ルカに因る聖福音

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聖書<我主イイススハリストスの新約

第一章[編集]

われうちあきらかられたること

すなはちはじめよりことばじっけんしゃおよえきしゃたりしものわれつたへたることきて、おほくのものげてでんつくるにり、

そんけんなるフェオフィルよ、われおよそことはじめよりつまびらかたづね、だいもっなんぢためしるさんことのおもひおこせり、

なんぢまなびたるをしへかたもとゐらんためなり。

イウデヤのわうイロドのとき、アワィヤのはんぞくするさいにザハリヤとづくるものあり、そのつまはアアロンのすゑにして、をエリサワェタとふ。

ふたりながらかみまへなるものにして、しゅいっさいかいめいれいくるなくおこなへり。

かれなかりき、エリサワェタははらまざるものたりしゆゑなり、ふたりともとしすでいたり。

ザハリヤがそのはんまはりりて、さいしょくかみまへおこなふにあたりて、

さいれいしたがひ、くじきて、しゅでんりて、かうくをたり。

一〇 かうときしゅうみんそとりていのれり。

一一 しゅてんザハリヤにあらはれて、かうだんみぎてり。

一二 ザハリヤこれて、おどろかつおそれたり。

一三 てんかれへり、ザハリヤおそるるなかれ、けだしなんぢたうかれたり、なんぢつまエリサワェタまん、なんぢこれをイオアンとづけん。

一四 なんぢにはよろこびたのしみとあらん、かつおほくのものそのうまるるにりてよろこばん。

一五 けだしかれしゅまへおほいなるものとならん、さけシケラとをまず、そのはははらよりしてせいしん゜にてられん。

一六 かれはイズライリのしょおほくのものてんじて、しゅかれかみせしめん。

一七 かれはイリヤのせいしんのうりょくとをもっしゅまへかん、ちちこころに、さかものしゃかへらしめて、そなへられたるたみしゅすすめんためなり。

一八 ザハリヤてんへり、われなにもっこれらん、けだしわれいたり、つまとしけり。

一九 てんかれこたへてへり、われはガウリイル、かみまへものなり、つかひほうじてなんぢげ、なんぢふくいんす。

二〇 よ、なんぢあふしとなり、ものいあたはずして、こといたらん、ことばしんぜざりしゆゑなり、ことばときおよびてかならずかなはん。

二一 ときたみはザハリヤをちて、そのでんうちひさしくるをあやしめり。

二二 つひでてかれものいあたはざれば、すなはちそのでんうちしゃうしことをさとれり、かれかうべもっかれしめし、しかうしてあふしたりき。

二三 そのつとめつるにおよびて、いへかへれり。

二四 のちそのつまエリサワェタはらみて、かくりしことごかげつにしてへり、

二五 しゅわれせり、かれおいわれかへりみて、はぢひとびとあひだそそがしめたり。

二六 だいろくげつおいて、てんガウリイルはかみよりつかひほうじて、ガリレヤのまちナザレトとづくるところに、

二七 ダワィドのいへひとはイオシフとものへいせられたるしょぢょのぞめり、しょぢょはマリヤなり。

二八 てんりて、これへり、おんちょうかうむれるものよろこべよ、しゅなんぢともにす、なんぢむすめうちしゅくふくせられたり。

二九 ぢょかれて、そのことばいぶかり、といあんなにごとならんとおもへり。

三〇 てんこれへり、マリヤおそるるなかれ、けだしなんぢかみまへおんちょうたり。

三一 よ、なんぢはらみてまん、そのをイイススとづけん。

三二 かれおほいなるものとなりて、じゃうしゃとなへられん、しゅかみかれそのちちダワィドのくらゐあたへん、

三三 かれよよイアコフのいへわうとなりて、そのくにをはりなからん。

三四 マリヤてんへり、われひとかざるに、いかにしてことあらん。

三五 てんかれこたへてへり、せいしんなんぢのぞみ、じゃうしゃちからなんぢおほはん、ゆゑところせいなるものかみとなへられん。

三六 よ、なんぢしんせきエリサワェタとしいてはらめり、もとはらまざるものしょうせられしに、いますでろくかげつなり。

三七 けだしかみりてはおよそのところあたはざることなし。

三八 マリヤへり、われしゅなり、なんぢことばごとく、われるべし。てんかれはなれたり。

三九 そのマリヤちて、すみやかさんき、イウダのまちいたり、

四〇 ザハリヤのいへりて、エリサワェタにあんへり。

四一 エリサワェタ マリヤのあんふをきしときはらみごそのはらうちをどれり。エリサワェタせいしん゜にてられ、

四二 おほごゑびてへり、なんぢをんなうちしゅくふくせられたり、なんぢはらしゅくふくせられたり。

四三 しゅははわれのぞめり、われなによりこれたるか。

四四 けだしなんぢあんこゑみみりしときはらみごはらうちよろこをどれり。

四五 しんぜしものさいはひなり、けだししゅよりかれげられしことかならずらん。

四六 マリヤへり、たましひしゅあがめ、

四七 しん゜はかみすくしゅよろこべり、

四八 けだしそのしもめいやしきをかへりみたり、いまよりのちばんせいわれさいはひなりとはん。

四九 けだしけんのうしゃわれおほいなることせり、そのせいなり、

五〇 そのあはれみよよかれおそるるもののぞまん。

五一 かれそのひぢちからあらはし、こころおもひおごれるものらせり。

五二 けんあるものくらゐよりしりぞけ、いやしきものげ、

五三 うるものものかしめ、めるものむなしくかへらしめたり。

五四 そのぼくイズライリをれて、

五五 せんげしがごとく、アウラアムとそのすゑとをよよあはれまんことをねんせり。

五六 マリヤはエリサワェタとともりしことさんげつにして、そのいへかへれり。

五七 エリサワェタにうむときいたりて、すなはちめり。

五八 かれきんりんしんせきとは、しゅそのおほいなるあはれみかれれしをきて、かれともよろこべり。

五九 だいはちじつおよびて、かつれいおこなはんためきたり、これそのちちりて、ザハリヤとづけんとせしに、

六〇 そのははこたへてへり、いなこれをイオアンとづくし。

六一 かれへりなんぢしんせきうちひとりづくるものなし。

六二 つひそのちちしるしもっいかこれづけんとほっするをひしに、

六三 かれふだひてしるしてへり、そのはイオアンなりと、みなこれとせり。

六四 ただちそのくちひらけ、したけ、かれことばはつして、かみしゅくさんせり。

六五 そのきんりんものみなおそれ、かつこれことあまねくイウデヤのさんがれり。

六六 およきしものそのこころこれをさめてへり、いかにならんと、しゅかれともにせり。

