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プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/ミッシングリンク

提供:Wikisource


ソフトウェアプロジェクト・マネジャーにとって最も難しいチャレンジのひとつは、チームメンバーをタスクとスケジュールにアサインするだけでなく、プロジェクトの作業に「うまく」没頭させることでしょう。日々の業務遂行責任、トラブルシューティング、部門課題への対応、毎日のコミュニケーション対応といった日常業務と、プロジェクトのための時間制約のある業務を完了させることとのあいだで、チームメンバーは板ばさみになっているのです。

開発者はプロジェクトチームに選抜されると、最初のうちは栄誉なことだと思うかもしれませんし、プロジェクトに参加することで毎日の気晴らしになると感じるかもしれません。しかし、いざとなれば、プロジェクトのタスクよりも担当システムの日々のメンテナンスとサポートの方が自分にとって重要であると率直に認めるかもしれません。

プロジェクト・マネジャーとして、あなたは自分の仕事を優先しない、あるいは優先できない人をチームから追い出したくなるでしょう。しかし、ほとんどの組織では、対象分野の専門家(SME:Subject Matter Expert)の数は限られており、チームメンバーを変更したり、プロジェクトにもっと専念できる人をアサインすることは事実上不可能かもしれません。

こうした問題の解決に役立つシンプルな提案をいくつかあげておきましょう。

  • すべてのマネジメントレベルが、プロジェクトの目標と目的を支持しているか確認しましょう。
  • 専門家(SME)の職務記述書を変更して、「(日常業務以外にも)アサインされた義務を果たす」ではなく「必要に応じて複数のプロジェクトのメンバーとして行動する」と入れておきましょう。
  • マネジメントと人事にこの変更を重視させましょう。そして、今後の実績評価において、すべての統括者がプロジェクト活動を重視することを確認しましょう。
  • プロジェクト開始時には、プロジェクト・マネジャー、部門マネジャーもしくは統括者、スポンサー、そのほか重要なステークホルダーたちは、プロジェクトに参加要請したチームメンバーに対して、個人名入りの案内を送るべきです。この手紙やメールには、そのプロジェクトが果たすべき大局的な目的と、各チームメンバーの包括的な責任について説明しておくべきです。
  • プロジェクトが成功すれば、チームメンバーは正当に評価されることを伝えておきましょう。四半期の実績レビューの評価対象となり、人事にも報告され、記録として残ることも伝えておきましょう。
  • 部門マネジャーの上司は、プロジェクトが組織の目標を達成するために実行されており、日常的なIT タスクよりもはるかに重要であることを明確に伝えるべきです。
  • エグゼクティブは、プロジェクトのチームメンバーが日常業務から開放されてプロジェクト活動に専念できるよう、部門マネジャーにはっきり要請するべきです。たとえメンバーの定期的なタスクをITグループの別のメンバーに一時的に押し付けることになったとしてもです。

プロジェクトにうまく参加できている人は、組織のために「一層の努力」をしていると理解され、表彰され、報酬を与えられるべきです。大なり小なりプロジェクトにうまく参加できている人は、名指しで褒められるべきなのです。アジャイル界でよく言われるように、こうすることで組織の目標と従業員のモチベーションをうまく一致させ、「可能性を広げる技」を正しく見定めるのです。

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