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エズラ第二書 第四章

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第四章

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1 われつかはされたる御使みつかひ(そのはウリエル)われこたへていふ
2 『なんぢこゝろこのことにいたくわづらはさるるに、なんぢいかでいとたかものみちさとんや。』
3 われいふ『わがしゆよ、しかり。』
かれわれこたへてふ『われつのみちなんぢしめし、つの譬喩たとへなんぢまへげんがためにつかはされたり。
4 もし、なんぢ、このつのうちのひとつをわれぐることば、われまたなんぢなんぢんとするみちをしへん。またひとこゝろ何故なにゆゑしきかをもをしへん。』
5 われいへり『かたりたまへ、わがしゆよ。』
かれわれにいふ『け、わがために火熖ほのほおもさをはかれ。ますにてかぜはかれ。またわがためにぎしびかへせ。』
6 われこたへていふ『此等これらのことをなしるもの一人ひとりもなきに、何故なにゆゑわれにこれをたづたまふか。』
7 かれわれにいふ『もしわれなんぢに「うみ深處ふかみ住居すまひいくつありや、またふちみなもといづみいくつありや、そらうへみちいくつありや、陰府よみ出口でぐち何處虜いづこにありや、またパラダイスにいたみち何處いづこにありや」とはば、
8 おそらくはなんぢわれに「われふちくだりしこともなく、陰府よみいたりしこともなく、またてんのぼりしこともければ」とこたふるならん。
9 されどわれなんぢかぜことのみをたづねたり。なんぢ此等これらのもののうち輕來へきたれり。此等これらのものくば、なんぢるをじ、されどなんぢこれにつきてすらもこたざりき。』
10 かれまたわれにいふ『なんぢわかときより、なんぢともりしものをることすらあたはざるに、
11 なんぢうつわ、いかでいとたかものみちさとるをんや。またちはてしにありてちはてしもの、いかでちはてぬものをさとるをんや。』
12 われこれらのこときたればひれふして、かれにいふ『われらここにきたり、不義ふぎうちに生き、かつくるしみて、その何故なにゆゑなるをさとらざるよりは、むしろきたらざりしかたよろしかりしならん。』
13 かれわれにこれへていふ『かつはやしでてたがひかたひぬ
14 「われきて、うみわれらのまへより退しりぞき、われらなほおほくのはやしをつくりんがため、うみむかひてたゝかひをいどまん。」
15 うみなみおなじくともはかりてふ「いざのぼりて我等われらのためにあたらしきつくらんがため、はやしむかひてたゝかひをいどまん。」
16 されどはやしおもふところむなしくなれり。そは、きたりて、そのはやしつくしたればなり。
17 うみなみおもひまたおなじくむなしくなれり。そは、すなちて彼等かれらとゞめたればなり。
18 もしなんぢこれらのもののあひだ審判者さばきびとなりしとせば、いづれをとし、いづれをつみありとせしぞ。』
19 われこたへていふ『かれたがひむなしきことをかんがへぬ。そはりくはやしあたへられ、またうみおもはそのなみつなり。』
20 かれわれこたへていふ『なんぢたゞしくさばきたり。なんおのれのことにつきておな審判さばきをなさざるか。
21 りくはやしに、うみをそのなみあたへられたるがごとく、うへものうへのことのみをさとり、てんうへものてんたかことさとらん。』
22 そのときわれこたへていひぬ『しゆよ、いかなればわれものをわきまふる能力ちからあたへられしぞ。
23 われうへみちたづぬるをほつせず。たゞ日々ひゞわれらのまへぎゆくことをたづぬ。そはイスラエル異邦人いはうじんうちのゝしられ、なんぢあいせしたみかみらぬ人々ひと〴〵わたされ、我等われら先祖せんぞたちの律法おきてむなしくなりて、しるされたる契約けいゆくまもられざればなり。
24 われらはいなごごと此世このよく。我等われら生命いのち呼吸いきごとく、我等われら恩惠めぐみるにらざるなり。