六七 そのちちザハリヤせいしん゜にてられ、げんしてへり、

六八 しゅくさんせらるるかなしゅ、イズライリのかみけだしそのたみかへりみて、これあがなひし、

六九 われためすくひつのそのぼくダワィドのいへおこせり、

七〇 せいよりそのせいなるげんしゃくちもっひしがごとし、

七一 すなはちわれしょてきおよおよわれにくものよりすくひ、

七二 もっあはれみせんほどこし、そのせいなるやく

七三 すなはちアウラアムにちかひたるちかひねんせん、

七四 ふ、われしょてきよりすくはれしのち

七五 おそれなく、かれまへりて、せいもって、もって、しゃうがいかれつかへしめんと。

七六 よ、なんぢじゃうしゃげんしゃとなへられん、けだししゅめんぜんきて、そのみちそなへ、

七七 かれたみに、そのすくすなはちしょざいゆるしにして、かみあはれみることをらしめん。

七八 あはれみりて、あさひうへよりわれのぞめり、

七九 くらやみかげとにするものてらし、われあしへいあんみちむかはしめんためなり。

八〇 やうやせいちゃうし、せいしんますますきゃうけんにして、そのイズライリにあらはるるいたるまでりき。

第二章[編集]

ケサリ アウグストよりみことのりでて、てんひとことごとせきのぼらしむ。

せきはキリニイのシリヤををさむるときはじめておこなはれしものなり。

ここおいしゅうじんせきのぼらんために、おのおのそのまちけり。

イオシフもまたダワィドのしゅうぞくすぢとなるをもって、

マリヤそのへいせられたるつますではらめるものともに、せきのぼらんために、ガリレヤのまちナザレトより、イウデヤに、ダワィドのまちワィフレエムとづくるところけり。

かれかしこときに、うむいたれり。

すなはちそのちょうみ、これむつきつつみて、かひばぶねけり、りょくわんにはかれためところなかりしゆゑなり。

ぼくしゃあり、かんおいそのひつじむれまもれり。

よ、しゅてんかれまへち、しゅくわうえいかれめぐてらせり、かれおほいおそれたり。

一〇 てんかれへり、おそるるなかれ、けだしよ、われなんぢおほいなるよろこびばんみんおよばんとするものふくいんす、

一一 こんにちなんぢためにダワィドのまちおいて、きゅうしゅすなはちしゅハリストスうまれたり。

一二 なんぢむつきつつまれたるをさなごかひばぶねせるをん、そのしるしなり。

一三 たちまちてんともおほくのてんぐんあり、かみさんしてへり、

一四 いたたかきにはくわうえいかみし、にはへいあんくだり、ひとにはめぐみのぞめり。

一五 てんかれはなれててんのぼりしときぼくしゃたがひへり、ワィフレエムにきて、かしこりしことしゅわれしめししところん。

一六 すなはちいそきたりて、マリヤとイオシフおよかひばぶねせるをさなごたり。

一七 すでて、くわんしてかれげられしことかたれり。

一八 きしものみなぼくしゃかたりしこととせり。

一九 ただマリヤはこれことばことごとそのこころをさめて、これまもれり。

二〇 ぼくしゃは、およかれげられしごとく、きしことことために、かみさんえいさんしてかへれり。

二一 やうかちて、をさなごかつれいおこなふべきときいたりたれば、そのをイイススとづけたり、すなはちそのいまはらまれざるさきてんづけしところなり。

二二 モイセイのりつぱふりて、きよめつるにおよび、をさなごたづさへてイエルサリムにのぼれり、これしゅたてまつらんためなり。

二三 しゅりつぱふしるされしがごとし、いはく、およはじめてたいひらなんしゅせいなりととなへらるべしと。

二四 またしゅりつぱふところりて、ふたつやまばとあるひふたつひなばとまつりささげんためなり。

二五 よ、イエルサリムにシメオンとづくるひとあり、ひとにしてけいけんなり、イズライリをなぐさむるものち、しかうしてせいしんかれのぞめり。

二六 かれに、せいしん゜にりて、しゅのハリストスをざるさきには、ざらんとしめされたり。

二七 かれかみりてでんきたれり、をさなごイイススをたづさへて、これりつぱふれいおこなはんためりしとき

二八 かれをさなごそのり、かみしゅくさんしてへり、

二九 しゅさいよ、いまなんぢことばしたがひて、なんぢぼくゆるし、あんぜんとしてかしむ。

三〇 けだしなんぢすくひたり、

三一 なんぢばんみんまへそなへしものなり、

三二 はうじんてらひかりおよなんぢたみイズライリのさかえなり、

三三 イオシフおよをさなごははかれくわんしてはるることとせり。

三四 シメオンかれしゅくふくして、そのははマリヤにへり、よ、かれて、イズライリのうちおほくのものたふまたおこるをいたし、かつはくろんしるしらん、

三五 おほくのこころおもひあらはれんためなり、なんぢにもつるぎたましひつらぬかん。

三六 またげんぢょアンナあり、アシルのファヌイルのむすめなり、しょぢょときよりおっとともりしことしちさいとしおほいいたり、

三七 よはひおよそはちじふやもめにして、でんはなれず、ものいみたうとをもっちうほうせしものなり。

三八 かれとききたきて、しゅさんえいし、かつをさなごことおよそイエルサリムにりてあがなひものかたれり。

三九 すでしゅりつぱふしたがひ、ことごとこれへてガリレヤのふるさとナザレトにかへれり。

四〇 やうやせいちゃうし、せいしんますますきゃうけんにして、ち、かみおんちょうかれのぞめり。

四一 そのとしごとパスハにイエルサリムにけり。

四二 かれじふさいになりしときまたまつりれいしたがひて、イエルサリムにのぼりしに、

四三 をはりてかへときどうイイスス イエルサリムにとどまれり。イオシフとそのははとはこれらずして、

四四 かれどうかうしゃうちりとおもへり、いちにちきて、かれしんせきあひだたづねしに、

四五 はざりき、すなはちかれたづねてイエルサリムにかへれり。

四六 みっかのちかれでんへるに、かれけううちして、かつき、かつへり。

四七 かれものみなそのそのこたへとをとせり。

四八 かれおどろけり、そのははかれへり、よ、なんわれおこなひたる、よ、なんぢちちわれうれひてなんぢたづねたり。

四九 かれへり、なんわれたづねたる、あにわれちちぞくするところるべきをらずや。

五〇 しかれどもかれそのひしことばさとらざりき。

五一 イイススかれともくだりて、ナザレトにきたり、かれしたがりき。かれははこれことばことごとそのこころをさめたり。

五二 イイススはよはひかみおよひとびとちょうあいとにますますすすめり。

第三章[編集]

