プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/プロジェクトスコープ記述書の重要性

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プロジェクト計画が堅実なプロジェクトマネジメント方法論の骨格だとすると、プロジェクトスコープ記述書は中枢です。スコープ記述書はプロジェクトのビジョンを詳しく述べたものです。ここには、目標と成果物、プロジェクトの成功がどのように評価されるのかを記述します。

残念なことに、ほとんどのステークホルダーはスコープ記述書を書くことにあまり関心がありません。それどころか、時間をかけて包括的なスコープ記述書を作っても、ほとんどは署名も乾かないうちに保管して、二度と見ることがないのです。顧客が期待していることが実現できているか確かめるには、プロジェクトを通してスコープ記述書で絶えず確認することが重要です。

私が自分の顧客によく使う、お気に入りのたとえ話があります。それはリフォームについてです。地下室の仕上げに業者を雇うことを想像してください。あなたはどんなレイアウトにするのか、業者に指示しますか、それとも業者に任せますか?

確かに業者も部屋をどれくらいの大きさにすべきか、どこに配管があるのかなど、レイアウトについてある程度は考えているでしょう。しかし、あなたはベッドルームが2 つ、スリークォーターサイズのお風呂、そして娯楽室がほしいと思っているのに、業者がベッドルームが1 つ、フルサイズのお風呂、そして本格的なバー付きのファミリールームを作ったらどうしますか?

これはあなたが考えていたのとは全然違います。

スコープ記述書の重要性は、まさにここにあります。スコープ記述書はプロジェクトの青写真です。ここにはプロジェクトの最終製品やサービスの特徴について記述されています。スコープ記述書がなければ、ステークホルダーがベッドルームを2 つ期待しているのに、あなたは1 つしか作らないかもしれません。スコープ記述書はステークホルダーの期待を管理するのにも役立ちます。私はこれまでに何度も、プロジェクトの局面で身動きがとれなくなったことがあります。プロトタイプフェーズになって初めて、「ベッドルームが2 つできると思っていたのに」と言い出すステークホルダーが必ずいるものです。ここでスコープ記述書が助けになります。もちろん、これを武器のように振りかざすのはよくありませんが、プロジェクト開始時に立ち返って、ステークホルダーが合意したことをやさしく思い出させるのには、うってつけの方法です。

ステークホルダーと一緒にスコープ記述書を定期的に見直すのはよいことです。ステータスミーティングやステアリングコミッティーミーティングといった場を使って、レビューするとよいでしょう。ミーティング1 回おき、あるいはプロジェクトの大きさとスコープを考慮して適度な間隔で、スコープ記述書にある成果物をレビューする時間をとりましょう。

もしステータスミーティングを定期的に実施していれば、すでにある程度はできているかもしれません。ステータスミーティングでは通常、この作業期間で実現した作業と次の作業期間で完了する予定の作業について取り上げます。ときには次の作業期間を超えて、プロジェクトで今後実現する予定の重要な成果物について、全員に思い出させる時間をとりましょう。

プロジェクトスコープ記述書を定期的にレビューすることで、プロジェクトが成功するチャンスは高まり、ステークホルダーの期待とプロジェクトの目標とを絶えず一致させることができるのです。

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