらめるものちちまするものわざはひなるかなけだしおほいなるわざはひりて、いかりたみおよばん。

二四 かれつるぎやいばたふれ、またしょみんうちとりこにせられん、イエルサリムははうたみられて、はうたみとき滿つるにまでらん。

二五 じつげつせいしんにはしゃうあり、にはしょみん煩悶もだへ顛沛うろたへとあらん、うみとどろきてなみたたん。

二六 人々ひとびと畏懼おそれり、またぜんきたらんとするわざはひつにりて、いきゆるあらん、けだしてんせいふるうごかん。

二七 そのときひとけんのうおほいなるくわうえいとをもって、くもりてきたるをん。

二八 これことはじむるとききてなんぢかうべげよ、けだしなんぢあがなひちかづけり。

二九 またたとへまうけてかれへり、無花果樹いちじくおよおよそよ。

三〇 すできざときは、なんぢこれて、みづかなつちかきをる。

三一 くのごとなんぢまたこれことるをときは、かみくにちかきをれ。

三二 われまことなんぢぐ、いまかずして、みなるをん。

三三 てんはいせん、しかれどもことばはいせざらん。

三四 みづかつつしめ、おそらくはなんぢこころ饕餮たうてつしづ湎、およせいおもんぱかりにぶくせられて、とつぜんなんぢいたらん。

三五 けだしあみごとく、一切いっさいぜんおもてもののぞまん。

三六 ゆゑつねけいせいしていのれ、これきたらんとすることことごとのがれて、ひとまへつにへんためなり。

三七 イイススひる殿でんりてをしへべ、よるでて、橄欖エレオンざんづくるやま宿やどれり。たみみなあさはや殿でんきたり、かれきてけり。

第二二章[編集]