ティワェリイ ケサリざいじふねん、ポンティイ ピラト イウデヤのはうはくたり、イロド ガリレヤのぶんぱうきみたり、そのきゃうだいフィリップ イトゥレヤおよびトラホニダのぶんぱうきみたり、リサニイ ワィリニヤのぶんぱうきみたり、

アンナおよびカイアファのさいちゃうたるときかみことばはザハリヤのイオアンにのぞめり。

かれはイオルダンのきんばうあまねきて、つみゆるしためくわいかいせんれいつたへたり、

げんしゃイサイヤのことばしょしるせるがごとし、いはく、ものこゑありてふ、しゅみちそなへ、そのこみちなほくせよ、

およそたにうづめられ、およそやまをかとはひくくせられ、まがれるはなほくせられ、けはしきはたひらかにせられん、

しかうしておよそにくしんかみすくひんと。

イオアンはせんくるためきたれるたみへり、まむしるゐよ、たれなんぢしゃうらいいかりさけくることをしめしたる、 しからばくわいかいかなむすべ、みづかおもひて、われちちはアウラアムなりとなかれ、けだしわれなんぢぐ、かみいしよりアウラアムのためおこすをよくす。

すでおのかる、およむすばざるは、られてげられん。

一〇 たみかれひてへり、しからばわれなにすべきか。

一一 かれこたへてへり、ふたつころもてるものたざるものあたへよ、しょくてるものしかせよ。

一二 ぜいまたせんくるためきたりて、かれへり、よ、われなにすべきか。

一三 かれこたへてへり、なんぢさだめられたるものよりおほなかれ。

一四 ぐんまたかれひてへり、われなにすべきか。かれへり、ひとおびやかなかれ、ふるなかれ、なんぢの俸たまもっれりとせよ。

一五 たみのぞみいだきて、みなそのこころに、イオアンをれハリストスにあらずやとはかりしとき

一六 イオアンしゅうこたへてへり、われみづもっなんぢせんさづく、しかれどもさらわれよりつよものきたる、われそのくつおびくにもへず、かれせいしんおよもっなんぢせんさづけん。

一七 そのそのり、かれそのうちきよめて、むぎそのくらおさめ、からえざるかん。

一八 そのおほくのことをしへてたみふくいんせり。

一九 ぶんぱうきみイロド、そのきゃうだいつまイロデアダのためおよおよそイロドのおこなひしあくために、かれめられて、

二〇 およそことまたこれせり、すなはちイオアンをひとやとざせり。

二一 たみみなせんくるとき、イイススもまたせんけていのれるに、てんひらけて、

二二 せいしんゆるかたちもって、はとごとそのうへくだれり、かつてんよりこゑありてへり、なんぢわれあいわれなんぢよろこべり。

二三 イイススそのつとめはじむるときとしおよそさんじふなり。ひとかれもってイオシフのせり。イオシフのちちはイリイ、

二四 そのちちはマトファト、そのちちはレワィ、そのちちはメルヒ、そのちちはイアンナ、そのちちはイオシフ、

二五 そのちちはマッタフィイ、そのちちはアモス、そのちちはナウム、そのちちはエスリム、そのちちはナゲイ、

二六 そのちちはマアフ、そのちちはマッタフィイ、そのちちはセメイ、そのちちはイオシフ、そのちちはイウダ、

二七 そのちちはイオアンナ、そのちちはリサ、そのちちはゾロワワェリ、そのちちはサラフィイリ、そのちちはニリ、

二八 そのちちはメルヒ、そのちちはアディイ、そのちちはコサム、そのちちはエルモダム、そのちちはイル、

二九 そのちちはイオシイ、そのちちはエリエゼル、そのちちはイオリム、そのちちはマトファト、そのちちはレワィ、

三〇 そのちちはシメオン、そのちちはイウダ、そのちちはイオシフ、そのちちはイオナン、そのちちはエリアキム、

三一 そのちちはメレア、そのちちはマイナン、そのちちはマッタファ、そのちちはナファン、そのちちはダワィド、

三二 そのちちはイエッセイ、そのちちはオワィド、そのちちはワォヲズ、そのちちはサルモン、そのちちはナアッソン、

三三 そのちちはアミナダフ、そのちちはアラム、そのちちはエスロム、そのちちはファレス、そのちちはイウダ、

三四 そのちちはイアコフ、そのちちはイサアク、そのちちはアウラアム、そのちちはファラ、そのちちはナホル、

三五 そのちちはセルフ、そのちちはラガフ、そのちちはファレク、そのちちはエワェル、そのちちはサラ、

三六 そのちちはカイナン、そのちちはアルファクサド、そのちちはシム、そのちちはノイ、そのちちはラメフ、

三七 そのちちはマフサラ、そのちちはエノフ、そのちちはイアレド、そのちちはマレレイル、そのちちはカイナン、そのちちはエノス、そのちちはシフ、そのちちはアダム、そのちちかみなり。

第四章[編集]

