プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/ITプログラムの管理
複数の関係する技術プロジェクトがより大きな「プログラム」にまとめられることがよくあります。こうした戦略がとられるのは、プロジェクトを費用対効果の高いやり方で完了するため、そして、重複や隙間をなくして組織に戦略的利益をもたらすためです。ただし、個々のプロジェクトが実現しなければならない真のビジネス目標とは何なのか、チームがほかのプロジェクトとどのように連携するのか、プロジェクト・マネジャーがチームメンバーに正しく伝えることが極めて重要になります。またチームメンバーも、具体的なプロジェクト目標の実現が全体のプログラム目標の成否にどのように寄与するのか、理解しなければなりません。
そのためには重要なタスクがいくつかあります。
- 単なる独立した価値を超えた、プロジェクトの重要性を高めるようなつながりを見つける。
- プログラムに含まれる全プロジェクトで共有される関係、成果物、リスクを定義する。
- プログラムが達成しようとしている最終ソリューションにチームメンバー全員が一致協力し続ける。
- 避けられない問題が現れたとき、プログラムの戦略的目標に合ったソリューションを提案できるよう、ビジネスを理解する。
プロジェクトをプログラムにまとめるという考え方は中南米ではまだあまり成熟していませんが、私たちは共通のガバナンスポリシーを使ってプログラムを管理するという経験を積んでいるところです。各チームが自分のプロジェクトの仕事だけでなく、プログラム全体の目標に対して明確なビジョンを持つことには、明らかに大きな恩恵があります。
一番難しいのは、ベンダー、クライアント、スポンサー、その他ステークホルダーから賛同を得ることでしょう。技術プロジェクトをまとめるときには、彼らの関心、要求、ニーズを分析して、それぞれのプロジェクトにとって価値があることを確かめる必要があります。プログラムとしてまとめることで、プロジェクトを単独でやっていたときよりも大きな価値が得られなくてはなりません。
特に顧客が複数の国にわたるときには、技術を生み出す方法、組織の手続きやプロセスについて、それぞれの顧客がみな異なる考えを持っているでしょう。プログラム目標に対するステークホルダー全員の調整をするためには、国際的に認められたプログラムマネジメントプラクティスへの合意と承認が欠かせません。
手法をうまくそろえるには、すべてのプロジェクトで使える、共通だけれども柔軟性のあるドキュメントやテンプレートが必要になります。IT プログラムを管理するときには通常、独自の方法論とテンプレートをもったベンダーによる商品やサービス、あるいは、同時進行しているほかのプロジェクトの成果が必要になります。したがって、始める前にどのドキュメントを使うのか、すべての関係者で同意しておく必要があります。
ここで使われるプロジェクトマネジメント手法はどんなものですか?
もし、方法論、手続き、プロセス、統合された変更管理手順について、個々のプロジェクトチームが同意できなければ、プロジェクトの共同開発は円滑にいかないでしょう。これらを選ぶとき、プロジェクトマネジャーはプロジェクトを効率よく実行しコントロールするのにどのテンプレートやプラクティスが妥当であり有用であるのか、チームに尋ねなくてはなりません。
共通のプロセスとドキュメント/ テンプレートといったツールがそろえば、あなたは技術プロジェクトをひとつのプログラムにまとめることができます。こうすることで、単独のプロジェクトでできることよりも大きな価値を顧客や組織に対して提供できるでしょう。
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