25 されどかれ、われらのびまつる御名みなにつきてなにをなしたまふや。われ此等これらのことにつきてたづねたるなり。』
26 かれわれこたへていふ『なんぢかのときらばることあらん。またなんぢ生存いきながらへなばあやしとおもふことあらん。はとくけばなり。
27 このたゞしきものやくされたるものをたもつことあたはず。そはこの苦惱なやみよわきとにてつればなり。
28 なんぢわれひたるしきことすでかれたり。されどそれを時機ときいまきたらず。
29 かれたるものられず、またしきもののかれたるところうしなはれずばものかるるはたけきたらず。
30 元始はじめよりアダムのこゝろ一粒ひとつぶしきたねかれたれば、いまいたるまで如何いかおほ不義ふぎむすび、また收穫かりいれきたらんときまで如何いかおほくこれをむすぶべきぞ。
31 しきたね一粒ひとつぶより不義ふぎ如何いかおほむすばれしや。なんぢみづからこれをおもひめぐらすべし。
32 かぞつくすことあたはぬかれなば、おほいなる禾場うちばをもたさん。』
33 われこたへていふ『如何いかなるときまでにか、また如何いかなるときにか、これらのことどもおこるべき。なん我等われらとしかくすくなくしてしきや。』
34 かれわれこたへていふ『なんぢはいとたかものまさりていそあたはじ。そはなんぢおのれのためにいそげど、うへいまものおほくのひとためいそたまへばなり。
35 たゞしきひとたましひ、その安息所やすみどころおい此等これらのことにつきてたづねたるにあらずや。すなはちわれ如何いかなるときまでかくのごと希望のぞみつべき。またわれらの禾場うちばむくいはいかなるとききたらんとするや。』
36 御使みつかひをさエレミエル彼等かれらこたへていふ『なんぢたるものかず滿つるときなり。そは、かれはかりをもてはかるべければなり。
37 かれときはかれり。かずによりて季節きせつはかり、これをかぞへたり。さだめられたるはかり滿つるときまでかれこれらのものをうごかたまはじ。』
38 われこたへていふ『しゆよ、わがしゆよ、我等われらみな不義ふぎ滿たされぬ。
39 たゞしきひと禾場うちばとゞめらるるは、われらのため、またものつみのためにあらずや。』
40 かれわれこたへていふ『きてはらみたるものたづねよ「かれ九月こゝのつき滿つればそのたい自然ひとりでむことをるや」と。』
41 われいふ『いなしゆよ、そはあたはぬことなり。』
かれわれにいふ『陰府よみうちたましひへやをんなたいごとし。
42 まんとするものそのうみ苦痛くるしみのがれんといそぐがごとく、此等これらところはじめよりあづけられたるものをへさんといそぐなり。
43 そのときなんぢの見んとのぞむものなんぢあらはされん。』
44 われこたへていふ『われなんぢ御前みまへ恩惠めぐみなば、またもしこはありべきことにして、われこれ相應ふさはしくば、
45 ねがはくはわれにこのことをもしめしたまへ。すなはぎたることよりもきたらんとすることおほきか、あるひ我等われらうへきしことかへつておほかりしか。
46 われぎしことれどもきたらんとすることらず。』
47 かれわれにいふ『みぎかたて。われこの比喩たとへ説明ときあかししめさん。』
48 われちて、しに、よ、ゆるわがまへとほりて、その火熖ほのほすぎゆきたれば、われしに、よ、けむりのみのこれり、
49 そののちあめ滿ちたるくも、わがまへぎ、はげしきいきほひをもてあめらせたり。そのあめいきほひすぎしときしづくのみのこれり。
50 かれわれにいふ『なんぢみづかこゝろうちわきまへよ。あめ、そのしたゝりよりもおほいなるがごとく、またそのけむりよりもおほいなるがごとく、ぎゆきしもののれうおほし。しかもあめしたゝりけむりなほのこれり。』
51 われいのりていふ『われそのときまでくべしとなんぢおもひたまふか。たれかそのときまでのこらんや。』
52 かれわれこたへていふ『なんぢわれたづねたるかのしるしにつきて、われその一部いちぶかたるなり。されどなんぢ生命いのちにつきては、われこれをなんぢかたらんがためにつかはされしにあらず。われこれをらざるなり。