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登録免許税法


登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の全部を改正する。

第一章 総則(第一条 - 第八条)

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(趣旨)

第一条
この法律は、登録免許税について、課税の範囲、納税義務者、課税標準、税率、納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。

(課税の範囲)

第二条
登録免許税は、別表第一に掲げる登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定及び技能証明(以下「登記等」という。)について課する。

(納税義務者)

第三条
登記等を受ける者は、この法律により登録免許税を納める義務がある。この場合において、当該登記等を受ける者が二人以上あるときは、これらの者は、連帯して登録免許税を納付する義務を負う。

(公共法人等が受ける登記等の非課税)

第四条
  1. 国及び別表第二に掲げる者が自己のために受ける登記等については、登録免許税を課さない。
  2. 別表第三の第一欄に掲げる者が自己のために受けるそれぞれ同表の第三欄に掲げる登記等(同表の第四欄に財務省令で定める書類の添附があるものに限る旨の規定がある登記等にあつては、当該書類を添附して受けるものに限る。)については、登録免許税を課さない。

第二章 課税標準及び税率(第九条 - 第二十条)

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(課税標準及び税率)

第九条
登録免許税の課税標準及び税率は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、登記等の区分に応じ、別表第一の課税標準欄に掲げる金額又は数量及び同表の税率欄に掲げる割合又は金額による。

(不動産等の価額)

第十条
  1. 別表第一第一号若しくは第二号又は第四号に掲げる不動産若しくは船舶又はダム使用権の登記又は登録の場合における課税標準たる不動産若しくは船舶又はダム使用権(以下この項において「不動産等」という。)の価額は、当該登記又は登録の時における不動産等の価額による。この場合において、当該不動産等の上に所有権以外の権利その他処分の制限が存するときは、当該権利その他処分の制限がないものとした場合の価額による。
  2. 前項に規定する登記又は登録をする場合において、当該登記又は登録が別表第一第一号又は第二号に掲げる不動産又は船舶の所有権の持分の取得に係るものであるときは、当該不動産又は船舶の価額は、当該不動産又は船舶の同項の規定による価額に当該持分の割合を乗じて計算した金額による。
  3. 前項の規定は、所有権以外の権利の持分の取得に係る登記又は登録についての課税標準の額の計算について準用する。

(一定の債権金額がない場合の課税標準)

第十一条
  1. 登記又は登録につき債権金額を課税標準として登録免許税を課する場合において、一定の債権金額がないときは、当該登記又は登録の時における当該登記又は登録に係る債権の価額又は処分の制限の目的となる不動産、動産、立木、工場財団、鉱業財団、漁業財団、港湾運送事業財団、道路交通事業財団、自動車交通事業財団、観光施設財団、企業担保権、鉄道財団、軌道財団、運河財団、鉱業権、特定鉱業権、著作権、出版権、著作隣接権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、漁業権、入漁権又はダム使用権に関する権利(以下第十四条までにおいて「不動産等に関する権利」という。)の価額をもつて債権金額とみなす。
  2. 前条の規定は、前項の不動産等に関する権利の価額について準用する。

(債権金額等の増額に係る変更の登記の場合の課税標準)

第十二条
  1. 先取特権、質権又は抵当権につき工事費用の予算金額、債権金額又は極度金額を増加する登記又は登録は、その増加する部分の工事費用の予算金額、債権金額又は極度金額についての先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。
  2. 鉱業法 (昭和二十五年法律第二百八十九号)第百十四条第二項 (予定された損害賠償額の登録)の規定により登録されている損害賠償の支払金額を増加する登録は、その増加する部分の支払金額についての予定された損害賠償額の支払の登録とみなして、この法律の規定を適用する。

(共同担保の登記等の場合の課税標準及び税率)