ぢょ酵節かうせつすなはち逾越パスハづくるまつりちかづけり。

さいしょちゃうがくとは如何いかにイイススをころさんとはかれり、けだしたみおそれたり。

ときにサタナはじふひとりなるイウダ、しょうしてイスカリオトとものれり。

かれきて、さいしょちゃうおよ庶司つかさともに、如何いかにイイススをかれわたさんことをかたれり。

かれよろこびて、ぎんかれあたへんことをやくしたれば、

かれうけがひて、たみらざるときにイイススをかれわたさんために、をりうかがへり。

ぢょかうじつすなはち逾越節パスハこひつじほふるべきいたれり。

イイススはペトルおよびイオアンをつかはしてへり、きて、われしょくせんため逾越節筵パスハそなへよ。

かれへり、何處いづここれそなへんことをほっするか。

一〇 かれこれへり、よ、なんぢまちときみづれるかめたづさふるひとなんぢはん、これしたがひて、そのところいへりて、

一一 いへしゅげよ、なんぢふ、もんとも逾越節筵パスハしょくすべきしつ何處いづこるかと。

一二 かれなんぢかざりたるおほいなるたかどのしめさん、彼處かしこそなへよ。

一三 かれきて、そのひしごとことひて、逾越節筵パスハそなへたり。

一四 ときいたりて、イイススせきし、じふ使かれともにせり。

一五 かれへり、われくるしみくるさきに、逾越節筵パスハなんぢともしょくせんことをはなはだのぞめり。

一六 けだしわれなんぢぐ、われまたこれしょくせずして、そのかみくにるにいたらん。

一七 すなはちさかづきりて、かんしゃしてへり、これりて、たがひわかて。

一八 けだしわれなんぢぐ、われまただうよりまずして、かみくにのぞむにいたらん。

一九 またぱんり、かんしゃしてこれき、かれあたへてへり、ここわれたいなんぢためわたさるるものなり、なんぢこれおこなひて、われねんせよ。

二〇 おなじくばんふるまひのちしゃくりてへり、しゃくしんおよそなんぢためながさるるもっつるものなり。

二一 よ、われものわれともせきじゃうり。

二二 ひとく、あらかじさだめられしがごとし、ただかれものわざはひなるかな

二三 かれたがひたれこれさんとするをへり。

二四 またかれうちに、たれおほいなるとたがひあらそふことあり。

二五 かれこれへり、しょわうそのしょみんつかさどり、たみうへけんものおんしゅとなへらる。

二六 しかれどもなんぢくあるからず、すなはちなんぢうちおほいなるものは、ちひさものごとく、かしらたるものは、つかはるるものごとくなるべし。

二七 けだしたれおほいなる、せきするものか、えきはるるものか、せきするものあらずや、しかれどもわれなんぢうちりてつかはるるものごとし。

二八 なんぢくわんなんうちおいつねわれともにせり、

二九 われまたなんぢくにのこあたふ、ちちわれのこあたへしがごとし、

三〇 なんぢくにおいて、せきしょくいんし、かつくらゐして、イズライリのじふ審判しんぱんせんためなり。

三一 しゅまたへり、シモンよ、シモンよ、よ、サタナなんぢむぎごとふるはんことをもとめたり。

三二 しかれどもわれなんぢために、なんぢしんきざらんことをいのれり、しかうしてなんぢのちてんじて、なんぢきゃうだいかためよ。

三三 こたへてへり、しゅよ、われなんぢともひとやにもにもかんことをそなへたり。

三四 かれへり、ペトルわれなんぢぐ、こんにちにはとりかざるさきに、なんぢたびわれみて、らずとはん。

三五 またかれへり、なんぢかねぶくろも、たびぶくろも、くつもなくしてつかはししときなんぢけたることありしか。いはく、かりき。

三六 かれへり、しかれどもいまかねぶくろあるものは、これれ、たびぶくろまたしかり、つるぎなきものは、ころもりてこれへ。

三七 けだしわれなんぢぐ、しるして、ざいはんしゃともかぞへられたりとへることも、われおいかなふべし、けだしわれしてしるされしことをはりあり。

三八 かれへり、しゅよ、よ、ここふたつつるぎあり。かれへり、れり。

三九 すなはちでて、れいごとく、橄欖エレオンざんけり、そのもんかれしたがへり。

四〇 そのところいたりて、かれへり、たうして誘惑いざなひるをまぬかれよ。

四一 みづかいしげらるるほどかれはなれ、ひざかがめて、たうりて

四二 へり、ちちよ、ああなんぢさかづきをしてわれぎしめんことをがへんじたらんには。しかれどもわれむねらずして、なんぢむねるべし。

四三 てん使てんよりあらはれて、かれかためたり。

四四 かれいたかなしみて、いのることいよいよせつなり、そのあせしたたりごとくだれり。

四五 たうよりきて、もんきたり、そのうれひりてぬるをて、

四六 かれへり、なんぬる、きてたうせよ、誘惑いざなひらざらんためなり。

四七 かれなほときよ、たみいたり、じふひとり、イウダとづくるものこれさきだちてき、イイススにきて接吻せっぷんせり。けだししるしかれあたへたり、接吻せっぷんせんものは、すなはちひとなりと。

