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ガラテヤ人に贈れる使徒パウロの書状 (新契約聖書) 第五章

提供:Wikisource
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第五章

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1 是の故にキリストは自由をもて、我等を自由ならしめ給へり。堅く立て、かくて復た奴僕の範を負ふ勿れ。
2 見よ、われパウロ汝等に云はん、汝等もし割禮せらるれば、キリストは汝等を益することなかるべしと。
3 且つわれ復た割禮せられたる人おのおのに證す、彼は掟を盡く爲すべく負へる者なることとを。
4 汝等掟にて義とせられたる者は、キリストより離れ、惠より落ちたるなり。
5 そは我等は靈にて、信仰にて、義の望を待てばなり。
6 そはキリスト・イエスに在りては、割禮も無割禮もちからあることなく、唯愛によりて働く信仰のみ〔能〕あればなり。
7 汝等は良く走りつつありき、誰が眞理に順はざるやう汝等を妨げしや。
8 かの勸は汝等を召し給ふ者よりにあらず。
9 少しのパン種は塊を全く脹らしむ。
10 我は汝等の少しも別の念のなかるべきことを、主に在りて汝等のために確く信ず。されど誰にもせよ、汝等を攪き亂す者は裁を受くべし。
11 兄弟よ、もしわれ尚ほ割禮を宜べなば、尚ほ何ぞ迫害せられんや、されば十字架の躓は罷みたり。
12 我は汝等を騒がす者の、己自ら根元より切り放たんことをさへ願ふ。

13 そは兄弟よ、汝等は自由のために召されたればなり。唯その自由を肉に對する機のために用ゐざるのみならず、されど愛によりて互に奴僕たれ。
14 そはすべての掟は、汝の隣人を己自身の如くに愛すべし、との一と言にて滿たさるればなり。
15 されどもし汝等互に咬み且つ噬はば、互に喰ひ盡されぬやう視よ。

16 されどわれ云はん、汝等靈にて歩め、また肉の慾を必ず遂ぐる勿れ。
17 そは肉は靈に逆らひて望み、また靈は肉に逆らひ、かくて此等のものは互に戻ればなり。是れ何にても汝等の欲する、それらの事を汝等の爲さざらんためなり。
18 されどもし汝等靈に導かるるならば、汝等は掟の下にあるにあらず。
19 されば肉のわざは顯なり、卽ち姦淫、淫行、不淨、好色、
20 偶像服事、咒術、怨恨、謬、妬、恚、黨心、分離、異端、
21 嫉、殺人、醉酒、宴樂、及び此の似き事どもなり。われ前にこれを汝等にいひし如く、豫め汝等に云はん、卽ちかくの如き事を行ふ者は、神の國を嗣ぐまじ。
22 されど靈の實は、愛、喜、平和、忍、慈愛、善、信仰、
23 柔和、自制なり。かくの如き事に逆らふ掟はあることなし。
24 さればキリスト[・イエス]につきてある者は、肉を情及び慾とともに十字架につけたり。
25 我等もし靈にて生きなば、また靈にても歩むべきなり。
26 互に挑み、互に嫉みつつ、虚榮者となるべからず。