イイススせいしん゜にてられて、イオルダンよりかへり、しん゜にみちびかれてき、

じふにちあひだあくこころみられたり。しょじつにはいっさいくらはざりき、そのをはるにおよびてつひゑたり。

あくかれへり、なんぢかみならば、いしめいじて、ぱんらしめよ。

イイススこれこたへてへり、しるせるあり、ひとただぱんのみをもっくべきにあらず、すなはちおよそかみことばもってす。

あくかれたづさへて、たかやまのぼり、またたきかいばんこくしめして、

かれへり、これいっさいけんえいぐわとをなんぢあたへん、けだしわれゆだねられたり、われほっするものこれあたふ。

ゆゑなんぢわれはいせば、ことごとなんぢものとならん。

イイススこれこたへてへり、サタナ、われよりしりぞけ、けだししるせるあり、しゅなんぢかみはいせよ、ひとりかれのみにつかへよと。

またかれたづさへて、イエルサリムにいたり、でんいただきたしめて、かれへり、なんぢかみならば、みづかここよりしたとうぜよ、

一〇 けだししるせるあり、なんぢためそのてんめいじて、なんぢまもらしめん、

一一 かれそのにてなんぢかかへて、なんぢあしいしつまづかざらしめんと。

一二 イイススこれこたへてへり、へるあり、しゅなんぢかみこころみるなかれと。

一三 あくすでそのこころみつくして、しばらかれはなれたり。

一四 イイススかみちからてて、ガリレヤにかへれり、そのきこゑあまねはうひろまれり。

一五 かれそのしょくわいだうおいをしへべ、しゅうじんさんえいせられたり。

一六 かれそのやういくせられしところのナザレトにきたり、スボタに、そのじゃうれいりて、くわいだうり、まんとほっしててり。

一七 げんしゃイサイヤのしょかれあたふるあり、かれしょひらきて、しるせるところいだせり、いはく、

一八 しゅしんわれり、けだしかれわれあぶらして、まづしきものふくいんせしめ、われつかはして、こころいためるものいやし、とりこゆるしを、めしひることをつたへ、あっせらるるものいうあたへ、

一九 しゅよろこばしきとしつたへしめたりと。

二〇 すなはちしょおほひ、えきしゃあたへてせしに、くわいだうものみなかれそそげり。

二一 かれはじめてへり、なんぢきしところしょいまかなへり。

二二 しゅうみなこれしょうし、かつそのくちよりづるおんちょうことばとしてへり、れイオシフのあらずや。

二三 イイススかれへり、なんぢかならずわれことわざきてはん、よ、おのれいやせ、われきしところ、カペルナウムにおこなはれしことを、ここなんぢふるさとにもおこなへと。

二四 またへり、われまことなんぢぐ、げんしゃそのふるさとりてれらるるものあらず。

二五 われしんじつなんぢぐ、イリヤのに、さんねんろくかげつてんぢて、おほいなるきんぜんいたりしとき、イズライリのうちおほくのやもめありたれども、

二六 イリヤはそのひとりにもつかはされざりき、ただシドンのサレプタにのみ、やもめなるをんなつかはされたり。

二七 またげんしゃエリセイのとき、イズライリのうちおほくのらいびゃうしゃありたれども、そのひとりきよめられざりき、ただシリヤのエマンのみきよめられたり。

二八 くわいだうものこれきて、みなおほいいかり、

二九 ちてかれまちそとひ、きてそのまちてられたるやまがけいたり、かれおとさんとせしに、

三〇 かれしゅううちぎてれり。

三一 ガリレヤのまちカペルナウムにきたり、スボタおいかれをしへしに、

三二 ひとびとそのをしへとせり、そのことばけんありしゆゑなり。

三三 くわいだうらるるひとあり、おほごゑびてへり、

三四 ああナザレトのイイススよ、われなんぢなんあづからん、なんぢわれほろぼさんためきたりしか、われなんぢたれなるをる、すなはちかみせいなるものなり。

三五 イイススかれいましめてへり、くちぢて、ひとよりでよ。これだうちゅうたふし、すこしもこれそこなはずしてでたり。

三六 しゅうみなおどろきて、あひかたりてへり、いかなることばぞ、けだしかれけんもって、ちからもっめいじて、かれづ。

三七 そのきこえあまねはうあがれり。

三八 かれくわいだうでて、シモンのいへれり、シモンのしうとめねつむことはなはだし、ひとこれためかれへり。

三九 かれそのかたはらちて、ねついましめたれば、すなはちしりぞけり、をんなただちきてかれきょうせり。

四〇 ときしゅじゅやまひわづらふるものてるひとみなこれたづさへて、かれきたるに、かれいちいちそのうへせて、これいやせり。

四一 またおほくのひとよりでて、びてへり、なんぢかみハリストスなり。しかるにかれこれいましめて、そのハリストスたるをることをふをゆるさざりき。

四二 あさおよびて、イイススでて、ところけり、たみかれたづね、かれきたりて、そのかれはならんことをとどめたり。

四三 しかれどもかれこれへり、われまちにもかみくにふくいんし、けだしわれこれためつかはされたり。

四四 すなはちガリレヤのしょくわいだうおいをしへべたり。

第五章[編集]

たみかみことばかんために、かれせまりしときかれゲンニサレトのみづうみはまちて、

ふたつふねみづうみるをたり、ぎょしゃふねはなれてあみあらへり。

かれはシモンにぞくするひとつふねのぼりて、すこしくきしよりはなれんことをひ、してふねよりたみをしへたり。

かたをはりて、シモンにへり、ふかところうつり、あみしたして、ぎょせよ。

シモンこたへてへり、ふうよ、われよもすがららうして、ところなかりき、しかれどもなんぢことばりて、われあみおろさん。

すでこれおこなひて、うをかこめることはなはだおほく、あみくるにいたれり。

すなはちふねともまねきて、きたたすけしむるに、かれきたりて、うをふたつふねちて、ほとんしづまんとせり。

シモン ペトルこれて、イイススのひざもとふくしてへり、しゅよ、われはなれよ、われざいにんなればなり。

けだしかれおよかれともりしものは、みなすなどりたるうをためはなはだおどろけり、

一〇 シモンのともたりしゼワェデイのイアコフおよびイオアンもまたしかり。イイスス シモンにへり、おそるるなかれ、いまよりのちなんぢひとすなどらん。

一一 かれふねきしき、いっさいてて、かれしたがへり。

一二 イイススひとつまちりしときぜんしんらいびゃうわづらふるひときたり、イイススをて、ふくし、かれもとめてへり、しゅよ、なんぢのぞまば、われきよむるをよくす。

一三 かれべて、これれてへり、われのぞむ、きよまれ。らいびゃうただちはなれたり。

一四 イイススかれいましめてふ、ひとぐるなかれ、すなはちきて、おのれさいしめせ、かつなんぢきよまりしために、モイセイのめいぜしごとけんじて、かれしょうせ。

一五 しかれどもそのきこゑますますひろまり、おほくのたみをしへき、またそのしょびゃういやされんためかれあつまれり。

一六 ただかれしりぞきて、きていのれり。

一七 あるかれをしへべしに、ファリセイけうはふと、ガリレヤのしょきゃう、イウデヤ、およびイエルサリムよりきたりしものし、しゅちからびょうしゃいやすことにおいあらはれたり。