第十三条
  1. 一の登記官署等において、同時の申請(官庁又は公署の嘱託を含む。次項において同じ。)により同一の債権のために数個の不動産等に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存又は設定の登記又は登録(以下この条において「抵当権等の設定登記」という。)を受ける場合には、これらの設定登記を一の抵当権等の設定登記とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、当該設定登記に係る不動産等に関する権利の種類の別により別表第一に掲げる税率が異なるときは、そのうち最も低い税率をもつて当該設定登記の登録免許税の税率とする。
  2. 同一の債権のために数個の不動産等に関する権利を目的とする抵当権等の設定登記を受ける場合において、当該設定登記の申請が最初の申請以外のものであるときは、当該設定登記に係る登録免許税の課税標準及び税率は、当該設定登記がこの項の規定に該当するものであることを証する財務省令で定める書類を添付して当該設定登記の申請をするものに限り、当該設定登記に係る不動産等に関する権利の件数一件につき千五百円とする。

(担保付社債の抵当権の設定の登記等に係る課税の特例)

第十四条
  1. 担保付社債でその総額を二回以上に分割して発行するものの抵当権の設定の登記又は登録については、登録免許税を課さない。この場合には、当該担保付社債につき担保付社債信託法 (明治三十八年法律第五十二号)第六十三条第一項 (分割発行の場合の社債発行に関する登記)の規定によつてする登記又は鉄道抵当法 (明治三十八年法律第五十三号)第三十条ノ二第二項 (数回に分けて発行する担保付社債の登録)の規定によつてする登録を抵当権の設定の登記又は登録とみなし、かつ、その回の当該担保付社債の金額の合計額を債権金額とみなして、この法律の規定を適用する。
  2. 前項の規定の適用がある担保付社債の抵当権の移転の登記又は登録に係る登録免許税の課税標準は、当該登記又は登録の申請前に発行された当該担保付社債の金額の合計額とする。この場合において、当該担保付社債の金額がないときは、当該登録免許税の課税標準及び税率は、当該登記又は登録に係る不動産等に関する権利の件数一件につき千五百円とする。
  3. 前二項の規定は、担保付社債でその総額を二回以上に分割して発行するものの企業担保権の設定又は移転の登記について準用する。

(課税標準の金額の端数計算)

第十五条
別表第一に掲げる登記又は登録に係る課税標準の金額を計算する場合において、その全額が千円に満たないときは、これを千円とする。

(課税標準の数量の端数計算)

第十六条
別表第一に掲げる登録に係る課税標準の数量を計算する場合には、次に定めるところによる。
一  別表第一第三号に掲げる航空機の重量は、航空機の自重トン数により、当該トン数に一トン未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、当該トン数が一トンに満たないときは、これを一トンとする。
二  別表第一第二十号に掲げる鉱区若しくは租鉱区又は同表第二十二号に掲げる共同開発鉱区の面積に十万平方メートル未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、当該面積が十万平方メートルに満たないときは、これを十万平方メートルとする。

(仮登記等のある不動産等の移転登記の場合の税率の特例)

