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大東亜政略指導大綱

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第一 方針

一 帝国ハ大東亜戦争完遂ノ為帝国ヲ中核トスル大東亜ノ諸国家諸民族結集ノ政略態勢ヲ更ニ整備強化シ以テ戦争指導ノ主導性ヲ堅持シ世界情勢ノ変轉ニ対処ス 政略態勢ノ整備強化ハ遅クモ本年十一月頃迄ニ達成スルヲ目途トス  

二 政略態勢ノ整備ハ帝国ニ対スル諸国家諸民族ノ戦争協力強化ヲ主眼トシ特ニ支那問題ノ解決ス  

第二 要領  

一 対満華方策

帝國ヲ中心トスル日満華相互間ノ結合ヲ更ニ強化ス
(イ)対満方策
既定ノ方針ニ據ル
(ロ)対華方策
「大東亜戦争完遂ノ爲ノ対支処理根本方針」ノ徹底具現ヲ圖ル爲右ニ即應スル如ク別ニ定ムル所ニ據リ日華基本條約ヲ改訂シ日華同盟條約ヲ締結ス之ガ爲速ニ諸準備シ整フ

二 対泰方策

既定方針ニ基キ相互協力ヲ強化ス特ニ「マライ」ニ於ケル失地回復、経済協力強化速ニ実行ス
「シャン」地方ノ一部ハ泰国領ニ編入スルモノトシ之ガ実施ニ関シテハ「ビルマ」トノ関係ヲ考慮シテ決定ス

三 対佛印方策

既定方針ヲ強化ス  

四 対緬方策

昭和十八年三月十日大本営政府連絡会議決定緬甸独立指導要綱ニ基キ施策ス  

五 対比方策

成ルヘク速ニ独立セシム  
独立ノ時期ハ概ネ本年十月頃ト予定シ極力諸準備ヲ促進ス  

六 其他ノ占領地域ニ対スル方策ヲ左ノ通定ム  

但シ(ロ)(ニ)以外ハ当分発表セス  

(イ)「マライ」、「スマトラ」、「ジャワ」、「ボルネオ」、「セレベス」ハ帝国領土ト決定シ重要資源ノ供給源トシテ極力之ガ開発竝ニ民心ノ把握ニ努ム  
(ロ)前号各地域ニ於テハ原住民ノ民度ニ應シ努メテ政治ニ参與セシム  
(ハ)ニューギニア等(イ)以外ノ地域ノ處理ニ関シテハ前二号ニ準シ追テ定ム  
(ニ)前記各地ニ於テハ当分軍政ヲ継續ス  

七 大東亜会議  

以上各方策ノ具現ニ伴ヒ本年十月下旬頃(比島独立後)大東亜各国ノ指導者ヲ東京ニ参集セシメ牢固タル戦争完遂ノ決意ト大東亜共栄圏ノ確立トヲ中外ニ宣明ス

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。