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プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/PMOの導入:開発者の足並みをそろえる

提供:Wikisource


もしあなたがソフトウェア開発者なら、使いやすくて柔軟性のあるフレームワークがあれば、すぐにでも動くソフトウェアを作れるのにと思っていることでしょう。残念なことに、社内部門で標準化されたアプローチをとる方向へと、世の中は進んでいます。これはソフトウェア開発者を除くすべての人にとって朗報です。

組織構成に関して、最近PMO(Project Management Office)が盛んに検討されています。これは世界的な現象で、少人数のグループに企業のプロジェクトやプログラムに対する監督と支援をさせるという考え方です。このグループの目的は、ドキュメントやテンプレートに一貫性をもたせ、報告プロセスを標準化し、プロジェクトによるビジネス価値を高める一貫性ある方法を提供することです。

PMO は知識やノウハウ、部門間調整の拠り所になることを目的としています。また、統一されたポートフォリオマネジメント、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメントのプラクティスを通して、彼らは戦略的ビジネス目標をプロジェクトに属する従業員の行動に関連付けます。これはプロジェクト・マネジャーの雇用確保にとってもよいことです。

企業内でのPMO の機能には次のようなものがあります。● 戦略:PMO のメンバーには、組織の戦略計画と足並みをそろえて、プロジェクトの立案、選択、優先順位付けをする機能があります。● 指示:PMO のメンバーはガイドライン、標準、テンプレートを定義します。また、プロジェクト・マネジャーが開発チームの目標をうまく達成できるよう、すぐれたプラクティス、ツール、テクニック、ソフトウェアをどのように適用すべきか、評価し選択します。● 支援:PMO はチームメンバーとプロジェクト・マネジャーをサポートします。これは、トレーニングクラス、部門共通で使えるテンプレートやドキュメントの調整、配属など人的資源の問題について、プロジェクト・マネジャーと連携するという形で現れます。

PMO の機能は世界中の企業ごとに異なります。それぞれのビジネスは異なる発達段階にあり、それぞれが異なるプラクティスを使っているためです。したがって、同じPMO という名前であっても、先ほど説明したリストにある機能をいろいろと組み合わせた責務をもっていたり、ここでは説明していない独特な責務をもっていたりします。

PMO は適度に標準化されて検証された、ツール、テクニック、ソフトウェアについて、プロジェクトにアドバイスします。そうすることで、不確実性による問題や、安価な/ すぐれた/ 迅速なプロジェクトを過度に重視することによる問題を軽減します。すぐれたPMO は必要とされるところ、効果のあるところに標準化された方法論を適用します。これには、プロジェクトの特定、データ収集、分析、情報収集、配布、報告、リスクマネジメント、調達、品質、その他ドキュメントやコミュニケーションなどのプロジェクトマネジメント知識が含まれます。

PMO モデルの導入による経済的成功というテーマは、国際的な会議、セミナー、最近発表された論文などでも注目されています。アカデミックな議論も盛んに行われています。大学での経験を「現実世界」のプラクティスに対応づける必要性が高まっているためです。今日の学生は明日の開発者なのです。

PMO は広く普及してきています。もしあなたがソフトウェア開発者であれば、積極的にPMO と話し合うべきです。あなたのプロとしてのサクセスストーリーやソフトウェア開発プロセスの独自性について、PMO に伝えましょう。さもないと、あなたのニーズに合わないメソッドやドキュメント、要求、手順を押しつけられることになります。高速で、すぐれた、高品質のソフトウェアはみんなのためになるのです。

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