第十七条
1. 別表第一第一号(十二)イからホまでに掲げる仮登記がされている同号に掲げる不動産について、当該仮登記に基づき所有権の保存若しくは移転の登記、地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の設定、転貸若しくは移転の登記、信託の登記又は相続財産の分離の登記を受ける場合には、これらの登記に係る登録免許税の税率は、当該不動産についての当該登記の同号の税率欄に掲げる割合から次の表の上欄に掲げる登記の区分に応じ同表の下欄に掲げる割合を控除した割合とする。
所有権の保存の登記千分の二
所有権の相続(相続人に対する遺贈を含む。以下同じ。)又は法人の合併による移転の登記千分の二
所有権の共有物(その共有物について有していた持分に応じた価額に対応する部分に限る。以下同じ。)の分割による移転の登記千分の二
所有権のその他の原因による移転の登記千分の十
地上権、永小作権、賃借権又は採石権の設定又は転貸の登記千分の五
地上権、永小作権、賃借権又は採石権の相続又は法人の合併による移転の登記千分の一
地上権、永小作権、賃借権又は採石権の共有に係る権利(その共有に係る権利について有していた持分に応じた価額に対応する部分に限る。以下同じ。)の分割による移転の登記千分の一
地上権、永小作権、賃借権又は採石権のその他の原因による移転の登記 千分の五
所有権の信託の登記千分の二
先取特権、質権又は抵当権の信託の登記千分の一
所有権、先取特権、質権及び抵当権以外の権利の信託の登記千分の一
所有権である相続財産の分離の登記千分の二
所有権以外の権利である相続財産の分離の登記千分の一
2. 所有権の移転の仮登記又は所有権の移転請求権の保全のための仮登記がされている別表第一第二号に掲げる船舶について、これらの仮登記に基づきその所有権の移転の登記を受ける場合には、当該登記に係る登録免許税の税率は、同号(二)の税率欄に掲げる割合から千分の四を控除した割合とする。
3. 所有権の移転の仮登録又は所有権の移転請求権の保全のための仮登録がされている航空機について、これらの仮登録に基づき移転登録を受けるときは、当該登録に係る登録免許税の税率は、一トンにつき一万五千円とする。
4. 地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の設定の登記がされている土地又は賃借権の設定の登記がされている建物について、その土地又は建物に係るこれらの権利の登記名義人がその土地又は建物の取得に伴いその所有権の移転の登記を受けるときは、当該登記に係る登録免許税の税率は、別表第一第一号(二)の税率欄に掲げる割合に百分の五十を乗じて計算した割合とする。

(事業協同組合等が組織変更により受ける設立登記の税額)

第十七条の二
事業協同組合、企業組合その他の政令で定める者が、その組織を変更し、株式会社となる場合における組織変更による株式会社の設立の登記に係る登録免許税の額は、税率を千分の七として計算した金額(当該金額が十五万円に満たないときは、十五万円)とする。

(特例有限会社の通常の株式会社への移行の登記)

第十七条の三
会社法 の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第八十七号)第四十六条 (特例有限会社の通常の株式会社への移行の登記)の規定による株式会社の設立の登記は、別表第一第二十四号(一)ホに掲げる組織変更による株式会社の設立の登記とみなして、この法律の規定を適用する。

(二以上の登記等を受ける場合の税額)

第十八条
同一の登記等の申請書(当該登記等が官庁又は公署の嘱託による場合には、当該登記等の嘱託書)により、別表第一に掲げる登記等の区分に応じ二以上の登記等を受ける場合における登録免許税の額は、各登記等につき同表に掲げる税率を適用して計算した金額の合計金額とする。

(定率課税の場合の最低税額)

第十九条
別表第一に掲げる登記又は登録につき同表に掲げる税率を適用して計算した金額が千円に満たない場合には、当該登記又は登録に係る登録免許税の額は、千円とする。

(政令への委任)

第二十条
この章に定めるもののほか、登録免許税の課税標準及び税額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。

第三章 納付及び還付

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第一節 納付(第二十一条 - 第三十条)

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第二節 還付(第三十一条)

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(過誤納金の還付等)