一八 よ、ひとびとちゅうぶうものとこせて、きたり、これいへれて、イイススのまへかんとほっしたれども、

一九 ひとおほきにりて、るるところざれば、やねのぼり、かはらあひだより、かれとこのままにおろして、なかにイイススのまへけり。

二〇 イイススかれしんて、そのひとへり、ひとよ、なんぢつみなんぢゆるさる。

二一 がくおよびファリセイひそかしてへり、けがしものたれぞ、ひとりかみよりほかに、たれつみゆるすをん。

二二 イイススかれおもひりて、かれこたへてへり、なんぢなんこころうちする、

二三 なんぢつみなんぢゆるさるとひ、あるひきてけとふは、いづれやすき、

二四 しかれどもなんぢひとりてつみゆるけんあることをらんため、(ちゅうぶうものむかひてへり)、なんぢふ、きて、なんぢとこりて、なんぢいへけ。

二五 かれただちかれまへき、たるとこり、かみさんえいして、そのいへけり。

二六 しゅうみなおどろきて、かみさんえいし、かつおほいおそれてへり、われこんにちなることをたり。

二七 のちイイススでて、ぜいはレワィイとものの、ぜいくわんせるをて、これへり、われしたがへ。

二八 かれいっさいてて、ちて、かれしたがへり。

二九 レワィイそのいへおいかれためおほいなるえんまうけしに、しょぜいおよものおほかれあたせきせり。

三〇 がくとファリセイとはうらみごとして、かれもんへり、なんぢなんぜいおよざいにんあたしょくいんする。

三一 イイススかれこたへてへり、すこやかなるものもとめず、すなはちやまひものこれもとむ。

三二 きたりしは、じんためあらず、すなはちざいにんしてくわいかいせしめんためなり。

三三 かれイイススにへり、イオアンのもんしばしばものいみしてたうす、ファリセイもんまたしかり、ただなんぢもんしょくいんするはなんぞや。

三四 かれこれへり、なんぢこんえんかくはなむこなほかれともときあにものいみせしむるをんや。

三五 しかれどもはなむこかれよりらるるいたらん、そのにはものいみせん。

三六 またたとへまうけてかれへり、あたらしきころもぬのりて、ふるころもおぎなものあらず、しからずばあたらしきころもをもき、かつあたらしきものよりりたるぬのふるものかなはざらん。

三七 またあたらしきさけふるかはふくろものあらず、しからずばあたらしきさけふくろやぶりて、さけれ、ふくろほろびん。

三八 すなはちあたらしきさけあたらしきふくろるべし、しからばふたつものそんせん。

三九 またふるさけみて、ただちあたらしきをほっするものあらず、けだしふ、ふるきはさらし。

第六章[編集]