四八 イイススこれへり、イウダよ、なんぢ接吻せっぷんもっひとわたすか。

四九 かれともりしものことおよばんとするをて、かれへり、しゅよ、われつるぎもったんか。

五〇 そのうち一人ひとりさいちゃうぼくちて、そのみぎみみげり。

五一 イイススこたへてへり、こここれいたりてめよ、すなはちそのみみさはりて、これいやせり。

五二 イイススはおのれむかきたれるさいしょちゃう殿でん庶司つかさちゃうらうとにへり、なんぢ盗賊ぬすびとむかごとく、つるぎぼうとをちて、われとららへんためでたり。

五三 われ日々ひびなんぢとも殿でんりしに、なんぢわれかざりき、しかれどもいまなんぢときおよ黒暗くらやみいきほひなり。

五四 すでかれとらへて、きてさいちゃういへいたれり。ペトルとほしたがへり。

五五 人々ひとびとちゅうていうちともきて、ともせしとき、ペトルもそのうちしたり。

五六 一人ひとりしもめかれむかひてせるをこれそそぎてへり、ひとかれともにありき。

五七 しかれどもかれみてへり、むすめよ、われかれらず。

五八 少頃しばらくありて、ものかれへり、なんぢかれ一人ひとりなり。ペトルへり、ひとよ、しからず。

五九 およそいちぎて、また一人ひとりことばつよめてへり、じつひとかれともにありき、けだしれガリレヤのひとなり。

六〇 しかれどもペトルへり、ひとよ、われなんぢところらず。なほこれときたちまちにはとりけり。

六一 しゅてんじて、ペトルにそそぎたれば、ペトルしゅかれに、にはとりかざるさきに、なんぢたびわれまんと、ひしことばおもおこして、

六二 そとでて、いたけり。

六三 イイススをれるものたはむれて、かれてり。

六四 そのおほひて、そのおもてち、ひてへり、げんせよ、なんぢちしものたれぞ。

六五 そのおほくのことひて、かれそしれり。

六六 平旦よあけおよびて、たみちゃうらうさいしょちゃうがくあつまりて、かれそのこうくわいきて

六七 へり、なんぢはハリストスなるか、われげよ。かれへり、われなんぢげば、なんぢしんぜざらん、

六八 なんぢはば、なんぢかなへざらん、またわれゆるさざらん。

六九 いまよりのちひとかみだいのうみぎせん。

七〇へり、しからばなんぢかみなるか。かれこたへてへり、なんぢふ、われこれなり。

七一 かれへり、なんまたしょうもとめん、けだしわれみづかそのくちよりけり。

第二三章[編集]