第三十一条
  1. 登記機関は、次の各号のいずれかに該当する事実があるときは、遅滞なく、当該各号に掲げる登録免許税の額その他政令で定める事項を登記等の申請をした者又は登記等を受けた者(これらの者が二人以上ある場合には、そのうち登記機関の選定した者)の当該登録免許税に係る第八条第二項の規定による納税地の所轄税務署長に通知しなければならない。
    一 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請が却下されたとき(第四項において準用する第三項の証明をする場合を除く。)。 当該納付された登録免許税の額
    二 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請の取下げがあつたとき(第三項の証明をする場合を除く。)。当該納付された登録免許税の額
    三 過大に登録免許税を納付して登記等を受けたとき。 当該過大に納付した登録免許税の額
  2. 登記等を受けた者は、当該登記等の申請書(当該登記等が官庁又は公署の嘱託による場合にあつては当該登記等の嘱託書とし、当該登記等が免許等である場合にあつては財務省令で定める書類とする。)に記載した登録免許税の課税標準又は税額の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、登録免許税の過誤納があるときは、当該登記等を受けた日(当該登記等が免許等である場合において、当該免許等に係る第二十四条第一項又は第二十四条の二第二項に規定する期限が当該免許等をした日後であるときは、当該期限)から一年を経過する日までに、政令で定めるところにより、その旨を登記機関に申し出て、前項の通知をすべき旨の請求をすることができる。
  3. 登記機関は、登記等を受ける者から登記等の申請の取下げにあわせて、当該登記等の申請書(当該登記等が第二十三条の官庁又は公署の嘱託による場合にあつては当該登記等の嘱託書とし、当該登記等が免許等である場合又は第二十四条の二第三項の規定により第二十一条から第二十三条までの規定を読み替えて適用する場合にあつては当該登記等に係る登記機関の定める書類とする。次項において同じ。)にはり付けられた登録免許税の領収証書又は印紙で使用済みの旨の記載又は消印がされたものを当該登記官署等における登記等について当該取下げの日から一年以内に再使用したい旨の申出があつたときは、政令で定めるところにより、当該領収証書又は印紙につき再使用することができる証明をすることができる。この場合には、第五項の申出があつたときを除き、当該証明を受けた領収証書又は印紙に係る登録免許税は、還付しない。
  4. 前項の規定は、登記機関が、登記等の却下に伴い当該登記等の申請書を当該申請者に返付する場合において、当該申請書にはり付けられた登録免許税の領収証書又は印紙で使用済みの旨の記載又は消印がされたものを当該登記官署等における登記等について当該却下の日から一年以内に再使用させることを適当と認めるときについて準用する。
5  第三項(前項において準用する場合を含む。)の証明を受けた者は、当該証明に係る領収証書又は印紙を再使用しないこととなつたときは、当該証明をした登記機関に対し、当該証明のあつた日から一年を経過した日までに、政令で定めるところにより、当該証明を無効とするとともに、当該領収証書で納付した登録免許税又は当該印紙の額に相当する登録免許税の還付を受けたい旨の申出をすることができる。この場合において、当該申出があつたときは、当該申出を新たな登記等の申請の却下又は取下げとみなして第一項の規定を適用する。
  1. 第二十四条の二第一項に規定する財務省令で定める方法により登録免許税を納付した者が当該登録免許税の納付に係る登記等を受けることをやめる場合には、当該登録免許税を納付した者は、当該納付した日から六月を経過する日までに、政令で定めるところによりその旨を登記機関に申し出て、当該登録免許税の額その他政令で定める事項を当該登録免許税を納付した者の当該登録免許税に係る第八条第二項の規定による納税地の所轄税務署長に対し通知をすべき旨の請求をすることができる。
  2. 第二十四条の二第一項に規定する財務省令で定める方法により登録免許税を納付した者が当該納付した日から六月を経過する日までに当該登録免許税の納付に係る登記等の申請をしなかつた場合には、前項の請求があつたものとみなす。
  3. 登録免許税の過誤納金に対する国税通則法第五十六条 から第五十八条 まで(還付・充当・還付加算金)の規定の適用については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日に納付があつたものとみなす。ただし、第四号に規定する登録免許税に係る過誤納金のうち同号に定める日後に納付された登録免許税の額に相当する部分については、この限りでない。
    一 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請を却下した場合(第四項において準用する第三項の証明をした場合を除く。) 当該却下した日
    二 第五項の申出があつた場合 当該申出があつた日
    三 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請の取下げがあつた場合(第三項の証明をした場合を除く。) 当該取下げがあつた日
    四 過大に登録免許税を納付して登記等を受けた場合 当該登記等を受けた日(当該登記等が免許等である場合において、当該免許等を受けた日が当該免許等に係る第二十七条第二号に定める期限前であるときは、当該期限)
    五 第二十四条の二第一項に規定する財務省令で定める方法により登録免許税を納付した者が当該登録免許税の納付の基因となる登記等の申請をしなかつた場合 第六項の申出があつた日(同項の申出がなかつた場合には、前項に規定する六月を経過する日)

第四章 雑則(第三十二条 - 第三十五条)

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附則

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別表第一

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別表第二

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別表第三

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外部リンク

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