パスハふつかのちはじめスボタに、イイススけることあり、かれもんみ、みてくらへり。

あるひファリセイかれへり、なんぢなんスボタおこなふべからざることをおこなふ。

イイススこれこたへてへり、なんぢはダワィドが、おのれおよそのじゅうしゃゑしときおこなひしこと

すなはちいかにしてかれかみいへりて、さいほかなんぴとくらふべからざるきょうぜんぱんりてくらひ、かつこれそのじゅうしゃあたへしをまざりしか。

またかれへり、ひとまたスボタしゅなり。

スボタかれくわいだうりて、をしふることありしに、かしこみぎへたるひとありき。

がくとファリセイとは、かれスボタおいて、ひといやすやいなやをうかがへり、かれつみするかんためなり。

かれそのおもひりて、へたるひとへり、きて、うちて、かれきててり。

イイススかれへり、われなんぢはんスボタにはぜんおこなひ、あるひあくおこなふ、いのちすくひ、あるひこれほろぼす、いづれよろしき、かれもくねんたり。

一〇 つひしゅうじんみまはして、ひとへり、なんぢべよ、かれしたれば、そのすこやかになりしことごとし。

一一 かれくるいかりて、たがひなにをイイススにさんとれり。

一二 かのかれたうためやまのぼりて、よもすがらかみいのれり。

一三 くるにおよびて、そのもんし、かれうちよりじふふたりえらびて、これづけたり。

一四 すなはちシモン、をペトルとめいぜしものおよそのきゃうだいアンドレイ、イアコフおよびイオアン、フィリップおよびワルフォロメイ、

一五 マトフェイおよびフォマ、アルフェイのイアコフおよびシオン、しょうしてジロトともの

一六 イアコフのきゃうだいイウダおよびイウダイスカリオト、すなはちのちかれりしものなり。

一七 イイススかれともくだりてへいてり、ここそのおほくのもんおよおほくのたみ、イウデヤのはうイエルサリムならびににティルとシドンとのかいひんよりして、

一八 かれかんためかつおのれやまひいやされんためきたりしものまたわづらふるものありき、かれいやされたり。

一九 しゅうみんかれさはらんとほっせり、けだしのうかれよりでて、しゅういやせり。

二〇 かれげて、そのもんへり、しん゜のまづしきものさいはひなり、かみくになんぢものなればなり。

二一 いまうるものさいはひなり、なんぢくをんとすればなり。いまものさいはひなり、なんぢわらふをんとすればなり。

二二 ひとためひとびとなんぢにくみ、なんぢち、かつののしり、なんぢしきものとしてつるときは、なんぢさいはひなり、

二三 そのよろこたのしめよ、てんにはなんぢむくひおほければなり、けだしかれせんくのごとげんしゃおこなへり。

二四 しかるになんぢめるものわざはひなるかななんぢすでなぐさめたればなり。

二五 いまきたるものわざはひなるかななんぢゑんとすればなり。いまわらものわざはひなるかななんぢかなしかんとすればなり。

二六 ひとみななんぢことはんときは、なんぢわざはひなるかなけだしかれせんくのごとげんしゃおこなへり。

二七 われなんぢものぐ、なんぢてきあいし、なんぢにくものぜんし、

二八 なんぢのろものしゅくふくし、なんぢしへたぐるものためいのれ。

二九 なんぢほほものには、ほほをもけよ、なんぢうはぎうばものには、したぎをもることをこばなかれ。

三〇 およなんぢもとむるものにはあたへ、なんぢものものは、またこれうながなかれ。

三一 ひとなんぢおこなはんをほっすることは、なんぢくのごとこれひとおこなへ。

三二 なんぢなんぢあいするものあいせば、なんぢなんかんしゃかあらん、けだしざいにんかれあいするものあいす。

三三 なんぢぜんおこなものぜんおこなひはば、なんぢなんかんしゃかあらん、けだしざいにんくのごとことおこなふ。

三四 かへさるるのぞみあるものさば、なんぢなんかんしゃかあらん、けだしざいにんすうごとかへされんためざいにんすなり。

三五 しかれどもなんぢてきあいし、なにをものぞまずしてぜんおこなひ、またあたへよ、すなはちなんぢむくひおほからん、なんぢじゃうしゃらん、けだしかれおんそむものおよしきものあいほどこす。

三六 ゆゑなんぢあはれなること、なんぢちちれんなるがごとくなれ。

三七 ひとするなかれ、しからばせられざらん、ひとつみするなかれ、しからばつみせられざらん、ひとゆるせ、しからばなんぢゆるされん。

三八 ひとあたへよ、しからばなんぢあたへられん、ますもって、れ、すりれ、あふれしめて、なんぢふところれられん、けだしなんますもってかひとはからば、これもっなんぢにもはかられん。

三九 またかれたとへへり、めしひめしひみちびくをるか、ふたりながらあなおちいらざらんや。

四〇 もんそのうへらず、およぜんしたるものそのごとくならん。

四一 なんぢなんけいていちりるをて、おのれうつばりるをおぼえざる、

四二 あるひおのれうつばりるをずして、いかんなんぢけいていげて、けいていよ、われなんぢちりいだすをゆるせとふをん、ぜんしゃよ、うつばりおのれよりいだせ、そのときいかけいていよりちりいだすべきをん。

四三 にはしきむすものなく、またしきにはむすものなし。

四四 およそそのりてらる、けだしいばらよりはいちじくまず、またあざみよりはだうらず。

四五 ひとそのこころたからぐらよりものいだし、しきひとそのこころしきたからぐらよりしきものいだす、けだしこころつるものくちふなり。

四六 なんぢなんわれしゅよ、しゅよ、ととなへ、しかうしてところおこなはざる。

四七 およわれきたり、ことばきて、これおこなものは、われそのなんぴとたるをなんぢしめさん。

四八 かれは、いへつるに、かつふかくし、もとゐいはうへきたるひとたり、こうずゐりしとき{{{2}}}横流|ながれ}}はそのいへきたれども、これうごかすあたはざりき、いはうへもとづづけたればなり。

四九 きておこなはざるものは、いへつちうへもとゐなくしててたるひとたり、ながれこれきしときただちたふれたり、かつそのいへくづれおほいなりき。

第七章[編集]