しゅうみなちて、かれをピラトのまへき、

かれうったへてへり、われひとたみまどはし、ぜいをケサリにをさむるをきんじ、みづからハリストスわうとなふるをたり。

ピラトかれひてへり、なんぢはイウデヤじんわうなるか。かれこたへてへり、なんぢふ。

ピラトさいしょちゃうおよたみへり、われひといつつみあるをず。

しかれどもかれますますふるひてへり、かれたみみだし、ぜんイウデヤにをしへて、ガリレヤよりはじめ、ところいたれり。

ピラトはガリレヤときて、ひとはガリレヤじんなるかとひ、

すでにしてそのイロドのけんぞくするをりて、かれ當時そのときおなじくイエルサリムにりしイロドにつかはせり。

イロド イイススをて、はなはだよろこべり、けだしひさしくかれんとほっせり、かれことおほき、かつかれりておこなはるるきうちょうことのぞみみたればなり。

ゆゑおほくのことばもっかれひたれども、かれなにをもこたへざりき。

一〇 さいしょちゃうがくちて、かれうったふることはなはだせつなり。

一一 しかれどもイロドはそのそつともに、かれあなどり、かつ嘲弄てうろうして、かれあざやかなるころもせて、またかれをピラトにつかはせり。

一二 おいて、ピラトおよびイロドたがひしたしくなれり、けだしさきにはあひあだたりき。

一三 ピラトはさいしょちゃう有司つかさおよたみあつめて、

一四 かれへり、なんぢひともって、たみまどはすものして、われいたれり、よ、われなんぢうったふるところもっなんぢまへしらべて、ひといつつみあるをざりき。

一五 イロドもまたしかり、けだしわれこれかれつかはしたれども、そのうちいつあたたることざりき。

一六 ゆゑわれむちうちて、これゆるさん。

一七 けだし節期まつりためひとりめしうどかれゆるすべきことありき。

一八 しかれどもたみみなさけびてへり、これれ、ワラウワをわれゆるせ。

一九 ひとまちうちらんし、ひところししにりて、ひとやくだされたり。

二〇 ピラトはイイススをゆるさんとほっして、またこゑげたれども、

二一 かれびてへり、かれじふていせよ、じふていせよ。

二二 ピラト第三次みたびへり、かれなんあくおこなひしか、われいつそのうちあたたることざりき、ゆゑむちうちてかれゆるさん。

二三 しかれどもかれますますこゑはげまして、かれじふていせんことをもとめたりしが、かれさいしょちゃうとのこゑてり。

二四 ピラトつひそのもとめのごとさだめて、

二五 みだれ殺人ひとごろしとのためひとやくだされたるひとかれもとめしものゆるし、イイススをわたして、かれ意旨こころまかせたり。

二六 かれときあるキリネヤのひとシモンがよりきたぐるをとらへ、これじふはせて、イイススにしたがはしめたり。

二七 おほくのたみかれしたがひ、またおほくのをんなありて、かれためかなしめり。

二八 イイススかれかへりみてへり、イエルサリムのむすめよ、われためなかれ、おのれおよなんぢためけ。

二九 けだしよ、いたりて、人々ひとびとはん、はらまざるものいままざるたいいまはせざるちちさいはひなりと。

三〇 そのとき人々ひとびとやまむかひて、われうへたふれよ、をかむかひて、われおほへとはん。

三一 けだしあをさば、かれ如何いかにせられん。

三二 イイススとともまた二人ふたりはんざいしゃしょせんためけり。

三三 髑髏されかうべづくるところきたりて、彼處かしこかれおよふたりはんざいしゃじふていせり、ひとりそのみぎひとりひだりなり。

三四 イイススへり、ちちよ、かれゆるせ、けだしかれところらず。ひとくじりて、そのころもわかてり。

三五 たみちてたり、有司つかさしゅうあたあざけりてへり、かれにんすくへり、かれハリストス、かみえらびたるものならば、おのれすくふべし。

三六 兵卒へいそつまたかれたはむれ、ちかづきて、あたへて

三七 へり、なんぢしイウデヤじんわうならば、おのれすくへ。

三八 かれうへにエルリン、ロマ、エウレイの文もっしるしたるふだあり、いはく、れイウデヤじんわうなりと。

三九 けられたるはんざいしゃ一人いちにんかれそしりてへり、なんぢしハリストスならば、おのれわれとをすくへ。

四〇 一人いちにんこれいましめてへり、なんぢあにかみおそれざるか、けだしなんぢおなじくていざいせられてあり、

四一 ただわれりてはたうぜんなり、おこなひかなへることくればなり、しかれどもかれいつぜんおこなはざりき。

四二 すなはちイイススにむかひてへり、しゅよ、なんぢくにきたらんときわれねんせよ。

四三 イイススかれへり、われまことなんぢぐ、なんぢこんにちわれともらくゑんらん。

四四 ときおよそろくなり、晦冥くらやみぜんおほひてだいいたれり。

四五 くらみ、殿でんまくなかよりけたり。

四六 イイススおほごゑびてへり、ちちよ、かみなんぢたくす。これひて、いきえたり。

四七 ひゃくちゃうりしことて、かみさんえいしてへり、ひとまことじんなり。

四八 これために、あつりたるしゅうみんは、りしことて、むねちてかへれり。

四九 かれ相識しりびとおよびガリレヤよりかれしたがひしをんなみなとほちて、これことたり。

五〇 ときにイオシフとづくるひとにして、ぜんかつなるもの

五一 かれはかごと所爲しわざとにくみせず、イウデヤのまちアリマフェヤにぞくし、みづからもかみくにてるものは、

五二 ピラトにきて、イイススのしかばねもとめたり。

五三 すでこれおろして、ぬのつつみ、いはうがちたる、いまひとはうむられざるはかきたり。

五四 備節そなへにして、安息日スボタすでちかづけり。

五五 ガリレヤよりイイススとともきたりしをんなのちしたがひて、はかおよ如何いかかれしかばねきたるをたり。

五六 かへりてのちかうれうにほひあぶらとをそなへ、いましめしたがひて安息日スボタやすみたり。

第二四章[編集]

