国際連合総会決議ES-11/1
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第11回緊急特別総会
議題5
2014年2月28日付国際連合ウクライナ常駐代表より安全保障理事会議長に宛てた書簡(S/2014/136)
2022年3月2日に総会において採択された決議
主要委員会(A/ES-11/L.1 and A/ES-11/L.1/Ad.1)には言及しない。
ES-11/1. ウクライナに対する侵略
総会は、
国家間の法の支配の促進における国際連合憲章の最も重要な点を再確認し、
全ての国の義務は憲章第2条に基づき、その国際関係において、武力による威嚇または武力の行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎み、かつ、その国際紛争を平和的手段により解決することであることを想起し、
また、憲章第2条(2)に基づく義務として、全ての加盟国は、加盟国の地位から生ずる権利及び利益を加盟国の全てに保障するために、憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならないことを想起し、
文書S/Agenda/8979に含まれる問題を検討するため、緊急特別総会の召集を決議した2022年2月27日の安全保障理事会決議2623(2022)に留意し、
「平和のための結集」と題する1950年11月3日の総会決議第377 A (V)を想起し、第8979回会合において常任理事国の全会一致の欠如により、安全保障理事会が国際平和と安全の維持に対する主要な責任を行使できないことを考慮し、
また、1970年10月24日の決議2625 (XXV)において、国際連合憲章に従った諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言を承認し、その中で、国の領域は武力の威嚇または使用の結果により他国が取得する対象としてはならないこと、ならびに国または地域の統一及び領土保全またはその政治的独立の全部または一部の破壊を目的とするいかなる試みも、この憲章の目的および原則と相容れないことを想起し、
さらに、1974年12月14日の決議3314 (XXIX)において、侵略とは他国の主権、領土保全または政治的独立に対する国家の武力行使または憲章と矛盾するその他方法と定義していることを想起し、
自由、平和、正義及び人権の尊重を基礎とする国際平和を維持・強化すること、ならびに政治、経済及び社会制度またはその発展に関わらず諸国間の友好関係を発展させることの重要性に留意し、
1975年8月1日にヘルシンキで署名された全欧安全保障協力会議の最終文書及び、1994年12月5日の核兵器不拡散条約へのウクライナの加盟に関連した安全保障上の覚書(ブダペスト覚書)を想起し、
2022年2月24日、ロシア連邦によるウクライナでの「特別軍事作戦」宣言を非難し、
武力による威嚇または武力の行使の結果として生じるいかなる領土の取得も合法的なものと認められないことを再確認し、
住宅、学校、病院といった民間施設への攻撃や、女性、高齢者、障害者、子供を含む民間人の死傷者の報告について重大な懸念を表明し、
ウクライナ主権領域内におけるロシア連邦の軍事行動は、国際社会がこの数十年間ヨーロッパにおいて見たことにない規模であり、この世代を戦争の惨禍から救うために緊急の行動が必要であることを認識し、
一国が他国に対して武力行使することは、全ての国が守ることを約束した原則を否定することであり、ロシア連邦の現在の軍事攻勢は憲章に反することを想起した2022年2月24日の事務総長声明に賛同し、
ロシア連邦が核戦力の準備態勢を強化することを決定したことを非難し、
人道支援を必要とする国内避難民と難民の数を増加によるウクライナとその周辺における人道的状況の悪化に重大な懸念を表明し、
また、世界のいくつかの地域で何百万人もの人々が飢餓または差し迫った飢餓のリスクに直面若しくは深刻な食糧不安に陥っている中、ウクライナとその地域は穀物と農産物輸出の世界的な重要地域の一つであることから、世界的に食糧不安が高まる可能性とエネルギー安全保障についても同様に、深刻な懸念を表明し、
事務総長及び欧州安全保障協力機構その他国際・地域機関によるウクライナに関する状況のデエスカレーションを支援するための継続的な努力を歓迎し、対話の継続を奨励し、
1. ウクライナの主権、独立、統一及び領土保全に対するコミットメントを、その領海に及ぶ国際的に認められた国境内において再確認する。
2. 憲章第2条 (4)に違反するロシア連邦によるウクライナへの侵略を最も強い言葉で遺憾の意を表明する。
3. ロシア連邦に対して、ウクライナに対する武力行使を直ちに停止し、いかなる加盟国に対してもこれ以上の不法な武力による威嚇または行使を行わないよう要求する。
4. また、ロシア連邦が国際的に承認された国境のウクライナ領内から、直ちに完全かつ無条件に全ての軍を撤退させることを要求する。
5. ウクライナのドネツク州及びルハンスク州の特定地域の地位に関するロシア連邦の2022年2月21日の決定は、ウクライナの領土保全と主権の侵害であり、憲章の原則と矛盾しており、遺憾の意を表明する。
6. ロシア連邦に対し、ウクライナのドネツク州及びルハンスク州の特定地域の地位に関する決定を即時かつ無条件で撤回することを要求する。
7. ロシア連邦に対し、憲章及び友好関係宣言に定める原則を遵守することを要請する。
8. 締約国に対して、ミンスク合意を遵守し、その完全実施に向けてノルマンディー方式及び三カ国連絡グループを含む関連する国際的枠組みにおいて、建設的に作業することを要請する。
9. 全ての当事国に対し、ウクライナ国外への安全かつ自由な通行を許可し、ウクライナで支援を必要としている人々への迅速、安全かつ自由な人道支援アクセスを促進し、人道支援要員や女性、高齢者、障害者、先住民、移民、子供を含む脆弱な状況にある人々を含む民間人を保護し、人権を尊重するよう要求する。
10. ベラルーシがウクライナに対する今回の不法な武力行使に関与していることに遺憾の意を表明するとともに、同国に対して国際的義務を遵守するよう求める。
11. 全ての国際人道法違反と人権の侵害・冒瀆を非難し、全ての当事国に対して、適用される場合には、1949年のジュネーヴ条約及び1977年のその追加第一議定書を含む国際人道法の関連規定を厳格に尊重し、また国際人道法を尊重することを要求し、この点に関して、全ての当事国に対し、専ら医療業務に従事する全ての医療従事者及び人道援助者、同様に病院及びその他医療施設に対する尊重及び保護をより一層要求する。
12. 全ての当事国に対し、国際人道法の下で民間人及び民間用物品を避ける義務を完全に遵守し、民間人の生存に不可欠な物品の攻撃、破壊、除去または使用不能にすることを避け、人道支援活動に従事する人員及び託送品を尊重し保護することを要求する。
13. 緊急援助調整官に対し、本決議採択後30日以内にウクライナの人道的状況及び人道的対応に関する報告書を提出するよう要請する。
14. ロシア連邦とウクライナの間の紛争を政治的対話、交渉、調停及びその他の平和的手段により直ちに平和的に解決することを勧告する。
15. 事務総長、加盟国、欧州安全保障協力機構及びその他国際・地域機関による現状のデエスカレーションを支援するための継続的努力、またはロシア連邦による侵略が生み出した人道的・難民危機に対応するための国際ウクライナ危機調整官を含む国際連合及び人道支援組織の努力を歓迎し、勧告する。
16. 第11回緊急特別総会を一時的に閉会し、加盟国の要請があれば総会議長に会議を開催する権限を与えることを決定する。
2022年3月2日 第1回全体会議
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