かれことごとそのことばたみかしめをはりて、カペルナウムにれり。

あるひひゃくちゃうそのあいするぼくみてせんとせしに、

イイススのこときて、イウデヤのちゃうらうかれつかはし、きたりてそのぼくいやさんことをへり。

かれイイススにきたたりて、しきりかれもとめてへり、なんぢひとためこれすはよろしきなり、

けだしかれたみあいし、われためくわいだうてたり。

イイススかれともきて、すでそのいへとほからざるときひゃくちゃうともつかはして、かれへり、しゅよ、らうするなかれ、けだしなんぢわれいへるはあたらず。

ゆゑわれまたおのれもっなんぢくにへずとせり、すなはちいちごんいだせ、しからばぼくえん。

けだしわれひとけんぞくすれども、したへいそつありて、われここけとへばき、かれきたれとへばきたり、ぼくこれおこなへとへばおこなふ。

イイススこれきて、かれとして、かへりみて、したがへるたみへり、われなんぢぐ、イズライリのうちにもわれくのごとしんざりき。

一〇 つかはされしものいへかへりてやまひめるぼくすでされしをたり。

一一 そののちイイスス ナインとづくるまちけるに、そのもんおほひとおよおほくのたみかれともけり。

一二 まちもんちかづきしときかしこしゃいださるるあり、ははひとりにして、そのははやもめなり、まちたみおほかれともにせり。

一三 しゅかれて、あはれみて、かれへり、なかれ。

一四 すなはちちかづきて、ひつぎにれたれば、ものとどまれり、かれへり、せうしゃよ、なんぢふ、きよ。

一五 しゃきてし、かつへり、イイススこれそのははあたへたり。

一六 しゅうみなおそれて、かみさんえいしてへり、おほいなるげんしゃわれうちおこれり、かみそのたみかへりみたり。

一七 かれけるこゑはイウデヤのぜんくにおよそのはうあがれり。

一八 イオアンのもんことごとこれことかれげたれば、

一九 イオアンそのもんふたりし、イイススにつかはしてへり、きたるべきものなんぢなるか、そもそもわれものつべきか。

二〇 かれイイススにきたりてへり、じゅせんイオアンわれなんぢつかはしていはく、きたるべきものなんぢなるか、そもそもわれものつべきかと。

二一 ときかれおほくのものもろもろわづらひやまひおよあくよりいやし、またおほくのめしひることをたまものへり。

二二 イイススかれへり、きて、ところきしところをイオアンにげよ、すなはちめしひき、あしなへあゆみ、らいしゃきよまり、みみしひき、しゃき、ひんじゃふくいんす。

二三 およわれためまどはざるものさいはひなり。

二四 イオアンのしゃりしのち、イイスス イオアンのことげてたみへり、なんぢなにんとしてでしか、かぜうごかさるるあしか、

二五 そもそもなにんとしてでしか、やはらかころもたるひとか、よ、にしきおごれるものわうみやり。

二六 しからばなにんとしてでしか、げんしゃか、しかり、われなんぢぐ、かれげんしゃよりおほいなり。

二七 かれすなはちしるして、よ、われつかひなんぢめんぜんつかはなんぢさきだちて、なんぢみちそなへしめんと、はれたるものなり。

二八 けだしわれなんぢぐ、をんなみしものうちじゅせんイオアンよりおほいなるげんしゃらず、しかれどもかみくにおいちひさものかれよりおほいなり。

二九 かれきししゅうみんおよぜいはイオアンのせんれいけて、かみしゃうせり。

三〇 しかれどもファリセイおよりつぱふかれよりせんれいけずして、かれけるかみむねこばみたり。

三一 しゅまたへり、しからばわれひとびとたれたとへん、かれたれたるか、

三二 かれは、どうちまたして、あひびて、われなんぢふえきたれども、なんぢをどらざりき、なんぢかなしみうたうたひたれども、なんぢかざりきとものたり。

三三 けだしじゅせんイオアンきたりて、ぱんくらはず、さけまずなんぢふ、かれらると。

三四 ひときたりて、くらむ、またふ、よ、しょくたしみ、さけこのものぜいおよざいにんともなりと。

三五 ただえいさとみなえいあきらかにせり。

三六 ファリセイいちにんかれともしょくせんことをひたれば、かれはファリセイのいへりてせきせり。

三七 ときそのまちをんなにしてつみあるものかれがファリセイのいへせきするをりて、にほひあぶられるぎょくうつはたづさきたり、

三八 そののちあししたち、きて、なみだもっそのあしうるほし、おのれかうべもっこれのごひ、そのあしせっぷんして、これにほひあぶられり。

三九 かれまねきたるファリセイはこれて、おのれうちへり、ひとげんしゃたらば、かれさはものたれたり、いかなるをんなたるかをらん、けだしざいぢょなり。

四〇 イイススかれこたへてへり、シモンよ、われなんぢふべきことあり。かれいはく、よ、これへ。

四一 イイススへり、あるかしぬしふたりさいしゃありて、ひとりぎんひゃくまいひとりじふまいへり、

四二 そのつぐなあたはざるにりて、かれふたりゆるせり、しからばふたりうちかれあいすることいづれおほからん、こころみにへ。

四三 シモンこたへてへり、おもふに、おほゆるされしものならん。かれこれへり、なんぢりしことただし。

四四 ここおいをんなかへりみて、シモンにへり、なんぢをんなるか、われなんぢいへりしに、なんぢあしためみづあたへざりき、しかるにかれなみだもっあしうるほし、かうべもっこれのごへり。

四五 なんぢわれせっぷんせざりき、しかるにかれは、ここりしときより、あしせっぷんしてめず。

四六 なんぢかうべあぶららざりき、しかるにかれにほひあぶらあしれり。

四七 ゆゑわれなんぢぐ、かれおほくのつみゆるさる、けだしかれおほあいせり、しかれどもすくなゆるさるるものは、すくなあいするなり。

四八 すなはちをんなへり、なんぢつみゆるさる。

四九 かれともせきせるものおのれうちへり、なんぴとにしてつみをもゆるすか。

五〇 かれをんなへり、なんぢしんなんぢすくへり、あんぜんとしてけ。

第八章[編集]

そののちかれもろもろまちおよむらめぐりて、をしへべ、かみくにふくいんせり、かれともじふあり、

またかつあくおよしょやまひより痊されたるにんをんなあり、すなはちななつでたるマリヤ、しょうしてマグダリナともの

またイロドのいへつかさフザのつまイオアンナ、またスサンナ、およそのおほくのをんなそのしょいうもっかれつかへしものなり。

おほくのたみもろもろまちよりあつまりて、かれきたれば、かれたとへまうけてへり、

ものそのたねかんためでたり、ときみちかたはらちしものあり、すなはちまれたり、またそらとりこれつひばめり。

いしうへちしものあり、でてれたり、うるほひなきがゆゑなり。

いばらうちちしものあり、いばらともびて、これおほへり。

よきちちしものあり、でて、むすぶことひゃくばいせり。これひてべり、みみありてくをものくべし。

そのもんかれひてへり、たとへなにぞ。

一〇 かれへり、なんぢにはかみくにおうることあたへられたれども、ものにはたとへもちゐる、かれれどもず、けどもさとらざるためなり。

一一 たとへごとし、たねかみことばなり。

一二 みちかたはらものは、けども、のちあくきたりて、そのこころよりことばうばふ、かれしんじてすくはれざらんためなり。

一三 いしうへものは、ときよろこびてことばくれども、おのれなくしてしばらしんじ、いざなひときそむく。

一四 いばらうちちしものは、きてり、しかうしてせいおもんぱかりたからたのしみとにおほはれて、むすばず。

一五 よきちちしものは、ことばきて、せいけつりゃうぜんなるこころこれまもり、にんたいしてむすぶ。(これひてべり、みみありてくをものくべし。)

一六 ともしびともし、しかうしてうつはもっこれおほひ、あるひとこしたものあらず、すなはちとうだいうへく、ものひかりためなり。

一七 けだしかくれてあらはれざるものなく、かくしてられず、かつあらはならざるものなし。

一八 ゆゑなんぢくことのいかんつつしめ、けだしてるものこれあたへられ、たざるものは、そのてるとおもものも、これよりうばはれん。

一九 ときかれははおよきゃうだいかれきたりしに、ぐんしゅうためちかづくをざりき。

二〇 あるひかれげてへり、なんぢははおよなんぢきゃうだいそとちて、なんぢんとほっす。

二一 かれこれこたへてへり、ははおよきゃうだいとは、かみことばきておこなものここなり。

二二 あるかれもんともふねのぼりて、かれへり、われみづうみきしわたるべし、すなはちけり。

二三 ときかれねたり。はやてみづうみおろし、みづふねたんとして、あやうきことはなはだし。

二四 もんきてかれましてへり、ふうふうわれほろぶ。かれきて、かぜみづなみとをいましめたれば、すなはちみて、おだやかになれり。

二五 かれへり、なんぢしんいづこるか。かれおそおどろきて、たがひへり、なんぴとぞ、かぜにもみづにもめいじて、またかれしたがふ。

二六 ガリレヤむかへるガダラきて、

二七 かれきしのぼりしときまちひとりものかれむかへたり、すなはちひさしくまきられ、ころもず、いへまずして、はかめるものなり。

二八 ひとイイススさけび、かれまえふふくし、おほいなるこゑもつへり、しじやうなるかみイイススよ、われなんぢなんあづからん、なんぢもとむ、われくるしむるなかれ。

二九 けだしイイススをきひとよりづるをめいじたり、そのかれとらへしことひさしければなり。かれまもりて、くさりかせとにつなぎたれども、かれつなぎちて、まきためはれたり。