七日なぬかはじめあさはなはだはやく、かれそなへたるかうれうたづさへて、はかきたり、をんなかれともにせり。

いしはかよりうつされたるを

りて、しゅイイススのしかばねざりき。

これためまどへるときよ、かがやけるころもたる二人ににんかれまへてり。

かれおそれて、おもてふくせたれば、二人ににんこれへり、なんけるものしゃうちたづぬる。

かれここらず、すなはちふくくわつせり、かれなほガリレヤにりしとき如何いかなんぢげて、

ひと罪人ざいにんわたされ、じふていせられ、だいさんじつふくくわつすべきことひしをおもへ。

かれそのことばおもおこし、

はかよりかへりて、ことごとこれじふいちもんおよそのものげたり。

一〇 使これげたるものは、マグダリナマリヤ、イオアンナ、イアコフのははマリヤ、およそのかれともりしものなり。

一一 使かれことば空言むなしごとして、これしんぜざりき。

一二 しかれどもペトルちて、はかはしき、して、ただつつみぬのけるをそのりしことこころみてかへれり。

一三 そのうち二人ににん、イエルサリムをることおよそろくじふ小里スタディヤなるエムマウスとづくるむらきしが、

一四 たがひおよかれりしことかたれり。

一五 かたかつろんずるとき、イイススみづかちかづきて、かれともけり。

一六 しかれども二人ににんとどめられて、かれらざるをいたせり。

一七 かれへり、なんぢきてなにごとをかたがひろんじ、またなんうれふるいろある。

一八 その一人いちにん、クレヲパとづくるものかれこたへてへり、イエルサリムにきたりしものうちなんぢひとりきんじつそのうちりしことらざるか。

一九 ひてへり、なんことぞ。かれへり、イイスス ナゾレイ、すなはちかみおよしゅうみんまへおこなひことばとにのうりょくあるげんしゃたりしものりしこと

二〇 如何いかわれさいしょちゃうおよ有司つかさかれわたして、さだめ、じふていせしことなり。

二一 われかつひとはイズライリをあがなものなりとのぞめり、しかれどもみなりしよりいますでだいさんじつなり。

二二 しかるにまたわれうちあるをんなわれおどろかせり、かれあさはやはかりしが、

二三 そのしかばねずして、きたりて、てん使あらはれて、かれくとふをしことをげたり。

二四 われうちにんはかきしに、はたして、をんなひしごとことたり、ただかれざりき。

二五 イイススかれへり、ああにして、およしょげんしゃひしことしんずるにこころおそものよ、

二六 ハリストスはくのごとくるしみけて、そのくわうえいるべかりしにあらずや。

二七 ここおいてモイセイよりはじめて、しょげんしゃおよぶまで、およせいしょかれしてすることをかれあかせり。

二八 ところむらちかづきしに、かれなほとほくにかんとするものごとし。

二九 二人ににんかれとどめてへり、われともとどまれ、けだしときれんとし、すでに昃けり。かれりて、ともとどまれり。

三〇 せきせるときかれぱんりて、しゅくふくし、きてかれあたへたり。

三一 そのとき二人ににんひらけて、かれれり、しかうしてかれたちまちえずなりき。

三二 かれたがひへり、ちゅうかれわれかたり、かつわれせいしょあかししときわれこころうちえしにあらずや。

三三 すなはちときちて、イエルサリムにかへり、じふいちもんおよこれともあつまれるものへり。

三四 みなふ、しゅじつふくくわつせり、しかうしてシモンにあらはれたり。

三五 二人ににんまたちゅうりしことおよ如何いかそのぱんときかれられしことべたり。

三六 これことかたれるとき、イイススみづかかれうちちてへり、なんぢへいあん

三七 かれおどろかつおそれて、ところしん゜なりとおもへり。

三八 イイススかれへり、なんおそまどふ、胡爲なんすれぞおもひなんぢこころおこれる。

三九 あしよ、これわれみづからなり、われさはりてよ、けだししん゜にはこつにくなし、そのわれるをるがごとし。

四〇 これひて、あしかれしめせり。

四一 かれよろこびりて、なほいましんぜず、かつあやしめるときかれへり、ここくらふべきものあるか。

四二 かれあぶりたるうをいっぺんみつぶさとをかれあたへたれば、

四三 りて、かれまへくらへり。

四四 またかれへり、われなほなんぢともりしときなんぢかたりて、モイセイの律法りつぱふしょげんしゃおよせいえいに、われしてしるされしことみなかなふべしとひしは、すなはちこれなり。

四五 そのときかれしきひらきて、せいしょさとらしめたり。

四六 またかれへり、しるされたり、しかうしてくハリストスはくるしみけ、だいさんじつよりふくくわつすべかりき。

四七 かつそのりて、くわいかいしょざいゆるしとは、イエルサリムよりはじめて、ばんみんつたへらるべきなり。

四八 なんぢこれことしょうしゃなり。

四九 よ、われちちきょやくせしものなんぢつかはさん、なんぢイエルサリムのまちりて、うへより能力ちからするにいたれ。

五〇 イイススかれそとひきゐて、ワィファニヤにいたり、げてかれしゅくふくせり。

五一 しゅくふくするときかれはなれ、げられて、てんのぼれり。

五二 かれこれはいし、おほいよろこびて、イエルサリムにかへり、

五三 つね殿でんりて、かみしょうしゅくさんせり、アミン。

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