プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/既製のソフトウェアを購入するということ
今や既製のソフトウェアを購入するというのは、よくあることですし効果的でもあります。既製のソフトウェアは実装済みで、テスト済みで、箱から出せばすぐに使える状態にあります。他にも理由があります。既製のソフトウェアを使って開発および実装フェーズにかかる時間を削減することにより、組織は効率を高め、その効果を最適化できるためです。既製のソフトウェアを購入するということは、ソフトウェアを買うだけでなく、ソフトウェアを書いた会社のノウハウも買っているのです。
もちろん、その組織特有の手続き、ポリシー、レガシーソフトウェア(例えば、会計システム、セキュリティソフトウェアなど)もあるでしょう。したがって、たいていの場合、新しいソフトウェアを会社のポリシーや手続きをサポートするようカスタマイズして、既存のレガシーシステムと統合する必要があります。多くの場合、ベンダーは実際に販売する前にカスタマイゼーションのための知識を手に入れます。
これは大きな問題になるおそれがあります。綿密な調達プロセスにしたがっていたとしても、新しいソフトウェアの機能(定型処理、データ入力画面、レガシーソフトウェアとの統合など)がビジネス/ 製品部門の要求通りに機能するか判断するのは、非常に困難なことです。調達プロセスが完了して、契約を交わし、プロジェクト計画が承認され、実行されても、テストフェーズになってようやく問題が持ち上がることもあります。問題はカスタマイゼーションに関するものかもしれませんし、最悪の場合、デモを見てそのソフトウェアが備えていると思っていた機能に関するものかもしれません。
契約を交わす前には、以下のステップにしたがうことが非常に重要です。
- 会社のソフトウェアニーズに関する綿密なチェックリストを用意しましょう。
- 会社を訪問して、適正評価レポートを用意しましょう。
- ベンダー評価レポート、テストケース、テスト計画を用意しましょう。
- テストケースが完了していて、ドキュメント化されているか確かめましょう。
- 契約を交わす前に、テスト計画、テストケースをフォローしておきましょう。
双方のギャップを埋めるための計画は、双方の会社によって理解され、承認されなくてはなりません。以上のプロセスに注意深くしたがい、ドキュメント化しておきましょう。そうすれば、どのソフトウェアを購入するべきか判断するための明確な情報や、ソフトウェアのカスタマイズに要する時間の見積り、それに使う実際の関連コストを得ることができます。長期的に見て、あなたはお金と時間を節約できるでしょう。
ベンダーを選定して契約を交わすまで、かなりの時間がかかるように聞こえるかもしれません。実際のところそうなのですが、ソフトウェアがあなたの手元に導入されるのを待つよりも、契約を交すところまでに時間をかける方が望ましいのです。テストをしている最中に、あるいは最悪の場合には、ソフトウェアがエンドユーザーに配布された後に、あまりに多くの非互換性が見つかってしまうと、結局のところコストは跳ね上がります。
そうならないためにも、既製のソフトウェアの購入を決定するときには、購入前に真のニーズを特定して、選定するソフトウェアの機能や技術詳細を調査することにもっと時間をかけましょう。そのソフトウェアプロバイダになじみがあろうとなかろうと、ソフトウェアが影響の小さなデスクトップアプリケーションであろうと会社の命運を左右する重要なサーバーサイドアプリケーションであろうと、このアプローチを活用しましょう。
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