三〇 イイススかれひてへり、なんぢなにぞ、かれへり、レゲヲンおほくのまきかれりたればなり。

三一 まきイイススに、かれらふちくをめいぜざらんことをもとめたり。

三二 かしこぶたおほむれやまはれたるあり、まきかれに、そのなかるをゆるさんことをもとめたればかれこれゆるせり。

三三 まきひとよりでゝ、ぶたりしに、むれがけよりみづうみけておぼれたり。

三四 ものりしことて、はしきて、まちおよむら〳〵げたれば、

三五 ひと〴〵りしところためで、イイススきたりて、まきでたるひところもこゝろたしかにして、イイススそくかせるをて、おそれたり。

三六 ものまきられたるひといかいやされしをげたれば、

三七 ガダラちはうたみは、みなイイススかれらはなれんことをへり、おほおそれしゆゑなり。かれふねのぼりてかへれり。

三八 まきでたるひとかれともらんことをもとめたれども、イイススこれらしめてへり。

三九 なんぢいへかへりて、かみいかなることおこなひしをげよ。かれきて、ぜんいふイイススかれいかなることおこなひしをべたり。

四〇 イイススかへりしときたみかれけたり、みなかれちたればなり。

四一 よ、イアイルづくるひとにして、くわいだうつかさたるものきたりてイイススそくかふふくし、そのいへらんことをもとめたり。

四二 けだしかれひとりむすめとしおよそじふものありて、いませんとせり。かれときたみこれせまれり。

四三 じふにねんけつろううれふるをんないしためそのこと〴〵くのしょいうつひやしたれども、ひとりにもいやさるゝをざりしものは、

四四 あとよりきて、かれころもすそさはりしに、そのけつろうたゞちとゞまれり。

四五 イイススへり、たれわれさはりたる。しゆうみとめざるときペトルおよかれともりしものへり、ふうしたみなんぢめぐりてせまるに、なんぢたれわれさはりたるとふか。

四六 しかれどもイイススへり、われさはりしものあり、けだしわれちからわれよりでしをおぼえたり。

四七 をんなみづかかくあたはざるをて、をのゝきてきたり、かれまへふふくして、かれさはりしゆゑまたいかにしてたちどころいやされしを、かれしゆうみんまへげたり。

四八 かれこれへり、むすめよ、こゝろやすんぜよ、なんぢしんなんぢすくへり、あんぜんとしてけ。

四九 かれなほいときくわいだうつかさいへよりひときたりていはく、なんぢむすめすでせり、わづらはすなかれ。

五〇 イイススこれきて、つかさこたへてへり、おそるゝなかれ、たゞしんぜよ、かれすくはれん。

五一 いへきたりて、ペトルイオアンイアコフおよせうぢよふぼほかたれにもることをゆるさゞりき。

五二 しゆうじんためかなしめるに、かれへり、なかれ、かれせしにあらず、すなはちぬるなり。

五三 ひと〴〵そのせしりて、かれあざわらへり。

五四 かれしゆうそといだして、そのりて、びてへり、せうぢよきよ。

五五 そのしんかへりて、たゞちきたり、かれこれしょくあたへんことをめいぜり。

五六 そのふぼおどろきたり、イイススかれらいましめて、おこなはれしことひとぐるなからしめたり。 五七 かれみちときあるひとかれへり、しゅよ、なんぢいづこくとも、われなんぢしたがはん。

五八 イイススこれへり、きつねにはあなあり、そらとりにはあり、ただひとにはかうべまくらするところなし。

五九 またものへり、われしたがへ。かれへり、しゅよ、われきて、ちちはうむるをゆるせ。

六〇 しかれどもイイススこれへり、しゃそのしゃはうむるをまかせよ、なんぢきて、かみくにつたへよ。

六一 またものへり、しゅわれなんぢしたがはん、ただきていへものわかれぐるをゆるせ。

六二 イイススこれへり、すきけて、うしろかへりみるものは、かみくにあたらざるなり。

第九章[編集]

イイススじふあつめて、かれおよそせいし、またしょびゃういやちからけんとをあたへ、

かれかみくにつたへ、またびょうしゃいやさんためつかはし、

かつかれへり、たびためつゑをも、ふくろをも、かてをも、ぎんをも、いっさいなかれ、ふたつころもをもたづさふるなかれ。

いづれいへるとも、かしことどまりて、またかしこよりみちでよ。

なんぢけざるものあらば、そのまちづるときなんぢあしちりをもはらへ、かれたいするしょうさんためなり。

かれでて、むらざとき、あまねふくいんべ、いやしほどこせり。

ぶんぱうきみイロド、およそイイススのおこなひしこときて、まどへり、けだしあるものこれをイオアンのよりふくくわつせしなりとひ、

ものはイリヤのあらはれしなりとひ、またものいにしへげんしゃひとりふくくわつせしなりとへり。

イロドへり、イオアンは、われすでそのかうべれり、いまくのごとことくは、なんぴとぞ、すなはちかれんとほっせり。

一〇 かへりて、そのおこなひしこともってイイススにげたり、かれこれたづさへて、潛にワィフサイダとづくるまちちかところしりぞけり。

一一 たみこれりて、かれしたがひしに、かれこれけて、かみくにことかたり、かついやしもとむるものいやせり。

一二 かたぶときじふかれきてへり、たみらしめよ、かれまはりむらざときて、やどり、しょくもとめんためなり、けだしわれここところるなり。

一三 しかれどもかれへり、なんぢこれしょくあたへよ。かれへり、きて、しゅうみんためしょくはずば、われにはいつつぱんふたつうをとのほかるなし。

一四 けだしそのひとおよそせんありき。かれそのもんへり、かれじふづつ並びせしめよ。

一五 くのごとおこなひて、しゅうじんせしめたり。

一六 かれいつつぱんふたつうをとをりて、てんあふぎてこれしゅくふくし、これき、もんあたへて、たみまへつらねしめたり。

一七 みなくらひてき、そのあまりたるくづじふ